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調べてわかったことですけども、オーストラリアの先住民族アボリジニは、人口の2%だけ占めていて、アメリカの先住民族インディアンは、人口の0.8%だけ占めています。しかし、ニュージーランドの先住民族マオリは、人口の15%も占めていることがわかりました。どうしてニュージーランドのマオリだけが他の国の先住民族と違って、こんなにもたくさん占めているのですか?教えてください。

A 回答 (3件)

三つほど理由を・・・



(1)国の広さと移民の数。
アメリカやオーストラリアに比べ、ニュージーランドは小さな島国でしかありません。その為、移民の数も両国に比べ非常に少ないものになりました。その結果、両国に比べ先住民の占める割合が多くなりました。

ニュージーランドへの移民が開始されたのは遅く、1840年になって本格的に移民が開始されました。当時のマオリは9万人ほどいましたが、移民の人数がそれを追い越すのに約20年かかっています。
アメリカでは既に1700年に25万人の移民がおり、以後も順調に増え1890年には5000万人にもなっています。
また奴隷として連れて来られた黒人とその子孫も1840年には400万人にも達しています。ちなみに、現在、その奴隷だった人達の子孫の数はアメリカで3500万人以上になっています。
アメリカへの移民は以後も増え続け、1861年から1900年までの40年間で移民として渡った人数は1300万人にも達します。1901年から1910年までの10年間では879万人もの移民がやってきました。
現在のニュージーランドの人口が410万人という事を見れば、この人数がどれだけ膨大な数かお分かりいただけるでしょう。
この膨大な移民とその子孫の数が、アメリカの人口に占めるインディアンの割合を低下させました。

オーストラリアも同様です。特に第二次世界大戦後から今日までにオーストラリアが受け入れた移民の人数は570万人にもなります。2006年の1年だけでも13万人以上の移民を受け入れています。
アボリジニの人口は約38万人です。1年でその三分の一にも及ぶ移民が現在も入ってきているのです。その為、オーストラリアの人口に占めるアボリジニの割合は現在も低下中です。

そうした膨大な移民を受け入れるだけの国土があるアメリカやオーストラリアの事情に比べれば、国土の狭いニュージーランドへの移民は数が少ないものでした。現在でも移民を受け入れてはいますが、年に4万5000人までという枠もあり、急激には増えていません。

(2)出生率の高さ。
マオリは現在、高出生率により人口が増加傾向にあります。2021年には人口の17%になると予想されています。マオリの出生率は2.59人です。一方のニュージーランドの白人の出生率は1.77人です。
マオリの出生率が高いのは、もともとマオリが多産系だった事と、昔に比べ社会的・経済的に豊かになったからだと言われています。
かつてマオリの多くは村落で貧しい生活をしていました。しかし、第二次世界大戦の勃発で多くのマオリの青年が兵士としてニュージーランド軍に参加し、外の世界を見て、触れて故郷に帰ってきました。その結果、マオリの意識と生活に変化が訪れます。
戦前に都市部で暮らしていたマオリは20%ほどでしたが、戦後になると80%が都市部で暮らしはじめます。それと同時に若いマオリが中心となり、政治運動、文化復興運動を行い、差別撤廃、平等な教育と法、過去の歴史において不当に奪われた土地や財産の返還を訴えます。詳しい事は省きますが、そうした運動が実を結び、マオリの権利が拡大され、昔よりはるかに豊かな生活ができるようになりました。そのゆとりが現在の高い出生率に結びついていると言われます。
こうした権利の獲得の運動はアボリジニもインディアンもしていますが、マオリほどは成功していません。

(3)迫害の度合い。
アメリカはニュージーランドに比べ200年も前から移民が開始されただけあって、インディアンへの迫害の歴史も長いものがあります。
アボリジニは移民が開始された時、国もなくたいした武器も持っておらず、ゆるやかな部族での生活をしていた為、移民に虐殺されました。
それに比べれば、マオリへの迫害の歴史はインディアンよりも短く、またマオリは部族で団結して勇猛に戦ったので、アボリジニのように一方的な虐殺は免れています。
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この回答へのお礼

なるほど、ニュージーランドは、アメリカとオーストラリアと違ってたくさんの移民を受け入れていなかったんですね。詳しい回答ありがとうございます。

お礼日時:2008/03/19 15:25

それは、ニュージーランドという国の位置に関係しています。



ニュージーランドは太平洋の絶海の島。
本国イギリスやヨーロッパからは地球の真反対。
そのため、1769年以降1860年まで移住してきたヨーロッパ人は、常に
文明の道具や衣料品、医薬品、開拓に必要な食料に困窮していました。
そのため、マオリを滅ぼすよりも彼らの協力を欲したのです。
ヨーロッパ人の入植時初期は、彼らと共に開拓や作業に従事したのです。

オーストラリアやアメリカの先住民が激減した理由は
1、ヨーロッパ人による虐待や虐殺。
2、ヨーロッパ人からの伝染病。
3、ヨーロッパ人からの銃やアルコール、麻薬にありました。
マオリの場合1の原因は冒頭に記した理由で、戦闘はありましたが
それほどの虐待や虐殺は受けませんでした。
伝染病は、確かにマオリの人口を1/3まで減らす原因にはなりましたが
冒頭に記した理由で、ヨーロッパ人は彼らに薬や医療を施しました。
銃やアルコールもマオリの内紛を起こし、社会的に弱体化させましたが
マオリの弱体化を見過ごそうとはしないヨーロッパ人も少なからずいて
マオリが自ら政治や生存活動に動くよう協力した一面もありました。

こうした事が、1860年マオリに対し比較的緩やかな「ワイタンギ条約」
が成立した背景にあったのです。
同条約は、その後の入植者とマオリの紛争の火種にはなりましたが
皮肉にも現在のマオリ優遇政策の出発点にもなりました。
その代わりその政策は他の反発者も生み出しましたが・・・。

ニュージランドのラグビーチームが、試合前にマオリの戦闘儀式を
行うのは多分に白人のマオリへの「畏敬や感謝」の念があったからです。
確かにマオリへの差別、虐待、戦闘、放逐はあったのですが
アメリカやオーストラリアほどの規模ではなかったのですね。

ニュージーランドが、そのようなマオリ保護政策(?)によって
観光という産業を生み出し、また、差別が強くない風土は
現在、アジアからの移住者を生み出している要因でもあります。

おおらかな割には人種差別の強いオーストラリア。
銃や麻薬が蔓延する荒れた国民のアメリカとはニュージーランドは
やや一線を画す印象があるのはこれらのせいかもしれません。
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この回答へのお礼

なるほど、アメリカやオーストラリアと違って、ニュージーランドは、ヨーロッパ人とマオリが協力していたんですね。詳しい回答ありがとうございます。

お礼日時:2008/03/19 15:13

病気に対する免疫が高かったとなります。



マオリ族は約1000年前に、ニュージーランドにきたと言われています。
もともとは、約2000年前に、中国や東南アジアあたりから、きたと言われています
なので、いわゆる旧大陸での病気に対する抵抗力がありました。
ところが、アメリカの先住民族は、10000年以上前にアジア大陸から来たので、それ以降に旧大陸で生まれた病気には抵抗力がなかった。
アボリジニーは、約10000年前、オーストラリアに来たといわれています。アメリカ先住民族と同様に、ヨーロッパの白人が持ってきて、病気には非常に弱かった。

マオリ族が国家とは言えずとも、それなりの社会性というか組織をもっており、白人に対して組織的に抵抗したという面もあります。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

お礼日時:2008/03/19 15:06

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