No.5ベストアンサー
- 回答日時:
>>フォトダイオード:p+np構造ですが、左のp+と右のpは基板電位に接続されており、
Ah ha!
p+とpが基板電位に接続されている、すなわち同電位ならばこれはpn構造ですね。回路上はp+np構造→pp+n構造と等価になります。集積回路上でダイオードを作るためにトランジスタ構造を作って、それをダイオード接続にすることは普通に行われます。とても納得できる内容です。
>>nは信号読み出し部(増幅用MOSFETのゲートに接続)です。同時にこのnはリセット時には電源電位に導通されます。よって、このpnpはフォトトランジスタとは違った素子と思います。
Ah ha!
nが別な素子に回路接続されているならば3端子になりますね。最もそのうちの2端子がすでに基板に接続されているということですからここでのフォトトランジスタとしての動作目的はないのでしょう。
でもMOSのゲートに繋がっていることを考えるとフォトMOSトランジスタ(!)ですかね。n層のポテンシャルによってMOSのゲートがON/OFFされるように仕組まれている。
>>電荷蓄積量は増え(電圧モード)、感度が高くなりそうです・・・。
だってそれがMOSのいいところ(願うところ)ですから
私も勉強になりました
ありがとうございました
No.4
- 回答日時:
百歩譲ってp-n-p構造のフォトダイオードを作った場合、確かに中心半分を境にフォトダイオードモードの部分と太陽電池モードの部分ができます。
そして両p層の光吸収が同じ程度でキャリア発生した場合互いに逆方向に走行しますから、そこへ外部回路をつないで電流波形を見ると「打ち消しあう」ので対象とする「光」については感度が落ちます(私もそう思います)。でもそこで一考。そのデメリットを(素人のままに)そのまま受けるのではなく発展的に考える発想が出てくるとすばらしいでしょうね。 例えばn層のポテンシャルを変化させるようなことを考えたら。2端子素子を3端子素子へ・・・ま、フォトトランジスタですけど、その感度が落ちた分、ほかの機能が新たに付加できたりします。この道1年目とのこと。既存の概念にとらわれずに、新しいものをどんどん考えていってください。ところで、ここでちゃぶ台をひっくり返すようなことを言いますが、2端子のpnp構造の素子って本当にあります?「pnp構造を作るプロセスでフォトダイオードが作られる」とかいう記述を間違って読んでいませんか?
シリコンのPINフォトダイオードはn+-π-p+構造またはp+-ν-N+構造が基本です。アバランシェフォトダイオードのリーチスルー型n+-p-π-p+構造だったりします。そのあたりの詳しい記述は先にご紹介の本の6章と7章に極めて詳細に記載されていますので、ぜひご参照ください。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
私が今触れているフォトダイオード:p+np構造ですが、左のp+と右のpは基板電位に接続されており、
nは信号読み出し部(増幅用MOSFETのゲートに接続)です。
同時にこのnはリセット時には電源電位に導通されます。よって、このpnpはフォトトランジスタとは違った素子と思います。
pinでもないです。挟まれているのものはn型であり、intrinsicではありません。
このpnpダイオードを電流モードで考えると感度が落ちそうでしたが、一方では、
はさまれたnには左右から生成電子キャリアが流れ込み、単なるpnと比べると
電荷蓄積量は増え(電圧モード)、感度が高くなりそうです・・・。
一体、自分でもどうなっているのか分からなくなっています・・・。
光通信素子工学、借りてきたので読んでみます。
No.3
- 回答日時:
感度(ここでは受光感度)を表す量子効率は構造的な要因に加えて、材料の吸収係数に大きく依存します。
ですからご質問にはどの「波長域」の話をしているのかがないので「埋め込み型の光感度はpn型より低くなる」という「問い」には(2日間私も考えましたが)答えられないです。フォトダイオードの対象となる発光素子がレーザーなのか照明電球(LED・有機ELなども含む)なのか・・によっても「感度」の見方は変わってきます。 ということで、大変恐縮ですがもう少しご質問内容を整理して出されると(痒いところに手が届くという意味で)よろしいかと存じます。なおNo2の方も書かれていますが空乏層に対するご認識はこの場合、質問者の方が正しいです。 No1の方の空乏層に対するご認識はどちらかと申しますと受光素子の立場ではなく発光素子(順方向接続)の見方です。 このあたりの話は混乱しやすいのでよく切り分けて話をされるといいのではと存じます。
