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日光や蛍光灯でポスターなどの色が劣化する原因を教えて下さい。
紫外線で紙の繊維が劣化すると思うのですが、塗料が薄くなったりするのはなぜなのですか? 特にカーボン紙(領収書などの転写のあれ)は、製品の注意書きに(日光とかに当てすぎないでね!)みたいなことが書いてあります。具体的に日光や蛍光灯の何が、塗料などの何と反応して劣化が起こるのでしょうか…(あるいは検討違いなのでしたら、別の原因も含め)教えて下さい。完全には無理でしょうが、ある程度の紫外線をシャットアウトさえすれば、ポスターや絵画などの色の劣化は防げるのでしょうか? 些細な情報でも結構ですので、ご教示下さい。

A 回答 (6件)

光のエネルギーで化学反応が起こるのか?


光の波長によって持っているエネルギーが異なり、そのエネルギー値と有機化合物の化学結合エネルギーとの値を比べてみることが一つの指標になると思います。
赤外線では、光そのもののエネルギーで直接化学結合を切るのには、エネルギーが低すぎます。
紫外線は結合を切るだけのエネルギーを保有します。
(紫外線を吸収した分子が、全て結合を切断されてしまうという意味ではありません。)
化学結合エネルギーを200~300kJ/mol程度とすると200kJ/molは可視光の黄色、300kJ/molでは紫色か近紫外の境界くらいの光に対応します。
よって、劣化は可視光線でも起こるのか?という質問に関しては
No.5さんも述べているようにyesです。
また、青い光による劣化の方が、赤い光よりも進みやすいと思いますよ。これもNo.5さんが述べています。
青い光を吸収する。つまり赤く見える物の方が不利だと言うことです。
劣化防止には、紫外線、青い光のカットを目指し、黄色、赤色の光の遮断は、あまり気にかけなくても良いのではないでしょうか。
また、光劣化には熱劣化と同じように酸素の存在が影響します。
(酸素がある方が劣化が進む)
でも、インクを有機染料系から無機顔料系に変更するのが、最も効果的かもしれません。
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ご質問は印刷インキについてですね。



ぺンキ、マジックインキについても良く目にすることです。
赤い色が弱いです。

注意書き等で赤と黒のペンキで書かれている看板などがあります。
「危険!」とか「注意!」とかの赤でかかれたところだけが消えていて何のことかわからないことがよくあります。
マジックインキの赤で書かれたものでも同じです。
赤の方が黒や青よりも光に弱いのです。

皆さん紫外線の効果を書いておられます。
でも
・色の違いが可視光の吸収で生じる
・紫外光は可視光線よりも波長の短い、エネルギーの大きい光である
ということを考えると吸収する可視光線の違いによっても耐光性に違いが生じると考える方がいいのではないでしょうか。
赤い光を吸収する物質よりは青い光を吸収する物質の方が光に対して弱いということです。青い光の方がエネルギーが大きいのでそのエネルギーを貰った物質に反応を引き起こす力も大きいと考えられます。光のエネルギーを受け取れば分子が構造変化を起こしますから可能性はあります。
青い光の方が紫外線領域に近いですから、青い光を吸収する物質は赤い光を吸収する物質よりも紫外線の影響を受けやすい構造になっているということも考えられます。

実際の化学構造や吸収の特性についてはよく知りませんが大雑把にはこう考えていいと思います。

#3に黄色と赤が弱くて青と黒は強いと書かれている内容とも一致します。蛍光を出す物質も光に弱いはずです。普通の色素とは違って余分な光吸収の道筋を持っているからです。
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この回答へのお礼

お詳しくご解説いただいて、ありがとうございます。赤と青の関係もよくわかりました。みなさまのご回答も含め、結論として次のような2通りのかたちを考えております。
1、ガラス板に99%UVカットのシートを張って、額フレームにする。
2、アクリル板(どうもUVカットに関しては、ガラスよりもこちらの方がいいようで)にさらに99%UVカットのシートを張って、額フレームにする。
 ただ今日、近所のコーナンでアクリル板を見てきたのですが、意外と費用が高く、またガラス板よりもちょっと飾りたいものがくもってしまう気がしました。(ちょっと不鮮明に。。。でもこれはもしかしたら、保護シートのせいかもしれませんが・・・)またANO4にてお礼にも書いたのですが、波長の長い光についてはガラス板の方がカバーできるということです。もし「99%カットしますよシート」(仮名)(本当だと信じて)が波長の短い光に特化した耐光性をカバーしてくれるのであれば、透過性と波長の耐光性の幅がきくガラス板+「99%カットしますよシート」(仮名)の方がいいのかな?と、ちょっと判断に悩んでおります。いずれにしても、非常に参考になりました。本当に本当にありがとうございます。またお時間ございましたら、アドバイスいただければ嬉しく思います。

お礼日時:2008/09/06 19:58

色が付いていると言うことは、可視光線を吸収していると言うことです。


どの波長の可視光線を吸収するかによって、その物質の色が変化します。
可視光領域のすべての波長の光りを吸収すれば、黒色に見えます。
可視光を全く吸収しなければ、透明になるはずです。
界面がたくさんあり、光りを散乱すれば白色になります。
(透明な氷を砕いて細かくすると白色に見える。雪が白いのと同じ原理)

