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以前、留学生の同級生になぜ助詞の「は」は"wa"、「へ」は"e"と発音するのかということを聞かれました。
勉強の足りない私にはその時はそういう物なのだとしか説明ができませんでした。

「は」は"ha"と"wa"、「へ」は"he"と"e"の2通りの読み方があるのかとも聞かれましたがそれは違うような気がするとしか答えられませんでした。

あまりに当たり前すぎて疑問にも思わなかったのですが、どうかこの質問に「そういうルールなのだ」とか「伝統的にそう決まっている」とかではない、合理的な回答をお願いします。

A 回答 (6件)

助詞の「は」「へ」以外に、『お父さん』は発音では「オトウサン」でなく、「オトオサン」ですし、『弟』は「オトウト」でなく「オトオト」となります。


『お兄さん』『お姉さん』は「オニイサン」「オネエサン」でなく「オニーサン」「オネーサン」ですね。
そういうものとして、日本人の私たちは疑問も感じず過ごしていますが、変だと思えば変で、つまり、例外が結構あるということですね。
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この回答へのお礼

お答えいただきありがとうございます。

確かに普段気にしていないことでも発音と表記が違うものは多くありますね。
これから気をつけてみたいと思います。

お礼日時:2002/11/08 10:46

ハ行音は、ひらがなが成立した平安初期には、文節の頭でも、文節中でも


  ファ、フィ、フ、フェ、フォ
と発音されていました。

後に、文節中のハ行音がワ行音に発音されるという現象が起こります。この現象は「ハ行転呼(てんこ)」と呼ばれ、11世紀頃一般化したといわれています。この段階では、例えば
  「腹は(はらは)」は、「ファラワ」
  「人へ」(ひとへ)」は「フィトウェ」
  「あはれ」は「アワレ」
と発音されていたわけです。

さらに鎌倉時代初期までには、ワ行音が変化して、
  ワ、イ、ウ、イェ、ヲ
になりますが、それにつれて文節中のハ行音は、「ハ行転呼」を起こして、
  ワ、イ、ウ、イェ、ヲ
発音されるようになります。

元禄時代(江戸時代)頃になると、文節の頭のハ行音は現代と同じく、
  ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ
になったようです。

18世紀中頃になると、ワ行音が、
  ワ、イ、ウ、エ、オ
に変化しますから、文節中のハ行音は、やはり「ハ行転呼」を起こして、
  ワ、イ、ウ、エ、オ
と発音されるようになりました。助詞の「は」「へ」を[wa][e]と発音する事にはこんな背景があります。
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この回答へのお礼

お答えいただきありがとうございます。

こんな具体的なお答えがいただけてとても感謝しております。
日本語というのはこれほどに激しく変化するものなのだと感じました。
ふだん使っている言葉に歴史を感じ、とても不思議な感じです。

お礼日時:2002/11/08 10:33

「はひふへほ」のうち「は」「へ」「ほ」の子音はいわゆるh音で咽喉音・摩擦音・無声音と分類することが出来ます。

咽喉を摩擦させ、声帯を振動させず(無声)発する子音ということです。この音の場合声帯を振動させたら、ただの母音になってしましますので振動させずに発音するしかないのですが。
「ひ」の子音は硬口蓋音・摩擦音・無声音で厳密にはh音とは異なります。この音を有声化すると(声帯を振動させると)いわゆるy(j)音になります。日本語なら「やゆよ」です。
「ふ」の子音は両唇音・摩擦音・無声音で一般に記号φで表されます。(f音とは違います。)このφ音を有声化したのがw音(両唇音・摩擦音・有声音)です。日本語で言えば「わ」行です。

古代の日本語において「は」行の子音はすべてφ音であったといわれます。つまり「ふぁ ふぃ ふ ふぇ ふぉ」だったらしいのです。φ音は有声化するとw音になりますから「は」つまり「ふぁ」が「わ」に転ずるのは自然なことなのです。

というのも「通(とおり)」が「中央通(ちゅうおうどおり)」になるように子音の有声化は日本語において(他の言語でもそうですが)よく見られる事例だからです。

「山は」は元来「やまふぁ」と発音したのでしょう。しかし時代が経つにつれ表記はそのままに発音だけが「やまわ」に変化します。
「山へ」も発音だけが「やまふぇ」から「やまうぇ」に変化したのだと思います。更にw音の発声が「わ」のみに限定されるようになると「やまうぇ」は「やまえ」に転じます。
こうした発音の変化がありながらも表記は「山は」「山へ」のままなのでお尋ねのような疑問が生じるのは当然です。しかも悪いことに「は」「へ」は本来のφ音からh音に転じてしまっているため、元々の事情がとても分かりにくいのです。

