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今日、化学の授業で電池について学びました。

電解質水溶液にイオン化傾向の異なる金属板を浸し金属板を導線でつなぐと電子が流れ電流が流れるといったことを先生が言ってました。

例えばボルタ電池は、
亜鉛板と銅板を希硫酸にひたしますよね。
すると、亜鉛板では Zn→Zn2+ + 2e- という酸化の反応を起こすと思うのですが、銅板では Cu→Cu2+ + 2e- という酸化の反応は起こらないのでしょうか?

もし電解質水溶液を希硫酸、イオン化傾向の異なる金属を銅と銀にして導線でつないだら電流は流れるでしょうか?

誰か教えてください。

A 回答 (4件)

高校の化学の教科書ではボルタ電池を扱わなくなってきています。

ダニエル電池から入ります。
高校の化学としては電池・電気分解を酸化・還元反応の単元の中で扱っています。イオン化傾向もこの単元の中で扱います。
ボルタ電池は歴史的には重要なものでしょうが反応の仕組みを考えると簡単なものではありません。反応の条件がきちんと整理されていないのです。
希硫酸を使ったボルタ電池でも条件のあいまいな所がたくさんあります。食塩水を使ったボルタ電池はさらにあいまいです。
「希硫酸を使ったボルタ電池」は亜鉛と硫酸の反応
Zn+H2SO4→H2+ZnSO4
を基本反応としたものだというのを#2に書きました。
「銅=Cu」と考えるとこの反応以外には考えられません。このときに予想される起電力は約0.7Vです。でもよく使われているボルタ電池では1Vほどの起電力が生じます。「銅≠Cu」としなければいけません。銅板の表面をバーナーで加熱して酸化銅の膜を作って実験すると約1Vの起電力が生じます。豆球をつけても長持ちします。これをヒントにして考えると普通のボルタ電池では銅の表面に生じている銅の化合物が決め手になっているのだろうということが分かります。

「食塩水を使ったボルタ電池」の基本反応は何でしょう。
亜鉛は食塩水には溶けないはずです。電池を構成する物質(銅、亜鉛、食塩水)の組み合わせでは反応が起こらないのです。でも電流は流れます。この場合も銅≠Cuとしなければいけない事になります。銅板の表面についている銅の化合物が無くなれば終わりのはずです。ところが結構長持ちします。そこで水の中に溶け込んだ酸素の働きも合わさっているだろうということになっています。銅板の表面で酸素が還元され亜鉛の酸化とつりあう事になります。
ボルタ電池が高等学校で扱うのに不適当な例であるとされている理由が分かると思います。
TVでやるような電流が流れたらそれでいいという立場とどういう仕組みで流れるのかと言う原理まで考えるという立場の違いです。
イオン化傾向の異なる2つの金属という電池の考え方は高校の化学で扱う立場ではないのです。銅=Cuとしては説明できないのですからイオン化傾向を当てはめるわけには行きません。
一度2種類の銅板を用意して希硫酸のボルタ電池で試してみてください。よく磨いたきれいな銅板と古い銅板とで豆球のつき方を比べるのです。銅=Cuであればキレイな銅板の方のつき方がいいはずですね。
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学習の入り口ということなので、高校の授業レベルであろう範囲で記述します。



電池の単元は、その前に学習する『金属のイオン化傾向』での「イオン化列」をおさえておく必要があります。

硫酸中には水素イオンH+がありますね。
H+と亜鉛Znと銅Cuとでイオン化傾向の大小関係を比べると、Zn>(H+)>Cu の順ですね。

つまりH+よりもイオン化傾向の小さいCuのほうがより「イオンになりにくい(単体でいやすい)」ので、硫酸と反応して溶け出すことはありません。
(※絶対に100%溶けないかというと厳密には疑問符がつきますが、今はそこまでの知識は必要ないでしょう。)

もしCu→Cu2+ + 2e-の反応が起きれば、正極・負極どちらでも酸化反応が起きていることになりますから、電子の流れがむちゃくちゃになってしまいます。それでは電池として使いにくくなってしまいますね。
(※『酸化反応と還元反応は同時に起きる』ということは酸化剤・還元剤の単元で学習しているかと思います。)


銅と銀との場合ですが、どちらの金属もH+よりイオン化傾向が小さいですから、溶け出して電子を放出することはありません。
つまり起電力が発生しませんから、電流は流れません。


余談ですが、亜鉛と銅を硫酸にひたすのは「ボルタ電池のモデル」であり、仕組みを理解するのに説明がしやすい構造です。
実際にボルタが使った電解質溶液は食塩水でした。「ボルタの電堆(でんたい)」というものです。
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高等学校でしょうね。



