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こんにちは。XPSに表れる化学シフトについて質問させてください。

XPSの化学シフトには分子内の化学的環境が反映されていて、励起対象である原子周辺の結合状態の違い(電荷密度の違い)によって内殻のイオン化ポテンシャルが変化することがその原因であると聞いています。電荷密度の違いによって、外殻電子による内殻電子に対する遮蔽が異ってくるために、内殻電子の束縛エネルギーが変化する、という説明を受けました。

そこで質問なのですが、なぜ電荷密度と内殻イオン化ポテンシャルにそういった関係が表れるのか、よく理解できないでいるのです。そもそも、この説明を正しい理解と考えていいのか疑問があるのです。

例えばアセトン分子CH3C(O)CH3の炭素内殻領域のXPSを考えます。
アセトンには化学的環境の異なる2種の炭素原子(仮にC1とC2)があって、化学シフトが表れると思います。
確かに、隣接原子の電気陰性度の違いから、上述の電荷密度変化によるモデルを用いて説明はできます。

しかし、イオン化ポテンシャルの値が“基底状態とイオン化状態の全エネルギー差(下記の式)”によって計算されることを考えると、(基底状態はどの炭素をイオン化する場合でも同じだから、)それぞれのイオン化状態の安定性がカギになると思うのです。

  IP = E(C1をイオン化) - E(基底)
  IP = E(C2をイオン化) - E(基底)  ←E(基底)はどちらも当然同じはず・・

なので、基底状態における電荷密度の違いが化学シフトに関係するということは、それがイオン化状態の安定性にも影響を与えるということになると思います。

質問をまとめると、まず、

・電荷密度の違いに起因する外殻電子の遮蔽の違いが内殻の束縛エネルギーを変化させるという説明はあくまでごく定性的なもので、正しい理解ではないのではないか。
・基底状態の電荷密度とイオン化状態の安定性にはどのような関係が考えられるのか。

ということです。
そして、いろいろと書きましたが、教えていただきたいのはつまり

・XPSの化学シフトは何が原因で起こるのか

ということに尽きます。。
若輩者ゆえ全く的外れな考えをしているかもしれませんが、何卒ご容赦ください。
それでは、些細なことでも結構ですので回答、アドバイスをよろしくお願いいたします。

A 回答 (4件)

私の専門外の話題なので、はずしているかも知れませんけど、参考文献と教科書を。



N. M?tensson, A Nilsson "On the origin of core-level binding energy shifts" J. Electron Spectrosc. Relat. Phenom. 75, 209-223 (1995).
http://dx.doi.org/10.1016/0368-2048(95)02532-4

日本表面科学会編,X線光電子分光法 7章 状態分析
http://webcatplus-equal.nii.ac.jp/libportal/DocD …
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この回答へのお礼

文献紹介ありがとうございます。非常に参考になりました。クープマンズの定理を使う方法とΔSCFの方法で、基底状態の電子状態と正孔状態の軌道緩和などを分けて考えるようですね。おかげさまですっきりしました!化学の方で戴いた回答も含めて、お世話になり感謝いたします!

お礼日時:2009/02/07 04:18

>よろしければ参考にされた文献・教科書等を教えていただけますでしょうか?


すいません、流通していない文献を参考にしましたm(_ _)m
専門外なので、入手可能で参考になりそうな文献も知りません。
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この回答へのお礼

いえいえ、こちらこそご迷惑おかけして申し訳ないです。どうやら先日のお礼で書いた“イオン化時間”なるものは関係ないみたいですね。クープマンズの定理で得られるイオン化ポテンシャルが基底状態の電子状態を反映していて、ΔSCFで得られるイオン化ポテンシャルにイオン化状態での電子状態変化による項が加わってくる、というような解釈をするのが一般的なようです。おかげさまで勉強になりました。何度もお返事をいただきありがとうございました!

お礼日時:2009/02/07 04:24

>“基底状態とイオン化状態の全エネルギー差”


「基底状態」ってのは始状態(電子をたたき出す前)
「イオン化状態」ってのは終状態(電子をたたき出した後)
の事を指しているという事でいいんですね?

