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日本は国連安保理の常任理事国へ名乗りを上げましたが、見事に夢破れました。

中国や韓国の妨害工作が功を奏したとの見解もあるようです。 憲法前文にある 「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して ・・」 という文章が全くのデタラメである事が証明されたと思われます。

ところで、安保理の常任理事国になれば、我々日本国民にとって、一体どんなメリットがあると考えられるでしょうか?

逆にそんな役目になれば、事あるごとに 「日本は金持ちなんだから、もっとカネ出せ、自衛隊も出せ」 と無理難題をふっかけられるように思うのですが ・・・

今でも日本に比べて、常任理事国である中国やロシアなんて、「カネも出さない、軍も出さない」 という姑息な態度に終始しているように感じられます。 おまけに何かと言えば 「拒否権、拒否権」。

そんな所に 「金持ちの坊や」 のような日本がしゃしゃり出てきた日には、徹底的に利用されるだけというイメージがあります。

挙げ句の果てに、またまた借金が増えるだけ ・・

それを乗り越えて安保理の常任理事国入りが実現した場合、一体どんなメリットがあるのでしょうか? 

せいぜい口先の綺麗事と言うか、「大国としての義務」 とか、「国際社会における日本の発言力が強まる」 とかの回答が予想されますが、「それは分かるけど、発言力が強まったからと言って、我々に何の関係があるの?」 と考えてしまいます。

それとか、実際には我々一般庶民には何の関係も無く、ただ 「外務省の官僚たちが外国に対して大きな顔が出来る」 事くらいしか無いように思うのですが ・・

あくまでも一般庶民から見たメリットを教えて下さい。

A 回答 (9件)

ANo.7です。


補足を。

>拒否権の行使ですが、非常任理事国の一国でも拒否すれば決議が出来ないという事なんでしょうか?

いいえ、現在は拒否権は常任理事国、つまり「米・露・英・仏・中」の五カ国のみに与えられています。
非常任理事国には拒否権はありません。
そして、常任理事国が全会一致(棄権はOKだったかと)でないと、何もきまりません。
つまり、ある議案(実質事項の場合)を可決するには安保理事国15カ国中9理事国(内5カ国は常任理事国)の賛成が必要です。
「米・露・英・仏・中」の一国でも反対したらその議案は廃案です。
この「反対」することを「拒否権の行使」と言います。

これは非常に強い権限です。
なぜなら、自国(同盟国含む)の不利益になる案が出され、可決されそうな勢いになったら、一言「VETO(ラテン語で拒否の意)」と言えばその議案は否決されるんですから。
否決されれば、当然国際社会はなにも行動がとれないことになります。

国連の大義名分は「国際の平和及び安全を維持すること」ですが、それを迅速に実施するには、5大国が一致して事態に臨まなければ実効性が得られないという理由から常任理事国の地位と拒否権が与えられました。(大国一致の原則)
ただ、冷戦時代は旧ソ連と米国が拒否権を乱発して国際政治が麻痺した事があり、「大国のエゴ」だと批難されることもあります。
このこともあり、現在は「拒否権の行使」にある程度の制限が設けられていますが(棄権は拒否権の行使と見なさない等)、それでもなお強力なカードです。
つまり、国際政治を麻痺させるほど強力な権力=外交カードなんですよ。

また、2003年のイラク戦争に向かうために米国が出した議案に対して、フランスが「拒否権の行使」を示唆して米国に圧力をかけたりしてました。
本来、国連で物事を決めるときは本会議の前の折衝で意見のすり合わせをしてから望むものです。
この時に、「拒否権」をちらつかせながら交渉を進めることで、こちらに有利に持って行くことが出来ます。
しかも、国連の公式記録(議事録)には残らないので批難を浴びることもありません。
つまり、「拒否権」というのは非常に強力な権限であり、外交カードとしては魅力的です。(まぁ、使いこなせる交渉力がなければ意味ありませんけど)

