
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
「人格」という言葉の元々の意味や用法は別に、現代日本ではどういう風に使われているかというと、三つぐらいに分かれます。
1)これが心理学などで普通に使われる意味ですが、「パーソナリティ personality」の訳語または同義語として使われます。
パーソナリティとは何かといいますと、ある人の見かけの体の背景にあって、その言動、つまり言葉や行為などを意図的に行っている主体の「ありよう」だということになります。パーソナリティは、「主体」という実体と、どういう主体かという、その特徴や性格・性質を指す場合があります。
心理学では、外部から観察される、ある人の言動の様式など、一種の数値的に、または性質的に把握できる、個人の行為の特質の集まりを「パーソナリティ=人格」とよびます。こういう定義で、パーソナリティには、意識的部分と無意識的部分があるという話にもなります。
無意識の場合、本人は意識できなくても、外から他者は観察できるからです。「パーソナリティの心理学」は、パーソナリティが、どういう構造や特徴や、安定性についての機構をもっているかを研究します。
2)ある人の言動の背景にあると考えられる主体的な何かの特徴や構造を、パーソナリティの構造と言いますが、この場合、パーソナリティつまり「人格」は、何か、人間が持つ、主体的「実体」だと考えられます。こういう実体は、法律などで、「自然人格」といいます。
つまり、何かの事件の時、責任を問うことができ、また主体的に責任や義務を負う主体が、人格であるのです。ある人格は法律を厳格に守るが、別の人格は、平気を法律を破るというとき、この場合は、人格=パーソナリティの個別的な特徴や構造を考えているのです。
この普通は、人間がそなえている「自然人格」と類比的に、企業や団体などに、責任や義務が課され、企業や団体がそれに応じなければならないものの場合、これらの企業や団体は人間ではないのですが、法律上、人格を持っているとみなし、これを「法人格」と言います。この場合、「人格」は、法律的な義務や責任の所在者・主体のことを意味しています。
3)「人格」のもう一つの用法は、これが古い用法だと思うのですが、人間として普通でなく、倫理的・道徳的に優れた人の人格を、「優れた人格」という「優れた」を省いて、単に「人格」とよぶ場合があります。
赤ちゃんは、何歳または胎児年齢何ヶ月から人格を認めるべきか、というのは、宗教的文化的な意味もありますが、広い意味で、法律的に、2の意味での「責任主体・行為主体」の成立を考えています。
赤ちゃんは義務や責任は担えないとしても、近代では、「権利」というものが人格には付随し、それゆえ、いつ頃から人格があるかないかが問題になります。
カトリック教会は、卵子と精子の結合の瞬間またはそれからごく短い時期に、嬰児の人格を認めますから、誕生前の堕胎・中絶は「殺人だ」と考えます。多くの国では、法律的には、出産して法的に届出があると、人格が承認され、一旦、人格の承認が行われると、これを殺すと殺人になります。
「あの人は人格ができている」「あの人は人格者」だというときの「人格」は、3の意味なのです。「あの人は人格ができている」というのは、「優れた人格である」という意味です。
「人格」は大体、この三つの意味で、場面ごとで使い分けられるので、混乱が起こるのだとおもいます。
No.2
- 回答日時:
広辞苑第五版では以下のように定義されていますが……
じん‐かく【人格】(personality)
1)人がら。人品。「―を磨く」
2)〔心〕(→)パーソナリティーに同じ。
3)道徳的行為の主体としての個人。自律的意志を有し、自己決定的であるところの個人。
4)法律関係、特に権利・義務が帰属し得る主体・資格。権利能力。
そういうことではないのでしょうか。
この回答へのお礼
お礼日時:2002/10/16 01:56
ご回答頂き真にありがとうございます。
「人格」については、私も家の辞書で調べてみたのですが、小中学生向けのものなので詳しくは載っていなかった為、こちらで質問させて頂いたのですが、大変参考になりました。お礼申し上げます。
No.1
- 回答日時:
難しいテーマですね。
字の、まさに文字通りの意味を手繰るのならば、人柄とか品性という意味を表すのでしょうか。
これが、心理学的なものになると、性格とか特性なんて意義が生まれてきますよね。自我とかもありなのかな?
あとは…法律的な解釈をするのであれば、権利に対する能力を持つというところですかね。
倫理的…「いつから人格になるのか」という意味合いでならば、道徳的観念における、義務、権利、責任などを負うってことなのかな?
一義的な意味合いにおいては、「人格」は定義しにくいように思います。
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