ヒトの体細胞分裂(倍加)は可能回数は約50回で、その回数を迎えるとアポトーシスを迎えて死んで、ヒトの寿命も細胞寿命と相関性があることになっています。
それで、ヒトや哺乳類の細胞分裂は15から30時間で起こると本に書いてありました。
もちろん神経細胞のように分裂が途中で止まって長生きする細胞は除いて、皮膚や血球の細胞は常に新しい細胞に入れ替わっています。
これらの細胞が細胞分裂の回数が50回で、分裂が30時間に1回起こるとしても1500時間で人間の寿命が来てしまう事になってしまいます。
基本的な質問で申し訳ありませんが、どこが間違っているか教えてください。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
実は細胞の分裂できる回数は細胞の種類によって違うのです。
神経細胞、筋肉細胞、骨細胞などは分裂することができません。
また、皮膚の奥にある「皮膚の細胞を作る細胞」は制限なく何回でも分裂できます。
血球を作る造血幹細胞という細胞も同様に何回でも分裂できます。
分裂回数が約50回というのは繊維芽細胞という細胞です。
怪我をして筋肉が傷ついた場合に筋肉細胞は分裂できませんから傷を修復することができません。それで繊維芽細胞が分裂して増加し、筋肉細胞などに変化することによって傷を直すしくみになっています。
普通の状態では繊維芽細胞は数年に一回の割合で分裂すると考えられています。
実際に加齢とともに繊維芽細胞の数や分裂能力が低下し、怪我の回復力が少なくなります。繊維芽細胞の分裂可能回数が人の寿命の上限に強く影響していると思われます。
50回のの分裂は繊維芽細胞が代表例だったわけですね。繊維芽細胞の分裂が有限だと、スポーツで筋肉が傷つくと老化を早めることになり、細胞生物学から考えるとスポーツは新しい細胞補充で健康になり、分裂回数減少で短寿命化に効果的ということになるのでしょうか。
大変参考になりました。ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
多細胞生物における細胞分裂は厳密に調整されています。
いつ、どの細胞がどれだけ分裂するか。これが守られなければそもそも人間の外形すら保てないでしょう。
確かに一連の作業をこなし細胞が分裂する時間は1日程度です。しかし多くの細胞は自分が分裂する時までじっと準備をしています。これをG0期と呼びます。細胞は例えば、体のどかかが怪我をして、分裂が必要になった時はそれこそ一気に増え出します。
要は、細胞の分裂というのは好き勝手に個々の細胞が行うわけではなく(それだとあなたの計算どおりになってしまいますね。ちなみに大腸菌のダブリングタイムは20分ほどですが…これが計算どおりなら世界中はすぐに大腸菌だらけに…。)ひとつの生体として調節されいて、必要な時、必要な分だけ細胞は分裂していくシステムになっているようです。ちなみにこの調節がうまくできないと癌などの病気になるわけですね。
これで説明がたらなかったら補足してくださいね。
No.1
- 回答日時:
>1500時間で人間の寿命が来てしまう事になってしまいます。
人間は受精卵1つから発生しますから、受精してからこのペースで分裂されると妊娠(?)2ヶ月で寿命を迎えてしまいますね!
50回細胞分裂すると細胞総数は2^50=1,125,899,906,842,624=10^15=1000兆個です。つまり1500時間で1000兆個になってしまうのです。ちなみに成人の細胞数は100兆個(60兆個)ぐらいといわれています。これの10倍です!つまり妊娠2ヶ月以内にお腹からエイリアンが飛び出して来る感じですね。
ということで「神経細胞のように分裂が途中で止まって長生きする細胞は除いて」という仮定が実は神経細胞だけでなくほかの細胞、しかも大部分の細胞が「途中で止まっている」のではないでしょうか?
あとはテロメラーゼという酵素などの関与があります。「ヒトの体細胞分裂(倍加)は可能回数は約50回」という寿命は、染色体(DNA)の末端がDNAの複製(細胞分裂)ごとに短くなってしまい、50回も分裂すると末端が短くなりすぎて分裂できなくなるというところに起因しています。この末端(テロメア)を伸ばすことで60回でも100回でも分裂できるようにするのがテロメラーゼです。
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