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民訴の既判力(114、115条)について教えて下さい。

(1)114条1項について
既判力の客観的範囲は、原則として、主文に包含するもの(訴訟物)にのみ及び、理由中の判断(先決法律関係や事実認定)には及ばないとされています。

例えば、売買契約に基づく売買代金請求訴訟(訴訟物は、売主による売買代金債権の存否)において、請求認容判決が出た場合、理由中の判断に既判力が生じない以上、売買契約の成立、及び代金債権の発生(555条)自体には既判力が生じないことになります。

そうだとすると、後訴において、買主が売買契約無効確認訴訟を提起しても、既判力に遮断されないことになり、仮に、その訴訟において請求認容判決が出てしまえば、既判力の趣旨である「裁判の安定」は害されることになるように思います。

そして、この場合に、例えば、信義則によって妥当な結論を導くとすると、一体何のために、既判力は理由中の判断に及ばないとしているのか私には分からなくなります。
初めから、既判力は理由中の判断に及ぶとすれば、こんな面倒なことにならないと思うのですが、この点についてご教示頂けないでしょうか?


(2)114条1項について(その2)
上記と同様の事例(売買契約に基づく売買代金請求訴訟)において、裁判所が、契約の無効を認定して、請求棄却判決が出た場合でも、同様に、売買契約の成立、及び代金債権の発生(555条)自体には既判力が生じないことになります。
つまり、契約の不成立によって棄却されたのか、それとも、弁済等の抗弁によって棄却されたのかは既判力が生じないことになります。

そうだとすると、後訴において、買主が、契約の有効を前提として、例えば建物明渡請求訴訟を提起しても、既判力に遮断されないことになり、仮に、その訴訟において請求認容判決が出てしまえば、既判力の趣旨である「裁判の安定」は害されることになるように思います。

そして、この場合も同様に、信義則を用いるとすると、一体何のために、既判力は理由中の判断に及ばないとしているのか私には分からなくなります。
この点もご教示頂けますでしょうか?

(3)114条2項について
上記と同様の事例(売買契約に基づく売買代金請求訴訟)において、裁判所が、相殺の抗弁を認定して、請求棄却判決が出た場合は、既判力は、相殺の自動債権(被告側の債権)にまで及ぶとされています。

確かに、訴訟物は異なるとはいえ、被告側の債権が審理されている以上、「裁判の安定」「手続保障」の観点からも納得がいく結論です。

むしろ、なぜ、相殺だけ、既判力が理由中の判断に及ぶとしているのかが分かりません。
民訴が、相殺だけ特別扱いをしている理由をご教示頂けますでしょうか?

以上、質問が多岐に渡りますが、ご回答よろしくお願い致します。

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A 回答 (4件)

基本書読みましたか?基本書を読んでも理解できないのなら、ここでの紙幅と時間と知識と表現力ではるかに基本書に劣る回答を読んで理解できるとはとても思えないのですが。



それはともかく、疑問はもっともです。その通りだから争点効って話があるんです。
既判力の客観的範囲をどこまで認めるのかは、究極的には立法政策の問題でしかありません。
広ければ紛争の解決は一回で図れますがその代わりに既判力の及ぶ範囲全体について不利益を受けないように当事者は慎重かつ徹底的な争いをすることになるので間違いなく訴訟に時間が掛かります。訴訟経済という観点からは争点は絞り込んだ方がいいに決まってます。
一方で、狭ければ当然既判力の及ばない部分について別訴による蒸し返しができるし、判決の矛盾抵触のおそれも出てきます。更に何度も蒸し返せば全体としてみると訴訟経済的にも不利になる可能性はあります(実際にそう細々と訴訟を起こす暇人は滅多にいませんが。既判力が及ばない範囲ごとに個別の訴訟をやるなんてのは相当金と暇をもてあましている人だけ)。まあそういうのを防ぐために中間確認の訴えがあるわけですけどね。
そこで、どこまで既判力を認めるのが法制度として妥当かという立法政策の問題に帰着するわけです。
要するにトレードオフの問題です。完璧な答えなどないんですよ。それを求めるのなら、ご自分で理想と考える理論を構築するとよいでしょう。新堂先生の争点効理論をとりあえず学んでみればよいでしょう。もとより、新訴訟物理論とか争点効というのは判例通説に対して、紛争解決の一回性を重視して出てきたくらいですから、紛争解決の一回性を強調するなら争点効理論によることになります。ただし、判例通説実務じゃありませんけどね。そして紛争解決の一回性という点で弱いし矛盾抵触を避ける必要がある場合があるからこそ判例はいわば“仕方なく”信義則を使って後訴を制限したわけですよ。

