一通り電気化学を勉強したうえで質問します。

酸化還元電位つまり電気化学ポテンシャルとは何のことなのでしょうか?
例えばA→A^+になる電位をEとするとこの電位というのは
AのHOMOにある電子が一つ失われることを意味します。
この電子というのは電極或いは溶液中のイオンに飛び移ることを意味するわけですが、これはAのHOMO準位のエネルギーと電極或いは溶液中のイオンのフェルミエネルギーが一致したときということになるのでしょうか?
計算でこの電位を出す方があれば、書籍名で構いませんので教えて下さい。
化学者向けの電気化学の本はいくらでもありますが、物理学者向けの本がなく困っています。
何卒よろしくお願い致します。

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A 回答 (4件)

まず,電気化学ポテンシャルと酸化還元電位は同じではありません.


電気化学ポテンシャルは,物理系の方なら,化学ポテンシャルと電気ポテンシャルの和であるということでいいですかね.これは,質問に挙がっている例だと,A と A+ のそれぞれについてある値があるわけです.そして,このような酸化還元系ではもうひとつ,電子のことを考える必要があります.
そして,電子だけが電極相と溶液相を行き来できるので,本質的にはこの電子の電気化学ポテンシャルが溶液相と電極相で一致したときが平衡条件です.この辺の考え方は,metal/metal contact などの場合となんら変わりません.このとき,言い方を変えれば,電極のフェルミレベルと溶液のフェルミレベルが一致したということになるでしょう.ただし,溶液側のフェルミレベルというのがくせ者です.これは A や A+ 単独については定義できません.物理の人はここで誤解する場合が見られます.同様に,酸化還元電位も A や A+ 単独については定義のしようがありません.
酸化還元系 A <=> A+ + e について,平衡状態では μA = μ~A+ + μ~e ですから,μ~e = μA - μ~A+ ,そしてこれが電極中の電子の電気化学ポテンシャルと一致するわけです.その結果,電極相と溶液相の間には内部電位差が発生し,その大きさは,A,A+ の化学ポテンシャル,いいかえれば濃度や,それ自体の酸化力,還元力 (これは標準化学ポテンシャルμ°に反映される) に依存するということになります.
一般的には溶液の内部電位を知る方法はないので,溶液との内部電位差が固定されるような電極,つまりそれは一定の組成の酸化還元系と平衡にある電極 (その基準として採用されたのが標準水素電極),ということですが,それを基準に取り,基準の溶液と被測定溶液の間に内部電位差が発生しないように両溶液を接続することで,任意の酸化還元系と平衡にある電極の電位を測定します.そしてそうやって測った電極電位は,A や A+ の濃度に依存するということです.

では,このような場合に A の電子供与力 (還元力) はどうやって評価できるか,というとこれは A だけを見ていてもだめで,A と A+ について,ある条件を決め,そのときの電極電位の高低を評価してやれば,還元力を比較できることになります.一般的には,この値が低いほど(-方向だが,基準電位には任意性があるので,符号そのものには意味がないことに注意)還元力が強い,と言えるわけです.還元は HOMO レベルの電子が外に出る過程と考えれば,この電位から HOMO レベルを評価できると考えることは,まあ自然な発想なのでしょう.しかしことはそれほど簡単ではありません.
一般的には,A と A+ が標準状態 (つまり活量が1) にあるときの電極電位をもって,標準酸化還元電位とし,俗にいう酸化還元電位はこのことです.しかし,そもそもこの電位の測定というのが,ある任意に決められた酸化還元系 (たとえば B <=> B+ + e) に挿入された電極の電位との差分でしか測れないということが問題になります.この差分は,ふたつの酸化還元系が組み合わさった全酸化還元反応 A + B+ = A+ + B の自由エネルギー変化を測っているのと,完全に等価です.結局,電気化学系の測定をいくらやっても,A = A+ + e というような酸化還元系のフェルミレベルは求められません.金属のフェルミレベルは電子放出現象などで測れることは測れますが,溶液と金属が接触すると内部電位差が発生してしまい,その値を実測することもできないので,金属を基準にすることもできません.