余談ですが、「恋(こひ)」も同様です。発音が「こふぃ」から「こうぃ」「こい」に変化したのだと思います。そしてはるかに時代を経た後に表記方法が改められ「こひ」が「こい」に変わったのはshino911のおっしゃる通りです。


以上のように私は考えます。
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この回答へのお礼

お答えいただきありがとうございます。

発音というものはこんなにも奥が深いものだという点にとても驚きました。
「咽喉音・摩擦音・無声音」というものを聞いたことはありますがよく走りませんでした。日常にこんなに深く関わっていることを知り、これらを勉強したいと思いました。

お礼日時:2002/11/08 10:24

発音の変化の要因については、お二人の方が回答されてますので、助詞の「は」「へ」の仮名表記の点について、少々。



 昭和21年に『現代かなづかい』が仮名表記の公的なきまりとして告示されるまでは、仮名は、実際の発音通りではない、歴史的仮名遣いによって表記されていました。例えば、「憲法十七条」は「けんぱふじふしちでう」と書いていたのです。これは極端な例としても、発音と仮名表記の不一致の時代がかなり長く続いていました。

 そして昭和21年に、「現代語音にもとづいて、現代語をかなで書きあらわす場合の準則」としての『現代かなづかい』が制定されました。これにより、ほとんどの語が発音どおりの仮名で表記されるようになったのですが、助詞の「は」「へ」「を」だけは、「ワ」「エ」「オ」と発音されていたにもかかわらず、『現代かなづかい』においても「は」「へ」「を」と書く、と記されています。

 実は、『現代かなづかい』制定当時、なぜこれだけ元のまま残したのかという不満や疑問の声も少なくなかったようです。「は・へ・を」だけが元のままになった理由としては、多くの言葉は、かなづかいが変わっても漢字に隠れてさほど目立たないが、助詞の「は・へ・を」は漢字がなく、しかも頻度が高いので、もしこれを変改すると違和感が大きいため、そのままにしたと言われています。

 もっとも、助詞「は・へ」については、「わ・え」と書くことを暗に許容する趣旨の表現がされていましたが、『現代かなづかい』に代わって昭和61年に新たに制定された『現代仮名遣い』では、これらの語の書き方の定着状況にかんがみ、その許容は廃止されました。このことは、表記を発音と一致させようという『現代かなづかい』制定当時の状況とは逆の流れといえますが、最近では、ネットの書き込みなどで、「わたしわ……」などという表記をたまに見かけます。
 言葉は時代とともに変わると言いますが、国際化の進む時代、助詞の「は・へ・を」は永久絶対とは言い切れない面があるのでは、と思うこともあります。
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この回答へのお礼

お答えいただきありがとうございます。

助詞の「わ・え」が許されていた時代があったことは私の感覚からするととても信じられません。驚愕です。
でも合理的に考えれば「わ・え」の方が正しいような気もします。
ご高齢の方で「今日」を「けふ」と書く人がいる人を見て「こんな事を書く人がいるのだ」と思うように、「『私わ』を『私は』って書いてる」などと言う人が出てくるのでしょうか。
とても変な感じです。

お礼日時:2002/11/08 10:11

想像ですが、ハ行の子音はもともと唇音のpと唇半母音のwの中間の、fに近い音だったと言われていますので、アクセントが置かれることが少なく、多用される助詞の『は』、『へ』は発音が楽なwa、weの方へ流れていき、ハ行の子音がhへ変化していった後も機能語としての特殊性からwa、weに留まったのではないでしょうか


その一方でワ行の発音はwa・wi・wu・we・woからwa・i・u・e・oへと変化してきたので、助詞の『へ』の発音もeになったのでは?
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この回答へのお礼

お答えいただきありがとうございます。

やはり「発音しやすい」というのは言葉にとって大事なことのようだと感じました。
普段使っている言葉でものこのような複雑な経緯があることを知りもっと勉強いしてみたくなりました。

お礼日時:2002/11/08 09:51

 発音しやすくするためです。



 英語でも、発音しやすくするために「y」が「ie」に変化したりしますね。日本語の場合は文字が代わらず、発音だけが変化します。

 昔は、「ふ」を「う」、「ひ」を「い」などさまざまなルールがありましたが、今はその名残で、「は」と「へ」だけが残っているのです。
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この回答へのお礼

お答えいただきありがとうございます。

お答えからすると将来的には「は」「へ」も発音と表記が一致する時代が来るのでしょうか。日本語の不思議さを感じました。

お礼日時:2002/11/06 23:28

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