>電解質水溶液にイオン化傾向の異なる金属板を浸し金属板を導線でつなぐと電子が流れ電流が流れる

電池をこののように定義するというのをいまだにやっているのですか。
ちょっと驚きです。TVなどのデモではよく使われていますが学校で使われているとは思いませんでした。根強くいきわたっているイメージです。

高校では酸化・還元反応のところで電池が出てきます。
電池反応は酸化・還元反応であるというのも書かれているはずです。
イオン化傾向の異なる2つの金属が基本物質ではなくて酸化剤・還元剤が基本物質です。電極の金属は反応物質である場合もありますが導線の役割しかしていない場合もあります。両方の電極に炭素棒を用いて正負の極を隔壁で隔て、酸化剤水溶液と還元剤水溶液を入れても電池になります。
電極は電気を伝えるもの(=導体)でなければいけませんから金属の場合が多いです。電解質溶液も酸化・還元反応にかかわってくる場合もあれば電流が持続的に流れる環境を作っているだけの場合もあります。

例に挙げられているボルタ電池は
「亜鉛版を希硫酸に浸すと水素を発生して溶ける、亜鉛は亜鉛イオンに変わる」という酸化・還元反応を利用したものです。銅板を希硫酸に入れても反応しないというのも習っているはずです。とすれば電極としての銅板は導体としての役割しかしていないということが分かるはずです。亜鉛板と銅板とを銅線でつないで希硫酸の中に入れれば亜鉛板の表面から水素が出ます。でもこれでは電池になりません。導銅で結ばれた銅板上からも水素が出ます。これは金属内部では電子が自由に移動できるというイメージで考えておいてください。「亜鉛が亜鉛イオンに変わるときに放出された電子が亜鉛板の表面と銅板の表面との両方でH+に渡されH2に変わる」ということになります。これで効率は悪いですが電流が流れた事になります。
かつて「電解質水溶液にイオン化傾向の異なる金属板を浸し」と言われたときの「金属」は今で言う金属と少し意味が異なっていると思います。銅=Cuではないのです。日常的には主成分が銅であれば何か混じっていても銅です。表面に酸化膜が出来ているかもしれないというのも関係ありません。Cuと書けば純物質の銅ですからもし表面にCuOがあれば別の物質として考えます。
ボルタ電池を作るときの銅板は錆びた銅板の方が良いと書かれていたときもありますから化学式を用いた現在の表現とは区別して考える必要があります。「減極剤」という言葉もその当時の言葉です。金属が主で酸化剤が脇役という考え方のときです。
私は電地を「酸化・還元反応に伴って生じる電子の移動を外部回路に取り出して利用する装置」と考えています。

御質問の銅と銀の組み合わせの場合についてです。
イオン化傾向から
・銅も銀も希硫酸とは反応しない
・銀は銅よりもイオン化傾向が小さい

反応が起こるとしたら
Cu+2Ag+→2Ag+Cu2+
です。これはの銀メッキの反応に相当します。
銀イオンがなければ起こりません。
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>銅板では Cu→Cu2+ + 2e- という酸化の反応は起こらないのでしょうか?


もし、銅板と亜鉛板を導線でつながなければ、この反応は「(少しだけ)起きます」。これを半電池と言います。これには起電力が伴います。
一方同じ状態で亜鉛板も同じく酸化反応の半電池になります。そして銅とは異なった大きさの起電力が生じます。
いま両方の金属板を導線でつなぐと、亜鉛が溶け出す「起電力」(電位)の方が銅が溶け出す「起電力」(電位)より大きいため銅は酸化されず、溶液中に銅イオンもないため、銅板上では水が還元されて水素ガスが発生します。(溶液中に銅イオンがあるとイオン化傾向は水素の方が銅より大きいので水素ガスは発生せず銅が沈着します)

水素ガスの発生の場合、水素も半電池を構成します。(電極は特に選びませんがイオン化傾向の非常に小さい白金などが水素との親和性が良いことなどから良く使われます)
H2→2H+ +2e-

>イオン化傾向の異なる金属を銅と銀にして導線でつないだら…
良い質問です。
反応が起きるとしたら銅が溶け、銀板の上で水素ガスが発生するはずです。でも銅と水素では水素の方がイオン化傾向は大きいのでこの反応は不利です。そのためこの反応は起きない「はず」です。
しかし、もし溶液中に銀イオンがあった場合は話が違います。この場合銅は溶け銀板上に銀が沈着します。
ここでも銀の半電池が出来るのです。
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