結局,HOMO レベル等を電気化学測定から見積もるには,何かひとつでいいから,電極電位と通常の物性物理学でいうところのフェルミレベルを結びつける必要があるのです.あとはそこからの相対比較ですむわけですから.
そのような観点で,HOMO レベルのわかっている一連の物質について,酸化還元電位測定が行われ,たとえば条件さえうまく揃えられれば,イオン化ポテンシャルと酸化還元電位の間に(単位を合わせれば)傾き 1 の関係は得られています.たとえば,Kohchi et al., J. Am. Chem. Soc., 106, 3968 (1984).このような結果から,軌道レベルと酸化還元電位を結びつけることは可能で,さまざまな検討の集約値として,標準水素電極の電位が,真空準位のした 4.44eV (だったかな?) という見積もり値がよく使われています.この値にどのくらいの信憑性があるのかについては,現在でも意見は分かれます.
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

教えて下さった論文に関しては後ほど目を通してみます。

それと出来ればこのような電気化学と物性物理の接点といった立場から書かれている最近の書籍を教えて頂けないでしょうか?

それともこういったものは論文でしか出ていないのでしょうか?
お願い致します。

お礼日時:2008/07/13 10:29

#1です。


R.A.Marcusの不均一系の電子伝達の理論ですが、Marcus theoryで牽けば幾らでも掛かります。
例えばwikiでは、↓
http://en.wikipedia.org/wiki/Marcus_theory
ノーベル財団のサイト、↓
http://nobelprize.org/nobel_prizes/chemistry/lau …
簡単な説明、↓
http://www.public.asu.edu/~laserweb/woodbury/cla …
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最近の書籍で推薦できるようなものが思い当たらないのです.


ちょっと古いのですが,坪村宏「光電気化学とエネルギー変換」(1980)や佐藤教男「電気化学(上)(下)」(1993,1994)は,一通りのことは述べられているのですが,いずれも現在は入手は困難.大学とかの図書館にはあるかもしれません.
あと,標準水素電極の絶対電位についての考察については,この手の議論の古典ですが,S. Trasatti, J. Chem. Soc., Faraday Trans. 1, 70, 1752 (1974) も見ておくといいと思います.
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物理の方に説明する自信はありませんが、一応気になったので一言。


A→A^+ + e^-
になる過程なのですが、熱力学的にこの過程のポテンシャルはAとA^+の濃度に依存します。この辺はNernstの理論をご参照下さい。
さらに電極のフェルミレベルとの関係についてはR.A.Marcusの不均一系の電子伝達の理論(今はもっと良い理論があるが、化学屋にはこれでも充分難しい)が参考になると思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

R.A.Marcusの不均一系の電子伝達の理論というのを一度読んでみたいのですが、検索してもかかりませんでした。
出来れば正式名称を教えて頂けないでしょうか?

お願い致します。

お礼日時:2008/07/13 10:24

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実験で錯体を合成してサイクリックボルタメトリーを用いて測定しているのですが、サイクリックボルタンメトリーのグラフで何(酸化還元電位・ピーク電流などで)を見れば酸化型または還元型が安定であるかを区別することができますか?

グラフは、フェロセンのような可逆系です。

説明文が抽象的で質問内容がわかりにくいかもしれませんがよろしくお願いします。

Aベストアンサー

1.測定用電極を溶液に入れたとき、その溶液の「起電力」が分かります。(これはCVでなくても分かる)
2.酸化方向にスキャンしたとする。ピークが出てくれば酸化される化学種がある事が分かる。
3.そのピークを越えたところで逆転してスキャンする、可逆なら還元ピークが現れる。さらにまた酸化側にスキャンする。可逆ならさっきと同じ位置に同じ高さのピークが現れる。⇒この化学種は確かに一電子過程で可逆である。
4.同じ事は還元側にスキャンしても言える。
5.ピークが現れないという事は電位幅のウインドウ内で酸化還元される化学種がない事を表す。(当たり前だが重要)
6.同一方向へのスキャンでピークが複数現れる事がある。その形(特に極大電流値、拡散電流形状)が同じであるならば、同一化学種の別の部位にも同様な電子過程を行える官能基がある。(Fe(II)phen3などは三つのphen←→phen+・ピークが等間隔に並んで現れる)
7.電流値の違うピークがある場合、複数の化学種があるか、同一分子内に複数の異なった電子過程を行う部位がある。これは両方が可逆の場合特に大事。
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といったところは基本でしょう。
>酸化型または還元型が安定であるかを区別することができますか?
1.だけで分かります。SCEや銀塩化銀電極で測ると、ゼロボルト付近にピークが出ます。

