マルクスの資本論について解説したホームページなどを読んでいて、余剰価値や搾取という言葉がありますが、どうしても納得できないところがあります。
資本論では、余剰価値=搾取と考えていますが、資本家や経営者の頭脳労働や、リスクに対する保険のコストとは考えないのでしょうか?
資本家も頭脳労働者や保険屋(労働ではない?)であり、余剰価値の搾取とはならないのではないかと思うのですがどうなのでしょうか?
資本家に権力なようなものがあったとしても、それを、維持するコストと考えると、やはり、搾取と考えるには、いまいち納得できません。
余剰利益をとっておかなければ、資本家という立場すら維持ができなくなるため、必要経費とも思えるわけです。
また、長い目で見ると、資本家も、資本家同士の壮絶な競争に巻き込まれており、全員の利益を平均化すると、労働者のそれと大差がないように感じますが、マルクスはどのように考えていたのでしょうか?
資本論によると、資本家はかなり有利な立場に書かれていますが、そこまで有利な立場にも見えないところがあります。
言い変えると、ハイリスク、ハイリターンを行うのが、資本家であり、ローリスク、ローリターンを行うのが、労働者とも見えるのですが、いくら考えても納得できません。
このあたりの疑問を説明していただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
No.8ベストアンサー
- 回答日時:
私事で多忙になってしまったため、最後にします。
>資本家側は圧倒的に有利なのか
少なくともマルクスの生きた時代には圧倒的に有利です。
現在でもそれほど変化していると思えません。
>領地や植民地の争奪競争、日本であれば戦国時代、最近だと、M&Aなどを考えています。
かなり変わった考え方をしておられます。争奪競争というのが戦争を意味しているのなら、経済理論がマルクスであれ、近代経済学のケインズ経済学であれ、適用できると考えるのが間違っています。
経済で使う「競争」などの専門用語は正しく理解しないといけません。
lala_ffさんが、マルクス経済学で使う「労働者」「資本家」の区別も明確にできているようには思えません。
現代に適用するなら、株式会社は誰のものか?というのも考えないといけませんが、主流の考えは、「所有と経営の分離」から株主が株式会社の所有者と考えます。この考えをとれば、資本家は株主、経営者と言えど、御雇の労働者に過ぎません。
>一般の労働者は
失業という大きなリスクを背負っています。現在の株主は、株式会社の資本という一部のリスクを背負っているだけです。限定責任なので。その企業の負債総額にあたるリスクを背負っているわけではありません。
また経営者の責任は、現在、曖昧で、法的に緩すぎるのではないかという議論があります。また、経営失敗の責任は、リストラを通じて、労働者にふりかかります。
ベンチャーに出資する部分は資産の一部なら、資本家が資産を平均的にハイリスクに回しているわけではありません。
例えば、10億円の資産が資本家にあれば、銀行預金というローリスクで、雑駁にいえば、現在の日本でも年利1%程度にはなり、年1000万円(税前)の収入となります。
同じく、資産ゼロの労働者で、アルバイトの方なら、lala_ffさんのいうようにローリスクだったと仮定しても、これだけ稼ぐ事は不可能でしょう。
また、マルクスでも、近代経済学をベースに考えても、アルバイトを最低賃金で雇って利益を出せないなら、その企業が市場に存在する価値はないし、経営者に経営の能力があるとは思えませんが、それでも、経営者や株主が利益を得ていいと考えているなら、資本家側の言い訳に洗脳されていると言われても仕方ない気がします。
>ベンチャー
特に詳しいわけではないですが、NHKなどの報道では、ベンチャー専門の出資者は、出資した企業のうち、1/100の企業が成功すれば採算があう(十分な利益が得られる)そうです。
>一般の労働者はそこまでの大きなリスクを負ってまで勝負をしていない
(ハイリスクな)競馬などに破産寸前まで賭けている労働者はたくさんいるのではないでしょうか。
No.7
- 回答日時:
お忙しそうですね。
答えがわかればそれで終わりでしょうか?労働者でなければ、投資家でしょうか?労働者なら、時間は、いくらでもあるはずです。もしかして、非正規雇用という状態ですか?まず、正社員になることですね。その次に、「資本論」を新書版で13冊購入してください。一人で読んでもいいし、仲間と読んでもいいでしょう。
なにかかみ合わないと思いました。先へ先へ、質問がいきますが、信用の問題や、現代の日本が抱えている問題をマルクスが解けるわけがありません。
マルクス、エンゲルス、レーニンの理論と実践を現在に引き継いでいる政党が、日本にあります。お近くの事務所を訪ねて、質問してみてください。明確な回答がかえってくるでしょう。
せっかく「問い」を見つけたのに、「答え」を自分でさがさないなんて、もったいない。
貨幣→商品、これは、簡単です。貨幣は、オールマイティだからです。
商品→貨幣、これは、大変です。商売、営業を経験した人なら、わかるでしょう。「命がけの飛躍」とマルクスは資本論で述べています。
試験とか、レポートの締め切りがあるわけでもないでしょう。腰をすえて、取り組んでみませんか?
