皆さん、因子分析での直交回転と斜交回転の使い分けの理由ついてご教示ください。
そもそも,因子分析の構造って、変数1=因子1+因子2+・・・+因子n+残差1 だと思います(因子負荷係数は省略します)。これは,単純に言えば重回帰式と同じで、因子1と因子2の負荷ベクトルを計算すれば、0になると、統計書で呼んだことがあります。そうするのであれば、各因子は直交で、無相関を前提とするもので、回帰分析での変数間の独立であるという前提条件があると思います。
こうなると既に,因子を求める際、既に因子間の独立性を前提としているのに、なぜ斜交回転の必要性(理由)があるのでしょうか。直交回転と斜交回転の使い分けは、テキストで書いてる内容は理解していますが、どうも上述した内容に疑問を持っています。
よろしくお願いします。
A 回答 (5件)
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No.5
- 回答日時:
仰ることはごもっともで、筋が通らないとお考えなのも当然だと思います。
ただし、それは
〉(2)で回転する際に、因子間の相関を考慮するかしないかで、直交か斜交回転を用いるものであると理解しています。
ということを前提とした場合のみです。
ですから、私はその前提に疑問符をつけました。
私の理解では(1)の時点で直交モデルか斜交モデルかを選択するべきだからです。
その結果直交モデルなら直交回転を、斜交モデルなら斜交回転を行います。
私の手持ちの本には、(1)の時点で無相関を仮定すべしという記述は見つけられませんでした。
web上では確かにそのような記述のものもありますが、一方でモデルとして直交か斜交かを選択して、その上で適した回転方法を採るというものも多々あります。
逆質問になって申しわけありませんが、何らかの根拠つきで無相関にするべきだという記述がありましたら、そのページをお示しいただけませんか?
No.4
- 回答日時:
補足をいただきましたものの私は全くシロウトですので、念のため、とりあえず辞書をひいてみました。
。。「因子」
ある結果を成り立たせるもとになる要素。要因。ファクター。
「因子分析」
複雑な統計資料を少数の要因に分解し、その要因間の関係や変動に着目して全体的特徴を理解しようとする統計上の技法。
とあります。
いただいた補足によれば
>(1)(因子解を求め)で求められた因子解は直交(すなわち、因子間は無相関)でのものです。
ということですが、
>(2)で因子回転を行なう際、前段階で直交で求められたものを、次の段階で直交だ斜交だという論理展開に疑問を持っていることです。分析の筋が通らないのではないと言う疑問です。
これは、お使いのテキストに記述されていることなのですか。
そもそも「因子分析」とは、どういうことなんでしょうか。
>無相関を前提とするもので
というのは「直交回転」についてのことであって、「因子分析」そのものについてのことなのでしょうか?
以下の参考URLも、分かり易い説明がされていますが、そのなかに、このような記述があります。引用します。
(東京工業大学大学院社会理工学研究科 人間行動システム専攻 村山 航のWEBサイト)
http://www4.ocn.ne.jp/~murakou/index.html
「(5)因子の回転:
ここが因子分析を理解する時につまる人が多いところですね。(4)で一応答えは出たのですが、それをもう少し理解しやすい値に変換してやると言えばいいでしょうか。たとえば両方の因子に負荷があって解釈しにくいような状態をできるだけなくそうとする作業と思ってもらってもいいです。回転前の解は,どうしても第一因子の負荷が大きく,無相関の変数も同じ因子に負荷していることも多いです.この状態を解消するために回転を行います.…
さて、回転には主に二つ分けて直交回転と斜交回転があります。直交回転は因子間の相関が0という仮定をおいてなされる回転です。斜交回転は逆に因子間の相関があるものとして解を出します。前者にはバリマックス回転、後者にはプロマックス回転、直接オブリミン、斜交プロクラステス回転などがあります。バリマックス回転は、直交でできるだけ因子負荷を「単純構造」に近づけるよう回転します。単純構造とは、それぞれの項目の因子負荷が特定の因子だけに大きく、残りの因子に対しては非常に小さいような構造を指します。つまり「この項目はあの因子だけに負荷がある、あっちの項目はこっちの因子だけに負荷がある」といった状態でしょうか。プロマックス回転は斜交でこの単純構造を目指します。因子間が相関していい(余計な制約がない)ため当然バリマックスより単純構造になりやすくなります。斜交プロクラステスは一般的にあまり知られていませんが非常に使えるので覚えておくといいでしょう。これは、自分の仮説にあった因子構造にできるだけ近づけるような回転を行います。ある程度仮説を持ちながら因子分析を行うのであるならば、斜交プロクラステス回転が便利でしょう。」
「(0)まず何よりも押さえておくべきこと
細かい統計的な議論よりも先に,何よりも押さえておくべきことがあります.それは「因子」というものの意味です.「因子」とは,変数間の相関関係の高いもの同士をまとめている(説明している)仮説的な構成概念にしか過ぎません.因子分析で「因子が抽出された」とした上でその因子にラベルづけをすると,あたかもその因子が実在しているかのような印象を与えますが,決してそのようなことはありません.そこでなされているのは,あくまで変数間の相関関係の縮約です.
