ここにいる皆様に比べれば、あまり文学作品は読まない人間からの質問です。
世間一般で持て囃されているシェイクスピアの作品について、6年程前、四大悲劇とベニスの商人を読んだのですが、どこが素晴らしいのか全く理解できませんでした。
その当時は、「どこが良いのかは全く分からないが、昔の読み物とはこういうものなのだろう」と心の中で片付けていたのですが、こうも持て囃されると、私自身の想いが間違っているのか、それとも読む前の前提の知識を必要とするのか、いずれにせよ、世間の評価と私の気持ちが乖離している事に疑問を持っています。
シェイクスピアの表現が一般的になりすぎて新鮮味を感じないからなのか、はたまた現代の表現に適していないからなのか・・・。
また、ベニスの商人の後書きに書いてあったのですが、既存の民話や作品を繋ぎ合わせて、物語を構築する手法を用いて作品を作っていたという説明に、シェイクスピア独自のオリジナリティーが無かった事に対する失望も湧き上がった事も魅力を失わせた理由の一つと思います。
ただ、私がシェイクスピアを読む上での観点が誤っていたりする事も考えられるので、シェイクスピア作品を読む上でどこに着目すべきかを、どなたかご教示頂ける方がいらっしゃいましたら教えて頂きたく。
また、
・どこに着目すべきか
・シェイクスピアの作品の作り方はどこが評価されているか
・誰が、どの作品を評価しているか
が分かる参考図書等があれば教えて頂けないでしょうか?
(ホームページでも構いませんが、私は見つけられませんでした・・・。)
ちなみに私が読んだ中で素晴らしいと感じたものは、
ゲーテのファウスト、
良いと思ったのは、
武者小路実篤 愛と死
面白さがよく分からないものが
川端康成 伊豆の踊り子
文学以外で素晴らしいと思ったのは、
福澤諭吉 学問ノススメ
最近の本で良かったのは、
的場明弘 超訳 資本論
です。
勝手我侭な質問で大変恐縮ですが、宜しくお願い致します。
No.6ベストアンサー
- 回答日時:
シェイクスピアは大衆向けのにぎやかし芸であって、
藤山寛美や手塚治虫と同類でありシーンごとの
盛り上がりをどうするかがコンセプトなのです。
テーマとか全編構成はそのための手段にすぎません。
あなたがおもしろさを理解できないのは
趣味が合わないからですよ。
大ヒット作品であっても好みに合わない人もたくさんいるのです。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
やっともやもやが取れました。
テーマ重視ではなく、演出重視なのですね。
ここまでのまとめとして、シェイクスピアが私個人にとって、評価できない理由は、
1.テーマ重視ではなく、演出重視だからである。
2.文学というジャンルで評価されるのは少し難しいものがある。
3.英語で無いと、読んでも意味が無い。
(日本語訳は飽くまで紹介文のような扱いである)。
4.シェイクスピアの読み手となる私が、人間として精神的に成熟していない。
に収斂されるように思います。
以下、ちょっと文章が汚くなってしまいますが、ストレートに書いてみます。
私が求めるのは人生のテーマや物事の真理、世界の仕組み・物事をどう考えるべきかまたはどう生きるべきかの哲学であったりした為、
これを提供しないシェイクスピアに不満を持ったと思われます。
または、少なくとも年齢において分不相応であると思われる現時点ではシェイクスピアからは何も得られない、という言い方でもいいかもしれません。
また、どうして「文筆」ではなく「作劇」で優れている、と呼ばれているかも理解しました。
テレビドラマで言えば、シェイクスピアその人は、原作の作家ではなく、脚本家、あるいは監督に相当するのだと現在勝手に解釈しています。
これにより、「文学」というジャンルで彼が評価されているのには全く以って納得が行きませんでした。
文学を評価するのに、その土地固有の言語をまず理解しなければならない、というのも理解しました。
これも他の御礼に書いたように、訳文には意味が無い。
例えば、本地垂迹説の一例としての西行の歌で、伊勢神宮をお参りして神様仏様を崇める時に、
「なにごとのおはしますかは知らねどもかたじけなさに涙こぼるる」
と詠んでいますが、これを使って実験してみます。
これを外国人が訳して読んだ場合、
