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ポツダム宣言には米英、中華民国の他、ソ連も後から参加していますが、宣言のロシア語版には英語版と食い違っている箇所があります。国際条約には普通どの言語のテキストを「正文」とするかが定められていますが、ポツダム宣言のような文書を解釈する場合はどうすればよいのでしょうか。

「ポツダム宣言は国際条約ではなく、連合国が占領方針について述べた文書であるため、平和条約の発効と共にその効力を喪失している」、というのが通常の見方かと思いますが、日ソ間では国交の回復が平和条約ではなく「共同宣言」という形で行われ、しかも領土問題について最終的合意に至らなかったため、ポツダム宣言の領土条項の解釈論にも意味がないとはいえないと思うのです。例えば日ロ交渉でポツダム宣言の解釈論が持ち出された場合、ロシア側はロシア語テキストの内容を日本が受け入れた、というような主張を展開することが可能なのでしょうか。

ややこしい質問で済みませんがよろしくお願いします。

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A 回答 (3件)

ご質問者は三重の勘違いをしていらっしゃるのではないでしょうか。

それを(1)~(3)で説明する形で、回答といたします。

(1) まず、「条約法条約」をご覧ください。

条約法に関するウィーン条約(条約法条約)(東大東洋文化研究所 田中明彦研究室)
http://avatoli.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/docum …

これは1980年に発効したもので、第四条で「この条約の不遡及」が定められています。しかし、(条約に関する)慣習国際法を成文化したのがこの「条約法条約」ですから、昔からの国際的な「しきたり」をまとめたものとして読むことが可能です。
まず、ポツダム宣言などの「共同宣言」は、この条約の第二条1(a)に該当し、(広義の)「条約」に含まれます。
次に、第三十三条2をご覧ください。

「条約文の確定に係る言語以外の言語による条約文は、条約に定めがある場合又は当事国が合意する場合にのみ、正文とみなされる。」

したがってロシア語は、米・英・中の合意がない限り、ポツダム宣言の正文たりえません。なぜなら、同宣言は米・英・中の共同宣言として発表された時点で、文言が確定しているからです。その後、ソ連はその宣言文を認めた上で加入しました。
そのため、ソ連(ロシア)は勝手にロシア語訳に基づいて主張をなすことができません。そのようなことをなすためには、ロシアは、日本うんぬん以前に米・英・中から合意を取り付けなければならないのです。
念のため付け加えますと、米・英・中は、改めてソ連(ロシア)から同様の合意を取り付ける必要がありません。その理由はすでに述べた通りです。

(2) ご質問者は、ポツダム宣言の「ロシア語翻訳版」と「英語・中国語版」との間に、「非常に細かい点ですが」「意味が違っている点がある」とおっしゃいます。しかし、その説明を読んでも、「具体的には」違いがあるように思えません。お尋ねしますが、英語・中国語・ロシア語を原語で理解できる御方なのでしょうか? それとも、誰かの受け売りでしょうか?
長谷川毅の『暗闘―スターリン、トルーマンと日本降伏』、『北方領土問題と日露関係』は図書館で見かけて、私も飛ばし読みしてみました。易しい本ではなく、まだ読み通していません。誰の本の何ページに、そのようなことが書いてあったのか、教えていただけるとありがたいです。

ポツダム宣言ロシア語版(ソビエト連邦カメラ)
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/ …
北方領土問題(ソビエト連邦カメラ)
http://www.ne.jp/asahi/cccp/camera/HoppouRyoudo/ …

(3) 「ロシア語翻訳版」と「英語・中国語版」の「非常に細かい」違いとやらよりも、米国の二枚舌外交の方が、よほど重大な懸隔を隠し持っていました。長谷川毅の本にも書いてあったように思いますが、サンフランシスコ条約第二条(c)の「千島列島」の範囲についてです。
米国代表ダレスは、「歯舞を含まない」(つまり歯舞は日本領)という見解を述べました(1951年9月5日)。しかし、それ以前の草案作成過程において、歯舞・色丹が明記されていた米国第六次草案からこれを削除し、「千島列島」の範囲を不明確化したのは、ほかならぬ米国だったのです。
これと似た構図は、竹島問題についても見られるようです。ご質問とは直接関係ありませんが、次の質問のNo.15回答(拙文)もご覧いただけると幸いです。

竹島について全て
http://okwave.jp/qa4194208.html
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この回答へのお礼

Ganymede 様

込み入った質問に丁寧なご回答をいただき、ありがとうございます。

「ポツダム宣言は条約法条約でいう『広義の条約』に該当し、したがって同条約第33条の2にある条約の正文に関する規定の適用対象となる。よってそれに関する規定がない以上ロシア語版は正文ではありえない」というご指摘について。

この点に関しては、自分でも条約法条約を見て、ご指摘いただいた結論になるのではないかと憶測していましたが、そのとおりである、というご教示を頂き、心強く思います。ただ、私がまだよくわからないのは、「正文」に関する規定を特に含んでいないポツダム宣言のような文書について、最初に発表された英語・中国語版を自動的に「正文」(ないしはそれに準ずるもの)と見なしてよいのか、(そのような慣習国際法が存在するのか)という点です。この点につきもしご存知でしたらご教示いただければ幸甚に存じます。