#1に書いたような理由による、始状態の1電子軌道のエネルギー準位の違いも化学シフトに寄与するし、
貴方の考えている(多分)ような、終状態に内殻電子がいないことによるその他の電子の緩和(軌道の変化に伴うエネルギーの変化)も化学シフトに寄与する
という事のようですよ。


・・・というので回答になっていますかね^^;

この回答への補足

よろしければ参考にされた文献・教科書等を教えていただけますでしょうか?周りに聞ける人もいないし、あまり参考文献が見つけられなくて。。Web上のものでも構いませんので。宜しくお願いします。

補足日時:2009/02/01 01:47
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この回答へのお礼

再びの回答をありがとうございます。

とすると、1s軌道のエネルギー準位変化から化学シフトを求める方法も、軌道緩和(電子再配置?)を考えた状態間の全エネルギー差から化学シフトを求める方法も、どちらもあくまで近似ということで落ち着きそうな気がします。

僕もしばらく考えていたのですが、つまり実際にはイオン化と軌道緩和が同じ程度のタイムスケールで起こって、基底状態の1sの軌道エネルギー変化とイオン化状態の全エネルギー変化もどちらも考慮する必要があるということですかね。。これについては”化学”の方の掲示板で再度質問してしまいました。

間違いがあればご指摘くださると嬉しいです。お陰様でなんとなく理解できてきました。もうしばらく回答をお待ちしています。

お礼日時:2009/02/01 01:40

原子が正に帯電しているほど(電子がより強く引き戻されるので)、内殻電子を外にたたき出すのが大変そうですよね。



正に帯電している→価電子が小さい
たたき出すのが大変→束縛エネルギーが大きい
と置き換えてやれば、
「価電子が小さいほど電子の束縛エネルギーが大きい」
という事になりますよね。


簡単なモデルで考えるのであれば、外殻電子が半径r0(~イオン半径)の球面上に一様に分布していると考えるのが分かりやすいでしょう。
この外殻電子の作るポテンシャルは球の内部ではe/r0となります。つまり、外殻電子1個当たり、内殻電子のエネルギー準位がe/r0だけ持ち上がる(束縛エネルギーが小さくなる)訳ですね。

もっとも、実際にはこれ以外の効果もあってとても複雑なようですが、ちょっと調べた感じでは、遮蔽云々ってのはこの事を言ってるみたいですね。
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この回答へのお礼

回答をありがとうございます。

確かにそういった説明がよくされていて、理解もできるのですが、イオン化ポテンシャルを質問に書いたような“基底状態とイオン化状態の全エネルギー差”で考えるようにすると、そういった“基底状態の電子の出やすさ”のような概念は無関係となり、あくまでイオン化状態の安定性がイオン化ポテンシャルを決めるのではないかと思うのです。

基底状態とイオン化状態の軌道エネルギーが等しいと仮定(凍結軌道近似?)をして、クープマンズの定理を用いてイオン化ポテンシャルを考える場合は、1s軌道のエネルギーがそのままイオン化ポテンシャルとなるので、基底状態の電荷分布は重要であると思います。

ただ、実際のイオン化状態では電荷の再配置が起こり軌道エネルギーが変化するので、まじめにイオン化ポテンシャルを決めるには上記のように全エネルギーの差から求める必要があると思います。

いまの僕が考えているのは、“基底状態における電荷分布”と“イオン化状態における電荷の再配置による安定化”に相関があるために、化学シフトの説明に(あくまでごく定性的に)電荷分布を使うことができるのでは、ということです。

引き続き、アドバイスをお待ちしております。
----
ちなみに、いま想定しているのは最もシンプルな気相単分子系で、表面吸着等の効果は考えないことにしています。

お礼日時:2009/01/31 05:23

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IGZO-TFTを異なる温度で熱処理したときの、IGZO膜の組成分析をXPSで行っている論文を読んだのですが、「以下のXPSのグラフ(O 1s)のピークが高エネルギー方向に遷移しているのは、酸素空孔の増加を意味している」と書いてありました。

なぜこのようなことが言えるのでしょうか?ピークが高エネルギー方向へシフトするのは、電子密度が下がったときですよね?

Aベストアンサー

酸素空孔が増える→その分、相対的に系全体の電子密度は低下する→酸素のXPSピークが高エネルギーにシフト
という理解で良いかと思ったのですがどうでしょう?
酸素空孔が増える→残った酸素イオンは、まわりの金属イオンにより強くバインドされる→酸素のXPSピークは高エネルギーシフト
の方が分子科学的にはわかりやすいですが。

QXPS(ESCA):Ga2p1/2,3/2、この1/2,3/2とは?