この辺は、有斐閣大学叢書の新民事訴訟法講義の既判力の説明のところに詳しく載ってます(他の基本書でも載ってると思いますけど)。後はご自分でお読みください。
誤謬はあるかもしれませんが、既判力を原則として主文に限定するのはいろんな意味で“その訴訟の解決”ということを最優先したからと考えるのが妥当でしょう。その上で、相殺については起こりうる問題が容易かつ具体的に予想できるし、そもそも反対債権の主張というのが実質的に反訴のようなものなので例外として既判力の範囲を“立法的に”必要最小限の範囲で拡張しただけと考えていいと思います。新堂先生なんかはそれをもっと拡張して争点効を認めるべきだと主張しているわけです。
まあ、ここは難しい話ですよ。

で、傍論について少々言いたいことがあるのですが、眠くなったのでまたいずれ。傍論なんで余談みたいなものですから締め切っても構いません。
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この回答へのお礼

基本書は、判例実務ベースの記述がされているということで司法協会の講義案の該当部分を読みました。
また、知り合いの弁護士をつかまえて質問したのですが、やはり争点効や信義則の話だったり、実際、そんな後訴を立てる人間も少ないということで、直接的な回答をもらえませんでした。
まぁ、当たり前といえば当たり前なんですが・・。

学者の先生の基本書は、かなり立ち入った記述が多くて二の足を踏んでいたのですが、疑問を持ってしまったときには確かに有用ですね。
楽をせず、ご提示頂いた文献を拝見させて頂きます。

また、相殺は「実質、反訴」という回答は私の疑問に対して非常にしっくりくるものでした。

記述内容から推察するに、単なる暗記を超えた深い理解をお持ちの方かと存じます。
よろしければ、是非「傍論」についてお聞かせ下さい。

お礼日時:2008/09/11 05:47

No.2の回答者です。



追加質問の前半部分については、No.3の回答者が詳しく解説されているので、あえて蛇足を付する必要はないかと思います。

後半部分について。

確かに、「売買契約の成立(555)は法律レベルの問題」といえます。「意思の合致」という法律要件を満たせば、「契約の成立」という法律効果が生じるからです。

ただ、だからといって、それを訴訟物にすることはできません。なぜなら、売買契約が成立すれば、その時に所有権が移転して目的物引渡請求権が生じ、代金請求権が発生し、この2つこそが「実体法上の請求権」となるからです。売買契約が有効に成立したかどうかは、これらの請求権が発生する前提問題に過ぎません。故に、攻撃防御方法の1つにしかなり得ません。

もっといえば、過去に一定の権利・法律関係が存在したとしても、現在においてそれが存続しているとは限らないので、その意味でも「売買契約の成立」の確認を求める利益(確認の利益)がありません。訴えの利益は訴訟要件なので、仮に訴状が受け付けられても訴え却下の判決になります。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/09/13 01:49

(1)について



>> 後訴において、買主が売買契約無効確認訴訟を提起しても //

まず、ここに間違いがあります。

売買契約が成立したか否かは、つまり売買の意思の合致があったかどうかという話なので、事実レベルの問題です。その事実があるとき、法的効果として代金請求権と目的物引渡請求権が発生します。

原則として、確認訴訟は、事実の存否の判断について提起することは許されません。すなわち、代金請求権や目的物引渡請求権の存否については判断を求めることができるとしても(もっとも、一般的には給付請求をすべきとされます)、その前提問題である売買契約の成否については判断を求められません。「買主が売買契約無効確認訴訟を提起」したら、訴状却下になります。

また、通説・判例に従えば、契約の無効は、当該契約に付着した瑕疵であること、前訴において攻撃防御方法として提出する機会を与えられていること、前訴の口頭弁論終結時までに生じた事由であること、を理由に、既判力によって遮断されるとします。

したがって、判断の矛盾は生じず、既判力の趣旨に抵触しません。

>> 信義則によって妥当な結論を導く //

よくいわれることですが、「信義則」「公序良俗」「権利濫用」は伝家の宝刀です。無闇矢鱈に振りかざして良いものではありません。

そして、「妥当な結論」というのは、「当該事案の個別的事情に照らして妥当」という意味なので、抽象的な事例で信義則を持ち出すのは意味がありません。すなわち、信義則の内容は、いわゆる禁反言(エストッペル)や矛盾挙動の禁止、相手方の信頼保護、社会的妥当性などをいいますから、判決理由中の判断に既判力が及ばないのを良いことに、後訴で手の平を返したような訴訟活動をして、相手方に無用な応訴の負担を強い、裁判所を翻弄して、訴えを提起すること自体が社会正義に著しく反するような特段の事情がある場合に、最後の手段として用いられるものだということです。