「ここ※1に神か仏か、そのどちらがいるかはよく分からないが、その慈愛に私は涙を流してしまいます。
※1 伊勢神宮の事」
と風流もへったくりも無いものが出来上がってしまい、シェイクスピアの日本語訳のようなものが出来上がってしまった、と私は直感で思ってしまいました。
他の回答者から頂いた、「英語での醍醐味」というのは恐ろしく柔らかい言い方で、毒しか吐かない私の言い方ですと、「英語以外は意味が無い」という形になるでしょう。
そう言えば、確かシェイクスピアの後書き(日本語)に「英語で無いと意味が無い」と書いてあったような・・・(未確認)。
蛇足ですが、そうした上でノーベル文学賞等の外国文学を評価する際、英語に訳されていないと評価されないという審査基準もどうかと思うのですよね。
だから日本人が受賞した時、「何故この人が? 」というような事を国内から言われてしまうのだと思います。
No.8
- 回答日時:
そんなにシェイクスピアに詳しいわけではないのですが、
「リア王」には非常に感銘を受けて何度も読み返したことがあります。
あくまで個人的な意見ですが、シェイクスピアの味わいは、文学と言うより音楽や絵画に似ているような気がします。
なんというか、展開ではなく、言葉と情景が絡み合い、映し出すものを感じ取るのです。
たとえばリアが狂気の底で垣間見せる理性。
滅茶苦茶なようで物語を超越した発言をする道化。
悪役でありながら、近代的な見方をすれば実は正当なエドマンド。
よくは説明できないのですが、グロスターとリアが両者を映し合うかのように進む展開。
世界の価値基準が曖昧となり、善も悪もごっちゃになっていく様子。
リアとエドマンドが使う「自然」は別物だということ。
読めば読むほど味が出てきます。
解説から知ったことがほとんどですが、時には自分でも発見できることがあります。
何でもなかった言葉がいきなり重みを増したり、違う場面での言葉どうしが繋がりを持ったりするようになります。
言葉遊びの要素も多いようなので、恐らく原文で読んだほうがよりよいのでしょうが、日本語でもちゃんと楽しめました。
なにか参考になれば嬉しいです。
No.5
- 回答日時:
シェイクスピアが特別好きというわけではないのですが。
魅力の一つは「こういう人いるいる!」とか「こんなことあるよな」っていうような共感じゃないでしょうか。
アガサ・クリスティと同時代のイギリスの作家が、自分の作中で主人公に「シェイクスピアはすごい。どんな状況だろうと、戯曲をさがせばその場に引用するのにぴったりくる台詞がみつかる」と言わせています。
私はもともと娯楽演劇だったので、そんなに構えて読まなくてもいいと思っています。
「妻の浮気を疑って殺してしまう」とか「地位を得ようと画策する」とかワイドショーネタみたいで、現代でも通じるところがありませんか?
「妻の言うことを信じようと思うけど、ふとしたことからやっぱり疑いが湧いてくる」
「この選択の先にあるのは破滅だわかっているけど、それでもそちらの道を選ばざるを得ない」というような葛藤、人間の弱さ悲しさが興味深く、人を引きつけるんだと思います。
英文科出身の母が「シェイクスピアは原文で読んでこそ楽しめる」と言っておりました。
言葉のリズムや韻は日本語訳では味わえない魅力だそうです。
そっちからアプローチするのも一つのテかなと思います。
この回答への補足
ちょっと言葉は悪いのですが、ストレートな意見を述べさせて頂きます。
> 魅力の一つは「こういう人いるいる!」とか「こんなことあるよな」っていうような共感じゃないでしょうか。
なるほど、私にとっては「あり過ぎる物語設定」だったので新鮮味を感じなかったのかもしれません。
ちびまる子ちゃんのような共感を得る前に、「そんな当たり前の事を何故わざわざ言うのか? 」と
思ってしまった事が悪かったのかもしれません。
> アガサ・クリスティと同時代のイギリスの作家が、自分の作中で主人公に「シェイクスピアはすごい。どんな状況だろうと、戯曲をさがせばその場に引用するのにぴったりくる台詞がみつかる」と言わせています。
なるほど、辞書的なものだから感動を覚えないのかも・・・。
> 私はもともと娯楽演劇だったので、そんなに構えて読まなくてもいいと思っています。
> 「妻の浮気を疑って殺してしまう」とか「地位を得ようと画策する」とかワイドショーネタみたいで、現代でも通じるところがありませんか?