こんにちは、XPSに関して質問があります。

pやd軌道からのピークになると、1/2,3/2といった
添え字がつき、ピークも比較的近接した二つに分離されています。
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のか分かりません。
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分からずに困っています。ご教授宜しくお願いします。

Aベストアンサー

#1ですが、まだ締め切られていないようなので。

スピン・軌道相互作用についてわかりやすく(というか古典的に)説明してみようと思います。(教科書に書いてあったのを引用するだけです。正確には相対論的量子論とかディラック方程式が必要になるようです。)

http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1735309
で薦めた「スピンはめぐる」という本にもたしか書いてありました。

まず軌道角運動量とスピン角運動量ですが、軌道角運動量は、その角運動量で電子は原子核の周りを回っていると例えられます。電子から見れば原子核が回っているように見えますが、ビオサバールの法則により磁場ができます。

一方、スピン角運動量とは電子の自転の角運動量に例えられますが、電子というのは小さな磁石で、その磁場の向きを表します。

原子核が作った磁場(実際には電子の軌道角運動量による磁場)に対して、電子のスピンによる磁場がどちらを向くかでエネルギーが変わってくるので、そのエネルギーがスピン・軌道相互作用です。

一応ウィキペディアのURLも書いておきます。

それから、、、
> 平行と反並行で、反並行の状態が結合としては安定なので、反並行のピーク位置は、高エネルギー側に現れる訳ですね。

これは厳密には誤りですね。例えばGa2p軌道の6つの電子のエネルギーはすべて縮退していて、平行も反平行もありません。そこから電子を1つ取り出すのに、取り出し方で取り出した後の終状態のエネルギーが変わってくるのです。ややこしいですが、、、

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%B3%E8%BB%8C%E9%81%93%E7%9B%B8%E4%BA%92%E4%BD%9C%E7%94%A8

#1ですが、まだ締め切られていないようなので。

スピン・軌道相互作用についてわかりやすく(というか古典的に)説明してみようと思います。(教科書に書いてあったのを引用するだけです。正確には相対論的量子論とかディラック方程式が必要になるようです。)

http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1735309
で薦めた「スピンはめぐる」という本にもたしか書いてありました。

まず軌道角運動量とスピン角運動量ですが、軌道角運動量は、その角運動量で電子は原子核の周りを回っていると例えられま...続きを読む

QX線光電子分光法(XPS)について

こんにちは。
XPSについてお尋ねさせてください。

自分は、化学系の大学院を出ていまして、
就職してより現在まで5年ほどXPSで分析を行っています。
なので、XPSについては、それなりに理解はしているつもりです。
(量子論とかは素人なので、あくまで、「それなり」ですが・・・・^^;)

ただ、先日いくつか尋ねられたことについて、明確に答えられなかったので
ここで質問させてください。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.たとえば、炭素(C)や酸素(O)はよく測定する元素種ですが
これらは通常、内殻軌道である1s軌道を評価しますが、
なぜ、2s軌道や2p軌道じゃないのでしょうか?
他原子との結合エネルギーを評価しようとするとき、
こちら(O2s,O2p)でも良いんじゃないか? といった質問でした。

⇒ この質問について、
確かに、XPSでは価電子帯の電子状態に関する情報も得られるが、
価電子帯の電子の束縛エネルギーは低いため、多原子系においては
内殻準位に比較して評価が難しい。
・・・・などど曖昧な(しかも間違っている?)形で答えてしまいました。

これは違うような気もするのですが、
正しい理由をご存知の方がおりましたらお教えください。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2.「1.」の問いに関連していますが、
原子が大きくなると、XPSで評価する電子軌道も変わってきます。
たとえば、銀(Ag)= 3d、金(Au)= 4f などですね。

酸素や炭素などの小さな原子は1s軌道で評価するのに、
原子が大きくなるほど、2p→3d→4f・・・となっていくのは何故なのか?
といった質問でした。

⇒ これについては次のように答えています。
原子が大きくなるほど、より内殻側の電子ほど束縛エネルギーが大きくなってしまうので、
固定された照射X線のエネルギーではその電子を光電子として弾き飛ばすことが出来ない。
なので、原子が大きくなるほど、2p→3d→4f・・・となっていく。
と、自分では理解しているのですが、これは正しいでしょうか?

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3.たとえば、金(Au)などは、4f軌道の評価が一般的だと思うのですが
実際にはAuは4s~5dまでのスペクトルが観測されるようです。
このうちで、なぜ、4f軌道なのでしょうか?