その証拠に、信義則で後訴を却下したり、後訴における当事者の主張を信義則で許さないとしている裁判例・判例は、かなり背信的なケースです(毎回訴訟物は違うが、結局のところ同一土地の所有権の有無を争う趣旨で、10数年来にわたって同一被告を相手に訴えを提起し続けたケースなど)。

(2)について

>> 既判力の趣旨である「裁判の安定」 //

具体的に、どのような意味で使われているのか不明ですが、「紛争の一回的・終局的解決」という趣旨であれば、結果的に矛盾するかに見える判決が出る可能性は、すでに立法において織り込み済み、というのが回答になります。

すなわち、当事者主義・弁論主義を採用し、職権調査・職権取調べを原則として禁止する建前をとって、事実および証拠の提出を当事者の権能かつ責任とした以上、結果的に見て矛盾を生じたのは、当事者の訴訟活動の結果であって、裁判所や訴訟法の不備ではない、ということです。そして、そのような不利益を予定することで、当事者が積極的に攻撃防御を展開し、豊富で有用な資料が提出され、正義公平にかなった審理ができることを、法は期待しているということができます。

したがって、このような結果を不都合と考えるのであれば、それは立法論の問題でしょう。

(3)について

No.1の回答者がご指摘の通りで良いかと思います。相殺の抗弁に既判力を認めないと、反対債権の存否について紛争が蒸し返されるおそれがあります。

他の理由中の判断について既判力が生じない理由は、No.1の回答者が(1)(2)への回答でご指摘の内容が妥当するかと思われます。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

申し訳ないのですが、理解が悪いもので、再度質問させて下さい。
(3)について、『反対債権の存否について紛争が蒸し返されるおそれがあります』とありますが、反対債権の存否について蒸し返しはありますが、前訴と後訴の訴訟物は異なるわけで、理由中の判断に蒸し返しが生じると意味では相殺の場合もそれ以外の場合も変わらない問題だと思います。

なぜ、一方が立法論の問題で、一方が明文で規定されているのでしょうか?

また、別件ですが、売買の意思の合致は事実レベルですが、売買契約の成立(555)は法律レベルの問題ではないのでしょうか?
この点もよろしければご教示ください。

お礼日時:2008/09/11 02:12

 私は実務家を目指している者なので,学究的なお答えは満足にできませんが,私の理解を述べておきます。



問1 114条1項について
 114条1項が,理由中の判断には原則として既判力が生じないとしている趣旨は,民事訴訟法2条が規定する「公平・適正・迅速・経済」という民事訴訟の理念を守るためでしょう。
1 訴訟物でない事項について既判力が生じるとすると,
○当事者は訴訟物以外についても攻撃防御を,また,裁判所も関連事項について全般的な審理を,それぞれ強いられ,訴訟遅延の原因となる。⇔迅速
○十分に攻撃防御を尽くしていない事項について後訴における拘束力が生じてしまう(:不意打ちとなる)。⇔公平・適正:手続保障
:以上,必要性

 理由中の判断に既判力を生じさせなくとも,当事者は,訴えの変更(143条)や反訴(146条)により,必要に応じ訴えを拡張できる。
:以上,許容性


問2 114条1項について(その2)

答 これについても,問1で述べた理由で,既判力が生じないとされていると思います。
 質問者様の言われる「裁判の安定」が何を指しているのか分かりかねますが,紛争解決のことを言われているのなら,実質的に矛盾する判断が出ても,訴訟物自体の蒸し返しを許さなければ,単にそういう結果が押し付けられるだけのことですから,「裁判の安定」は害されないと思います。
 また,前訴の訴訟記録は,後訴において有力な証拠となり,実際には,そうそう実質的矛盾判決は出ないのではないでしょうか。


問3 114条2項について

答 相殺の効果について既判力を認めないと,訴求債権の存否の争いが,反対債権を訴訟物とする後訴で蒸し返されてしまいます。

 たとえば訴求債権(甲債権)を100万円,反対債権(乙債権)も100万円とすると,乙債権は前訴における甲債権との相殺により消滅し,甲債権に基づく請求権は理由がないとして請求棄却の判決がなされます。
 乙債権の不存在について既判力がないとして,乙債権100万円を後訴で請求したら,甲債権が乙債権との相殺で消滅したのか,そうでなく最初から存在しなかったのかを審理する必要が出てきてしまうのです。
 前訴の口頭弁論終結時において甲乙とも存在しないという既判力が認められれば,このような蒸し返しは起こらず,「裁判の安定」に反しません。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
ご回答頂いて、再度考えたのですが、再質問が長いため、以下に別スレッドを立てました。

http://okwave.jp/qa4319804.html?ans_count_asc=20

ご回答頂ければ幸いです。

お礼日時:2008/09/11 01:33

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非訟事件の定義と具体例を教えていただけませんでしょうか。あるいは、それらが紹介されているサイトでも結構です。
よろしくお願いします。