>この両国は双方とも常任理事国ですが、今の肩で風を切る状態になった事に何か影響があったのかなと考えてしまいました。

直接的に経済面で効果があるか?といわれると、微妙ですかね。
でも、外交のやり方次第で経済にプラスにすることが出来るでしょうね。
国連外交では、途上国や非安保理事国なんかは、いかに常任理事国を自陣営に引き込むかが鍵となります。
つまり、常任理事国には陳情やらなんやらで情報が集まりますし、賛成・支援と引き替えに優先的に資源を売ってもらったりなんてこともできるでしょうね。

とはいえ、常任理事国になるにはそれなりの覚悟が必要でしょうね。
大国として権限を有しているということは、それだけ国際社会から注目されるということでもあります。
今は経済面でしか注目されていない日本でも、難民受け入れや紛争地域への支援、人身売買や麻薬の取り締まりなど、国際的な問題に積極的に取り組む必要があるでしょうし、世界の見る目も厳しくなるでしょうね。
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この回答へのお礼

有難うございました。
やっぱり拒否権は常任理事国だけに与えられた特権だったわけですね。
そのため「拒否権無しの常任理事国」という提案があったようですが、何の意味も無いわけでしょうね。

たしかに日本が拒否権を手に入れた日には、国際社会の中で影響力が大きくなるでしょうが、日本政府や外務省に拒否権を「日本の国益」のために上手に使いこなせるだけの能力があるのかどうかが、次の問題になるように感じます。
実際の話、アメリカ1国の拒否権だけで廃案に出来るわけですから、日本がいつまでもアメリカのポチでいるのなら、日本の拒否権なんて意味無いわけですよね。
それにそんな物を手に入れた日には、カネだけではない本当の意味での国際貢献を迫られる事になるでしょうし ・・
それだけの覚悟が日本人全体にあるのか、疑わしいような印象を受けています。

お礼日時:2008/09/03 11:18

平たくいえば力関係です。

No7番さんの投稿が分かり易いかと思います。
私はこの種の説明をするときにパワーという言葉を使います。権限でもよろしいです。
そのポストにいると自動的に付加される権限のようなものがあって、
1ランク下にいる国々はその動向が気にかかり、中には傘下に収まる国も出てきます。

一般人には会社のパワー関係が最も分かり易いですね。私もこれはよく引用します。
課長と平社員では少しいる地位が違うだけですが、課長は一目おかれます。
それは周囲が課長は1ランク上だぞと認識して動くからで、結果として課長は信任というパワーを得ます。
これがもう1ランク上がって平社員と部長の関係になれば、もう平社員は頭が上がりません。
このようにポストによって格というものが決まり、周囲はそれに沿って動くものなのです。

常任理事国になる最大のメリットは情報にあります。
常任理事国ともなれば情報は一番最初に回されますし、色々な会合にも出席を要請されます。
ところがそうでないと理事国から声がかかるのを待つしかありません。
国際戦略の意志決定において、この情報の速度は非常に大きな武器になります。

柔道を例にとれば、国際的にも日本の影響力は大きなものがあります。
柔道を商業化したい欧州とアマチュアリズムを貫く日本とでは対立しました。
そこで欧州は国際的な組織の場に山下氏を落選させるよう仕組みました。
これで日本は排除されましたので、後は欧州の思うがままになりました。
重要な会議に日本は呼んでもらえません。
また、情報の伝達も議事が決定した後に通達されてくるでしょう。
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この回答へのお礼

有難うございました。
なるほど、情報量の差が違うんですね。
国際政治において情報量の差が、そのまま我々一般国民の生活レベルに直結するケースも中にはあるのでしょうね。
とても参考になりました。