「一番強度が得られる軌道だから」というのは簡単ですが
ひとつの元素について軌道毎に強度が異なる理由があるのでしょうか?
内殻ほど電子密度が高くなって、その分強度が得られるじゃないかとも思うのですが、それは違うのでしょうか。

http://www.sugalab.mp.es.osaka-u.ac.jp/~sekiyama/PES1/kaisetu1_3.html
こちらのサイトでは、そのAuのスペクトルが提示されていますが
4fを境に内殻へいくほど強度が減っています。

電子軌道によって、光電子強度が変わるという理由について教えてください。
もしかして、軌道によって光電子の発生確率が変わるのかな?とも思うのですが
このあたりに関する記述が見つけられませんでした。

XPSに関する書籍でも、「内殻電子を評価する手法」とひとくくりに書かれてしまっているので、詳しいところが不明でした。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

以上ですが、もしお詳しい方がいらっしゃいましたら
ご教授いただきますようお願いいたします。

宜しくお願いいたします。

こんにちは。
XPSについてお尋ねさせてください。

自分は、化学系の大学院を出ていまして、
就職してより現在まで5年ほどXPSで分析を行っています。
なので、XPSについては、それなりに理解はしているつもりです。
(量子論とかは素人なので、あくまで、「それなり」ですが・・・・^^;)

ただ、先日いくつか尋ねられたことについて、明確に答えられなかったので
ここで質問させてください。

◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.たとえば、炭素(C)や酸素(O)はよく測定する元素種で...続きを読む

Aベストアンサー

私もXPSを使用したことがあるので、私の考えを述べてみます。

1について、私も同じ考えです。例えば窒素について2sや2pで議論しない理由は、価電子帯の電子由来のピークは炭素や酸素と近い位置にでるため見分けるのが面倒 or これは質問2とも共通するのですが、2s2p軌道の光イオン化断面積が小さいためピーク強度が低くなってしまうからと考えています。

2、3についてもおっしゃられているとおり内殻の電子は光電子として出てこなければ検出できません。出てくる光電子の内、光イオン化断面積の大きな軌道からのピークをみるのが普通だと思います。

Q波長(nm)をエネルギー(ev)に変換する式は?

波長(nm)をエネルギー(ev)に変換する式を知っていたら是非とも教えて欲しいのですが。
どうぞよろしくお願いいたします。

Aベストアンサー

No1 の回答の式より
 E = hc/λ[J]
   = hc/eλ[eV]
となります。
波長が nm 単位なら E = hc×10^9/eλ です。
あとは、
 h = 6.626*10^-34[J・s]
 e = 1.602*10^-19[C]
 c = 2.998*10^8[m/s]
などの値より、
 E≒1240/λ[eV]
となります。

>例えば540nmでは2.33eVになると論文には書いてあるのですが
>合っているのでしょうか?
λに 540[nm] を代入すると
 E = 1240/540 = 2.30[eV]
でちょっとずれてます。
式はあっているはずです。

Qスペクトルの Fitting について

XPSを用いて測定したスペクトルの
Fitting がうまくいきません。

光イオン化断面積の大きな準位の
比較的対称なピークさえ、
うまくフィットすることができません…
Gauss関数を用いたFittingではうまくいかないものなのでしょうか?

ピークの形に影響を及ぼす要因は
いくつか考えられるのですが
ピークフィットするにあたり
それぞれの要因に対して、どのように重みをつけるべきなのか
全く分かりません

ピークフィットするにあたってよい方法があれば教えてください

Aベストアンサー

#1です。 
◇弾性散乱が主要因です。
お問い合わせの参考資料として、下記HPのNo.1679
XPSにおいて発生分布の非対称に与える弾性散乱効果の検討
佐藤 仁美、田中 彰博、一村 信吾、城 昌利、田沼 繁夫、吉原 一紘
などは kuwamanmaさんのご希望に添える回答として如何でしょうか?