1.測定用電極を溶液に入れたとき、その溶液の「起電力」が分かります。(これはCVでなくても分かる)
2.酸化方向にスキャンしたとする。ピークが出てくれば酸化される化学種がある事が分かる。
3.そのピークを越えたところで逆転してスキャンする、可逆なら還元ピークが現れる。さらにまた酸化側にスキャンする。可逆ならさっきと同じ位置に同じ高さのピークが現れる。⇒この化学種は確かに一電子過程で可逆である。
4.同じ事は還元側にスキャンしても言える。
5.ピークが現れないという事は電位幅のウイ...続きを読む

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CVの酸化電位や還元電位、UVの吸収極大はHOMO-LUMOギャップに関連するのですか?DFT計算って何のためにやってるんでしょうか?
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理論化学の専門家には怒られてしまうかもしれませんけど、DFT計算ってMO計算と同じものと思っていいですよ。

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酸化とは物質が電子を失う過程をいい、還元とは物質が電子を得る過程をいうが、この反応は可逆的に発生する。
酸化還元系に溶液に侵されない白金電極と比較電極を入れると、電極の表面と溶液の間に電位が発生する。これを酸化還元電位といい、下記の式で表される。

  Eh=Eo+((2.303RT)/nF)([Ox]/[Red])
     [Ox]:酸化物の活量  [Red]:還元物の活量  R:ガス定数
     F:ファラディー定数   T:絶対温度        Eo:固有定数

Ehは、電気化学での基準となる水素電極を基準とした値だが、水素電極は構成が複雑で実用的でないため、酸化還元電位は比較電極を基準として測定し、水素電極基準に換算してEhを求める。
酸化還元電位は上式から分かるように、酸化物と還元物の比により定まるので、比が一定であれば濃度に関係なく同じEhを示す。また、酸化物の比率が高いとプラス側に、還元物の比率が高いとマイナス側に電位が変動する。

先程、酸解離定数について質問した者です。もう一問だけ、よろしくお願いします。

標準酸化還元電位についての定義がわかりません。ネットで探した結果、以下のような文章を見つけたのですが、標準酸化還元電位の説明として適当でしょうか?
また、標準酸化還元電位と酸化還元電位は同じなのでしょうか?
ご回答のほう、よろしくお願いします。


酸化とは物質が電子を失う過程をいい、還元とは物質が電子を得る過程をいうが、この反応は可逆的に発生する。
酸化還元系に溶液に侵されない白金電極と比較...続きを読む

Aベストアンサー

少々疑問点が分かりづらいですが、とりあえず講義的に説明してみます。なお電極の表面を扱うとなると、本当は説明文よりもはるかに複雑になります。出来れば水溶液中における酸化還元平行が成立する2つの物質を選んだ説明が妥当だと思います。その溶液に自身が反応を起こさない電極を入れた状態を想定します。

酸化体と還元体の間で電気化学的に平行関係が成立する場合、両者を含めた系全体の溶液ポテンシャルEhは両者の活量の比(それぞれの絶対量でなく)によって決定されます。
それが次式(Nernstの式)の式中の(Cox/Cred)で与えられます。

Eh=Eo + (RT/nF) * ln (Cox/Cred)
Rは気体定数,Fはファラデー定数,nは移動する電子の数(1イオンあたり),Cox,Credは酸化体、還元体の濃度
*自然対数を忘れないでください。

またポテンシャルEhは物質(酸化体・還元体対)そのものの種類にも依存します。例えばFe(II)-Fe(III)の酸化還元電位は0.770Vとなっています。溶液中にFe2+とFe3+が等量(正確には等しい活量、というか、濃度で)溶解している場合に、その溶液の電気化学ポテンシャルは0.770Vということです。(なお数字は、水素の酸化還元電位、すなわちH2とH+の平衡電位(両者活量1ですので、1atmの水素ガスとpH0の酸が平衡になっているガス電極)を基準にして比較したときの値です。)
この時のポテンシャルがNo.1さんの言うように、標準酸化還元電位Eoとなります(T=298K,1atm下で)。標準、というのは、例えば電池も使えば酸化体あるいは還元体の量そのものが減り、平衡電位が式中右辺の自然対数内の分変化します。
例えばFe2+が0.1M、Fe3+が0.01M存在する溶液では、ln(0.1/0.01)=10、かつ酸化体と還元体における反応式、

