オーケストラでの四つの疑問
1.オーケストラでは、コンサート・マスターを筆頭に複数のバィオリン奏者が存在しますが、人数についても(受け持つパート)とかが決まっているのですか?(何人編成とか)
2.ボーイングも楽譜に指定されて居るのですか?
潮招(蟹)のように一斉に上下して居る。
3.オーケストラで、やたらと、ビブラートをかける人と、全然掛けない人とが居ますが、単なる個人的癖ですか、それとも、決められた人のみがビブラートをかけて居るのですか?
4.ビブラートそのものは、とても心が和みますが、音の揺れで有る以上複数の音の揺れが存在すると(ソロは除く)和と差の関係で音が濁ると言う事は無いのでしょうか?
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No.3ベストアンサー
- 回答日時:
(1)
曲によってオーケストラの編成規模が違うので弦楽器の人数も違ってきます。
下記の「編成の規模」にある二管編成,三管編成,四管編成などによって,
弦楽五部(第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,コントラバス)の
人数比も変わってきます。
オーケストラ「編成の規模」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC% …
必ず,この編成比ぴったりでなければならないということはないと思いますが,
特別な意図がなければ弦楽器は大体はこのような人数比です。
(2)
ボーイングは楽譜には書かれていません。後で訂正ができるように鉛筆で書き込みます。
パートのトップ奏者が決めるか,全体に統一が必要な場合はコンサート・マスターが決めます。
指揮者が要求する場合もあり,指揮者によってダウンとアップが正反対になることもあります。
ここで弓を返すとか,弓を返さないで一弓で弾くとか,指揮者によって変わることもよくあります。
ボーイングは複雑なので,いろいろです。外側に座る人と内側に座る人で,ダウンとアップを
わざと反対(逆弓)にすることもあります。
(3)
ビブラートがバラついているときは,特に指揮者の指示がなく,各演奏者個人の音楽的な
感性に任せているのだろうと思います。
意図がある特別な箇所については,指揮者が細かい指示を出すこともあります。
ゆっくり小さなビブラートとか,速く細かいビブラートとか,あるいは,ビブラート無しとか。
このような特別な場合を除いては,
指揮者がビブラートのかけ方まで仕切ることはないと思います。奏者に任せている箇所で,
「あなた! ビブラートのかけ過ぎ!」なんてことは言わないと思います。
(4)
純正な響きが求められる箇所はビブラート無しを要求されます。
光のような直線的な澄んだ響きになります。
ビブラートは物理的には音程を揺らしていることになりますが,
それはそれで心も揺さぶるようなエネルギーが生まれますので,ビブラートの有無,度合いは
使い方次第かと思います。オーケストラ全体の響きが濁るほど音を揺らすことはありません。
ビブラートがきつい演歌歌手並みに全員がやるとすごいことになるでしょうね。
以下は,話題が広がりますので参考にリンクのみ
http://49907771.at.webry.info/200703/article_15. …
No.5
- 回答日時:
♯1です。
やはり経験者のご意見は違いますね。ビブラートに関して言えば、私はスコアに書かれているものとばかり思っていましたが、コンサートマスターや指揮者などが、自分の音楽解釈などをもとに団員の意見も参考にして、曲目ごとに決めるのですね。
そういえば、楽団のレッスン風景で団員が楽譜に何かチェックしているシーンを見ますが、こういうことをチェックしていたのですね。
かなり私の素人意見とは違う、説得力のある意見が寄せられましたが、少なくとも、ボーイングにしろビブラートにしろ、コンサートマスター・首席奏者・マエストロなどが、自分の解釈や過去の演奏事例などを総合的に判断して独自に決めたり、過去の慣例に従ったりして決定していくものだということは、間違っていなかった様です。
最近活発になってきた古楽アンサンブルの例を出された方もいらっしゃいますが。私もそのことを忘れていました。いわゆる古楽と言われるバッハやテレマンらの時代の作品には、はじめからビブラートをするという考え方がないため、ビブラートを行わない演奏がほとんどですよね。
例えば、バッハをビブラート付きで演奏したら、確かに大編成のオーケストラ特有のダイナミックさは出ますが、オリジナルらしさが欠ける演奏だなと思うこともあるような気が致します。
これではいけないという原点回帰主義から、バロック音楽はピリオド楽器で演奏しましょうというコンサートがブームになってきたのだと思います。