米津宏雄著「光通信素子工学」(工学図書)という本があります。学生時代からバイブルとして肌身離さず・・・という本です。絶版にはなっていないと思いますが、書店になければ図書館でも探されるとよいでしょう。 ご参考まで。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。返事遅れて申し訳ございません。
私が考えている波長帯域は近赤外領域(780nm~1100nm)です。
その光源はLED(FWHM:Δλ=20nm)です。また、フォトダイオードの材料はシリコンです。
この波長帯域に対する吸収長(=吸収係数の逆数)は数十ミクロン~100ミクロンのようです。
私(素人です。この道1年です・・・)の考えとしては、p-n-p構造のバンド構造は大雑把に言うと、
(n領域に極小を持つ)下に凸となっています。
p-n-pの左側p-nで光を吸収することで発生する電流と
右側n-pで光を吸収することで発生する電流は互いに向きが逆と思います。
すると、電流が打ち消しあうことになり、光感度が落ちると考えています。
しかし、p-n-p構造ではn-p構造と比べてSi-SiO2界面に流れる暗電流が少ない分が大きく効くのでp-n-p構造が使われる・・・
まだ紹介いただいた米津宏雄著「光通信素子工学」(工学図書)は読んでいないので勉強不足な面があります。
上記の私の認識は怪しすぎるので何ともいえません。
No.2
- 回答日時:
フォトダイオードでは、空乏層で光吸収によって発生した電子正孔対が空乏層内の電界によって掃引され、光電流になります。
従って、空乏層の幅が広いほど効率が高くなるという、質問者の認識は正しいです。ただ、埋め込み(プレーナー構造のことでしょうか)でもメサ構造でもpnpにすることはありません。このような構造は、フォトトランジスタとなり、一般のフォトダイオードではこのような層構造は使いません。おそらく、pin構造(不純物濃度の高いp層とn層の間に不純物濃度の低いi層を挟んだ構造)と勘違いしているのではないでしょうか。この場合、空乏層はi層の厚さになります。(つまり、空乏層はi層全体にわたってリーチスルーしている。)効率はi層の厚さによって決まりますが、あえてこれを薄くすることがあります。これは、フォトダイオードの応答速度が空乏層のキャリアの走行時間によってきまるため、効率を若干犠牲にして応答速度を早くすることを目的にしています。具体的には3dB帯域が10GHzを超えるようなフォトダイオードがこれにあたります。
また、ご質問の本旨ではないかもしれませんが、「埋め込み型」とはpn接合の周囲を半導体で囲むのは、アバランシェフォトダイオードのように高電界を用いる素子で、接合周辺でのブレークダウンを防止するためのガードリングを作るために用いられます。一般のフォトダイオードではメサ型が一般的です。
No.1
- 回答日時:
根本的に空乏層の解釈が間違ってます。
空乏層とは障壁であり、言ってみればキャリアに対する障害物です。
ですから空乏層が広くなれば(厚くなれば)キャリアがそれを越えるのに大きなエネルギーが必要となります。
MKSAさんは電気系、応用物理系の大学生の方でしょうか?
空乏層の根本的な理解のために、まずフォトダイオードに入る前に半導体工学や物性工学の帯理論を学んだ方がいいかもしれません。
またここで述べたキャリアが何なのか分からないようであれば、不純物半導体(p形、n形)から入りpn接合を調べてみてください。
この回答への補足
ご回答ありがとうございます。
空乏層とは障壁ですか・・・。私の解釈では、空乏層には電界があり、
この空乏層に光が吸収されて発生するキャリアはその電界に引かれて
信号電流が流れる。従って、信号電流の発生場所でもある空乏層が広ければ
光が吸収される確率が増え、フォトダイオードとしての光感度が高くなる。
と思っています。逆バイアスを印加すれば空乏層が広がり、感度も高くなる。同じ感覚で、
npnあるいはpnp型はpnよりも空乏層が広くなるので感度が良くなる・・・。
確かに、空乏層の周囲の中性領域から空乏層を見ると障壁に見え、
その山を越えるのは難しいとも考えられます。
空乏層の厚さは光検出にどのように関係するのか、やっぱりよく分かりません。
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