ところで、有機化合物が可視光を吸収するためには、分子軌道に存在する電子が光りを吸収し、基底状態から励起状態に移る事が必要です。
n軌道からπ*軌道への励起、π軌道からπ*軌道への励起などです。
単純な二重結合などでは、吸収領域は紫外線の領域なので、人間が感じることは出来ません。
共役系が長くなると励起状態が安定化するので、紫外線よりも低いエネルギーの光り、つまり可視光も吸収するようになります。
(一般の分子(物質)は、一つの波長の光りだけではなく、色々な波長の光りを吸収します。)
可視光だけでなく、紫外領域の光り、つまりエネルギーの大きな光りを吸収すると、そのエネルギーによって化学反応が起こる可能性が高くなります。(分子が切れたり、酸化したり・・・)

よって、可視光を吸収する分子が紫外線により、他の分子に変化してしまうために退色してしまうと考えればいかがでしょうか。
可視光を吸収する部分が壊れてしまうと考えてもいいかもしれません。

無機系顔料は、金属原子自体の電子が励起することによって発色しているのだと思います。
金属酸化物であったり、有機物との塩や錯体などだと思います。
有機物と比べ光りに対して安定な金属酸化物などが顔料として使われているので、無機顔料系の印刷は耐候性が良いのだと思いますよ。
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この回答へのお礼

専門的でお詳しく教えていただき、本当にありがとうございます。冷えピタを貼りながら読ましていただきました。目的のために新たにご確認させていただきたいのですが、紫外線によって主に劣化(色あせ)などが起こるということで間違いないかと思いますが、日光などに含まれる可視光・赤外線など紫外線以外のもの(波長の違うもの?)でもある程度の劣化(化学変化の間接的なものも含め)が発生すると考えてもよろしいということでしょうか。たとえばアクリル板はガラス板に比べて紫外線をカットしてくれるようですが、波長400nm-600nmの光はガラス板よりも透過率が上がってしまうようです。http://www.acry-ya.com/acry-ya_new/html/original … またお時間のある時にでも、あらためてアドバイスいただければ嬉しく思います。(今回のご回答でも、十分なのですが)本当にありがとうございます。

お礼日時:2008/09/06 19:45

こんにちわ。



私は専門ではありませんが・・
印刷に使うインキは、有色無機顔料が有機顔料を使用します。
主にポスター等の印刷には色が鮮やかになる有機顔料を使用し、印刷には色材の3原色であるC(シアン)、M(マゼンダ),Y(イエロー)
プラス K(黒)を組み合わせて印刷します。
この有機顔料というのは色が鮮やかに出るという利点はあるのですが、耐熱性・耐光性に弱いという弱点があり、特にイエローとマゼンダが特にこの
耐熱性と耐光性に弱い為に、屋外にずっと置いてあるポスターはこの2色に関わる色が抜け落ち、シアン系の色と黒だけが残った青黒い絵になってしまいます。

これを防ぐとなると、耐光性のあるインキで印刷する、又は日光や紫外線を防ぐ工夫をするという事になるかと思いますが、いずれにしても
完璧に劣化を防ぐ事は無理かと思います。
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この回答へのお礼

ご専門ではないということですが、ご質問の本意通りのご回答です。なるほど、有機顔料なんですね。そしてイエロー・マゼンダのお話も、とっても勉強になります。本当にありがとうございます。もしこの文章を読んでいただいておりましたら、「耐光性のある」物質(たとえばこの液体を塗ることで、耐光性がさらに増す!というようなもの)がありましたら、物質・元素・成分などでも結構ですので、ご教示下さい。紫外線カットフィルターはもちろん実行しようと思うのですが、どうしても一生ものにしたいものでして、できうる限り劣化を阻止したいと思っておりますので、取れうる対策を取りたいと思っております。ぜひよろしくお願いいたします。

お礼日時:2008/09/05 22:01

紫外線などの単波長光は有機分子の結合を切断するほどの高い量子エネルギーを持っているからです。



まあ、人間も劣化するくらいですし・・・

>ある程度の紫外線をシャットアウトさえすれば、ポスターや絵画などの色の劣化は防げるのでしょうか?

はい、UVカットフィルムを貼るか、紫外線がカットされた蛍光灯をお使いください。

アインセライト株式会社
http://www.eincelight.com/uvcut/effect2.html
紫外線カット蛍光灯
http://www.eincelight.com/
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この回答へのお礼

「単波長光は有機分子の結合を切断する」ということなんですね!非常に知りたいことをわかりやすく教えていただけました。
「紫外線がカットされた蛍光灯」知りませんでした。とても参考になりました。もし「UVカットフィルムを貼る」、「紫外線がカットされた蛍光灯を使用する」のほか、さらに取りうるUVカット手段がございましたら、あらためてご教示下さい。できうる限りの手段を尽くして、UVを全力でカットしたいと思っております。

お礼日時:2008/09/05 22:03

おっしゃるとおり紫外線が主な原因ですが、紙もインクも劣化しますのでカーボン紙を長期間保存するのは難しいです。


普通紙にコピーするなどしてください。
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この回答へのお礼

やはり紫外線以外の原因でも紙・インクは劣化するんですね。(この世に永遠のものはない・・・ということですね。)ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2008/09/05 21:54

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