そもそも因子分析は回転によって解が変わるのをみれば分かるように、解が一意に定まりません。これを因子分析の解の不定性といいます.このことからも「因子」に実体が存在するわけではないことが見て取れるでしょう.」
「また因子というものは「項目のまとまり」から決定されます.項目のまとまりがある部分ほど,因子が得られやすくなるというわけです.これは,因子分析によって得られる因子というものが,そこで分析にかけられた項目の相対的な関係に依存していることを意味しています.すなわち,因子というものは重要だから得られるのではなく,尺度内でまとまりを持っているから得られるのです.従って,因子分析で因子が得られた=その因子が何らかの認知的活動の基本的次元である,というわけではありません(そのようなことを主張するためには,かなり広範な項目抽出を行った上で因子分析を実行した時に初めて説得力を持ちます).その因子に負荷している項目を1つだけ削除すると項目間の相対的なまとまりが変わり,もうその因子が得られない可能性があるくらいです.逆に,因子分析で除外された項目が,意味のない項目というわけでもありません.その項目は,認知活動では重要な役割を果たしているにも関わらず,他に似た項目がなかったために因子分析で除外された可能性もあるわけです.似たような項目が複数存在すれば,因子分析ではたやすくその因子を抽出してくれます.因子分析の結果は,どのような観測変数を用いたかに依存しているのです.
さらに,この「項目のまとまり」は,普通の調査研究では「個人間の相関関係」に基づいて推定されます.従って,このような調査で得られた因子とは,あくまでも個人間変動をもとにしたものです.このような調査で人間の「内的構造」が分かったかのように書く論文がありますが,それは言い過ぎです.このような調査で得られた結果は「個人間の変動にこのようなまとまりがある」ということを言っているに過ぎないのです(もちろん,そこから内的構造を「推測」することが悪い訳では決してないです),
以上述べたことと重なりますが,要するに因子分析とは(探索的因子分析という名が付いていても)データから構造や実体が『浮かび上がってくる』」ようなボトムアップ的な手法では決してないということです.因子数の決定や回転など,分析者がトップダウン的に決定する箇所がいくつもあります.そもそも最初の項目選択も分析者がトップダウン的に定めるものです.浮かび上がってくるのは実体ではなく,そのような分析者の事前の仮説・考え方に基づいた1つの結果なのです.」
「(1)直交 vs. 斜交?:
直交と斜交どちらを選ぶかはなかなかの悩みどころです。しかしながらここでは「まずとりあえずは斜交回転をする」ことをオススメしたいと思います。なぜなら、因子間に相関がないなんていうことは現実的には非常にまれなことであるからです。また、斜交回転をして因子間相関が小さかったならば、積極的に直交回転を選ぶ根拠になります。それに斜交回転は制約が少ない分、因子パタンにメリハリがつきやすい(単純構造になりやすい)というメリットがあります。また、たとえ直交回転で単純構造に近い値が得られたとしても、斜交をしてみると意外に大きな因子間相関がみられ驚くことも少なくありません。統計ソフトのデフォルトが直交であったり、斜交だと解釈も難しいし出力も多く出てきて混乱するから直交を選ぶ人も多いでしょうが、斜交解をまず最初に選択することは多くの統計学者の間でコンセンサスが得られていることであるので、頑張って斜交で解釈してみましょう。ただし最終的な判断を下すのは研究者です。直交で解釈をする必要があるときもあるでしょう。そのような時は、しっかりと理由を明記した上で分析することにしましょう。」
http://www4.ocn.ne.jp/~murakou/factor.htm
私には専門的なことは分かりませんので、あとは御自身で御目を通されてくださいね。
No.3
- 回答日時:
1つイイことをお教えしましょう。
かつての主流は「主因子法の直交回転」。
いまの主流は「最尤法の斜交回転」。
理由は主因子法より最尤法の方が優れているから、そして斜交解(プロマックス解)は直交解(バリマックス解)で得られる情報をも含んでいるからです。
使い分けの必要性を説明できるのも大切ですが、そもそもプロマックス回転をするべきであって、わざわざバリマックス回転をする必要などないわけです。
> なぜ斜交回転の必要性(理由)があるのでしょうか。
斜交回転を行って得られた結果より、因子相関が0に近かったら直交回転で良かったと判断できますが、先に直交回転を行った場合は斜光回転を行うべき(行って得られるであろう)可能性を見逃すことになるということです。
例えば、豊田「共分散構造分析-入門編-」朝倉書店p280-281にそういう話題が書いてあります。googleすればそれなりに適当な回答も得られますケド(^_^;)
この回答への補足
ほかの方を含め、ご親切にありがとうございます。
私の質問の仕方が悪かったようです。
問題の要点を整理すると、
因子分析の計算の流れを、単純にすると
(1)因子解を求め、
(2)回転をし、もっと明確な因子を決める
ということですね。
(2)で回転する際に、因子間の相関を考慮するかしないかで、直交か斜交回転を用いるものであると理解しています。
ここで、疑問に持っているポイントは、(1)で求められた因子、とりわけ因子回転前の因子のことです。
(1)で求められた因子解は直交(すなわち、因子間は無相関)でのものです。
そうするのであれば、(2)で因子回転を行なう際、前段階で直交で求められたものを、次の段階で直交だ斜交だという論理展開に疑問を持っていることです。分析の筋が、通らないのではないと言う疑問です。