No.6
- 回答日時:
>労働者が実力で資産家
資産家は資本家の間違い?
いずれにしても、堀江氏やビル・ゲイツなどの経営者も、当初は銀行からお金を借りたりして起業しているのだから、別に最初から資本家とは言わないのではないでしょうか?
また、現在の上場企業の正社員くらいの給料があるならば、労働者でありながら、株式保有している方もたくさんおり、労働者と資本家の区別も曖昧になっています。
マルクスの生きていた当時、現在の株式会社のようなものはないけれど、・・・。
理論の本質的なところが役に立つのではないかということなら、
柄谷行人「マルクスの可能性の中心」講談社学術文庫
とか
資本論の解説書としては、
Paul M.Sweezy[著]都留重人[訳]「資本主義発展の理論」新評社
などが良いと思います。
>資本家同士の壮絶な競争
例えば?
労働者が「蟹工船」や「女工哀史」のように紙くずのように扱われたりして死んでいくのと、同等の何かが、資本家同士であったとは思えませんが、・・・?
>コンビニのアルバイターとオーナーの関係を考えても、余剰労働に余剰価値が生まれているというのは分かるのですが、ただ、その場合、資本家側からみると、リスクプレミアム部分の報酬と感じているのではないでしょうか?
なぜ、マルクスが資本家側から見る必要があると考えるのでしょうか?
マルクスの生きていた当時、資本家は死なない程度の賃金しか払おうとしませんでした。そうして労働者の犠牲の結果、得た利益がリスクプレミアム部分の報酬などと言えると御考えですか?
現在の日本のアルバイトの状況で言えば、法的に定められた最低賃金に近い額しか払われなくなっています。法がなければ?
>ハイリスク、ハイリターンを行うのが、資本家であり、ローリスク、ローリターンを行うのが、労働者
というのは、雑駁に言えば、資本論とは反対の考えですね。
現在の制度下で考えてもらっても構いませんが、
資本家はどんな点でハイリスクを取ってますか?
労働者はどんな点でリスクを取っていませんか?
回答いただきありがとうございます。
>なぜ、マルクスが資本家側から見る必要があると考えるのでしょうか?
マルクス自身どちらからも見ていた人だと思うからです。また、労働者側の理論は分かりますが、では、資本家側は圧倒的に有利なのか気になります。
>資本家同士の壮絶な競争
領地や植民地の争奪競争、日本であれば戦国時代、最近だと、M&Aなどを考えています。
>ハイリスク、ハイリターン
ベンチャーに出資する人など、うまく上場すれば、創業者と共に、莫大な利益が得られますが、ベンチャーの多くは、上場はおろか数年以内に倒産しています。
破産リスクを負ってまで勝負をしていますが、一般の労働者はそこまでの大きなリスクを負ってまで勝負をしていないように思います。
このリスク部分をマルクスはどのように考えていたのか、もしくは、考えてすらいなかったのか気になっています。
No.5
- 回答日時:
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/library/2007/radio …
lala_ffさんが、経営者なら、わからなくてもしかたがありません。労働者なら、必ずわかります。わかるまで、読んでください。マルクスは、lala_ffさんのために「資本論」を書いたのです。
「資本論」に、「日本」がでてきます。「走れメロス」もでてきます。期待して、読んでください。
この回答への補足
回答いただきありがとうございます。
たくさんのリンクを紹介していただきありがたいのですが、大学生であるなら、それなりの時間も使うこともできたでしょうが、残念ながら勉学に長時間の時間を当てることができない状況です。
また、できれば、簡単でも良いので、このあたりをどのように言っているのか分かれば幸いです。
今の私の理解では、資本論で言いたいのは、 貨幣-商品-Δ貨幣+貨幣 であり、リスクプレミアムは、実質の利益を生んではいないため、無視するという風に思えます。
もしくは、結果論として、社会全体を見ると、資産家は優秀であり、平均的に見ると、マイナスにはならず、プラスになっているというところでしょうか。
しかし、もう少し、良い解釈の方法があるのではないかとも思っております。
>商品、貨幣、ここらへんが理解できないと、その先の複雑な経済の問題は、理解できません。
