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本を読んでいたら、
「トーラスの場合にはその接バンドルが簡単な構造、すなわち
トーラス×平面
のように積の形をしているのに対し、球面の場合にはその接バンドルが何らかの意味でねじれていることが示唆されている」
という記述がありました

このことについて、素人にもイメージできるような解説ができる方がいたら、解説してください
よろしくおねがいします

A 回答 (4件)

・・・いやあ,「接バンドル」っていった段階で


「素人にも理解できるよう」ってのはかなり厳しいでしょう.
というか・・・森田先生レベルだから
日本評論社や亀書房の出すような
「専門家ちょっと手前の人向け啓蒙書・啓蒙雑誌」に書けるのでしょう.

曲面Sの接バンドルってのは,大雑把にいって,
曲面の上の点pとそこでの接平面Tpをセットにして
(p.Tp)というペアを考えます.
このペアを曲面の点全部対して集めて
TS = ∪(p.Tp)
というように集合TSを作ります.
この集合TSにSから位相やら微分構造を導入して,
TSは実は多様体になります.
このTSを「接バンドル」(tangent bundle)というのですが,
SがトーラスT^2である場合,TS = T^2 x R^2 という風に
本来TSがもっているであろうめんどそうな構造が消えて
単なる直積になってしまうんです.
#このことの証明は・・・それなりに厄介

で,この「ねじれ」というのは何か?ですけども,
接バンドルってのは,イメージとしては
点とそこでの接線のペアを寄せ集めたもので,
いわば「はりぼて」のようなものなんです.
元の曲面そのものを考えるよりもはりぼての方が扱いやすく,
更にもとの曲面の性質を反映していることが期待できます.
#気持ちとしては「関数を級数展開して,
#一次の項をもって」きて近似式を作るのに似てる.
#幾何の場合は,近似式だけじゃなくって,
#もとの曲面から微分構造を移植するので
#「高次の項」も「一次の近似式」でありながら
#高次の項も移植しているような雰囲気がある・・・私見ですけどね.

で,「はりぼての構造」が「単純」であれば
もとの曲面の構造も「簡単」であることが期待できます.
このもとの曲面が持ってて,「ほりぼてに遺伝している」であろう
何かをさして「ねじれ」のように表現して,
「はりぼてが単純」だからもとの曲面が「ねじれていない」という
ような感じでしょうか.
#いや・・・実際に「ねじれ」なんですけども・・
#それは私にはまったく説明できないのでパス.
#(一般次元の)球面ってのは簡単な図形なのに,
#むちゃくちゃな構造があるものなんです.
#ファイバーバンドルとか,特性類,基本群,ホモトピー,被覆,
#(コ)ホモロジーとか勉強すると見えてきますが,
#圧巻なのはその最果ての頂点にいる
#Bottの周期性定理とかその近辺の諸結果
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この回答へのお礼

無茶な要求ですみません。。。

> 本来TSがもっているであろうめんどそうな構造が消えて
> 単なる直積になってしまうんです.

球面S = S^2のときも集合的には
TS = S^2 x R^2
になっちゃうような気がするのですが、直積にならないのは位相構造や可微分構造の部分でしょうか?
それとも、集合的にすら直積にはならないのでしょうか?
なんにもわかってなくて、すみません

> #(一般次元の)球面ってのは簡単な図形なのに,
> #むちゃくちゃな構造があるものなんです.

幾何学の素人から見ると、トーラスよりも球面のほうが素直でお行儀がよさそうに見えるのですが、視点を変えると全然違うんですね
とても不思議です。。。

丁寧に解説をしてくれて、ありがとうございました

お礼日時:2008/06/22 22:47

おはようございます。


直感的には理解していただける力はありませんが、
n次元球面でS^nで、タンジェントバンドルT(S^n)が自明なバンドル(S^n)×(R^n)と同型に
なるのは、n=1,3,7のときだけという事実が
あります。T(S^1)がトリビアルなのは、
複素数全体Cの中で考えて、S^1の元(x,y)=x+yiと考えiを翔けるとi(x+iy)=-y+ix=(-y,x)となり、
S^1のどんな元(x,y)に対しても
これに接するベクトル(-y,x)がとれるので、
ベクターバンドルの対応f:S^1×R^1→T(S^1) が、
{(x,y),α)}→ {(x,y),α(-y,x)}とできるからです。ここに、
αはR^1に含まれる任意の元とします。各点(x,y)での接線を90度上に
回転してその点でS^1に垂直に立てて一周すれば、
円筒形 S^1×R^1ができます。

ただし、接ベクトルαδ/(δx)など(ラウンドの記号がでないので)に
αが対応するとしてです。S^3のときは四元数体H=R+Ri+Rj+Rkを使って
できます。S^3の元(x,y,z,w)=x+yi+zj+wkにi,j,kを順に掛けたものから
i(x,y,z,w)=(-y,x,-w,z)とj(x,y,z,w)=(-z,w,x,-y),
k(x,y,z,w)=(-w,-z,y,x)と(x,y,z,w)の4つは互いに垂直で長さが1なので
同様にできます。S^7の場合はCayley数を使います。
これ以外の次元の球面がダメなことは
確かAdamsか、Ademの公式があるはずですが
忘れました。トーラスはT^2はS^1×S^1と同相で、
一般に
T(M×N)とT(M)+T(N) (「+」はベクターバンドルの「Whiteny sum」を
表します。)とは同型になりますから、

T(S^1×S^1)はT(S^1)+T(S^1)に同型だから結局

T(S^1×S^1)は(S^1×S^1)×R^2と同型になります。
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この回答へのお礼

T(S^n)が自明になるのがn=1,3,7のときだけという事実は不思議ですね
それなら、なんとなく15,31,...とかのときもなっちゃいそうな感じがするのですが、違うんですね
16元数なんていうのもあるらしいのですが、代数構造が複雑だからT(S^15)は自明にならないのでしょうか。。。
有限個のある特定の値のときしか成り立たないのは、とても不思議に思えます

ありがとうございました

お礼日時:2008/07/11 19:53

ちょっと高度すぎて、手も足もでませんでした。


ちょっとまえに、「トポロジカル宇宙」という根上生也さんの本を読んだので、「トーラス」という単語に反応してしまいました。
数学の抽象よりも、宇宙の仕組みに関心が移ってしまいました。
3次元ユークリッド空間(地球表面は、2次元ユークリッド平面?)に住んでいて、時間というものと共存している地球人が、四次元空間以上の複雑な空間を想像するのは、大変困難です。訓練がいります。
本当は、「相対性理論」「ポアンカレ予想」の展開図でも見れればと思っています。
http://www2.neweb.ne.jp/wc/morikawa/sya.html
位相空間、多様体が、視覚的に認識できるとおもしろそうですが。
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この回答へのお礼

本を見つけて読んでくれたんですね
わざわざありがとうございます

No.2さんの回答にもあるように無茶な質問でした。。。
やっぱり地道に計算しながら、幾何学の感覚を養っていく以外に、理解する方法はないようですね。。。
No royal road to geometry!

お礼日時:2008/06/24 23:01

出典:出版社、著者、書名、何ページ何行の文章か、教えてください。

この回答への補足

ありがとうございます
『現代数学の土壌』(ISBN:4535783055)という本の、p97の真ん中辺りです
雑誌『数学のたのしみ』に掲載された記事を集めた本ですが、該当の記述を含んだ記事は、森田茂之教授が書いています
もし解説してもらえると、とても助かります

(「読んでいる」というのはウソで、本当はただページをめくって「眺めている」程度なので、本の名前は出したくなかったのですが。。。)

補足日時:2008/06/20 23:31
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