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熱が物質中を伝わるとはどういうことでしょうか?
たとえば、固体中では、原子が自由に動くことなくある場所で振動しています。この振動の激しさが、伝わるということが熱が伝わるということでしょうか?金属は自由電子があるから早く熱が伝わるとも聞いたことがあります。熱と電子の関係はどうなっているのでしょうか?
ミクロな観点で熱が伝わる仕組みを教えていただけないでしょうか?

A 回答 (9件)

No.8の補足に対して。



> そうするとフォノンという粒子を考えるということは、大昔から考えられ
> ている熱素のような概念ということなのでしょうか?その粒子が多いと
> ころで大きな熱があるということでしょうか。それとも熱というエネルギ
> ー形態の運び手としてフォノンがあって熱が運ばれるということでしょうか。

「熱というエネルギー形態の運び手としてフォノンがあって熱が運ばれる」
というのが正しい認識でしょう。
フォノンは金属で言うと電子、気体で言うと分子に相当していて、
あるエネルギーを持ったフォノンが他の場所に移動することによって
エネルギーを運びます。
ただ、金属の電子や気体の分子と違うのは、粒子数が変化することです。
温度を上げればフォノンは増えます。(大きなエネルギーを持ったフォノン
の割合も増えます。)こういうところはフォノン自信が熱素のようなものと
言えなくもないです。
しかし、例えばはじめに温度勾配があって、時間がたって均一な温度になっ
たとします。そうすると、ちゃんと計算してませんが、フォノンの数がはじ
めと後とで違うはずです。ですから、熱素のようなものと言ってしまうと、
ちょっと間違いを犯しかねません。
そもそも熱素説は今では否定されてますからね。
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> 固体中では、原子が自由に動くことなくある場所で振動しています。


> この振動の激しさが、伝わるということが熱が伝わるということでしょうか?
その通りです。
通常フォノンという粒子のようなものを考えて、フォノンが動き回っている
というイメージで考えます。温度が高い部分、つまり格子振動の激しい部分
がフォノン密度が大きい、低い部分はその逆ということになります。
熱が伝わるということは、フォノンでいうと不均一な密度が一様になるように
フォノンが流れることによります。

> 金属は自由電子があるから早く熱が伝わるとも聞いたことがあります。
これもその通りです。
上との違いは、フォノンによる熱伝導以外に電子による熱伝導が加わります。
単にこれだけの説明でも金属の方が熱がよく伝わることになりますが、
実はフォノンによる熱伝導よりも自由電子による熱伝導の方がかなり大きく
なります。熱伝導度は
 κ=(1/3)cvλ
で表され、cは(フォノンの場合はフォノンによる、電子の場合は電子による)
単位体積あたりの比熱で、vはフォノンまたは電子の速度、λはフォノンまた
は電子の平均自由行程です。各定数をフォノンと電子で比較しますと、およそ
 電子による比熱はフォノンの1/100倍
 電子の速度はフォノンの200倍
 電子の平均自由行程はフォノンの15倍
となります。これらから
 電子による熱伝導度はフォノンの30倍
となります。電子による熱伝導度が大きいのは電子の速度が大きく
電子の平均自由行程も大きいことによるということですね。

参考までに空気のような気体の場合はcが小さいために熱伝導度は小さく
なります。この原因は単位体積に存在する分子の数が少ないことによります。
熱を伝える分子が少ないのだから熱伝導度は小さくて当然ですね。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
そうするとフォノンという粒子を考えるということは、大昔から考えられている熱素のような概念ということなのでしょうか?その粒子が多いところで大きな熱があるということでしょうか。それとも熱というエネルギー形態の運び手としてフォノンがあって熱が運ばれるということでしょうか。やはり熱の実態がよくつかめませんが、
とにかく、熱伝導のメカニズムはかなりクリアに理解できるようになりました。

お礼日時:2002/10/23 11:33

ANo.#2の補足に関しまして、


>いろいろな種類があるのですね。
>これは、最先端の知識なのでしょうか?それともだいぶ前に知られていたことなのでしょうか?

だいぶ前(50年位前?)に知られていたことだと思います。
大学3,4年生向けの初等的な教科書にも詳細な説明がのっています。
(キッテル、バーンズ、ザイマン、キンガリー他)

>また、4,5のホールが熱を伝えるというのはどういう感じでしょうか。ちょっとイメージがつかみにくいですねぇ。

ホールは電子とは逆方向に流れるので、
電子が逆向きに熱を伝えているイメージかと思います。

>ところで、このようなことを研究する人はどんなところの大学?研究所?でべんきょうされているのでしょう?

製造メーカーに勤めています。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
物理学では常識なのですねぇ。じっくり教科書を勉強してみます。

お礼日時:2002/10/21 18:19

ごめんなさい訂正です。


>金属の方が気体、液体よりも熱を伝えにくいことになります。
金属の方が気体、液体よりも熱を伝えやすいことになります。
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この回答へのお礼

詳しい説明どうもありがとうございました。
だいぶ、イメージができてきました。後は自分でがんばってみます。

お礼日時:2002/10/21 18:15

>気体の方が自由に動き回れる分子がおおいのに熱伝導率がわるい


良いところに気がついていますね。
まず金属と比較してみると、電子は金属の中をほとんどほかの原子と衝突することなしに自由に動き回れます。
(多少衝突がありますので、これが電気抵抗となります)
なので、あっと言う間に遠方まで熱を伝えることが出来ます。