資本論について、多くの人が理解できないと聞きますが、体感として理解できている人はかなりいるように思います。
哲学にしても、理解できない分でも、内容を話せば、分かる部分は多分にあるように思います。
知人に、ベンチャー企業に出資する人がいるのですが、出資先が上場などすれば、創業者と共に、莫大な利益が得られますが、統計上ベンチャーの多くは、上場はおろか数年以内に倒産しています。
また、知人自身も大きなリスクを負い、仕事内容は非常に難しい判断であり、この利益はリスクに対する、正当な利益であるという話も聞き、納得できるところがあります。
No.4
- 回答日時:
なぜ、マルクスの「資本論」を読まないのですか?「資本論」を読む以外の、理解の仕方は、まちがいです。
日本語訳がでています。図書館で借りて読んでもいいでしょう。商品、貨幣、ここらへんが理解できないと、その先の複雑な経済の問題は、理解できません。
NHK高校講座の現代社会、倫理、地理をビデオに録画しながら、視聴、受講してください。
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/chiri/
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/radio/r2_syakai/
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/radio/r2_rinri/
http://www.philosophy.gr.jp/contents/index.html
http://www.shinnihon-net.co.jp/catalog/article.p …
参考URL:http://www.nhk.or.jp/kokokoza/
No.3
- 回答日時:
信用の問題は、第3巻だったかな?もう忘れてしまった。
18歳以上で大学生なら、読んでください。毎日毎日読むのです。まず、第1巻を通読してください。新日本新書で四分冊です。分からなくても読むのです。弟が経済学部だったので、入学祝に資本論普及版を贈りました。講義やゼミで、結構よんだようですが、卒業のとき、返してきました。私は、普及版は、勉強したい後輩にゆずって、新日本新書版で通読しました。第1巻は、何十回読んだか覚えていません。とにかく、読み込んだ。資本論の翻訳が出版されている国は、世界中でも多くはありません。資本論の理解にいたっては、日本が最先端でしょう。
「商品」ここだけでも読んでください。使用価値と交換価値、価値、一般的等価物、貨幣の誕生、商品経済は、資本主義経済の基本です。「どんなに苦しくても、学問の坂道を、よじのぼる労苦をいとわないものにだけ、頂上にたつ喜びが与えられるのです。」(フランス語版への序文)
商品→貨幣→商品、貨幣→商品→貨幣。これが、商品経済の流通です。等価交換です。どこで、剰余価値が生まれるのでしょうか?流通の中ではうまれません。しかし、流通の中でしか生まれません。じつは、生産過程のなかで、労働力を消費するときに、労働力が生産した価値をすべて労働者に支払っていない、あるいは、賃金と労働力の交換は、等価交換なのに、労働力の消費(生産労働をすると)賃金以上の富を(価値)を生産するのです。
ここがわかるためには、lala_ffさんの立場(労働者階級およびその子弟)が重要になります。わからないひとには、わからないのです。搾取されている労働者であれば、「あっ!わかった!」となるのです。そろそろパソコンが熱でダウンします。クーラーをつけていないので、室温34度cです。
http://www.shinnihon-net.co.jp/catalog/product_i …
この回答への補足
回答いただきありがとうございます。
残念ながら大学生ではありません。時間が有れば直接原書を読んでみたいんですけどね。
ただ、こういった本(哲学書もそうですが)、抽象的ではなく、誰にでも分かるような、例え話を多用した文で書いてあれば、読みやすいんですけどね・・・
現在の株式配当の仕組みやコンビニのアルバイターとオーナーの関係を考えても、余剰労働に余剰価値が生まれているというのは分かるのですが、ただ、その場合、資本家側からみると、リスクプレミアム部分の報酬と感じているのではないでしょうか?