実際、XPS分析にて波形分離すると非対称性入力項がありますネ。

PS;これから出張なので、暫く回答出来ませんが申し訳ございません。

参考URL:http://www-surface.phys.s.u-tokyo.ac.jp/sssj/Vol17/Vol17_08.htm

QXPS(ESCA)解析法

スライドガラス上へ有機薄膜(数nm程度)を作製し、XPSで測定を行いました。
ケミカルシフトから化学状態(結合等)がわかるとありますが、
どのような計算をしなければいけないのですか?
手順を教えて下さい!
また、文献や資料を読むとピーク値が非常に正確であるようですが
「だいたいこの値」などと安易に考えては駄目なんでしょうか。
ラマン測定などと違って(厳密に言えばこれも正確ですが)。

例えば、基板のスライドガラスを測定した場合、Si2pでは106.1で
ピークを確認しましたが、文献ではSiO2は103.4でピークが発現すると
あります。確かにスライドガラスはSiO2のみで形成されてはいませんが
SiO2が最も多く含まれるものであり、測定値(106.1)をSiO2と見なし、
全体的に2.7だけシフトしていると考えました。
有機薄膜を作製したもので同じようにSi2pでの測定を行うと106でピークが
発現しました。文献値からは2.6シフトしていて、これもSiO2のピークかと
考えましたが、有機薄膜中にもSi元素を微量に含むため、2.6のシフトを
化学状態の変化とみなすか否かでも考え込んでいます。ちなみに、ピークの強度はスライドガラスよりも小さくなっています。
どんな場合では全体のシフトとみなすか等、指針となっているものがあれば
教えて下さい。
「X線で何がわかるか」加藤誠軌著、「X線分光分析」加藤誠軌/編著、
島津製作所さんの講習会テキストなどを読んでみましたが、
やはり実際頻繁に測定を行っている方からお聞きしたいです。
宜しくお願いします。

スライドガラス上へ有機薄膜(数nm程度)を作製し、XPSで測定を行いました。
ケミカルシフトから化学状態(結合等)がわかるとありますが、
どのような計算をしなければいけないのですか?
手順を教えて下さい!
また、文献や資料を読むとピーク値が非常に正確であるようですが
「だいたいこの値」などと安易に考えては駄目なんでしょうか。
ラマン測定などと違って(厳密に言えばこれも正確ですが)。

例えば、基板のスライドガラスを測定した場合、Si2pでは106.1で
ピークを確認しましたが、文献ではSiO2...続きを読む

Aベストアンサー

今はXPS分析から離れていますが、これまでの経験から回答致します。

ケミカルシフトによるピーク位置は、文献によって微妙に異なります。
これは測定器や測定条件による影響です。
一般には 銅(Cu)及び金(Au)、この2つの金属のピーク位置によって
装置を補正します。しかし、これで一致させても、試料のアースの取り方や
絶縁物ではズレ生じますので、試料固定の際には注意が必要です。
 
ケミカルシフトがどうか?見分ける方法は、以下があります。
1)試料を一端取外し後、再取付けして測定する。
2)ピーク位置が既知な金属(Cu,Au等)を測定する。
3)プラズマエッチングして、表面を掘ってみる。
( 3)は測定対象物によっては 適用できない場合があります。)

  Si は Si,SiO,SiO2 のピークが出現しますので難しくなります。
測定角度を変えると、それぞれのピーク高さが異なります。
 これは表面の状態が異なっているため、(酸化層の厚さが異なる)
光電子量が変化する為です。
スライドガラスも絶縁物ですから、測定には注意必要です。

 また、ピークが鈍っている場合には、いくつかのピークが重なって
いることを考慮する必要があります。
 1)できるだけ少ない本数で、元となるピークが再現できるか?
2)波形の根元をいかに合わせるか?
特にこの2点を注意して波形分離していました。

 ご参考まで・・・ケミカルシフトは複雑な計算で求められますが、
 一般的に電気陰性度と比例関係にあります。 これで代用すると
 四則演算の簡単なおおよその値が求められる為、分析現場では
 役立ちます。(特にカーボン関係。)
 
こう言ってはなんですが、島津製作所がXPS装置の取扱説明書に
添付しているデータ集は、私が測定したデータと異なっていることが
多々ありました。そこで、私はケミカルシフト量のみを参考にして、
ピーク値は無視していました。
それよりも アルバックファイから出版しているデータファイルが
大変役立ちます。 こちらはよく一致しました。

今はXPS分析から離れていますが、これまでの経験から回答致します。

ケミカルシフトによるピーク位置は、文献によって微妙に異なります。
これは測定器や測定条件による影響です。
一般には 銅(Cu)及び金(Au)、この2つの金属のピーク位置によって
装置を補正します。しかし、これで一致させても、試料のアースの取り方や
絶縁物ではズレ生じますので、試料固定の際には注意が必要です。
 