お礼日時:2008/09/01 16:08

>金を出すしか能が無い日本がシャシャリ出る必要など一切無いように感じます



常任理事国入り熱望派には、逆なんですよ。
金を出してるのに、出て行くことが出来ない(発言力が無い)ことが不満なんです。
自衛隊を国連軍や米国子分軍として出せれば、常任理事国入りしなくてもなんとか発言権を確保できなくは無いですが、日本の場合は憲法第9条の縛りと国民の反発が大きくなかなか出来ないのが現状です。
なんで、「国連主義・多国間主義」という口当たりの良い言葉を盾に常任理事国入りをすることで発言力を高めようという戦略です。
事実、同じ敗戦国でも国連軍やNATOなどの平和維持軍に積極的に軍隊を出してるドイツなんかは、それなりの発言力というか影響力を行使できます。(同じヨーロッパ人であることを差し引いたとしても)

つまり、米国に次いで第2位の拠出金を出しているのにもかかわらず、国益を確保する点でなかなか旨く言っていません。
もちろん、交渉力の欠如にもその原因はあるのですが、やはりカードは一つでも多く持っておく方が国としてはメリットになります。
なんで、「拒否権」という「強権」を行使できる「常任理事国入り」は日本としては喉から手が出るほど欲しいのです。
※よって、一時期あった「拒否権なしの常任理事国」では意味がありません。
これは、「手段」が「目的」にすり替わった愚策でしょう。
当然、「手段=常任理事国入り」「目的=影響力・発言力をつけて国益確保」です。

>それは分かるけど、発言力が強まったからと言って、我々に何の関係があるの?

発言力が強まれば、政治・経済・安全保障の面で計り知れないほどのメリット、言い換えれば国益が出ます。
国益はそのまま「国民の利益」、言い換えれば、私たちの日々の生活に影響を及ぼすことになります。
例えば、WTO等の交渉などで有利な条件で取引できたり、より多くの資源を安く手に入れたり等々です。

ちょっと、強引かもしれませんが、国と国の関係を企業の関係で捉えてみましょうか。
家電製品の規格争いで有名な「VHS対β(ベータ)」と言うのがあります。
これは、TVなどを録画するビデオテープレコーダーの規格争いです。(近々の次世代DVD争いで少し注目されたので覚えておられる人もいるかと思います)
VHSとベータを比べると、実はベータの方が技術的・画質的に優れていたとされています。
しかし、最終的なシェア争いではVHSに軍配があがりました。
この原因には色々と言われていますが、一番大きいのは開発元のビクターの交渉力の旨さです。
当初は、ベータが先行していましたが、個人契約販売店を中心に全国に大規模な販売網を持っていた松下を引き入れたこと、その販売網と松下の力をつかって東芝やサンヨー等の企業を次々と自陣営に引き入れたこと、その結果ソフトメーカーが味方についた事などなどで逆転勝利となりました。

つまり、発言力の大きい松下を味方に引き入れたことで、後ろ盾を得てVHS陣営が勝利を得たのです。
技術的には優れてるはずのベータは、その発言力に負けたのです。

国も同じように、発言力は国益と直結します。
そして、その後ろ盾に権力を持った常任理事国を味方につけるのも一つの手ですが、自らが常任理事国になって権力が欲しいといのが、日本の「常任理事国入り」だと思います。
つまり、ビクターよりも松下になりたいというワケです。
少し強引なたとえですが、参考になれば幸いです。
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この回答へのお礼

有難うございました。
VHSとベータの戦いは私もよく覚えています。
結局ソニー陣営は敗北したわけですが、機能的にはたしかにベータの方が上だとよく聞きます。
安保理の常任理事国入りは、VHS陣営に入るという事になるのでしょうね。

ただ、国連の活動についてはよく知らないのですが、例えば今の中国は経済成長が物凄くカネがうなっている国だと聞きます。そして、賛否両論はあるとしても、とりあえず北京五輪を無事に終了させ、先進国の仲間入りを果たそうとしています。
また、ロシアは巧みな資源外交を展開していて、周辺諸国に対する影響力が日増しに大きくなっているし、昨今の原油高で膨大な資金がロシアの懐に入っているはずです。