前回書いた、リスクプレミアムと頭脳労働部分を、HANANOKEIJさまはマルクスはどのように考えたと思われますか?
ちなみに、こちらも、クーラーが無く連日熱帯夜です・・・暑さも盆までといいますし、あと少し頑張りましょう。
ちなみに、私が読んだのは、wikipediaやこの本です。
http://www.amazon.co.jp/%E8%B6%85%E8%A8%B3%E3%80 …
No.2
- 回答日時:
資本論第1巻を是非読んでください。
剰余価値=搾取なんて、どこにも書いてはありません。商品生産と商品流通、消費(浪費)これだけでは、人類は存続できません。これを繰り返しおこなう、再生産が必要です。
ところで、貨幣は商品ですか?
銀行に貯金すると利子がつきますが、どうしてでしょう?
地代は、土地を貸して、お金がもらえる。土地が生産をするのでしょうか?
自分で生産した商品を売って、自分の生活に必要な商品を購入する。
商品→貨幣→商品 (Waren→Gelt→Waren)これは、普通の商品流通です。
貨幣→商品→貨幣 (Gelt→Waren→Gelt)これは、売る為に買う。なぜそうするか?後ろのGelt(貨幣)が増加しているから。この増加分を剰余価値といいます。利潤、利子、地代の源泉です。商品流通は、等価交換とします。不等価交換では、だれかがもうけても、必ずだれかが損をするからです。
おかしいですね?貨幣→商品→貨幣 (Gelt→Waren→Gelt)ここでだけ、ふえる。しかも、絶対にふえる。しかし、流通では、等価交換?
商品を消費して、しかも富を生み出すもの、これこそ、人間の労働力なのです。人間の労働が、富の源泉であることは、労働価値説で認められていた。
剰余価値の発見、これが人類史を大きく変える偉大な発見なのです。
全巻で三千ページ以上ありますが、若いうちに是非読んでください。
この回答への補足
搾取という言葉については、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%87%E6%9C%AC% …
にあります、搾取システムが存在するという意味で使っています。
原書については、全く理解ができず難解でとりあえずあきらめています。まるで哲学書を読んでいるようです。
いつかは読みたいと思っていますが、今は、要約本やホームページでアウトラインを知りその疑問を解消したいと思っています。
もしよろしければ、お付き合いください。
土地、貨幣、機械が商品を生産しないということは、一応分かるのですが、
預金や債権の利息について考えると、リスクの高い貸出先である場合、リスクに応じて市場がより多くの利息を付けるうよう働いているように思えます(債券市場など)。
こういった、資本家側から見た、リスク部分について、マルクスはどのように考えていたのでしょうか?
確かに、剰余価値の発見は偉大な発見だと思いますが、その余剰価値は、資本家のリスクプレミアムであったり、頭脳労働に対する対価にはならないのでしょうか?
労働者を機械とみた場合、再生産に必要な費用が、その余剰価値分+生産に必要な費用であるなど。
>おかしいですね?貨幣→商品→貨幣 (Gelt→Waren→Gelt)ここでだけ、ふえる。
必ず増えれば、余剰価値の説明に疑問を持たなくて済んだのですが、
実際は、資本家同士で競争したり、様々な要因により、減る可能性が、増える可能性と同等くらいあるように思います。
その増減のリスクプレミアムや増える機会を探す資本家の労働はどのように考えたのでしょうか?
No.1
- 回答日時:
マルクスの生きていた時代を無視して考えてもあまり理解が深まらないでしょう。
マルクスが生きていた当時の資本家は、労働者は死なない程度の最低賃金で雇えばいいという考えが強かった。労働者が実力でのし上がっていく仕組みなどありませんでした。
マルクスが資本家といった場合、どちらかといえば、金融屋というより、工場所有者などの方が念頭にあったと思います。
それから労働組合などを通じて、現在のように労働者の権利が認められていく背景には、マルクス理論などが影響した歴史があります。
そうした側面を無視して、現在の労働者の権利を所与として、マルクス経済理論を評価するのは、現実的とは思えません。
回答いただきありがとうございます。
確かに、あの当時と今を比べて差があるとは思いますが、本質的なところを考えると、今も昔も労働者が実力で資産家にのし上がっていく仕組みは無いように思います。そう考えると、ある程度の理解は可能かと思っています。
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