ケミカルシフトがどうか?見分ける方法は、以下があります。
1)試料を一端取外し後、再取付けして測定...続きを読む

QED(電子線回折)のスポットの解釈

 (多孔質材料の)構造同定のために、TEM像&ED像(corresponding ED pattern)を測定したときの結果に対する記述です。

The ED pattern showed the angle of diagonal lines connecting the [110] spots was close to 90°

これは、どう解釈すればよいのでしょうか?
教えてください。

ちなみに、この記述に対する論文中の図を説明すると、
TEM像とED像がセットで掲載されています。
そして、ED像は、
中心に大きい明点
_
右上に1 1 0
_ _
右下に1 1 0
_
左下に1 1 0

左上に1 1 0

と記された明点があります。

あと、この質問をする上で
教えてgooの過去になされた質問を見ていたところ
No.284603の質問の回答で

昔から電子顕微鏡で得られた原子像をスキャナーで読み込み、それにFFTをかけると電子線回折と同じスポットパターンが得られる


という記述があったのですが、一般的に
TEMと一緒に掲載されている電子線回折パターンは
TEM像をスキャナーで読み込んで、FFTをかけたもの
なのでしょうか?

 (多孔質材料の)構造同定のために、TEM像&ED像(corresponding ED pattern)を測定したときの結果に対する記述です。

The ED pattern showed the angle of diagonal lines connecting the [110] spots was close to 90°

これは、どう解釈すればよいのでしょうか?
教えてください。

ちなみに、この記述に対する論文中の図を説明すると、
TEM像とED像がセットで掲載されています。
そして、ED像は、
中心に大きい明点
_
右上に1 1 0
_ _
右下に1 1 0
_
左下に1 1 0

左...続きを読む

Aベストアンサー

回答がつかないようなので。。。

質問文にある英文は、
「電子回折パターンから[110]方向の回折点を結ぶ対角線同士の角度は90度に近いことがわかる。」
といったところでしょう。

文章から察するに、ミラー指数についてあまり勉強されていないのではないかと思いますが、回折の解析をする上では必要不可欠なものなので、しっかりと勉強しましょう。ミラー指数の説明自体は各種教科書に譲るとして(図なしで説明するのはかなりむずかしい)、必要な部分だけ説明しましょう。

まず、中心の明点は、透過電子線による感光で解析には用いません。強いて言うなら座標系の原点です。それ以外の明点は、ミラー指数に対応する面がブラッグの反射条件を満たしたときに起こる回折点です。従って、原点から各明点までの距離から面間隔が、子午線or赤道との角度から、単位結晶格子の基準面となすミラー指数に対応する面の角度がそれぞれ計算できます。

今の場合、[110]方向と[1- 10]方向(それぞれ単位結晶格子のab面の対角線に相当する方向)がほぼ垂直に交わっていることから、この試料の結晶格子のab面は、ひし形であると推察できます。

『 昔から電子顕微鏡で得られた原子像をスキャナーで読み込み、それにFFTをかけると電子線回折と同じスポットパターンが得られる 』 は、間違っては居ませんが、そんな面倒なことをする人はほとんどいないでしょう。
TEMでえられる像には2種類あります。
一つ目は、回折像で、物体の中で散乱や回折した電子をそのまま像として焼き付けたものです。こちらは、光散乱やX線回折と同じものだと考えてください。
二つ目は、いわゆる実像で、物体の中で散乱や回折した電子を電磁力の力をかりて再び収束させ結像するものです。こちらは、光学顕微鏡や望遠鏡のようなものだと考えてください。
この二つの像は、試料直後に置かれている電磁石の入切で簡単に切り替えることが出来ます。つまり、TEMを用いた場合、今、まさに見ているものの全体像を実像として捉えられ、また、内部構図を回折パターンを分析することで捕らえられるという利点があります。他の線源を用いた場合、試料の集合体の平均しか見ることが出来ないのが、TEMを用いることで、そのものずばりの解析ができるということです。散乱や回折がフーリエ変換だというのはいいですよね? TEMの実像をフーリエ変換したものはその見ている領域からの散乱や回折とほぼ同一の物が得られるのは、当然のことですよね。

回答がつかないようなので。。。

質問文にある英文は、
「電子回折パターンから[110]方向の回折点を結ぶ対角線同士の角度は90度に近いことがわかる。」
といったところでしょう。

文章から察するに、ミラー指数についてあまり勉強されていないのではないかと思いますが、回折の解析をする上では必要不可欠なものなので、しっかりと勉強しましょう。ミラー指数の説明自体は各種教科書に譲るとして(図なしで説明するのはかなりむずかしい)、必要な部分だけ説明しましょう。