わたくし事ですが、私の同級生にバロックリコーダーの演奏家がいまして、入場席数数百名程度しかないであろう新国立劇場の近江楽堂(チャペル)で去年リサイタルを行ったので聴きに行きました。
その際つくづく感じたのは、やっぱりクラシック音楽は、作曲時に想定された演奏場所で、ピリオド楽器による演奏を聴くのが一番いいんだなと言うことです。
ビブラートやボーイング、そして楽団の編成やパート分けも、楽団員やマエストロらの音楽観や経験に裏打ちされたところから割り出したものなのでしょう。だから一概に決まっているわけではないのでしょう?皆様の意見を拝見してそう思いました。
No.4
- 回答日時:
1.1 人数に関して・・・
絶対はありません。オーケストラの事情によります。ですから、割と大人数のところも有るし、少人数のところも有ります。
とは言っても、自由勝手と言う訳ではなく、演奏する曲の本来持っているニュアンスを壊さない程度の中での自由です。
ですから、貴族の館のサロンのような狭い部屋用に作曲された古い時代の作品、例えば、バッハは勿論の事ハイドンやモーツァルトの交響曲を近代的大編成のオーケストラ規模で演奏しても曲のイメージは変質してしまいます。逆に、マーラーやショスタコビッチの様な近代オーケストラ時代の作曲家の交響曲を前述の様な小編成のオーケストラで演奏したのでは、音の厚味が貧弱になってしまい管弦楽の醍醐味は失われます。
1.2 受け持つパート
スコアーに指示がしてあります。第一ヴァイオリン・第二ヴァイオリンが必要な曲なのか。一つで良いのかは、基本的なスタンスとしてのクラシックでは、演奏者側で勝手には変えません。変えるとすれば、はっきりと編曲した旨を公にして、編曲作品としての独立した新たな曲として扱います。とは言え、プライベートコンサートの様なものの時は、その一員に編曲上手がいらっしゃれば、臨機応変なその場限りの演奏は有り得るでしょう。
2. ボーイング
基本的にはスコアーに指示はありません。
同質の音を出す事に腐心し、練習をすれば、自ずと同じ動きの方が、音の純度は上がります。又、客席から見ていても、揃っていた方が、曲が締まって聞こえます。見ていてもと書きましたが、目を瞑っていても統制の取れていない音の濁りは解りますよ。
3.ビブラート-I
やたらと掛ける人と掛けない人!一曲の同じパートの同じ部分で、そんなに個人差がありましたか?私は其処まで極端な演奏事例を知りません。アマチュア同好会か何かで、全体練習を一定レベルで統率したり指摘できる人材の居ない団体ではないのですか?
私は、市民オーケストラレベルでも、其処まで不揃いな例を知りません。
※日本の音楽教育機関(国立・私立・専門)学校ではビブラートをする事を前提として、教育がなされていますので、専門教育を受けた事が無い者の集りでない限り、考え難いのですが・・・・
3.ビブラート-II
その通りです、音質は柔らかく感じます。が、別な意味では、各音符の示す周波数が、上下に微妙なズレを生じさせている訳です。その重なりが管弦楽の重厚さや厚味を出しています。又、時として、その癖が各オーケストラの固有のサウンドとして愛される要因の一つでも有ります。
しかし、このメリットも個々の楽器が、自己流の勝手でやっていては質問者様の仰る通りの聴くに堪えない状態になるでしょう。其々の楽員が、他の音を聴き、美しいアンサンブルを作る事を必ず意識していなくてはなりません。
ところで、最近、指揮者の意志に因って、ビブラートを全く掛けないか、必要最小限に抑えるオーケストラが、結構見られる様になって来ました。
古楽奏法と言うのでしょうか、最近はピリオド奏法と呼ばれるようです。ピリオドとは、クラシックの世界では“有る時代”の意味で、ある曲の作曲された時代!の意味との事ですが、モーツァルトの頃は、楽器の発達途上であり、サロン音楽が主でした。演奏会場が狭い事で、オーケストラと言っても、今で言う室内管弦楽団を少し大きくした程度でした。未発達の楽器の音量も今よりは小さく、ビブラートを利かす奏法も有りませんでした。当時の作曲家達は、その条件下で作曲した訳です。
20世紀に入り、オーケストラ編成は巨大化していきました。巨大化した集団をまとめる為に演奏スピードを落とし、落としたスピードのデメリットをビブラートの豊かさ柔らかさがカバーしました。そして、その演奏法が当たり前の事として発展し最高潮に達したタイミングに居た識者たちが、フルトヴェングラー・トスカニーニ・ワルター・カラヤン・ミュンシュ・セル・ベームなど、今でも人気の有る人たちが活動した「大巨編時代」1940年代~1970年代でした。しかし、この巨編達が居なくなった頃から、原点回帰とでも言うべき取り組みを始めた指揮者が現れ始めました。アーノンクールやノリントンが魁となり、今では、先の二人に加えて、私が知る名前として、サイモン・ラトル、パーボ・ヤルビー、ダニエル・ハーディングなど、日本で活動している人の中では、東京交響楽団音楽監督ユベール・スダーンや金聖響などがいます。