Fe3+ + e- = Fe2+

よりn=1(nはe-の係数)、よって以上をNernst式に代入し、

Eh = 0.770 + (8.31*298/1*96500) * ln 10
= 0.770 + 0.0256 * 2.302 = 0.829

このように平衡電位はアノード、酸化側に+0.059Vだけ変化します。酸化体と還元体の比が100倍、1000倍になるとこの2倍、3倍だけプラスされます。

少々疑問点が分かりづらいですが、とりあえず講義的に説明してみます。なお電極の表面を扱うとなると、本当は説明文よりもはるかに複雑になります。出来れば水溶液中における酸化還元平行が成立する2つの物質を選んだ説明が妥当だと思います。その溶液に自身が反応を起こさない電極を入れた状態を想定します。

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Qサイクリックボルタンメトリー法を使った電気化学に関する質問です。

フェロセンを溶解させた系で、サイクリックボルタンメトリー法で測定を行いました。
この結果が、可逆か準可逆、非可逆かの判断を出来ずにいます。
参考書では速度定数k(cm/s)、走査速度v、反応電子数nで決まり、
可逆なら k>0.3(nv)^(1/2)
といった判断基準があると思うのですが、
この時のkの計算方法が分かりません。

また、走査速度vの単位は(V/s)で良いのでしょうか?

あと、ボルタンメトリーで走査速度をあげるとピーク電位差が増大するのは、
この系が準可逆、非可逆である場合の他に、何が関係してくるのでしょうか?

おすすめの参考書などがありましたら教えていただきたいです。

文章が分かりにくいとは思いますが、知っている方がいましたら教えていただきたいです。
よろしくお願いします。

Aベストアンサー

まず重複質問は不可.
もうひとつのほうに書いてしまったので,以下はそのコピペ.
-----
まず,k の求め方ですが,それが簡単に求められるなら苦労はありません.古典的には Tafel プロットによる解析が有名ですが,Tafel プロットが適用できるような系はむしろ珍しいくらいです.
Tafel プロットは,要するに Butler-Volmer 式に実測された電流を当てはめているだけですから,k を知るためには,基本的には拡散等の物質移動過程の含まれない状況での電流を測る必要があります.通常の CV 条件で,そのような状況はまずありません.k がよっぽど極端に小さければ別ですが,ふつうに不可逆といわれるくらいに k が小さくても,拡散の影響を排除できる場合というのはそうそうはありません.反応物濃度を高くし,対流を使って拡散層を薄くするなどの工夫が必要です.そこへもってきて,フェロセンというのは大概の電極材料に対して k が大きいのです.
さて,可逆か不可逆かどうかの判定は,CV の場合はもっと簡単です.
まず,酸化と還元のピーク電位の差を見ます.これが室温なら 57mV くらいになっていればほぼ可逆とみなせます.可逆性が落ちればこの値が大きくなります.
電位掃引速度を変えた場合,速度を上げるほどピーク電位差が広がるなら,その時間スケールでは可逆ではありません (可逆か不可逆かは観察する時間次元にも依存することに注意).
k の値は,掃引速度でピーク電位差が変わってくるならこの依存性に基づいて解析できることがあります.ただし,簡単な解析式はないので,CV の結果を数値シミュレーションかなんかで計算したものと比較するというのがよく行われます.
CV の数値シミュレーションは,たとえば BAS が売っている DigiSim というソフトでできます.DigiSim の計算の中身 (計算の基本アルゴリズム) は論文等で公開されているものをそのまま使っているので,その気になれば同等の性能の計算プログラムを書くことはそれほど困難なことではありません.このプログラムは,拡散過程を高速に計算するために hopscotch というアルゴリズムを使っているところがみそです.しかし,いまはパソコンでさえ高い数値計算能力があるので,アルゴリズムに凝らずに,単なる差分陽解法でもそれなりの速度で計算できます.
数値計算によるシミュレーションは,この辺が参考になるかな.
​http://www.currentseparations.com/issues/19-2/19-2c.pdf​
もちろん,可逆性以外の原因でピーク電位差が変化することはいろいろありえます.
----