この両国は双方とも常任理事国ですが、今の肩で風を切る状態になった事に何か影響があったのかなと考えてしまいました。

つまり国連で中心的存在になる事と、経済成長や外交で優位な立場にたつ事とリンクしないのではと考えてしまいました。 勿論、間違いだとは思うのですが ・・・

お礼日時:2008/09/01 16:05

No.3の回答者です。



質問者さんのコメントは、日本がアメリカみたいになることを想像しているような気がします。確かにアメリカ並みの軍事力を展開するのは、コストがかかりすぎます。
しかし、現状ではアメリカの覇権によって、シーレーンが守られています。また、アメリカ以外に沿岸各国と協力する道もあります。実際、日本の海上保安庁は、海賊多発地帯であるインドネシアなどにたいして技術援助や共同訓練を行っています。
なので、日本が単独で、アメリカみたいな軍事力を持つ必要はないのです。

もう一つの問題は、中国にシーレーンの覇権を任せて良いのかという点です。アメリカは、確かに戦争を誘発したり、開戦することが多いです。その一方で、自国の同盟国に対するサービス精神があることも事実です。日本は豊かになったので、負担分担を求められますが、日本が豊かになるまでは様々な援助をしてきました。現在の分担要求も、アメリカ自身の負担に比べると、大きなものではありません。インド洋上での給油に対するアメリカ側のコメントを見ても明らかです。小さな負担でもアメリカは相当の謝意を示しています。
一方、中国は確かに石油が必要で必死になっているのかもしれません。だからこそ、東シナ海の海上油田問題では、日本に対して譲歩を渋ったのです。さらに、日本の経済水域で勝手に調査をしたことに対する謝罪もありません。中国の覇権は、日本にとってアメリカの代わりになるものでは決してありません。
むしろ、日本が東アジアにおいてはアメリカの覇権を補完し、韓国や台湾に対しても影響力を持てる国なるべきだと思います。それは、現在の日本のでも十分可能です。久しく聞きませんが、かつて日本の防衛費はGNP1%を上限のめどとしていましたが、現在は(GNPを使わなくなったので)GDP1%すら下回っています。一方、主要国の国防費は、大抵GDP2%以上です。

だいぶ、国連の話からそれてしまいましたが。。。
もう一つ言えば、自衛隊のPKOにしても、日本は後方部門で済ませることが多いですよね。安保理常任理事国になってもそれは可能です。アメリカのように戦場の主導権を握りたいのでなければ、あえて戦闘部隊を投入する必要はありません。安保理常任理事国だからこそ、PKO部隊において自分の好きな役回りを演じられるのです。ただ、これはインドやパキスタン、トルコなど一定の規模の軍事力を持つ途上国が汚れ役をやってくれるからです。
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この回答へのお礼

有難うございました。
お答えを拝見して、やっぱり日本には某かの国際貢献をする必要があるように感じてきました。
少なくともアメリカには随分とお世話になったわけですから、アメリカの要請には何かの形で応えるべきだと思いました。
もし安保理常任理事国入りすれば、例えばPKOでも自分の好きな役割を選ぶ事が出来るのでしょうか。 だとすれば、日本にとってもメリットのある事になるでしょうね。

お礼日時:2008/09/01 15:54

先ず、国連の綱領を一読されることをお奨めします。

 国連安保理事国について概略下記に添付し、一部要点を抜粋し、和訳を加えました。 ご参照下さい。 お役に立てば光栄です。
http://en.wikipedia.org/wiki/Security_council#Ro …