Aベストアンサー

非訟事件=裁判所が後見的立場から、合目的的に裁量権を行使して権利義務関係の具体的内容を形成する裁判。
具体例としては、夫婦の同居義務に関する審判を非訟事件とした判例(決定ですが)→最大決S40.6.30


純然たる訴訟事件と対比して考えるとわかりやすいと思います。

純然たる訴訟事件=裁判所が当事者の意思いかんにかかわらず終局的に事実を確定し、当事者の主張する実体的権利義務の存否を確定することを目的とする事件。

つまり、訴訟事件は、当事者の主張してきた権利があるかないかという形で最終的に判断をくだすもの、これに対し、非訟事件は実体的権利関係自体を確定するものではなく、裁判所が当事者の主張に拘束されずに行うアドバイスであって、終局的に権利関係を確定するものではない、という感じでいいと思います。

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まず前提として。
裁判所あるいは裁判官は一定の法律事項について判断をする権限があるわけですが、その権限に基づいて「訴訟上の効果をもたらす行為として行う一定の意思表示」を裁判(*)と呼び、判決、決定、命令と区別します。命令は質問にはありませんがついでに述べておきます。

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1.主体      裁判所(判決、決定)   裁判官(命令)
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Q『再訴』と『別訴』と『反訴』の違い

民事訴訟法初学者です。
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(1)『再訴』
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テキストを見てもよくわからなかったので、具体例を交えつつ教えていただけるとありがたいです。

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きちんと説明すると長いので大雑把でもいいですか?

まず、「別訴」とは、簡単に言えば、「手続を異にする訴え」だと思ってください。例えば、甲が乙に家を貸し、更に金を貸していたとして、家賃の不払いがあったので賃貸料の支払請求訴訟を提起し、さらに別途、貸金返還請求訴訟を提起したなどという場合、これは手続き的に異なる訴訟なので「別訴」ということになります(なお、甲が乙に貸金返還請求訴訟を提起し、全く関係のない丙が丁に売買代金支払請求訴訟を提起したなんてのも一応「別訴」と言えば「別訴」ですが、そもそも当たり前すぎて敢えて「別訴」などと表現する必要が全くありません。ですから、「別訴」と言う場合には、一応、当事者または請求に何らかの関連があることが通常だと思って下さい。)。

「再訴」とは、「一度提起して終了した訴訟と同じ内容の訴え」と思ってください。例えば、甲が乙に金を貸していて貸金返還訴訟を提起したが敗訴したので甲は同じ貸金返還訴訟をもう一度提起したなどという場合です。あるいは、訴えを取り下げた後に同一内容の訴えを再び提起する場合などもあります。手続き的には別の訴えなのでこれもまた「別訴」の一種です。ちなみに「まだ終了していない訴訟と同じ内容の訴え」については、通常は「再訴」とは呼ばず、「二重起訴」「重複訴訟」などと呼びます。
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つまり、「手続が別であれば別訴であり、別訴の内容が同じ場合には、訴えの提起の時期によって再訴または二重起訴になる」と思っておけば大体合ってます(細かく言えば、手続が同じでも内容が異なる場合を別訴と捉えることはできます。併合請求において、個々の請求を「別訴」と考えることも不可能ではないということです。そういう使い方は余りないとは思うのですが、一応、文脈によって判断するべきでしょう。)。

「反訴」とは、「係属中の訴訟手続内で被告が原告を相手に提起する訴え」のこと。例えば、甲と乙が事故を起こし、甲が乙に対して不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起したところ、同一事故について乙が甲に対して同じく不法行為に基づく損害賠償請求訴訟を提起したなどという場合です。これは訴訟手続を異にしないという意味で別訴ではないと言えますが、内容を異にする場合には別訴の一種と捉えても構いませんし、審理手続は同一であっても、訴えの提起自体は別に行っているので手続が完全に同一ではないから、審判対象が実質的に同じで内容的に同一の訴えである(例えば、債務不存在確認訴訟係属中に当該債務についての履行請求を反訴で提起する場合など。)としても別訴であると考えることもできます。

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きちんと説明すると長いので大雑把でもいいですか?

