「開放経済の下では財政拡大は大きな効果を持たないことが知られてきた。財政で内需を増やしても、一方で金利上昇・通貨高・輸出減というメカニズムが働き、財政の効果がキャンセルアウトされるためだ。その中で日本は、ロジック(論理)を無視して常に財政拡大を指向してきた数少ない国だった。」
と財政出動の批判と財政出動は無意味である事の解説がなされているのですが、 日本では
「財政で内需を増やしても、一方で金利上昇・通貨高・輸出減」
とはなりませんでした。
これはなぜなのでしょうか?
経済にお詳しい方、ご解説をお願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
バブル経済の崩壊、革命による社会の混乱などのパニックは、
経済学や金融理論では説明できません。アダム・スミス以来、
単純に考えると、経済学が平和な国や地域で発展してきたから
です。経済の抱える問題を経済学で解決できなくなったら、戦争
をしたのです。そして、リセットしてきた。
これは、ウエストファリア条約からの戦争の歴史を振り返れば、
よく分かります。ここでの説明を割愛します。勉強してみて下さい。
戦争が経済問題を解決してきたのです。
経済危機を経済学では説明できません。だから、経済学者は
経済危機を克服するための処方箋を持っていないのです。
だから、経済危機なのです。
経済危機は、経済額のロジック通りに動いていないのです。
質問の答えにならないかもしれません。何かの参考になれば、
幸いです。
No.2
- 回答日時:
財政出動批判派は、内需を増やしても「金利上昇・通貨高・輸出減」のメカニズムが働き財政効果がないとしているがそうはならなかったとの問いですか?
一般的に財政拡大は、大量の国債発行です。政府が景気や財政苦で建設国債や赤字国債を発行しますが、これら国債は債券市場で資金を調達しますが同時に紙幣を刷ります。市場で起債した国債で得た資金は焼却するのです。そこにはタイムラグが発生するわけです。例えば年度予算が
○兆円不足すれば予算が成立しません。お金を刷りつつ起債しているわけです。債券市場は債務者(国債発行者の政府)と債権者(金融機関)が突き合わせて政府の国債を複数の金融機関が買っているのです。
金利とは言わば借り手と貸し手の需給です。借り手が大きく資金を調達しようとすると貸し手としては金利を上げて貸せますが貸し手が余裕がありすぎると金利は低下してしまいます。
では、ここで政府が大きく国債を発行したら、当然、金利が高くなるのです。ここで政府としては金利を低く調達しないと将来の税負担の拡大に繋がります。国債残高は800兆円にもなり年間1%としても利息だけで8兆円が国民の税負担となっているわけですね。毎年の予算の歳入には30兆円近く発行しているのは新たに発行した新規国債と過去に発行した国債の利払い費を払い続けて新たに国債を発行しているのです。国債償還の為の国債(借換債)を発行し続けているわけです。財政の均等プライマリーバランスの改善(国債発行=国債償還)を2011年目標が崩れてしまいました。
さて、金利が上昇するはずが「なぜ」上昇しないのか?
それは、いろんな要素がありますが、先ほどの貸し手が国債にしか貸さなかった。つまりは民間の需要がなかったのです。日本のバブル崩壊後に民間企業は過剰負債、過剰設備、過剰人員を抱え込んでしまいました。そこで設備は廃棄、人員はリストラ、債務は圧縮に務めたのですね、金融当局は政策金利をゼロ金利まで下げたのですが民間は設備投資を止め、個人はリストラの脅威から消費を控えていたのですから民間や個人は銀行から借り入れは少なかったのです。銀行の資産運用はおのずと国債を買い入れるしかなかったのです。買う理由は、融資焦げ付く民間より安全資産の国債を買った方が不良債権処理を急いでいた金融機関には当時は一番無難だったと思います。
国債を買い続けると金利は低下します。債券上昇利回り低下になります。これが市場金利が上がらなかった理由です。
通貨高つまり円高にならなかった理由は、政策金利をゼロ金利して短期金融市場から借り入れした銀行は外国銀行だけです。外国銀行は日本に資金需要がないので日本で資金を調達して欧米や新興国に融資していたわけです。日本がゼロ金利、中国が8%とすると円を元に替えて中国で投資したら8%の利回りが得られれば円売り元買いになります。そうやって日本の超低金利を利用してキャリートレードが発生したのです。ゼロ金利の時は円の実効レートは下がる一方でした。今では買い入れた日本円を返すためにキャリートレード巻き戻しが起こり他国通貨売り円買いとなって円高が進行しているのも一つ、バブルに踊らなかった日本が安全と判断して円資産を取得している為に円高が急激になってます。
為替は他の要素もありますが各国の金利差で為替が動くわけです。
今回、米国の金融不安が無ければ、キャリートレードは、まだ続いていただろうし、円安になって輸出も好調でした。
財政出動による効果 公共投資をやって経済波及効果が見込まれる所は新興国や途上国には見られますがインフラの整備が出来上がってしまえばおのずと効果は限られると思います。
書き込みありがとうございました。
バブル崩壊後の日本では、一般的に言われる「財政拡大一方で金利上昇・通貨高・輸出減」という事にならなかったメカニズムが大分理解できました。
ありがとうございました。
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