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よく左翼を語るときにマルクス・エンゲルスとセットにされていますが、両者はお互いにかなり異なる思想を持っていたと聞きます。

社会主義と共産主義の違いも良く分かっていないのですが、この二人はそれぞれどういう考えを持っていたのでしょうか?わかりやすい説明がいただけると嬉しいです。

A 回答 (2件)

マルクスとエンゲルスを語る場合、かなり深い知識が必要とされますので、なかなかその相違を指摘するのは困難なのですが。



というのも、マルクスとエンゲルスは共著で『共産党宣言』を書き上げます。
その後、マルクスは『資本論』を書くのですが、志半ばで亡くなってしまいます。
そこで、エンゲルスがマルクスの意志を継いで遺稿を下に『資本論』の残りの部分(第二巻と第三巻)を完成させます。
マルクスの遺稿を下にしていますが、当然エンゲルスという別人格者が書いているので、バイアスが掛かってしまいます。
そこで、一部の研究者がこのバイアスを取り除こうと試みるのですが、なんとマルクスは字が下手くそで遺稿の解読は難解であり、「どこまでエンゲルスのバイアスがかかっているのか」はかなり困難な作業となっています。
さらに、ソ連でレーニンが『共産党宣言』を下にソ連を設立すると、ますます「マルクスとエンゲルス」はセットにされてしまいました。
特に、日本では「マルクス・エンゲルス主義=ソ連・中国の共産党シンパ」というレッテル貼りが横行しています。

欧米では、冷戦終結後、冷静にマルクスを見直そうという動きが活発化しつつあります。
そのなかで、マルクスとエンゲルスの思想の仕分け作業が行われているのですが、その中で結構エンゲルスは評価悪いみたいですね。
BBCでは、マルクスは20世紀の偉大な哲学者の1人に選ばれたようです。

>両者はお互いにかなり異なる思想を持っていたと聞きます

一番の違いは、「革命」に対する考え方の差ですね。
当時は、フランス革命から続く市民革命が盛んに行われており、その中に「社会主義革命(第一インターナショナル~)」がありました。
この革命に対し、マルクスは冷徹な目で見据え、革命の熱狂を批判し、論壇の中で革命を分析していきます。

一方、エンゲルスは革命に積極的に参加し、バーデン蜂起やエルバーフェルトなどで銃を握って参戦したりしています。
この姿勢の差が、やはり二人の決定的な違いと言えると思います。

そして、エンゲルスが書いた『資本論』の第二巻以降には、その姿勢の違いが大きく現れているとする研究者も多くいます。
ただ、先にも述べたように、たたき台となったマルクスの遺稿の字の下手さから、なかなか解読が進まないのが現状ですね。


>社会主義と共産主義の違いも良く分かっていないのですが

現在では、マルクス主義と社会主義・共産主義というのが同一視されていますが、マルクス以前にも社会主義・共産主義は存在していました。
例えば、古代ギリシアのプラトンの思想にもその片鱗が見られます(共有財産とか家族の否定とか)
また、キリスト教なども共同生活を行い、個人財産を認めないような宗派が存在するなど、社会主義・共産主義に近い思想を持っていました。
ただ、初めて「共産主義(羅:communis)」という言葉を使ったのは、フランスの革命家フランソワ・ノエル・バブーフであると言われています。
その後、社会主義と共産主義の差が生まれたのはローレンツ・フォン・シュタイン著『今日のフランスにおける社会主義と共産主義』という著書で分析したのが、マルクスに影響を与え、今日的な社会主義・共産主義が生まれたと言われています。

マルクスにおける社会主義と共産主義の差は、「共産主義」というのがマルクスの目指す「ユートピア」であり、「社会主義」はそこに至るための過程であるという感じです。
その後、このマルクスの思想に影響を受けたレーニンがソ連を作り「共産党」という特定の政党の思想を指すようになっていきます。
(因みに、マルクスはロシアでの共産主義国建国には反対でしたし、大のロシア人嫌いでもありました)

ではでは、参考になればさいわいです。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。参考になりました。
なにやらエントロピーのようですね。ニーチェの思想も妹に歪められたとか何とか聞いたことがあるので一度そうなると純粋化するのは困難を極めるんでしょうね

それにしてもエンゲルス主義という言葉は聞いたことが無いので、エンゲルスを独立した思想家としてマルクスと切り離して考えることはやはり難しいのでしょうか

お礼日時:2009/01/15 17:32

説明ではなく、ご質問に対する感想ですが、失礼。


例えば、カラーと言えば7色しか知らない人が、茜色と赤丹とはずいぶん違うそうですが、どう違うのですか、と問うたとしましょう。ある人が黄色と緑ぐらいの違いですよ、と答えたとしましょう。人によると、よくわかりましたと礼を言って終わり。ネットでよくあるQ&Aのパターンです。

マルクスとエンゲルスは、思想家として若いころに出会い、終生に亙り協働したという希有な例です。ご存知のように、エンゲルスの方が若いのですが、出会ったころはエンゲルスの方が著名人で、出会ってすぐ意気投合ではなかったらしいですが、互いに尊敬しあっていたと思われます。その彼等の相違点を19世紀思想の深い知識なしに、簡単に述べられるものなのでしょうか。

20世紀、ロシア革命が変質したと見られ始めたころ、「戦犯」探しをする人たちの一部は、エンゲルス「戦犯」説を取り、マルクス主義からエンゲルス的側面を取り除くとして、違いを誇張するようになった、と私は思います。そのあなたのマルクス解釈そのものが違うだろう、と言いたくなるものもいっぱい出たように思います。すなわち、マルクスとエンゲルスの違いを言う人が、そもそも彼等二人が開いた地平を把握出来ていない、そんな例が多数ありそうだ、と言うことを、念頭におかれるべきではないかと、思います。余計なおせっかいでした。
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この回答へのお礼

つかみどころの無い回答なのでどう受け取っていいかわかりませんが、とにかく一般人にわかりやすく解説できるような類のものではないということですね?

お礼日時:2009/01/15 14:45

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