まず、「別訴」とは、簡単に言えば、「手続を異にする訴え」だと思ってください。例えば、甲が乙に家を貸し、更に金を貸していたとして、家賃の不払いがあったので賃貸料の支払請求訴訟を提起し、さらに別途、貸金返還請求訴訟を提起したなどという場合、これは手続き的に異なる訴訟なので「別訴」ということになります(なお、甲が乙に貸金返還請求訴訟を提起し、全く関係のない丙が丁に売買代金支払請求訴訟を提起したなんてのも一応「別訴」と言えば「別訴...続きを読む

Q民事訴訟における『既判力』の意味

はじめまして。
法律の勉強をしているのですが、どうしても分からないことがあったのでお聞きします。

民事訴訟を勉強していたときに出てきた『既判力』という法律単語の意味がよく分かりません。

法律辞典で調べますと『民事訴訟における既判力の意味とは、確定判決の判断内容の後訴での通用力・拘束力』とあります。

しかし具体的にどのような力があるのかよく分かりません。

どなたか『民事訴訟における既判力の意味』をわかりやすく解説していただけないでしょうか。
よろしくお願いします。

Aベストアンサー

>つまり前訴の判決で確定した事実に明らかに矛盾がある訴えが後訴で提起された場合にその『攻撃・防御』を遮断する力が既判力と解釈してよいでしょうか。

 既判力の作用については学説上の争いがありますが、一般的には、消極的作用と積極的作用の両面があるという説明がされています。
 消極的作用とは、前訴の既判力のある判断内容に反する当事者の申立や主張について、後訴の裁判所はそれを排斥しなければならないというものです。(上記のご質問は消極的作用についての説明です。)
 もう一つの積極的作用とは、後訴裁判所は、前訴の既判力のある判断内容について拘束される、すなわち、後訴の審判は、それを前提に行わなければならないとするものです。
 たとえば、BがAに対して後訴において、抵当権不存在確認の訴えを起こしたとします。そうしますと後訴の裁判所は、前訴の既判力の基準時点においては、前訴の裁判所が認定した債権(甲債権とします。)は存在していることを前提に判断しなければなりません。
 もっとも、その抵当権の被担保債権が、そもそも甲債権であるかどうかは、前訴の確定判決の既判力が及ぶものではありませんから、その抵当権の被担保債権は、甲債権ではなく、乙債権であり、乙債権は既に消滅しているから、附従性によりその抵当権も消滅していると後訴の裁判所が判断することは当然許されます。

>つまり前訴の判決で確定した事実に明らかに矛盾がある訴えが後訴で提起された場合にその『攻撃・防御』を遮断する力が既判力と解釈してよいでしょうか。

 既判力の作用については学説上の争いがありますが、一般的には、消極的作用と積極的作用の両面があるという説明がされています。
 消極的作用とは、前訴の既判力のある判断内容に反する当事者の申立や主張について、後訴の裁判所はそれを排斥しなければならないというものです。(上記のご質問は消極的作用についての説明です。)
 もう一つの積極的作...続きを読む

Q債務不存在確認訴訟で棄却判決が出された場合の既判力が生じる範囲

債務不存在確認訴訟で棄却判決が出された場合、それだけでは直ちに債権債務の存在が既判力をもって確定されるわけではなく、債権債務の存在が既判力をもって確定されるには、理由中で債権債務の存在が認定されなければならない、との説明を受けました。

この説明が正しいとすると、以下の点が疑問です。
①債権債務が存在することは理由中の判断に過ぎないのに既判力が生じるのでしょうか。
②給付訴訟で棄却判決が出されれば、債権の「不存在」が既判力をもって確定されると思います。債務不存在確認訴訟は給付訴訟の反対形相だとして、これとパラレルに考えるならば、債務不存在確認訴訟の棄却判決によって、債権の「存在」が既判力をもって確定されると考える方が自然ではないでしょうか。

それとも、上の説明がそもそも間違っているのでしょうか。

よろしくお願いします。

Aベストアンサー

>私が、請求棄却判決を出すべきだと考えるのは、
「XのYに対する、○年×月△日に成立した金銭消費貸借契約に基づく100万円の債務は、100万を超えては存在しないことを確認する」
では、体裁としては一部認容判決なのに(「原告は請求を棄却する」ではない)のに、原告の請求は全く認容されていないわけですから、わけがわからないことになってしまうと考えたからです。
間違ってますかね、、、?