このピリオド奏法で演奏された曲を聴くと、大巨編時代の演奏のイメージでモーツァルトなどを聴くと、ビブラートが無いため、絃の音質は直線的で尖り、椅子から転げ落ちそうなスピードに思え、聴く人に因ってはBGMの様だの、軟弱な音楽の様に言われる事の有ったものが、装飾的な飾りを脱ぎ捨て、刃を突き付けながら迫って来るようです。
※最近はもう慣れましたが、それでも、音符は同じでも違う曲に思える事もあります。
このピリオド奏法でビブラートを控えた事で、弦を抑える指の位置の正確さは、それまで以上に要求される様になっただけでなく揺らしに因る音の味付けが出来なくなりました。そして、それを補う為の弓使いのテクニックは、大幅に高いレベルのテクニックを要求される様になったと聞きました。
余計な事まで書いてしまいましたが、ご質問のどれも、アドリブやアレンジを謳い文句にしておらず、クラシックの本筋を守るという事から言えば、基本的には勝手にはやっていない筈です。違いが有るのならば、何か理由が有るのだと思います。
以上。乱筆・乱文・誤変換・意味不明などがあるかも知れませんが、ご容赦下さい。
先日、青島広志氏の指揮を見に行き、偶々オペラグラスでは無く双眼鏡を持って行った為演奏者の手元(指先までも)もばっちり見えて仕舞い、その時(左側はコンサートマターを始め20名位、右は5~8人位)左右を見て居るとビブラート掛けまくりの人が何人か居ました。隣のビブラートを掛け無い人の指先を見比べると同じ所へ指が動いて居るので曲(パート)は同じものを弾いているのに盛んにビブラートを掛けて居るのが気に成って、第一バィオリン(コンマス)の人は、ビブラートは一回も無しでした。
--------
また、別の場面で、佐渡氏が良く指揮をして居る(日曜の、題名の無い音楽会)その都度オーケストラは変わるが、その番組でも、矢張りビブラートを得意とする人と、全然掛け無い人がいましたので、気に成って質問させて頂いた次第です。
色々貴重なご意見を頂大変参考に成りました。
今後とも宜しくお願い致します。
No.1
- 回答日時:
正確な答えはオケ経験者または弦楽合奏経験者の方にゆだねるとして、私からは分かる範囲でコメントいたします。
ご存じかとは思いますが、オーケストラでは、バイオリンに限らず全ての楽器に複数の演奏者がいますが、バイオリンにおいては第1バイオリンと第2バイオリンがありますね?(それくらいは分かりますよね?)
1.この「第1バイオリン」と「第2バイオリン」があるということが、すなわち、受け持つパートがあるという証拠です。そして曲によって、この「第1」がメインになることもあれば、「第2」がメインになることもあります。大きなCDショップに行くと、ポケット版のフルスコア本が売ってますので、その中からお気に入りの曲のスコア本を一冊買ってみるといいですね。オーケストラの中でバイオリンセクションがどのような演奏をしているかが目で見て分かりますよ。
2.「ボーイングも楽譜に指定されているのか?」ですが、これは勿論です。バイオリン奏者一人一人が好き勝手なボーイングをしたら隣同士で腕がぶつかるでしょうし、見栄えだって明らかに悪い。第一、上げ弓と下げ弓では音質が違うんじゃないのかしら?私はバイオリンを弾いたことがないから分かりませんけど・・・。ピアノだってある程度決められた指遣いがあるように、バイオリンだってギターだって決められたボーイング(ギターではボーイングとは言いませんが、「下から弾くか上から弾くか」と言う意味では決まっているでしょうから)があって当然です。ボーイングが一斉に上下していなかったら変でしょう?
3については、正しく答えられる自信がないので割愛します。
4ですが、ビブラートを複数の楽器で演奏すると音が濁らないかと心配しているようですけど、そこはプロです。複数の楽器でビブラートをかけても絶対に音が濁らないようなビブラートの仕方をしているから大丈夫なのです。各々が出すビブラートの音の波長を一つの波長に合わせるすごい技術を、おそらく彼らは身につけているのでしょう。音が濁ってしまうからビブラートをしないとか、個人的癖や好き好きでビブラートをかけたりかけなかったりと言うような姑息なことは、オーケストラのメンバーはしていませんのでご安心ください。
なお、曲によって楽団によって、或はそれを指揮するマエストロによっては、楽譜にビブラートの指定があっても、あえてビブラートをせずにまっすぐな音で演奏するマエストロもいるそうです。そこまで来ると、指揮者の音楽的解釈の問題であり、そこには「音が濁るの濁らないの」と言う次元の低い問題は一切存在しませんね。
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