なるほど。これも先ほど書いたように、これに対して私は「普遍的すぎるので取りだてて書くことでもない」と思ってしまうのです。
> 「妻の言うことを信じようと思うけど、ふとしたことからやっぱり疑いが湧いてくる」
> 「この選択の先にあるのは破滅だわかっているけど、それでもそちらの道を選ばざるを得ない」というような葛藤、人間の弱さ悲しさが興味深く、人を引きつけるんだと思います。
ここですね。ちょっと長くなりますが、書かせて頂きます。
シェイクスピアでの表現と登場人物の行動がストレート過ぎるのです。
オフィーリアの死に悲しむとか、父の亡霊に告白されて復讐を誓うとかで、
もうちょっと、複雑な心情を織り交ぜても良いと思うのです。
明確なBLACKを書きすぎており、墨で書かれた黒を書いても良いのではないかと。
あるいは、鋭いチョコレート味ではなく、いろいろ絡み合ったぼた餅のような。
あるいは、サッカーでストレートにゴールへ持っていくロベカルではなく、
ボールを持ったら一旦止まって辺りを見回してしまうナカタや中村俊輔のような。
劇舞台であれば仕方無いのかもしれませんが、書籍として読むとなるとどうも感情移入しにくく、
消化不良を起こしてしまうようです。
> 英文科出身の母が「シェイクスピアは原文で読んでこそ楽しめる」と言っておりました。
> 言葉のリズムや韻は日本語訳では味わえない魅力だそうです。
> そっちからアプローチするのも一つのテかなと思います。
やはりそうですか。
枕草子を英語訳にして外人が読んでいるようなものですかね。
「当たり前の事を言っているだけじゃないか。」と。
あまりにも普遍的になりすぎて感動を覚えられない一例として、ビートルズがあるのを思い出しましたが、
言葉の韻という基本的なものが、その内容に比して文学にとっていかに大切なのかが、少しわかったように思います。
また、それと同時に日本語でのシェイクスピアはそうした面で全く意味が無く、かつ
独特の作曲をしたモーツァルトに対する、型に音階をはめていったサリエリのような
創作技法も独自のものを開発した訳でもなかった。この点についてももうちょっと考える必要があるんじゃないかな、
と思います。
私の中での結論はまだ出そうにありませんが、今の所の雑感はこんな感じです。
回答ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
エロキューション
弱強五歩格
ブランクヴァース
などシェイクスピアを知る上で
原文の持つ詩劇としての抑揚は欠かせません
それに方言やアイロニーもですね
愚かな言葉を格調高くもっともらしく
言わせる風刺もですね
あとはヒッチコックやブラックマヨネーズの手法もそうですが
登場人物みんな癖ありですよね
だからその時その時で同情 共感 出来る登場人物が変わり
それぞれの胸のうちを読者は把握した上でシーソーに揺られながら
大オチを楽しみにする事が出来るのだと思います
この回答への補足
回答ありがとうございます。
なるほど、原文ありきでないと楽しめない部分も大きいのですね。
>登場人物みんな癖ありですよね
ここなのですが、現代で生活する私としてはゲテモノまで食べた感があり、シェイクスピアのような上品の味付けの料理が出てきても物足りなく思ってしまうのです。
>だからその時その時で同情 共感 出来る登場人物が変わり
>それぞれの胸のうちを読者は把握した上でシーソーに揺られながら
>大オチを楽しみにする事が出来るのだと思います
ここも、デウス・エクス・マキナのような手法に何となく物足りなさを覚えてしまうのです。
まあ、観劇に来たお客さんを後味悪く帰すのもまずいので、皆幸せという決着で大団円を迎えるしかないのかもしれませんが・・・。
書籍という媒体を通して読むと、これも消化不良の一因になってしまっているんじゃないかと思うのです。
不満ばかりですみません。
No.3
- 回答日時:
じゃじゃ馬ならしが面白かったです。
深く読む必要がなくエンターテイメント性があって。又、年齢と共に理解が深まると思いますので、何度か読まれるといいですよ。
判らなかったり、好きではなかった本が、書いた作家の年齢に近くなっていくと理解出来たりしていきます。
本は、自分の心や精神に対して、幅や色を彩っていくと思います。テレビ、映画のはかなく消えてしまう残像や出来上がった映像ではなく、
自分でイメージを作り上げてく事ができるので、一番心の糧になると思いますね。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
じゃじゃ馬ならしは未見です。
機会があれば読んで見ます。
>判らなかったり、好きではなかった本が、書いた作家の年齢に近くなっていくと理解出来たりしていきます。
ゲーテのファウストは生涯をかけて創られた作品の為評価が高い、と分析されているようですが、正しくそうなのかもしれません。
シェイクスピアを楽しむには年齢が足りないのかな。
No.2
- 回答日時:
シェイクスピアが作品を書いたのは約400年前です。