 いいと思います。

Q既判力の客観的範囲

既判力の客観的範囲は、判決主文中に包含するものに限り既判力を有する(114条1項)、すなわち裁判所の訴訟物の存否に関する判断をいうとされます。

これについては、わかったつもりでいたのですが争点効のところを復習がてらに読んでいて以下のような疑問がありました。

AからBに対する所有権に基づく返還請求訴訟においては、訴訟物は「所有権に基づく返還請求権」のはずです。そして、認容判決が下ったとします。多くの基本書は争点効のところで、この場合既判力を生じるのは「返還請求権」で、所有権がAにあることは確定していないので、理由中に示されたAに所有権があるという部分には既判力は働かず、Bは後訴でAに対する所有権不存在確認訴訟を起こせてしまうから、争点効を考えるべきではないかとあるのです。

これっておかしくないですか??
訴訟物は「所有権に基づく返還請求権」なのだから、Aに所有権があることにも既判力が及ぶのではないのですか?新派に立つならまだしも、旧派にしてみれば、訴訟物は実体法上の権利それぞれなのですから、やはり既判力が及ぶのは「所有権に基づく返還請求権」ではないのでしょうか?


ご教授お願いします。

既判力の客観的範囲は、判決主文中に包含するものに限り既判力を有する(114条1項)、すなわち裁判所の訴訟物の存否に関する判断をいうとされます。

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Aベストアンサー

通説的には、既判力は、訴訟物単位で考えます。「Aの所有権に基づく返還請求権」と「Aの所有権」は訴訟物が異なりますから、既判力の直接適用はできないと単純に考えればいいのです。

既判力の「範囲」という言葉を使うので、理論的包含関係にある場合にも既判力の範囲に含まれると勘違いされているのでしょう。

確かに「Aの所有権に基づく返還請求権」を認容する判決においては、「Aの所有権」の存在が理論的前提になっています。

しかし、一般的な見解では、訴訟物の具体的な関係を検討して既判力が及ぶかどうかを決めるのではなく,単に訴訟物が同一かどうかで既判力が及ぶかどうかを決めることになります。

Q民事裁判では、裁判官は証拠調べをおこなう義務はないんですか?

民事裁判では、裁判官は証拠調べをおこなう義務はないんですか?

Aベストアンサー

 質問の趣旨が不明ですが、当事者が証拠の申出をすれば、必ず裁判所はその証拠を採用して証拠調べを行わなければならないという意味であれば、そのような義務はありません。
 証拠の申出に対して、裁判所がそれを採用して証拠調を行うかどうかを決定することを証拠決定といいますが、証拠決定は事実審の裁判所の裁量に委ねられ、裁判所が取調べる必要がないと判断すれば、裁判所は証拠の申出を却下して、証拠調べを実施しないことはあり得ます。
 もし、不当な裁判所の証拠決定により、敗訴したのであれば、上訴して上級審でその当否を争うことになります。

民事訴訟法

(証拠調べを要しない場合)
第百八十一条  裁判所は、当事者が申し出た証拠で必要でないと認めるものは、取り調べることを要しない。
2  証拠調べについて不定期間の障害があるときは、裁判所は、証拠調べをしないことができる。

Q民事訴訟 引換給付判決の既判力

お世話になります。
お手すきの時に回答いただければ幸いです。

引換給付判決の既判力は、引換給付部分には及ばず、訴訟物にしか及ばないと思うのですが、
仮に前訴で引換給付判決が言い渡されて確定した場合に、無条件の勝訴判決を望む原告が
後訴提起した時に、前訴基準時後に新たな事由の変動が無い場合、
裁判所は、(民事訴訟という学問の理論からは)どのような判決を下すべきなのでしょうか?

例えば前訴の訴訟物が建物明渡請求権で、立退料支払(引換給付)を条件に認容された場合で、
後訴において再度、同一原告が同一被告に建物明渡請求権を提起した場合の、
後訴の裁判所の判決内容について、どうすべきかご教示ください。

宜しくお願い致します。

Aベストアンサー

 話はちょっとややこしいですが、引換給付判決を受けることによって確定される権利は、例えば売買代金債権では、当該債権が同時履行抗弁の付着した債権であること、建物の明渡請求権であれば、それが立退料の提供を受けることによって発生する条件付き権利(正確に言えば、立退料を提供することによって初めて有効になる解除の意思表示をすることによって生じる建物明渡請求権)であることです。既判力の内容は、このようなものとして生じるわけです。

 ですから、質問の場合において、後訴において建物明渡請求権の発生原因として前訴と日時態様において同じ解除の意思表示を主張するのであれば、後訴(仮にそれに訴えの利益があるとされた場合)においても、証拠調べの必要のある場合であっても、前訴の判決書のみを取り調べて、当然引換給付判決がなされます。これが、前訴の判決による既判力の意味するところです。