まず、中心の明点は、透過電...続きを読む

QXPSについて教えてください。

どうもこんにちは。初めて質問します。
今XPSについていろいろ調べています。
XPSの結果を見ると”atom %”が示してあります。
これは"relative area"から求められているのですが、
この"relative area"とは何なのでしょうか?
そして"area"とどう違うのでしょうか?
ぜひ教えてください。

Aベストアンサー

XPSはX線光電子分光法の略で、ESCAという呼び方もありますので、
こちらでも調べてみてください。

さて、実際に装置で分析をしてみたことがありますでしょうか?
XPSは名前の通り、試料にX線をあて、出てきた電子のエネルギーを
調べます。
X線のエネルギー - 電子のエネルギー = その電子が飛び出してくるのに必要なエネルギー
ということで、それがわかれば、元素がわかるし、その量の割合がわかれば、
各元素の比”atom %”がわかる訳です。

ただ、同じ量のX線をあてても、出てくる電子の量は違います。これを補正するのが、
Sensitivity Factorで、分析装置のPCの中にデータが入っているはずです。
それから、もともと微量だったり、電子の出にくい元素の場合、強度が弱くなるので、
分析回数を増やしたりします。

まず、生データは横軸エネルギーで縦軸は強度ですよね。この面積が"area"。
これに分析回数などの分析条件を考慮に入れる必要があります。
例えば、強度が弱いから他の元素の10倍の回数分析すれば、実際はareaを10で
割ってやる必要があるということです。そして、それにSensitivity Factorを
掛けた(割った?)ものが、"relative area"。そして、その"relative area"
から”atom %”が計算されるのです。

以上

XPSはX線光電子分光法の略で、ESCAという呼び方もありますので、
こちらでも調べてみてください。

さて、実際に装置で分析をしてみたことがありますでしょうか?
XPSは名前の通り、試料にX線をあて、出てきた電子のエネルギーを
調べます。
X線のエネルギー - 電子のエネルギー = その電子が飛び出してくるのに必要なエネルギー
ということで、それがわかれば、元素がわかるし、その量の割合がわかれば、
各元素の比”atom %”がわかる訳です。

ただ、同じ量のX線をあてても、出てくる電子の量は違いま...続きを読む

QXPSとAESどのような場合にどちらが適しているのですか?

XPS(X線光電子分光法)とAES(オージェ電子分光法)がどのような場合、どちらを用いればいいのかが良く分かりません。
XPSとAESの原理は本で勉強したのですが、この2つ徹底的に比較していないので表面を分析するならどちらでもいいのかと思うのですがどうもそうでもないようなのです。
深さ方向の分析にどちらが適しているなどがあるのでしょうか?

Aベストアンサー

時々AESやXPSで試料を分析してもらっている者です。分析法自体の専門家ではなくてすみません。

オージェ電子分光(AES)とX線光電子分光(XPS)は対象とする分析内容が比較的似ています。AES・XPSのどちらでも適用できる場合も少なからずあります。

原子の結合状態まで知りたい時にはXPSが好んで使われます。元素の結合状態の違いによって生じる、XPSスペクトルの化学シフトが容易に観測され解析もしやすいためです。具体的には例えば試料の中からケイ素が検出されたとして、それらのケイ素が酸素と結合しているのか他のケイ素と相互に結合しているのかまで知ることができます。またプローブがX線で試料の帯電の問題がないので、絶縁物の分析をする場合に有利です。
AESはプローブが電子ビームですが、電子ビームは容易に細く絞ることができるので表面内での元素の2次元分布を細かく調べたい場合(マッピング)に適しています。
ただしXPSでもプローブ(X線)を絞り込めるようになり、一方でAESでも結合状態の解析技術が進んだために、互いの技術は接近してきているようです[1]。
深さプロファイルはAESでもXPSでも取れます。深さ方向の分解能はいずれも数[nm]程度だったと思います。感度はXPSの方がよいようです。

以下のページなども参考にしてみてください。
[1] http://www.kanagawa-iri.go.jp/kitri/kouhou/ssknews/pdf/sannewspdf.html
ここの「1999年度発行 Vol. 5 No. 1(1999.5)」(pdfファイル)をダウンロードして読んでみてください。