ところで,#1 の方の記述は残念ながら勘違いなのか指が滑ったのかわかりませんが,大変につっこみどころが (^^; (けんかを売っているわけではありませんので,念のため)

> フェロセンが水に溶けるわけ無いので、水系でないとすれば、フェロセンは必ず可逆になります。(保証します)

ならない場合はそれほど珍しくありません.アセトニトリルに溶かした場合さえ,電極によっては準可逆にしかならない場合が自分でやった中にも実際にありましたので.

> 走査速度とピーク位置の関係の最大のものは「拡散係数(速度)」です。

違います.ピーク位置を支配する最大の要因は電子移動の固有反応速度定数です.

> いかに電子伝達が早くてもスキャンが速ければピーク位置間電位差は大きくなります。

その通りですが,

> つまり電極表面の電気二重層内の物質交換が律速になっています。

「電子」交換でしょう.まあ,k の中身まで踏み込んで,量子力学的な意味での電子移動とヘルムホルツ層内での化学種の動きとを分離できるのなら別ですが.

> 可逆か不可逆かの判断は、ピークの前後の同じ電位範囲で何度も逆転走査して、ピーク位置がずれず、ピークの形が変わらなければ可逆と考えて構いません。

だめです.電気化学の可逆は,熱力学の変化の準静的過程と同じように,平衡状態が維持されているように見えるという意味です.この場合は電極電位と電極表面での酸化体,還元体の存在状態が Nernst 条件を満たしているかどうかが可逆かどうかがポイントです.繰り返し掃引で位置が動くかどうかは何の情報にもなりません.通常の化学反応の可逆・不可逆とは意味が全然違うことに注意.

> 丸善刊 第5版 実験科学講座 25巻の「触媒化学、電気化学」の電気化学の部分をしっかりマスターしてください。

実はこの本には私自身が関係しているのですが,どの項目も所詮頁数があまりに限られている中での記述なので,私的には必ずしもお薦めではありません.まあ,はじめて電気化学が独立した項目として実験化学講座に入った意義は大きいですが.
電気化学会の「電気化学測定マニュアル」とかのほうが私的にはお薦め.これもいろいろと言いたいことはありますが.
あと,古い本ですが,技報堂の「電気化学測定法」も悪くないです.

まず重複質問は不可.
もうひとつのほうに書いてしまったので,以下はそのコピペ.
-----
まず,k の求め方ですが,それが簡単に求められるなら苦労はありません.古典的には Tafel プロットによる解析が有名ですが,Tafel プロットが適用できるような系はむしろ珍しいくらいです.
Tafel プロットは,要するに Butler-Volmer 式に実測された電流を当てはめているだけですから,k を知るためには,基本的には拡散等の物質移動過程の含まれない状況での電流を測る必要があります.通常の CV 条件で,そのような...続きを読む

Q酸化還元反応とHOMO及びLUMO

酸化還元反応に関する質問です。

例えばA分子とB分子を考えます。

今A分子がB分子に比べて酸化力が強いとします。

この場合、A分子のHOMOはB分子のHOMOよりも卑に深いと単純に考えて良いのでしょうか?

またA分子とB分子で容易に酸化還元反応が起こると考えた場合、A分子のLUMOにB分子から奪った電子(HOMOからの)が入ると考えるとよいでしょうか?つまり酸化還元反応を考えるにあたっては酸化剤のLUMOと還元剤のHOMOの大きさが重要なのでしょうか?