 しかし、前訴の既判力の基準時以後において新たに発生した解除原因によって生じた建物明渡請求権を主張して後訴を提起した場合には、訴訟物が異なりますので、改めて審理がされることになります。

 既判力を論じる場合に、しばしば抽象的な権利の名前をもって論じることがありますが、それは正確ではありません。既判力の生じる権利とは、具体的な事実関係に基づいて発生する個別具体の権利関係だということになります。

 既判力と、特に旧訴訟物理論においては、それと表裏一体をなす訴訟物とは、個別具体の訴訟において、一体その訴訟の訴訟物は何なのか、既判力の範囲はどこまでなのか、を見極めることは、通常はそれほど意識されませんが、実は、そんなに容易ではない場合があるのです。

 話はちょっとややこしいですが、引換給付判決を受けることによって確定される権利は、例えば売買代金債権では、当該債権が同時履行抗弁の付着した債権であること、建物の明渡請求権であれば、それが立退料の提供を受けることによって発生する条件付き権利(正確に言えば、立退料を提供することによって初めて有効になる解除の意思表示をすることによって生じる建物明渡請求権)であることです。既判力の内容は、このようなものとして生じるわけです。

 ですから、質問の場合において、後訴において建物明渡請...続きを読む

Q観念的競合と併合罪ってどう違うんですか?

全然分かっていない質問ですが、どうか教えてください。
観念的競合って併合罪とどう違うのでしょうか?どちらも刑が跳ね上がるものなのでしょうか?一つのことをすると2罪になる、というのと、二つのつみを一つにするっていうのはなんとなくわかるのですが・・・
あと、併合罪で、長い方の罪の半分を足してより長い刑罰にできるっていうのは、たとえば14年のつみと10年の罪を犯した場合、14のほうに、10年の2分の1の5年をたすんでしょうか?(そうすると19年になりますよね)それとも10年のほうに14年の半分の7年をたすんでしょうか?そうすると17年になります。それとも長い14年のほうに、それの半分の7年をたして21年にするってことなんでしょうか?いろいろ聞いてしまってすみません。どれか一つでも教えていただけるとうれしいです。よろしくおねがいします。

Aベストアンサー

こんにちは

具体例で考えると分かりやすいです。

たとえば、1発の銃弾で2人殺してしまったら、1個の行為で2個の犯罪を犯していることになります。これを、観念的競合というわけです。

また、1発ずつ発射して、それぞれ1人ずつ殺した場合、2個の行為で2個の犯罪を犯しています。これを併合罪というわけです。

だから、両者の違いはズバリ、1個の行為かどうかです。

それと、観念的競合の場合は、そのうちで一番重たい罪の刑になります。ですから、刑が跳ね上がると言うよりも、お得な感じです。2罪犯しているのに、1罪分でいいのですから。

これに対して、併合罪は、原則として重たい罪の1.5倍です。質問文の例では、長期が21年になるかな。

やっぱり、1個の行為しかしてない犯罪者はちょっと軽いのです。

Q債権者代位訴訟について

債権者代位権に関して質問させてください。
債権者代位訴訟が提起され、その旨の告知を受けた債務者は、代位された債権について処分権を失い、債権者は、目的たる債権について管理権を取得することになるとされます(非訟事件手続法76条2項参照)。
そこで、すでに債権者代位訴訟が提起された後に、他の債権者が債権者代位訴訟を提起することは可能なのでしょうか。
最初に債権者代位訴訟を提起した債権者にすでに管理権が移転していることからすれば、他の債権者が別途代位訴訟を提起することは不可能なように思えます(また、記憶違いでなければ、この場合は共同訴訟参加によるべきと教わったような気もします)。
しかし、自分が見た解説では最判45.6.2を根拠に、他の債権者も代位訴訟を提起できるとしています。自分が持っている資料では、最判45.6.2を確認できませんでした。
どなたか教えてください。よろしくお願いします。

Aベストアンサー

風邪引いて寝込んでたものでして、と言い訳をしてみたり。実はまだ治っておりませんが。
決して忘れているわけでも忘れたフリをしているわけでもありませんということをお伝えするために、未完成なのですが、途中まで回答しておきます。