現在に至るまで、全世界で読み継がれ、また戯曲ですから上演されてきています。彼は非常に人間を描くのがうまく、また人生や社会の真理を巧みな切り口で表現しています。読めば読むほど奥の深い彼の戯曲は未だ完全に解釈されたとはいえませんし、時代が移ろい変化しても、決して変わらない普遍性を持っている、というのが彼の作品並び彼への評価なのです。以下のURLを参考にしてみてください。
http://www.stone-wings.com/column_001.htm
この回答への補足
回答ありがとうございます。
紹介されたURLはおおいに参考になりました。
ただ、普遍性がありすぎて、また現代の劇や作品に取り込まれすぎて現代の私にはかえって新鮮味が無くなってしまっているのかもしれません。
「彼の劇はつまらないわ。だって格言や昔からの言い回しがやたら多いんだもの。」とシェイクスピアの劇を鑑賞した老婆が言ったとされる言葉を思い出しました。
No.1
- 回答日時:
シェイクスピアがとにかく大好きです。
本はかなり読むほうだと思います。でも、文学って自分の感性に合わないものは幾ら評判でも受け付けないものってありますよね?それが普通だと思います。
私はどうしても夏目漱石やオースティンがダメです。
また、『ファウスト』は好きではありません。ゲーテなら『若きウェルテルの悩み』派ですね。
シェイクスピア独自のオリジナリティーがない、とありますが・・何に書いてあったのか気になりました。確かに何かしらの原作を元に書かれているものは多いですが、それらの作品を読まれたことはありますでしょうか?シェイクスピアの出来とは月とすっぽんだと思います。
無理やり理解をしようとしても、無理なんだと思います。私は今大学生ですが、シェイクスピアを初めて読んだのは小学生。それから何度も挑戦しましたが全く意味がわからず・・。ようやく読めるようになりはまったのは高校生になってからです。
因みに『星の王子さま』等もそうだったので、文学作品には向き不向きの時期があるとも思いますよ。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
>シェイクスピア独自のオリジナリティーがない、とありますが・・何に書いてあったのか気になりました。
これは私の極めて個人的な解釈です。
というより、現在はシェイクスピアに作品中の考えさせる部分でのオリジナリティーを求めてはいけないのだと、はたとこの回答を書いている時に感じました。
私はシェイクスピア作品を読む前に、物語の構成やら何やらまで全てシェイクスピアが創ったという固定観念でシェイクスピアを見ていたので、その作品を発したオリジナリティーとその作成手法に注目しながら読んでいたのですが、原作が古典であるものに対しての作品に敬意を払えないのです。
二次創作のような感覚を受けてしまうのです。
例えば、ハリーポッターの小説が出版され、これが映画化されるというプロセスにおいて映画が二次創作物に当たるとします。
これは文字を映像に変更するにおいて、出演者やスタッフなどの多大な労力が費やされており、映画監督は評価されるべき人物と見る事ができるのです。
が、これが仮に、出版されたハリーポッターに対して「こっちの表現の方が内容がいいだろう」と別の著作者が同出版物の著作権を買って別の文体で出版されるというような、文から文への二次創作というものに対しては、いかに華麗な装飾を施そうとも、その作品の本質やテーマを変える事までは出来ないと思っているので、私の心情として評価しずらいのです。
「ケーキを作る場合、生地まで焼かないと装飾がいかに素晴らしかろうがその職人は評価できない」
というような困った心情が私の中から拭えないのです。良いケーキ生地を選定するだけの話しなのにね、と。
>確かに何かしらの原作を元に書かれているものは多いですが、それらの作品を読まれたことはありますでしょうか?
>シェイクスピアの出来とは月とすっぽんだと思います。
ずばりございません。原文の比較対照まではしていないです。
生地までは古典が焼いてくれたが、その後の華麗な装飾はシェイクスピアがやってくれたという事ですね。
ご指摘の通り、読む時期が悪かったのかもしれませんので、もうちょっと年月をおいてから読んでみるという事に致します。
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本を読んでいる時には、何かしら新しい考え方を与えてくれる本にめぐり合いたいのですが、
シェイクスピアは人として生きる上での新しい考え方を与えてくれなかったから、魅力が分からなかった。
あるいは言い方を変えれば、私自身が人間としてシェイクスピアを楽しめるまでに成長していないので、今は必要ないという事でしょうか。
因みにゲーテは最初の最初からガツンと新しい考え方を与えてくれたので、読むのがしんどかった記憶があります。
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