[2] http://www.idema.gr.jp/news/38.htm
ここの「表面分析法を用いたヘッド・ディスクの測定事例」(pdfファイル)をダウンロードして読んでみてください。内容はTOF-SIMSについてのものですが、最初にXPSやAESなどの表面分析法を比較した表があります。

[3] http://www.cacs.co.jp/12kinou/conts/hyoumen_c1.htm

[4] http://www.nsg.co.jp/ntr/NTR-NEWS/ntrnews20.htm

[5] http://www.jeol.co.jp/technical/information/eo/escadata/esca006/esca006-01.htm

時々AESやXPSで試料を分析してもらっている者です。分析法自体の専門家ではなくてすみません。

オージェ電子分光(AES)とX線光電子分光(XPS)は対象とする分析内容が比較的似ています。AES・XPSのどちらでも適用できる場合も少なからずあります。

原子の結合状態まで知りたい時にはXPSが好んで使われます。元素の結合状態の違いによって生じる、XPSスペクトルの化学シフトが容易に観測され解析もしやすいためです。具体的には例えば試料の中からケイ素が検出されたとして、それらのケイ素が酸素と結合している...続きを読む

QX線回折(XRD)分析の半値幅について

現在粉末用のXRD装置を使用しているのですが、半値幅に含まれる情報に関して教えてください!
参考書などを呼んでいると、結晶性のピークに着目した場合、ピークの半値幅が大きくなるほど結晶子サイズは小さいことを意味すると書いてあり、これはなんとなくわかりました。
しかし、非結晶性のものを測定すると一般的にはブロードピークとなるものが多いかと思うのですが、相互関係がわかりません・・・。非結晶性のものは結晶子サイズが小さいということではないですよね?

段々結晶子サイズが小さくなっていった時に、少しづつピークはブロードに近づくとは思うのですが、
・結晶子サイズが小さくなっている
というのと、
・非結晶性のものである
というものの区別はどうやって判断したらよいのですか?ある程度は半値幅を超えたら非結晶性のものとかいう基準があるのでしょうか?

Aベストアンサー

半値幅から微結晶サイズを求めるシェラーの式は、固体中にある
微結晶のサイズを求めるための式です。適用できる微結晶サイズは
nmオーダから0.1μmまでの範囲です。この点に注意してください。

さて微結晶サイズが小さくなると半値幅はサイズに反比例して拡がり、
ピークはだんだん鈍くなります。さらに小さくなるとブロードで
ガラス等による散乱パターンに似たものになることも有ります。

ピークの拡がりは、1)結晶が十分な大きさで無いこと、2)結晶に
欠陥があるか、または空間的な規則性が低いか、3)装置による制約
から来ます。
原因3)は基準物質を使い補正計算をしてある程度除去することが
できます。
原因1)の影響を考慮したのがシェラーの式ですが、常に原因2)の寄与
も含まれています。
原因2)は小さくても結晶で有れば散乱強度を決める構造因子は定まります。
ここで構造因子に欠陥や小さくなることで発生した構造の乱れを組込めば
非晶性の広がったハローを再現できるかも知れません。
しかし、非晶性物質では構造の乱れは大きすぎ、結晶学的な構造因子は
もう決められません。
その代わりに、原子の相互配置を確率的に表した動径分布関数が散乱強度
の計算に導入されます。
一つの物質からの散乱強度の計算に、ここまでは構造因子方式、ここからは
動径分布関数方式という使い分けはされていません。

したがって、結晶子サイズが小さくなっているというのと、非結晶性の
ものであるということの明確な境界は無いように見えます。
当然、ある半値幅を超えたら非結晶性のものとかいう基準は有りません。

溶融体を急冷して結晶化させようとした場合、できたモノを欠陥だらけの
極微細結晶からなるとするか、非晶質になったと解釈するかは半値幅だけ
からはできないと思います。

半値幅から微結晶サイズを求めるシェラーの式は、固体中にある
微結晶のサイズを求めるための式です。適用できる微結晶サイズは
nmオーダから0.1μmまでの範囲です。この点に注意してください。

さて微結晶サイズが小さくなると半値幅はサイズに反比例して拡がり、
ピークはだんだん鈍くなります。さらに小さくなるとブロードで
ガラス等による散乱パターンに似たものになることも有ります。

ピークの拡がりは、1)結晶が十分な大きさで無いこと、2)結晶に
欠陥があるか、または空間的な規則性が低...続きを読む


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