宜しくお願いします。

Aベストアンサー

>A分子のHOMOはB分子のHOMOよりも卑に深いと単純に考えて良いのでしょうか?
これは少し議論が「変」ではないですか?
酸化剤は電子を受け取るので、既に電子の詰まっているHOMOの影響は二次的なはずです。
普通に考えれば電子を受け取るのはLUMOであるべきでしょう。あるいは酸素分子のように不対電子のあるHOMOでなくてはいけません。

>酸化剤のLUMOと還元剤のHOMOの大きさが
揚げ足取りですいませんが「大きさ」というのは変です。他で使われている「深さ」の方がより良くで、通常は「レベル」が「高い・低い」といいます。

なお、考え方は、おっしゃるとおりだと思います。
ただ、電子移動後の「対称性」等の変化が大きく効いてくるので、電子授受後のMOエネルギーレベル図はちゃんと書き直すべきでしょうね。

Q参照電極の換算。

参照電極の換算。
非水溶系で使用するAg/Ag+の参照電極をSHE基準やSCE基準へ換算するには、どのように行えばいいのですか?
参照電極の電位の相互関係を教えてください。

Aベストアンサー

http://old.iupac.org/publications/pac/1986/pdf/5807x0955.pdf
でも読んでみるといいでしょう.
原理的には,その溶媒系でのAg/Ag+系なりの電位が真空準位の下どのくらいになるかを見積もればいいのです.
通常のSHEに替えて,有機溶媒を使ったSHEというものを考えることはできます.その電位については水系のSHE同様の議論を行った例はいくつかあって,上記文献にも出てきます.
とはいえ,SHEの場合でさえ 4.44 eV くらいに話が落ち着くのに,喧喧諤諤の議論が延々と続くことになりましたから,見積もりに必要なパラメータの推定はそれだけ困難だとも言えますけどね.
あとは,そのSHEもどきとの電位差がどうなっているかで Ag/Ag+ 系の電位を考えていくわけですが,最初から Ag/Ag+ 系で同じ議論をやってももちろんかまいません.

Q単位変換

電圧の単位であるボルト(V)をエネルギー単位であるエレクトロンボルト(eV)にしたいのです。どうしたらいいでしょうか??教えて下さい。お願いします。

Aベストアンサー

 「理化学辞典 第5版」(岩波)によると,eV(電子ボルト)とは,『電気素量 e の電荷をもつ粒子が真空中で電位差1V の2点間で加速されるときに得るエネルギー』とあります。

 例えば,電気素量 e の電荷をもつ粒子であれば,1 V で 1 eV に対応しますが,電気素量 2e を持つ粒子であれば,1 V で 2 eV になります。

 つまり,電位差(V)が決っただけではエネルギ-は決りませんので,他に条件が無い限りは,ご質問の様な V を eV に変換する事はできないと思います。

 いかがでしょうか。

Q標準酸化還元電位E。について教えてください。

標準酸化還元電位について質問します。

例えば、
FAD+ 2H+ + 2e- → FADH2(E。=-0.06V)――(1式)

シトクロームC-Fe3+ + e- → シトクロームC-Fe2+
              (E。=+0.25V)――(2式)
*ここでは、pH=7.0における標準酸化還元電位をE。と表しました(Eの右下はゼロのつもりです。)

上記の2本の半反応式(還元反応として表したものです)をたし合わせて、酸化還元の化学式を作る場合、
電子の数合わせのために、係数を2倍にして
2シトクロームC-Fe3+ + 2e- → 2シトクロームC-Fe2+
としますが、この際、酸化還元電位の値は、
両辺を2倍したこの式においても、+0.25Vの値を
そのまま用いて良いのでしょうか?

この2本の式から、酸化還元反応の化学式を
作ると、
FADH2 + 2シトクロームC-Fe3+ → FAD + 2H+ + 2シトクロームC-Fe2+
となると思います。ここで、自由エネルギー変化を
ネルンストの式(自由エネルギー変化と酸化還元電位との関係)
  ΔG=-nFΔE
(n:反応で移動する電子数 、F:ファラデー定数23.063kcal/V 、ΔE:電子供与体と電子受容体の酸化還元電位の差)

によって、自由エネルギー変化ΔGを求める場合、
ΔG=-2×23.063×(0.25-(-0.06))= ~

と計算したのですが、この計算において、
2式の酸化還元電位は、上のように0.25をそのまま用いて
良いのでしょうか?

