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財政政策(公共投資)をすると、金利が上がるのはなぜですか?

A 回答 (3件)

もしかしたら勘違いされているかもしれませんが、


金利というのは何か原因があって勝手に上下するものではなく、
主に政府の方針で上下"させる"ものです。



今、国会で「経済対策」と言っているのは実は2種類の対策を
意味します。一つは質問主さんのおっしゃるような「財政政策」です。
これは、直接的な投資を国が行うことで景気を回復させようという
力技です。投資は投資を呼んで市場が拡大すると一般には言われて
いるので、一時的に借金をしても、拡大した市場により回収できる
ということを見込んでいます。



もう一つが「金融政策」です。これは間接的に経済に干渉しようという
理論です。ちょっと複雑ですが「市場に流れるお金の量」を政府が制御します。
利子率を上下させるのはこちらに含まれます。
他にも銀行の準備高(貯めておくお金の量)を変更する方法もあり
こちらは先の緊急先進国会議で採択されましたね。

ただし、これはちょっと効果が複雑で完全には効果を予測できない側面があります。

たとえば、利子率が下がったら?
一般の人間にしてみたら「銀行に預けても利子つかないし、
預ける気がしないわ」とマイナスのものと感じることが殆どであると思います。
ですが事業をする人間にとっては「借金しても利子つかないから、
どんどん借りて投資しちゃうぞ!」と考えることでしょう。
完全にプラスの効果です。こうしたプラスやマイナスの兼ね合いを考えた上で、
政府(中央銀行)がベストだと判断した数字を利子率として設定しているのです。




さて、これを踏まえた上での話です。要は政府のバランス感覚の問題なのですが
公共投資を行うと市場にお金が沢山増えることになります。
これが市場の規模を拡大させるのならば、財政政策の理論が適用できますが
実際には拡大に使われないことがあり、
お金はいずれ回収しないと余ることになりかねません。

あまった場合はお金の価値自体が下がり、相対的に物の値段が上がります。
100円ショップの商品が300円くらいになっちゃったら困りますよね。


こういうことにならないように、お金の流通量を金利を上げて絞るということを
公共投資とセットでやることがあります。一方で金利を上げたら皆が投資しなく
なっちゃいますから、経済としてはマイナスです。


繰り返しになりますが、こうしたバランスを舵取りしていくのが
政府と中央銀行の仕事です。どこかのM主党のように単純にばら撒いて
はい、おしまい。では経済は遠からず破綻することになるでしょう。

この回答への補足

ご回答をありがとうございます。私の質問にフォーカスするなら、「公共投資をする⇒金利が上がる」ではなく、公共投資と同時に、金融引き締めをすることではじめて金利が上がるという理解でよいのでしょうか。マンデルフレミング理論によれば、「公共投資をする⇒金利が上がる」と、素人ながらに理解したのですが、こうした理解は間違いということでなのでしょうか。

補足日時:2008/10/14 04:10
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この回答へのお礼

(誤って「この回答への補足」の欄に書いてしまっていました。)

ご回答をありがとうございます。私の質問にフォーカスするなら、「公共投資をする⇒金利が上がる」ではなく、公共投資と同時に、金融引き締めをすることではじめて金利が上がるという理解でよいのでしょうか。マンデルフレミング理論によれば、「公共投資をする⇒金利が上がる」と、素人ながらに理解したのですが、こうした理解は間違いということでなのでしょうか。

お礼日時:2008/10/14 22:43

A NO 2です。


マンデルフレミングは日本において適用されるような
理論ではありません。もっと小規模な市場、つまり外国資本により
完全に市場経済が左右されてしまう国を想定しています。
日本は自己資本が強く、外国からの預金流入があったとしても
そこまで劇的に経済が変動しません。そもそも90年代は構造上、
外国資本を排斥する動きが強かった時代ですしね。


90年代前半に「円高になったから不況になった」のは事実です。
しかしながら2000年代前半でで「円安なのに不況だった」のを
無視していること、さらには90年代の不況すら
「金利上昇→外国資本流入→円高→輸出不況」という過程を
踏んでいない、つまりゼロ金利が維持されたことを鑑みても
マンデルフレミングの適用例であるとするのは無理があると思います。
つまり「円高→輸出不況」の部分しか見ていないのです。



それを言っている人はマンデルフレミングという
響きがかっこいいから使ってみたかったんじゃないでしょうか。

国会でもマンデルフレミングをぶち上げたあげく、「他の政治家は
経済を知らない」とのたまったカッコイイ政治家が居ましたが
おそらく、マンデルとフレミングの理論の誤解しているか
あるいは自分は凄いんだぞ、と言いたかったのか。そのどちらかでしょう。
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この回答へのお礼

丁寧な回答をありがとうございます。繰り返しのご回答、お手数おかけしました。

お礼日時:2008/10/19 12:18

A NO.1です。



マンデルとフレミングの理論においても、
(おそらく現状では他のどんな経済理論においても)
利子率は自動的には上がりません。


例えば彼らの理論では
財政政策を行う→「所得が増える」→利子率が上がるとしています。

近年の経済学の前提として全体の所得が上がった場合の最適な利子率を求めると、
金融市場に限定すれば利子率を上げる必要があると考えられています。
市場に出回るお金の量が増え、これを制限しないとインフレに
なっちゃうので引き締めるという理屈がそのまま適用されるのです。
つまり、結局のところ金利を決定するのはそう考えた政府や中央銀行です。




ちなみにマンデルとフレミングの理論について簡単に補足しておきますと
彼らの理論のキモは最初に所得が増えたら所得上がって、国が金利を上げちゃう。
そうすると外国からお金がいっぱい入ってきて、為替レートがあがっちゃうから、
結局輸出にダメージ受けて国としては結局損をするよという理論です。
金利が上がるという理論では無いですよ。



余談ではありますが、マンデルフレミングについて私の感想を正直に言うと、
結構無茶苦茶だと思います。まあ、小さい国で
外国の資本をガンガン受け入れるシステムの場合という
前提なので、しょうがないかもしれませんが。
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この回答へのお礼

とてもわかりやすい説明をありがとうございました。90年代以降の日本はマンデルフレミング理論の格好の実証例とされているということを聞いたことがありますが、実際のところどうなのでしょうか。興味があります。

お礼日時:2008/10/15 14:46

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