● 拒否権の行使/Under Article 27 of the UN Charter, Security Council decisions on all substantive matters require the affirmative votes of nine members (常任、非常任理事国全会一致が原則。 従って、一国だけで否定出来る拒否権を持っている)
● 安全保障理事国の責務
(1) Investigate any situation threatening international peace;/国際平和に対する脅威となる事態への調査の遂行
(2) Recommend procedures for peaceful resolution of a dispute;/緊急事態に対しての平和的解決に向けた手続きを提唱出来る
(3) Call upon other member nations to completely or partially interrupt economic relations as well as sea, air, postal, and radio communications, or to sever diplomatic relations; and 緊急事態発生国に対して何らかの関係、影響を与えると思われる国家を直ちに召集出来る
(4) Enforce its decisions militarily, or by any means necessary./ 必要とあらば軍事行動の決定を強く迫れる
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この回答へのお礼

有難うございました。
拒否権の行使ですが、非常任理事国の一国でも拒否すれば決議が出来ないという事なんでしょうか?
それなら、日本が一生懸命になって常任理事国入りを目指した行動は意味が無いという結論になるような気がするのですが ・・
国連という組織に詳しくないので、何となくそんな気がします。

お礼日時:2008/09/01 11:25

発言力云々という話は勿論あると思いますが、一つには国連に対する国民の意識があると思います。


防衛予算削減の声はよくあがりますが、国連への拠出金を削減しろという声は余り聞いたことがないように思います。
その拠出金も相当な額ですから、国連の意思決定に関わらせろというのは極々当たり前の主張だと思います。
ですから、ここを軸にして発言力を強めていこうというのは不思議な話ではありません。

ただ結局は道具でしか有りませんので使いこなせるかは別の話になるでしょう。
サミットの議長国も使いこなせば立派な武器ですが、使いこなせなければ・・・ということです。
ですが、ならばサミットを辞退しろというのは別問題だと思います。
常任理事国の件も然りです。

>例えば中東からのタンカーの安全の必要性は日本だけの問題ではなく、中国の方が深刻ではないでしょうか。 それに韓国も台湾も中東の原油に頼っているはずです。
>となれば、何も日本が先頭になって行動を起こさなくても、中国が本気になってやるはずと思われます。

余り存じておりませんので想像混じりですが。
韓国、台湾は目の前に脅威があります。日本も北朝鮮、領土問題を抱えていますが相対的に緊迫していないということなのだと思います。

中国は割りとPKOに人数を割いているようです。派遣先を調べると中国の政策が見えてくると思います。
>中国のように 「金も人も出さず、美味しいところだけ囓る
というのは認識が違っていて国益が絡むところに力を集中しているだけです。

海軍が目立たないのは一つには出す余裕がないのでしょう。(装備等)
原油についても中国自体、資源国ですし、ロシア経由のものもあるようなので若干、日本とは事情が異なるのではないでしょうか?

海賊対策の件についてですが、日本船籍の船はそれで対応できると思いますが便宜上パナマ船籍など他国籍にしてある船もありますので国内法の整備だけでは難しいと思います。

>逆にそんな役目になれば、事あるごとに 「日本は金持ちなんだから、もっとカネ出せ、自衛隊も出せ」 と無理難題をふっかけられるように思うのですが ・・・
普通はそう要求するでしょう。「あなたの国はいい国だから同情して出してくれますよね?」という国は、ちょっと想像できません。
恐らく常任理事国になるならない関係無しに、こういうアプローチはあるでしょうし、今までもあったでしょう。
常任理事国になれば、「常任理事国だから」と言われることもあるでしょうし、「常任理事国だから」決められることもあります。
肝心なのは道具の使い手であって道具にケチをつけてみても問題の解決にはなりません。

余り一般庶民からするとメリットはないのかもしれませんが往々にして外交に対する国民の意識はそうなんだろうと思います。ですが無関係ということも有り得ません。
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この回答へのお礼

有難うございました。
一般庶民に全く無関係のように見えて、実は無関係では無いという事なんですね。
たしかに日本政府や外務省の立場からすると、「多額の拠出金を出しているのだから、もっと発言力を強めてくれ」という事になるのでしょうが、逆に「これだけやっても強い発言力が与えられないのなら、もういい、拠出金をガンと減らしてやる、不足分は常任理事国にもらえ」とも言えそうな感じがします。
日本は今まで相当な額の金を国際貢献の目的で使ってきたと思いますが、それで何か具体的に良い事があったのかなと懐疑的になっています。