初学者のためこのような質問になってしまいましたが、
回答よろしくお願いします。

標準酸化還元電位について質問します。

例えば、
FAD+ 2H+ + 2e- → FADH2(E。=-0.06V)――(1式)

シトクロームC-Fe3+ + e- → シトクロームC-Fe2+
              (E。=+0.25V)――(2式)
*ここでは、pH=7.0における標準酸化還元電位をE。と表しました(Eの右下はゼロのつもりです。)

上記の2本の半反応式(還元反応として表したものです)をたし合わせて、酸化還元の化学式を作る場合、
電子の数合わせのために、係数を2倍にして
2シトクロームC-Fe3+ + 2e- → 2...続きを読む

Aベストアンサー

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あまり難しい言葉や数式は使わずわかりやすく回答してもらえれば幸いです。

Aベストアンサー

#1さんの説明の通りですが、いくらか、図などがあった方がわかりやすいかもしれませんので、参考URLにgoogleで出て来たページを紹介します。ページ中程にあるJablonski Diagramの左側が蛍光について示した物です。以下、おそらく溶液の蛍光についての質問であると予想して、述べます。

さて、蛍光の過程について述べますと、蛍光とは図にある青の矢印に対応する励起光を分子が吸収します。その後、図では黒色の矢印で示された光を発しない緩和過程(溶媒などに熱エネルギー等の形でエネルギーを渡し、エネルギーの低い状態へ移動する)を経て励起状態振動基底状態へ移動します。そして、図では緑の矢印で示されている蛍光が発光します。

質問者様のおっしゃる励起スペクトルはこの青色の矢印の波長を変えながら緑色の矢印すべてひっくるめた蛍光全体の強度を測ります。このとき、電子励起状態の振動基底状態や振動励起状態(図では太い横線が各電子状態の振動基底状態を示し、その上の細い横線がその電子状態の振動励起状態を示しています。)へ励起されますので、励起光の波長は電子励起状態の各振動状態のエネルギーに対応したものとなります。溶液などでは、振動励起状態へ励起してもすぐにその電子状態の振動基底状態へ緩和されますので、緑の矢印全体の強度というのは、励起された分子の数に比例します。つまり、励起スペクトルは分子の吸収スペクトルに比例したようなスペクトルが得られるわけです。(もちろん、いろいろ例外はありますが)

さて一方、質問者様のおっしゃる蛍光スペクトルは緑色の矢印をさらに分光器などで分散させて矢印一本一本を別々の波長として観測するスペクトルです。つまり、波長は電子励起状態の振動基底状態から電子基底状態の振動励起状態のエネルギーに対応したものとなります。

蛍光スペクトルにおいて、励起光の波長がわからないと言うことですが、溶液などでは励起分子はすぐに電子励起振動基底状態へ緩和しますので、励起光の波長を変えて励起する分子の振動状態を変えても、蛍光スペクトルはすべて電子励起振動基底状態からのもので、波長とその強度比は変わりません(励起スペクトルのように全体の強度はかわりますが)。このような場合、励起光の波長を書かないことが多いです。

図でもわかるように、励起光の波長と蛍光発光の波長はは電子励起振動基底状態のエネルギーをはさんで、励起光は電子励起状態の振動エネルギーだけ高いエネルギー(短い波長)になり蛍光は電子基底状態の振動エネルギーだけ引いエネルギー(長い波長)になり、それぞれの振動エネルギー構造が似ていれば、鏡像のような形になることがわかります。

以上、「励起光が書いていない」ということから類推して、すべて溶液の蛍光測定と仮定してお答えしました。気体や分子線を使ったLIFではちょっと話がかわってきますので、その点はご留意ください。

参考URL:http://www.jp.jobinyvon.horiba.com/product_j/spex/principle/index.htm#01

#1さんの説明の通りですが、いくらか、図などがあった方がわかりやすいかもしれませんので、参考URLにgoogleで出て来たページを紹介します。ページ中程にあるJablonski Diagramの左側が蛍光について示した物です。以下、おそらく溶液の蛍光についての質問であると予想して、述べます。

さて、蛍光の過程について述べますと、蛍光とは図にある青の矢印に対応する励起光を分子が吸収します。その後、図では黒色の矢印で示された光を発しない緩和過程(溶媒などに熱エネルギー等の形でエネルギーを渡し、エネルギ...続きを読む


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