プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

私は塾に勤めておりまして、英語授業を担当している者です。

授業において大学入試の過去問題(特に英文法問題)を使用したいと考えています。

しかし、大学入試問題にも著作権があるので、著作権法を遵守しつつ、過去問を使用したいと考えています。

以下に想定している使用方法を列挙致しましたので、それぞれのチェックを宜しくお願い致します。

【営利目的での使用】
1.過去問の問題文そのままで、出典明記+独自の解説を加えた授業・テキスト販売をする。

2.問題文の単語・選択肢を変えて、独自の解説を加えた授業・テキスト販売をする。

3.上記1・2が違法ならば、受講者に過去問(赤本など)を購入してもらい、その上で独自の解説授業または解説テキストを販売する。
(その際、解説文中に問題文の引用を避けられないが、その引用についても許諾が必要でしょうか?)

【非営利目的での使用】
1.ブログ・メールマガジン(無料)などを用いて、過去問の問題文そのまま(出典明記済)で、独自の解説をを行う。

2.ブログ・メールマガジン(無料)などを用いて、問題文の単語・選択肢を変えた上で、独自の解説を行う。

3.上記1・2が違法ならば、読者に過去問(赤本など)を購入してもらい、その上で独自の解説授業または解説テキストを公開する。
(その際、解説文中に問題文の引用を避けられないが、その引用についても許諾が必要でしょうか?)


以上6つの方法を考えております。

ご存知の方がいらっしゃいましたら、アドバイスお願い致します。

A 回答 (1件)

「法律」カテゴリなので、あくまで法律にのっとって(もし裁判になったらどうなるかを想定して)回答します。

「そんなこと言ったって...」とか「他の人もやってるから...」というのは別の話ですので、実際にどうするかはご自身で判断してください。

原則論として、著作権の保護対象は「創作的表現」ですから、「創作性を発揮する余地がない」もの、または、「表現ではない」ものは、いずれも著作物ではありません。たとえば、「Yesterday was a rainy day.」とか、「Jim went to the station to pick Jane up.」のような「極めてありふれた文章」や、「人を題材にして、『pick + up』を答えさせよう」といったアイデアそのものです。

他方、著作権法は、原則として、「営利性」を「侵害になるか、ならないか」の基準としては使っていません。つまり、営利であろうが、なかろうが、「一定の行為を行えば侵害」と評価されます。

したがって、【営利目的での使用】と【非営利目的での使用】の両方をまとめて、1~3として回答します。

(なお、ブログ等での解説も、「塾講師としての立場で」しているのであれば、営利性ありと評価される余地があります。その解説を読むことで、あなたの勤める塾に生徒が集まる可能性があるからです。)

1. 著作権の侵害になります(21条。ブログ等の場合は23条も)。

2. 著作権の侵害になります(21条、27条。ブログ等の場合は23条も)。たとえば、上記の「Jim went to the station to pick Jane up.」のJimをBobに、JaneをLucyに変えたとき、ふつうの英語教師なら「本質は同じ文章だ」と考えるはずです。それと同じく、「表現の本質」が実質的に同一であれば、勝手に利用してはいけません。

また、同一性保持権の侵害にもなります(20条)。同一性保持権とは、「意に反して切除、改変されない権利」です。判例では、大学の学内誌に載せる論文の句読点の位置の変更(編集者側としては読みやすくするための配慮)が同一性保持権の侵害とされた例があります。

3. 「解説文中に問題文の引用を避けられないが、その引用についても許諾が必要」です。「市販の問題集」に掲載する許諾を得ているのは問題集の出版社(者)であって、購入者は何らの許諾も得ていません(もちろん、購入者が読んだりするのは問題ありません。著作権とは、「読む権利」ではなくて、「読者が読むまでの流通経路を押さえる権利」だからです)。まして、あなた(や勤務する塾)は掲載する許諾を得ていません。

つまり、法律的に見れば、ことの本質は1、2と同じです。したがって、塾の生徒が問題集を買っていようが、なかろうが、「あなた(や塾)が」許諾を得る必要があります。

ただ、最初にも書いたとおり、「ごくありふれた表現」や「アイデアそのもの」には著作権が発生しません。この意味で、長文読解などは99.99%著作物だといえますが、単純な文法問題がどの程度著作物といえるかは、かなり疑問です。この辺り、どの程度の文章であれば、創作性のある英文といえるのかは専門外なので分かりませんが、「ふつう、誰が書いてもそんなもんだろう」というのが、1つの基準にはなるでしょう。その意味では、あまり極端に神経質になる必要はなさそうだ、ともいえます(ただ、塾での話だと信用問題に関わるので、そこが悩みどころではあると思いますが...)。
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この回答へのお礼

丁寧なご解説ありがとうございました。

>たとえば、上記の「Jim went to the station to pick Jane up.」のJimをBobに、JaneをLucyに変えたとき、ふつうの英語教師なら「本質は同じ文章だ」と考えるはずです。それと同じく、「表現の本質」が実質的に同一であれば、勝手に利用してはいけません。

>「ごくありふれた表現」や「アイデアそのもの」には著作権が発生しません。

英語の文法問題にどこまで創作性を認めるか、が重要ですね。

英文法一問には表現の幅に限界がありますが、複数の問題からなる「入試問題の全体構成」には創作性が認められると考えていいと思います。

英文法問題に関しましては、出来る限りの改変を施し、出典を明記するという方向で再考させて頂きたいと思います。

お礼日時:2008/06/11 19:54

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