条約文については、英語・ロシア語については自分で十分読める能力があります。中国語は大学で1年やった程度なので怪しいのですが、「吾人所决定其他小島」つまり我々が「決定」するところのその他の小島となっているので、英語と同じ意味と考えても大きな間違いはないと思っています。

「北方領土問題」におけるアメリカの狡猾さについては、長谷川氏や、和田春樹氏らの研究で読んでおります。そちらの方が大きな問題だ、というのは全くご指摘の通りで、それを踏まえた上でさらに細かい隅をつつこうとしてみたのが今回の質問でした。竹島について同様の構図がある、というのは初耳で、ぜひ読ませていただこうと思っております。

ご回答いただいたことに対し、重ねてお礼を申し上げます。

お礼日時:2008/09/13 13:05

こんにちはー



このロシア語「誤訳版」の存在も内容も私は知らないの
ですが、日本は受諾したポツダム宣言にしても、上層部が
いろいろ検討、議論をした結果、アメリカに国体の護持を
打診して、やっと受諾したわけです。

ロシアがそれを主張することは自由ですが、日本としては
ロシア語「誤訳版」であれば、受諾していないかもしれません。
その内容なら、こちらも条件をつけさせてもらっていたよ。と、
いうことを、日本は主張するでしょう。

サンフランシスコ会議においても、その会議でソ連はロシア語
「誤訳版」を主張したかどうかは知りませんが、認められて
いないはずです。

会議の中で、ソ連は北方領土の帰属先を、その会議の主権国
であるアメリカに認めてもらってないわけです。
そのためにソ連の代表は、会議を途中に怒って帰りました。

サンフランシスコ会議は日本の領土を決定するための会議でも
あるわけです。

そこで決められなければ、お互いが独自の主張をするしかなく
ロシアの主張だけが、通るようなことはありません。

ロシア語「誤訳版」をロシアがもちだしてくれば、ではなぜ
サンフランシスコ会議で、それを主張しなかったのか、と
ロシアに言いよる事も可能だと思いますよ。

結論としては、お互い主張するのは自由だが、何の法的効力は
ないし、ロシアの主張に対しては、日本は前述の理由で主張
できると思います。

この回答への補足

回答を頂きありがとうございました。

領土の画定は結局は平和条約で行うのが筋ですから、ポツダム宣言云々よりもとにかく平和条約を見るべきだ、というご指摘、そのとおりですね。

ロシアは、サンフランシスコ条約に拘束されず、逆にサンフランシスコ条約によって恩恵を受けることもないわけですから、1956年の日ソ共同宣言が重要で、ただそこでは領土問題が確定しなかったので、その分ポツダム宣言が問題になる余地はあるのかな、という気がします。しかしご指摘の通り、日本は英語版(ひょっとしたら中国語版も?)を見て受諾したわけですから、ロシア語版に拘束されない、というのが納得のいく線だと思います。ロシア語版がいつできたのかはなぞで、現在調査中です。

ありがとうございました。

補足日時:2008/09/17 09:24
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こんにちはー



最近になってソ連版のポツダム宣言は発見されたらしいの
ですが、歴史学的に意味があっても、条約や法律に関しては
まったく意味を成さないと思います。

日本はソ連版のポツダム宣言を受諾して、降伏したわけでは
ないからです。

ポツダム宣言が効力を喪失するのは、サンフランシスコ
講和条約の発行のとき。という意味ではないのですか?

それと、ポツダム宣言の領土条約解釈論というのは、
具体的にどのような事ですか?
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この回答へのお礼

回答を頂きありがとうございました。質問に紛らわしい点があったことをお詫びいたします。

ソ連版のポツダム宣言草案については、長谷川毅氏の「暗闘」で紹介されて知っていますが、私が聞きたかったのはそれについてではなく、一般に知られたポツダム宣言のロシア語翻訳版のことです。非常に細かい点ですが、英語・中国語版とは意味が違っている点があるのです。具体的には、日本の領土について定めた箇所で、日本の主権は四つの大きな島「およびわれらが決定する諸小島」に限定されるというのが英語・中国語版で、時制についてはぼかしつつもこれから我々が決定する、というニュアンスを漂わせていますが、ロシア語版では「およびわれらがこれから指示する諸小島」となっているのです。これは、「領土問題については既にヤルタで決定したけれど、あんたたちには後で指示するよ」という、ソ連にとって都合の良い解釈をとりやすいようになっているわけです。非常に細かい点ですが、私はこれはソ連による意図的な誤訳だと推測しています。

このロシア語「誤訳版」の存在について、日本は宣言を受諾するまで恐らく意識しておらず、従ってこれに日本が縛られるいわれはない、という議論は出来るのですが、ただこうした宣言には「正文」というものがないので、ロシア側が、我々が行った宣言はこのロシア語の宣言だ、と主張した場合日本側がそれに対抗できるか、というのが質問の趣旨です。

お礼日時:2008/09/04 21:09

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