お礼日時:2008/09/01 11:20

一般庶民のメリットと言われると説明し難いのですが、一つ覚えてほしいのは日本が世界的にも恵まれた位置にあるということです。

つまり、他国との関係が安定し、平和的に、かつそれなりに充実した通商が行えることで日本は繁栄しています。
確かに、不景気になったり、国内で苦労している人もいます。しかし、町が爆破されて突然何百人も死ぬとか、経済封鎖されて食料が輸入できないとか、石油が値上がりして冬をしのげないほど貧乏な国ではありません。

そして、そういう環境にはコストがかかっています。たとえば、石油の輸入です。産油国が政治的に安定し、継続的な輸出をしてくれる必要があります。また、買った石油を船で日本に運ぶルートの途中の治安が悪くて、海賊にシージャックされたら大変です。石油の輸出入を維持するには、数多くの国の政治を安定させ、また海賊を取り締まる必要があるのです。

国連が直接、石油にかかわるわけではありませんが、安定や安全を確保するという意味で間接的にかかわっています。その国連あるいは、加盟国との協議の場に日本が参加し、また日本の意見が注目を集めるのは、必要なことなのです。海賊が多発し、日本タンカーがシージャックされたという時に、どこの国も日本の訴えに耳を貸さなかったらどうなるでしょうか?

また、日本人が海外で被害にあったとき、相手国が不誠実な対応をとったらどうしますか?北朝鮮の拉致問題だってそうです。ヨーロッパには、日本の意思を無視して北朝鮮と国交を結んでしまう国だってあります。それに待ったをかけるのは、その国に文句を言うほか、国連で訴えて国際的に北朝鮮の不法行為を認知してもらう必要があるはずです。

一方で、日本は金持ちなんだから、それなりの拠出金を払えと言われます。実際に、日本はそうしています。しかし、それは悪いことではありません。相応の発言力の源となるからです。残念なことですが、金持ちや力持ちの言うことは注目を集めますが、そうではない小国の声は無視されることが多いのです。

そういうと日本はすでに発言力を持っていると思われるでしょう。確かにそうです。しかし、国連拠出金と比べれば、今少し発言力が不足しています。安保理常任理事国になりたいと言って、注目されること自体が、潜在的に資格があるかもしれないからなのです。そうじゃないと、中国や韓国も反対せず、無視しているはずです。今反対しないと、日本は常任理事国になってしまうからこそ、反対するんです。
そして、仮に常任理事国になれば、日本はさらなる発言力を手に入れます。同盟国であるアメリカにとっても、万が一日本に安保理で反対されたら困ります。日本はアメリカと喧嘩するつもりがなくても、万が一の可能性を考えてアメリカも、それなりに日本をより尊重し、日本が反対せざるを得ない案件は控えるでしょう。
日本が「賛成できないけど、棄権で勘弁してあげる」といっても、賛成してくれる国が減ることは第三国への説得や世論の印象に影響を与えます。だから、「棄権と言わず、ぜひ賛成してくれ」とアメリカが日本にお願いする場面もあるわけです。決して、「日本はアメリカのポチ」あるいは「金魚のうんこ」の一言で済ませられるほど、簡単ではありません。そうした物言いは、表面的な結果だけ見て、実際の政治過程を見ていない人のものだと思います。

こうした国連外交の現場を本職外交官ではなく、出向中の学者がみた随想録があります。当時の著者の肩書は国連代表部次席代表(大使)、本職は東大教授(政治学)です。是非一読をお勧めします。
北岡伸一『国連の政治学:日本はどこにいるのか』中公新書
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この回答へのお礼