それで、斜交回転の理由(必要性)があるかという質問になった訳です。
因子の間に無相関というのは、現実的にありえないことも沢山あるということは承知しています。
ですので、(1)での因子直交解を基に、次の段階で因子間の相関を考慮した回転を行なうということが、自己矛盾になるのではないかという疑問です。再度、ご教示ください。
初めての投稿ですので、他の方への補足も含め、ここに書かせていただきますので、ご了承ください。
No.2
- 回答日時:
>因子を求める際、既に因子間の独立性を前提としているのに
「前提」とか「仮定」の問題って大きいですよね(笑)
>テキストで書いてる内容は理解しています
とのことですが、お使いのテキストは説明が行き届かないのでしょうか。私は、こうしたことを学んだことがありませんので参考URLを示すことしかできませんが、以下の各参考URLに御目を通されましたら、だいぶ御理解が進むのではないかと思います。いずれも分かり易く説明されています。
「斜交回転の場合,「因子間に相関を仮定する」ので,…
直交回転の場合は「因子間に相関を仮定しない」ので,…」
とあります。
『中部大学人文学部心理学科 小塩研究室 心理データ解析 補足説明』
http://psy.isc.chubu.ac.jp/~oshiolab/teaching_fo …
http://psy.isc.chubu.ac.jp/~oshiolab/teaching_fo …
『因子軸の回転』
http://kyoto.cool.ne.jp/msfuji/excelstat/rotate. …
http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~shimizu/cpq/an …
「直交回転は一般的に数学的基準のもとで計算される。心理学的な意味は、この回転結果にはないと考えるべきである。確かにVarimax法は単純構造に近い解を与えるが、これは近似解にすぎない。心理学的な意味で解釈することが可能な解は、斜交解である。
Promax法も完全な単純構造を与えてくれるわけではない。因子軸の回転に関する方法論として、この斜交回転の方法がベータといえる。
概念的な議論において直交のモデルを想定することがある。理念的なモデルとしての直交を否定するわけではない。現実のデータにおいて、斜交としての因子間の相関がゼロであることは空想の世界でしかない。標本集団が異なれば、この因子間の相関の高さも変動すると考えることが自然である。」
http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/lecture/mb-arc/arc …
この回答への補足
ほかの方を含め、ご親切にありがとうございます。
私の質問の仕方が悪かったようです。
問題の要点を整理すると、
因子分析の計算の流れを、単純にすると
(1)因子解を求め、
(2)回転をし、もっと明確な因子を決める
ということですね。
(2)で回転する際に、因子間の相関を考慮するかしないかで、直交か斜交回転を用いるものであると理解しています。
ここで、疑問に持っているポイントは、(1)で求められた因子、とりわけ因子回転前の因子のことです。
(1)で求められた因子解は直交(すなわち、因子間は無相関)でのものです。
そうするのであれば、(2)で因子回転を行なう際、前段階で直交で求められたものを、次の段階で直交だ斜交だという論理展開に疑問を持っていることです。分析の筋が、通らないのではないと言う疑問です。
それで、斜交回転の理由(必要性)があるかという質問になった訳です。
因子の間に無相関というのは、現実的にありえないことも沢山あるということは承知しています。
ですので、(1)での因子直交解を基に、次の段階で因子間の相関を考慮した回転を行なうということが、自己矛盾になるのではないかという疑問です。再度、ご教示ください。
初めての投稿ですので、他の方への補足も含め、ここに書かせていただきますので、ご了承ください。
ご丁寧にありがとうございました。
テキストは,少し古いですが,Paul Kline,An Easy Guide to Factor Analysis, 1993と、Richard L. Gorsuch, Factor Aalysis, 1983です。ほかには和書と、ネット上の情報は一通り目を通していましたが,まだまだですね。これからもよろしくお願いします。
No.1
- 回答日時:
〉各因子は直交で、無相関を前提とする
私はこの前提自体に疑問があるのですが、それを前提としない場合に得られるのが斜交解であり、そのための斜交回転なのではないでしょうか。
「絶対に無相関なんだ!」よりは、「相関があるかもしれないし、ないかもしれないよね」の方が説明がシンプルで済みます(無相関という仮定の根拠がいりません。結果として無相関ということはあるでしょう)。
質問者さんの誤解のもとは、分析の流れを逆に辿っているところにあるのではないかと考えています。
流れをおおまかに表すとすれば、データ→因子分析→回帰分析となるわけで、確かに重回帰分析には因子を無相関とするという前提がありますが、それはあくまで因子分析の結果の一部から派生したものです。
以上はあくまで私の理解している因子分析です。
正直、それほど自信がありませんので、他の方の意見も伺いたいところです。
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