一方気体の分子はほかの分子と激しく常時ぶつかり合い、自由には進むことが出来ません。
液体でも自由度は高いのですが、それでも同じように移動しようとするとほかの原子とぶつかりながらしか進めません。
(液体の場合は実験でブラウン運動の観察によりその様子を見ることも出来ます)
そのため、熱はなかなか伝わっていきません。むしろある空気/水の集団が熱により比重が軽くなり、対流が起きて伝わるマクロ的なもののほうが支配的になります。
断熱材などはその熱を伝えにくい性質を最大限利用するために、空気を小さな気泡として固定することにより、対流による伝熱を阻止しています。

つまり金属の方が気体、液体よりも熱を伝えにくいことになります。

では固体の場合はどうなるかというと、固体というのは原子同士が手をつなぎあった状態です。
この手はバネみたいなものでつながれていると思って良いでしょう。
原子が数珠繋ぎになっているとして、一方の端の原子が熱振動で振動すると、そのバネを伝わってほかの原子に伝わります。
ここでバネが強いほどほかの原子には伝えやすくなります。

前の気体では原子が遠方まで出かけていって熱を伝えないといけなかったのに対して、この場合みんなで手をつないでいますから、比較的速い速度で遠くに伝えることが出来ます。
というのも大きな障害物があるわけではありませんので。
簡単には、込み入った電車の車内で遠い人にもし鞄(熱)を渡したいとします。
そのときに、鞄をもって他の人をかき分けて進んでその渡したい人のところまで行くよりも、みんなに協力してもらい、手渡しした方が早いのと同じです。

固体中の熱伝導は、気体、液体、金属と比較すると実際にはかなり複雑です。
No.2の方が言われているのは、細かくその機構による違いについてなんですね。
簡単には、音響/光学フォノンが一番イメージしやすくて、要するに原子振動と原子間をつなぐバネで原理的な説明が出来ます。
(この振動を量子化したものをフォノンと呼んでいます)

さらに詳しく知りたい場合は、固体物理学、量子力学、統計力学(これは前2つを理解するための数学的手段を学びます)などを勉強されるとよいでしょう。
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> 温度が高いと振動の振幅がまして、隣の粒子までの距離がちじまり、分子間力の影響で大きな振動が伝わるということもあるのでしょうか?



化学結合している場合では、一つの原子の振動は、直接結合している隣の原子に温度が低くても容易に伝わるでしょうね。
化学結合していなくても、真空状態ではないのですから原子間の距離はそもそも短いです。ですから原子が振動すれば周囲と普通に衝突します。

ただ温度が高い、すなわち振動数が高い場合は、むしろ原子核自体は電場の変化について来れなくて、電子が主な振動を伝える要因になるような気がしますね。といっても原子核にも影響は必ず出てくるでしょうけど。

ちなみに、どのような場合でも電磁波の出入りは必ず存在します。
原子同士の衝突=最外殻電子同士の反発=原子の電荷分布の変化=電磁波の発生・・・ですからね^^;
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この回答へのお礼

ありがとうございました。
もっと勉強してみます。

お礼日時:2002/10/21 18:17

私の定性的な理解を・・・



熱の伝わる原因は、原子・分子の振動によって生じる電磁波・・・と理解しています。

そもそも原子は、原子核と電子という荷電粒子のかたまりですので、熱振動は、荷電粒子が振動することを意味します(電荷的に中性の原子・分子で分極がほとんどなくても、電子の揺らぎにより、局所的に電荷の偏りが生じています)。


電荷の振動は、電場の振動、すなわち電磁波を生じます。

すると、その電場の振動が、今度は近傍の原子・分子(=荷電体)の振動(周波数によっては、原子核が電場の振動に追いつけず、電子だけが振動する場合もあります)を誘起し、それがまた電磁波を放出して・・・

という具合です。

この回答への補足

ありがとうございます。なるほど、電荷をもった粒子が振動することで電場を作り、それが伝わるということですね。あと、温度が高いと振動の振幅がまして、隣の粒子までの距離がちじまり、分子間力の影響で大きな振動が伝わるということもあるのでしょうか?

補足日時:2002/10/20 02:02
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>ミクロな観点で熱が伝わる仕組みを教えていただけないでしょうか?



私も勉強中なのですが、およそ結晶中の熱伝導は、
 1.フォノン(音響フォノン)
 2.フォトン(光学フォノン)
 3.自由電子
 4.ホール(正孔)
 5.電子-ホールのペア
の5種類のミクロなメカニズムによって引き起こされます。

金属では自由電子が熱の主たる伝導役です。
絶縁体ではフォノンが熱の主たる伝導役で、
高い温度では光学フォノンの影響が大きくなってくるようです。

この回答への補足

ありがとうございます。
いろいろな種類があるのですね。
これは、最先端の知識なのでしょうか?それともだいぶ前に知られていたことなのでしょうか?また、4,5のホールが熱を伝えるというのはどういう感じでしょうか。ちょっとイメージがつかみにくいですねぇ。ところで、このようなことを研究する人はどんなところの大学?研究所?でべんきょうされているのでしょう?

補足日時:2002/10/20 02:04
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お考えになっているとおりで良いですよ。


金属の場合は電子が金属の中を自由に行き来できますので、電子が熱を伝える媒体となることが出来ます。
電子が熱エネルギーをもらい、別の場所に行って熱エネルギーを放出するんですね。
だから熱伝導率が良いわけです。

この回答への補足

ありがとうございます。しかし、気体の方が自由に動き回れる分子がおおいのに熱伝導率がわるいのは一体どういうことなのでしょう。

補足日時:2002/10/20 02:07
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