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私の彼が、急性骨髄性白血病で抗ガン剤を打ち終わって、一週間後に敗血症と肺炎になってしまいました。これは院内感染ですか?これからドクターはどんな対処をしてくれるんでしょうか?死ぬ確率は高いんでしょうか?

A 回答 (3件)

血液内科医として回答します。



>これは院内感染ですか?

 誤解を恐れずにあえて言うと,“yes”です。
 そもそも「院内感染」という言葉が,院内で発生した感染症すべてを指す言葉だからです。報道などではわかりやすいのでこの言葉がよく用いられるのだと思いますが,誤解を招くので使ってほしくない言葉ですね。「院内感染」=「病院の責任に帰すべき感染」ということではありません。
 ではご質問の状況が「病院の責任に帰すべき感染」か?ということであれば,私の答えは“no”です。不可抗力という言葉があります。予想される不具合に対してどんなに対策を講じていても,ある一定の確率で起こってしまうことは世の中にたくさんあるのです。
 工場で乗用車を製造すると,どんなに品質管理がよくても,初期不良で欠陥のある車がわずかですが市場に出てしまいます。これは防ぎようがないので,メーカーは保証をつけて,欠陥車は交換という形で対処するわけです。例えが適切でないかもしれませんが,白血病に対して抗がん剤治療を行うと,とくに細菌に対する抵抗力が一時的にゼロに近くなりますから,いくら感染対策を講じていても,ご質問のように肺炎や敗血症を起こしてしまうことが残念ながらあるのです。
 無菌室のような厳重な感染対策をすれば,感染を防ぐことができる,という考えもあります。しかしこれは一昔前の考え方で,「抗生物質の内服」「抗生物質のネブライザー」「無菌室」などは,感染を防ぐ効果がないとして最近では廃止の方向にむかっています。感染を確実に減らすことがわかっている数少ない方法の一つが「手洗い」です。ただしくどいようですが,感染を確実になくす方法は現在のところありません。

>これからドクターはどんな対処をしてくれるんでしょうか?

 車なら交換ということになりますが,人間の身体ですからもちろんそんなわけにはいきません。これから行うべきことは,感染の原因となっている菌(起炎菌といいます)が何なのかをはっきりさせ,その菌に対して最も効果のある抗生物質を投与することです。その他,呼吸困難や発熱などの症状に対しては,酸素投与などの対症療法を行うことになります。

>死ぬ確率は高いんでしょうか?

 一般的な数字で言えば,白血病の抗がん剤治療で,感染症で命を落とす確率は数パーセントでしょう。病気がわかって最初に行われる「寛解導入療法」の場合,あとから行われる「地固め療法」にくらべて若干,率が高いと言われていますが,それでもたいていは10%以下です。
 感染症は,この病気と闘う医療者にとっても最大の敵です。今の状態を乗り切れるかどうかは,抗がん剤の副作用で減っていた正常な白血球が増えて,身体の抵抗力が元に戻るまでの間,ご本人の体力と薬の治療が細菌に打ち勝つかどうかにかかっています。一日も早い回復をお祈りしています。

 どうぞお大事に。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。結局、彼は亡くなってしまいました。

お礼日時:2002/10/27 18:05

私は医者ではないので、一般論でしか言うことが出来ませんが、参考として聞いてください。



>私の彼が、急性骨髄性白血病で抗ガン剤を打ち終わって、一週間後に敗血症と肺炎になってしまいました。
>これは院内感染ですか?
これはあながち、「院内感染」とは言い切れません。
敗血症は、抗ガン剤の副作用でしょうね。
肺炎は、抗ガン剤の投与によって、「彼」の免疫機能が低下して起こったのでしょう。肺炎を引き起こす細菌(ウイルス?)は日和見細菌で、誰もが持っているものです。そこら辺の風邪のウイルスによって肺炎というものは引き起こしませんので誤解のないように。
肺炎というは、体の免疫機能が低下することによって(風邪などのウイルスが原因で体が弱るために)発病するものなんですよ。

今回のことは、病院側でも予知していたことでしょうから、現在「彼」は無菌室(あるいは無菌室に近い病室)にいることと思います。
この状態で、その他の合併症が出てこなければ大丈夫ではないか?と思いますよ。

というのも、骨髄性白血病の症状を抑えるための治療処置としては、どうしても行わなければならない治療ですし、このような2次的な病気の発病はどうしても起こらざろう得ないことだからです、現在の医療技術からは!

結局今のところは、「彼」の体力勝負なのでしょうね。
そして、「彼」の体力が残っている早いうちに骨髄のドナーが見つかってくれることを祈るだけでしょう。

現在、骨髄性白血病の治療方法は日々進歩しています。10年前までは助からなかったであろう人も、助かっていることも事実です。(アンディ・フグは残念でしたが・・・)

つたない話で申し訳ありません。毎日毎日がつらいかもしれません。「彼」が病気と闘っている姿(苦しんでいる姿)を見てつらいかもしれません。でも、きっと「彼」は毎日あなたの顔を見ることが大きな希望なのでしょうから、希望を大きく持って過ごしていらした方がいいと思いますよ。

最後に、20年以上前でしょうか?大谷博子の「星くず」って少女漫画があります。この話は、結局は寂しい話になってしまうのですが、急性急性骨髄性白血病の男性と、たまたま入院した女性との話なんです。
nokokunさんの話を読んで思い出してしまいました。
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抗がん剤投与後1週間といいますと、抗がん剤の作用によって生体防御に有用な白血球が一番減少した状態になります。

白血病の治療の場合はそれこそ「0」にまで落とすことがそもそもの目的(異常白血球は抗がん剤で死滅させないといけない)なので投与量も半端でなく、無菌室完備のところで慎重に行われます。しかしながら体内には元から細菌類はいますし完璧な状態にすることは難しく、体力も落ちている状態なので感染症には非常に弱い状況といえます。ですから治療に際して必ずリスクの説明はあったであろうと思いますし、治療をしなければ死んでいたと思うことからすればある意味し方がない部分ではあります。
院内感染という言葉…これは原因となった菌種や取り扱い業務の中身がないと確かなことはいえないのですが、お話の状況をそう呼ぶのは方向性が違うと思います。

これからの対処ですが、抗生物質や抗真菌剤など感染症に合わせた治療とGCSFなど白血球の戻りを良くする薬などを利用して回復を図ります。輸血も必要になるでしょう(成分輸血)。
今後敗血症・肺炎からDICと呼ばれる重態に陥った場合、致死的な状況が大いに考えられます。
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