とても詳しく解説して頂いて感謝します。

拝読した後、考えてみたのですが、例えば中東からのタンカーの安全の必要性は日本だけの問題ではなく、中国の方が深刻ではないでしょうか。 それに韓国も台湾も中東の原油に頼っているはずです。
となれば、何も日本が先頭になって行動を起こさなくても、中国が本気になってやるはずと思われます。

それとか、本気で海賊対策を講じるのなら、今のように生ぬるい手法を取らず、国内の法律を変えて、ロケットランチャーやバズーカ砲などを携えた海自や海保の特殊作業員を本船に随行させれば簡単に済む話です。 海賊だって命は惜しいはずです。 警告の意味で一発相手船の前にズドーンと打ち込んでやれば誰でも逃げ出すはずです。 今の海賊の攻撃方法なら接近させないのが一番なので、この方法で解決するはずです。 日本政府が本気になればの話ですが ・・

それにヨーロッパ当りで戦争が起きようが、日本から遠い国でクーデターが起きようが、我々には何の関係無い事。 放っておいてもアメリカを始めとする常任理事国が解決するはず。 金を出すしか能が無い日本がシャシャリ出る必要など一切無いように感じます。

中国のように 「金も人も出さず、美味しいところだけ囓る」 という、ある意味でずる賢く立ち回る事が出来ないのでしょうか ・・

「何で日本ばっかり馬鹿みたいに」 と感じて仕方ありません。

お礼日時:2008/08/29 11:32

>安保理の常任理事国入りが実現した場合、一体どんなメリットがあるのでしょうか? 



常任理事国には「拒否権」が存在します。
5カ国のうち1カ国でも「拒否・反対」すれば、国連安保理事会では否決ちなります。
つまり、自国に対して他国の干渉を拒否する権限が持てるのです。

チベット問題は、中国の拒否権発動で議題になりません。
グルジア問題は、ロシアの拒否権発動で議題になりません。
黒人奴隷問題は、アメリカの拒否権発動で議題になりません。
イギリス・フランスも同様です。

反対に、常任理事国は「日本・ドイツなど旧枢軸国に対して、国連決議なしで武力侵攻する権限」(敵国条項規定)を持っています。
日本・ドイツが「敵国条項削除」を国連に要求しましたが、中国・ロシアだけでなく全常任理事国が反対しました。

>日本がしゃしゃり出てきた日には、徹底的に利用されるだけというイメージがあります。

その通りで、日本はアメリカに次ぐ第二位の資金を毎年出しています。
イギリス・フランス・ロシア・中国が拠出している資金合計よりも莫大です。
国連主義を掲げる日本は、莫大な資金を出す事を快感に思って自己満足しています。
常任理事国各国も、日本は「金は出しても、口は出すな」で相互に理解しています。
つまり、国連のATMが日本です。
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この回答へのお礼

有難うございました。
やっぱり自己満足しかならないわけですよね。
それか、外務省の官僚が外国に対して大きな顔をして「予は満足じゃ」と言うだけの事なんでしょうね。
国際問題について冷たい言い方をすれば、別に日本が常任理事国として発言しても、一国でも拒否権を使われれば何の意味も無いわけで、そんなものに我々の税金を使うというのは、納得出来ませんね。
脱退までする必要は無いと思いますが、普通の国並の貢献でいいんじゃないでしょうか。 あるいは普通以下でも ・・

お礼日時:2008/08/29 09:37

国連安保理は「大国一致の原則」でやっています。

つまり意思決定において、常任理事国でさえあれば、1国でも反対すれば決定はできなくなるのです。その拒否権を手に入れることは、最大のメリットではないかと思います。
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この回答へのお礼

有難うございました。
常任理事国入りすれば拒否権が与えられるのは理解しているのですが、ただ、「それが何なの?」と感じています。
それで市民生活が豊かになるわけでも、景気が良くなるわけでもないと思います。

お礼日時:2008/08/29 09:06

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