最初に本題からすると余り重要でない話を一つ。
>特に共同訴訟的補助参加が解釈によって明確に認められているにもかかわらず、
>なぜ立法に踏み切られないのか
平成8年の全面改正の際に、「判決の効力が及ぶ第三者がする補助参加については、法45条2項の規定を適用しない」という明文の規定を置くことを検討したが見送りになったという経緯があります(司法協会刊 民事訴訟方講義案(再訂版)P.316参照)。
例えば寄託者のために目的物を預かる受寄者は「判決の効力が及ぶ第三者」であっても固有の利益を有しないので共同訴訟的補助参加を認める必要はないなどという話があります。
結局、要件として「判決の効力が及ぶ」というのが適正かどうか検討の余地がまだまだあるということのようです(要件の明文化が困難というのは、有斐閣の新民事訴訟法講義に記述があります。)。


では本題の方へ。
正直言うとちょっと甘く見ていたのですが、結構横断的な知識の必要な問題なので、見通しを付けるために問題を前提からきちんと整理し直してみました。司法試験の論文でもこのレベルの問題は出ないんじゃないですか?ってくらい(債権者代位訴訟の問題なんてせいぜい当事者適格と二重起訴くらいで済むレベルだと思います。)。

判例通説では、債権者代位訴訟における代位債権者は、法定訴訟担当である。
債務者は、債権者代位訴訟の提起により、被代位債権について管理処分権を失う結果、当事者適格を失う。
債務者は、当事者適格を失った結果、別訴を提起することができない。
債務者は、当事者適格がないが訴訟参加することができる。代位訴訟の判決効の拡張を受けるので共同訴訟的補助参加になる。
債務者は、代位債権者の当事者適格を否定する目的であれば当事者適格を有し、独立当事者参加ができる。
ここまではいいでしょう。

さて問題は、別の債権者の立場はどうなるのかという議論ですが、これを二つに分けて考えてみます。
一つは、複数の債権者が共同して代位訴訟を提起する場合。
もう一つは、既に代位訴訟が提起されている場合に、それに関わっていない他の債権者が採りうる手段。

まずは複数の債権者が共同して代位訴訟を提起する場合からです。
これが類似必要的共同訴訟になるというのが通説(争いありますけど。)。おや?類似必要的共同訴訟における共同訴訟人は「個別の当事者適格を有する」んじゃないの?個別の当事者適格を有するからこそ、原始的に共同訴訟が可能であり、更に共同訴訟参加もできて当然じゃないの?共同訴訟人間における判決合一確定の要請は判決の効力の拡張を受ける者であることに由来するんだから、各債権者は判決の効力の拡張を受けるの?という疑問が出てきますね。ああ、話が面倒になりそうです。
類似必要的共同訴訟の要件論その他は本題ではないので、ここでは、複数の債権者が共同して代位訴訟を提起することは可能だし、その場合に類似必要的共同訴訟になると考えるのが通説ということだけ押さえておくことにします。後で必要に応じて触れます。


さてここからが本題の代位訴訟係属中に他の債権者による代位訴訟の提起は可能か?という議論です。
この議論の最初にして最大の問題は、他の債権者に当事者適格を認めることができるのかどうかということなのは既に判っています。

そして、判例通説の考え方からすれば、「被代位債権に対する代位債権者の管理処分権は、債務者の処分権に由来し、代位訴訟提起により債務者の処分権が喪失する限りは、他の債権者が管理処分権を得ることはできず、当事者適格を有することはない」と考えるのが理論的には素直であるということは言えます。こうなると、他の債権者は当事者適格を有しないということになり、債務者自身と同じく、補助参加か独立当事者参加を考えるしかないことになります。
なお、当事者適格を欠く者に共同訴訟参加を認める説も実はあるらしいのですが(新堂「新民事訴訟法 第4版」弘文堂P.754によれば桜井「共同訴訟的参加と当事者適格」に記述がある様子。)……すると参加と補助参加の区別はどうなるんでしょうねぇ?これまで考えると収拾が付かなさそうなので、理論上、共同訴訟参加の可能性が全くないとまでは言えないが、当事者適格がない以上は、やはり共同訴訟参加はできないと考えるべきであるとすべきでしょう。
そういうわけで、当事者適格がないから共同訴訟参加はできず、ただ、共同訴訟的補助参加あるいは独立当事者参加ができるということになります。

……つづく。

風邪引いて寝込んでたものでして、と言い訳をしてみたり。実はまだ治っておりませんが。
決して忘れているわけでも忘れたフリをしているわけでもありませんということをお伝えするために、未完成なのですが、途中まで回答しておきます。

最初に本題からすると余り重要でない話を一つ。
>特に共同訴訟的補助参加が解釈によって明確に認められているにもかかわらず、
>なぜ立法に踏み切られないのか
平成8年の全面改正の際に、「判決の効力が及ぶ第三者がする補助参加については、法45条2項の規定を適用しない」と...続きを読む


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