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まず水素化ナトリウムは強い塩基として作用するということですが、
NaHのHは電子がひとつ多いヘリウムと同じ電子配置をとるため、安定になり、電子を放出しないということはないのでしょうか?

また、多くのLewis塩基はその電子供与性から求核剤として働きますが、なぜNaHは求核剤とならないのでしょうか?立体障害が大きいわけでもないと思うのでどんな理由があるのかわかりません。

ちなみに4-t-ブチルシクロヘキサノンをNaHによってエノラートにする反応を考えています。

わかるかたいらっしゃいましたら教えてください。よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

>ヘリウムと同じ電子配置をとるため、安定になり…


安定度はおっしゃるとおりですが、それによって電荷が無くなる訳ではありません。
特にブレーンステッド酸(プロトン)と水素分子を作る場合有効です。

>Lewis塩基はその電子供与性から求核剤として働きますが、なぜNaHは求核剤とならないのでしょうか…
これは軌道の形に起因していると考えるのが一般的なようです。
他のLewis塩基は2p、3p、起源のsp2やsp3に孤立電子対を持ち、これが塩基性の起源でもあり、同時に求核性の起源でもあります。
一方水素化物イオンは1s軌道そのままで、外部への広がりもなく、等方的です。これは親核試剤としては致命的な欠陥です。
確かに大きさは小さいので「立体障害」は存在しませんが、中心距離を考えたとき、水素原子核が反応中心に充分近付かないと求核性は発生しません。
この点「general base」としての水素化物イオンは「電場」が有効なので、大きく異なります。
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この回答へのお礼

このように軌道論的に考えれば説明がつくわけですね。
よくわかりました。どうもありがとうございました。

お礼日時:2008/06/13 14:55

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