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有性生殖可能な生物(2倍体として)が単為生殖する場合、染色体が半数になった卵子は、一旦不足分の対になる染色体をコピーした後、分裂を開始すると考えてよいのでしょうか?それとも、最初から2倍体が卵子に入っていて
完全なクローンとして生まれるのでしょうか?
また、3倍体や4倍体の生物の細胞分裂はどういった形で行われるのでしょうか?それらの生殖細胞もゲノムになるまで減数分裂されて、3以上の性の組み合わせで受精されるのでしょうか?

A 回答 (2件)

はじめまして。



「2倍体単為生殖について」
単為生殖を行う場合、卵は半数になりません。最初から2セットの染色体を持った状態で発生を開始し、そのまま2倍体が生まれます。
その原理は、減数分裂のスキップにあります。通常、2倍体が配偶子形成を行うとき、染色体が倍化して4セットになってから2回の分裂を連続して行うことで1倍体の卵や精子を作るわけですが、単為生殖が起きる場合、第一減数分裂または第二減数分裂がスキップされるために、卵が2セットの染色体を持ったままになります。この際、発生開始の刺激として精子の受精が必要になりますが、精子の染色体は発生に参加せず、その後排除されてしまいます。従って、卵は母由来の染色体を2セット持ったまま正常に発生し、単為発生が起こるのです。

人工的にも2倍体単為生殖を起こすことが可能で、その場合、異常な温度に曝す等の処理によって減数分裂を阻止してやることで、卵に2セットの染色体を持たせたまま発生を開始させます。
例えば精子にガンマ線を照射して染色体を破壊してから卵に受精させ、受精直後に起こる第二減数分裂のタイミングに受精卵を高い水温や逆に低い水温などで処理して第二減数分裂を阻止してやると、単為発生が起きます。
ちなみに、多くの生物の未受精卵は、減数分裂の途中で分裂を中断して、精子の受精を待っている状態にあります。受精が起こるとその刺激で再び減数分裂が開始され、その後、精子の染色体と混ざり合うのです。つまり、卵細胞に含まれる染色体が半数になる瞬間というのは存在しないんです。

「3倍体、4倍体について」
ズバリ、3倍体は3倍体の卵を産み、そのまま3倍体として成長します。例えばフナについて紹介すると、池や川で普通に見られるフナはほとんどが3倍体で、ごく稀に2倍体フナがいる状況です。3倍体フナは全てメスで、減数分裂をスキップした3倍体の卵を産みます。3セットの染色体が倍化して6セットになってから減数分裂を1回だけ行って3セットの染色体を持つ卵が生まれるわけです。この3倍体の卵に普通の精子が受精すると、その刺激で発生が開始されますが、精子は発生に参加せず、途中で排除されてしまいます。こうして3倍体の卵はそのまま自分の染色体だけで発生を続け、3倍体のフナが生まれるのです。つまり、クローンとして生まれてきます。普通に見られるフナは、ほとんど全てが雌3倍体フナで、みんなクローンなんです。
ちなみにフナ3倍体の卵にコイやドジョウの精子をかけた場合でも、精子は発生に参加せず、フナ3倍体がそのまま生まれてきます。

4倍体は、染色体セットが4セットあるので、減数分裂を行うことができます。4セットの染色体が倍化して8セットになり、分裂して4セットの細胞が2個になり、さらに分裂して2セットの細胞が4個できあがります。つまり4倍体は、2倍体と同じように配偶子を作って、子孫を残すことができるわけです。
通常の生物の配偶子は1セットしか染色体を持ちませんが、4倍体の配偶子は2セットの染色体を持ちます。当然、4倍体同士が交配することで再び4倍体が生まれます。また、4倍体と2倍体を交配することで3倍体が生まれてきます。

フナの話や、染色体工学に関しては信州大学の小野里教授が第一人者です。多くの著書も書いておられるので、探してみるといいかもしれません。
卵子という言葉が質問に出てきたので勝手に高等動物のことと解釈してしまいましたが、よろしかったでしょうか?動物では、昆虫、両生類、爬虫類、魚類などで倍数体についての研究が進んでいるようです。特に人工的な3倍体は最近実用化も進んでいて、3倍体カキやアワビなどの養殖も行われています。その方面から調べてみてもよいかもしれません。
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この回答へのお礼

分りやすい回答ありがとうございました。

田舎の図書館では記載が見つからず、疑問を封印していましたが、やっと疑問がはれました。

ありがとうございました。

お礼日時:2003/01/19 00:16

 卵の形成時、通常極体が放出されます。

この極体が放出されず、2倍体になるのが単為生殖の例です。アブラムシの単為生殖でみられます。
 アユの受精卵を低温処理すると3倍体のアユになります。受精してから減数分裂の第2分裂を通常はするのですが、低温処理によりこのときの極体の放出がありませんので(卵n)+(精子n)+(極体n)=3nの3倍体となります。
 3倍体の生物は正常な減数分裂ができませんから、生殖能力がありません。生殖能力のあるのは偶数倍体の生物です。
 ごく簡単に
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この回答へのお礼

アブラムシの話は単為生殖の例でよくでてきますが、必要になるとオスを生んで通常の生殖をが出来てしまうのが不思議ですよね。雌雄産み分けシステムはまた新たな質問になりそうです。

大変参考になる回答ありがとうございました。

お礼日時:2003/01/19 00:36

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