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JR北海道の最新鋭の車両と言えば、電車は789系(スーパーカムイ・
スーパー白鳥)、気動車はキハ261系(スーパー宗谷・スーパーおおぞら)が
あります。
どちらも先頭車両の形状がモアイ像の顔のような特徴的なデザインに
なっています。

北海道の特急列車は、大自然の森の中をかなりの速度で走ります。
このようなデザインの理由は、北海道の列車はシカ等の動物との衝突事故が
多いので、それを防止するために視界を広くするため運転台を高くしている
との事だそうです。

しかし、動物との衝突事故は北海道に限った話ではなく、大都市以外なら
割とよくある事だと思います。
だとすれば、JR九州やJR四国にも同タイプの特急列車が標準化されても
いいような気がします。
そうならないのは何故でしょうか?
高い運転台は、構造上のデメリット等あるのでしょうか?

「JR北海道の運転台が高い車両は、全国標準」の質問画像

A 回答 (5件)

関東の鉄道従事員です。



なかなか難しいでしょうね。

運転台を2階に上げている車両は、JR東日本の特急車にも、いくつかありますね。183系、189系、485系、489系、スーパーあずさ用、フレッシュひたち用、スーパーひたち用など。私鉄でも小田急ロマンスカーや東武の100系などもあります。

しかし、車両限界の問題で、全区間をどの車両も走れるわけではありません。485系は、運転台上のヘッドランプがトンネルで天井にぶつかるという理由で、中央本線は走行できません。東武100系も同じ理由で、大月方面から乗り入れ希望がありましたが、運転不可能でした。

また運転台を2階に上げるとなると、運転台が階段設置などで広くなるので、先頭車の座席数を確保するとなると、先頭車のみ車体長が長くなるため、曲線半径、ホーム有効長の問題が生じます。この問題を解決した方法として小田急のロマンスカーや名鉄のパノラマカーがあるのですが、これらは車体側面のはしごを運転士が登って、車体側面の高い位置のドアから入る、車内にはしごを降ろすと言った非現実的な手法で解決しています。

この手法では運転士交代に時間を要し、名鉄方式の場合は交代駅での停車時分が伸びてしまいますし、小田急方式はお客様のいるときにお客様用の通路を塞ぐという理由で運転士交代はしないことになっているくらいです。なかなか難しいと言えます。

通勤車への導入は、低価格で製造しなければコストがかさみ、運賃値上げにも繋がりかねない内容ですので、非現実的ですから。

特急列車への導入は、中央線のような問題がなければ、不可能ではないですが、製造コストや現実的にスピードダウンになるような車両の製造は、簡単ではないでしょうね。
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すでにほかの方も書かれているように、運転台が高いといいことというのは少ないのです。

最近の車両は高速での安定性向上や、乗り心地向上のために特急用のみならず、通勤用においても低重心化しています。このため、高運転台を採用するとどうしても重心が上がってしまうのです。なので、789ほどの高運転台はあまり多くは採用しません。
たとえば、振り子車においては運転台は高ければ高いほど大きく振られてしまい、運転そのものに支障をきたしかねません。
 
 さらに深く入り込んで説明しますと、運転台の高さには、首都圏ですと、古くは103(低運転台車)201,205最近では209、E231-0,500,800などが低運転台、などと呼ばれるもので、私鉄を除いたJRの中では最も低い運転台です。これの採用される線区は高密度で運転しているところで、踏み切りもあまりなく、あったとしても高速で通過することは比較的少ない線区です。高加速、高減速を追及したきびきびとした運転をするには、運転台は低いほうがいいと考えられていたのです。しかし、たとえば踏み切りで乗用車ならいいとしても大型車にぶつかるとすると、運転台が低いと、運転士の高さに突っ込むことになります。
 そこで、JR各社では低運転台より多少高いものがあります。(これも一般には高運転台と呼びます。以下では、789のようなものは超高運転台とさせていただきます。)これは、国鉄時代から採用されているもので首都圏では古くは113,115,211など、最近ではE217、E231-1000,E233などにあたります。多少高くすることにより大型車との衝突時に、運転士に直接突っ込むことをなくしています。最近の特急車両ではこの高さを採用するものが多いです。というのも重心を損ねることなく、技術の進歩によりこれでも十分安全性を実現するからです。(E257など)さらに、高速運転をする場合は運転台が高いほうが運転士の疲労を低下させることができます。
またほかの方も書かれていますが、JR東日本はかつての教訓に従い、通勤用の低運転台車には前面強化、脱出口の設置を、(当初からされているのは209、E231-0,500,800です)高運転台車には、衝撃吸収構造(クラッシャブルゾーンの設置)と強化構造を組みあわせさらに脱出口も設置しています。(当初からされているのはE217,E231-1000,E233.E257)さらに、最近ではE233で通勤用においても高運転台タイプを導入し、今後はすべてそれになるようです。(これは、高加速、高減速のきびきび運転も、高運転台でも問題がないことがわかり、さらに安全性を優先するため)
 さて、超高運転台ですが、最も最初にこの高さのものを採用したのは、151です。ボンネットタイプの、通称こだま型の車両が採用しました。採用理由には高速運転での運転士の疲労の低下のため、踏切での安全確保のため、だそうです。(ボンネットも同じ理由)その後、俗称げんこつ型、183などでも超高運転台は採用されていますし、381などの振り子車両でも採用されました。しかし、重心も高くなりますし、この手の車両の保存で運転席を公開しているところに乗ってみるとわかりますが、正直運転はしにくそうです。停車票が右下にある場合などは特に見難いことでしょう。疲労軽減のために高くしたのが逆に架線のせいで疲れそうな気も、個人的にはします。技術の進歩で一般的な高運転台にその座を譲りつつあるわけです。
 このような理由であまり採用はされなくなったのでしょう。一部でまだ採用しているのは、それでも更なる安全性の向上が必要な場合、です。
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 JR北海道車のように高運転台車のデメリットは、運転台スペースとして乗客の使えないスペースが大きくなり先頭車両の定員が減ること。

車両重量が増え、高加速高減速しにくくなり、燃費が悪くなる、線路などへの傷みが増す、急曲線での通過性能が落ちる。車両価格が高くなる。客席からの前方展望ができなくなる。などです。
 特に、四国などでは短距離特急が高頻度に運行するため、2~3両編成の短編成特急が多いです。そんな場合運転台が広いスペースをとりお客が乗れるスペースが減ることは大きな問題です。その上、長編成の特急列車でも四国の場合は分割併合をよく行うし、多客期や閑散期で臨機応変に編成両数を変える場合があり、編成の中間にも運転台付の車両が入ることが多いです。場合によっては6両編成全車運転台付といったこともあります。こういう場合運転台付車両でもできるだけ定員を多くとりたいです。それに北海道のような大げさな運転台車両が編成途中にたくさん入ると乗客の通り抜け出さえ大変になります。
 また、JR四国の場合は専用車掌室がなく、後部や中間又は先頭運転台(無人駅などで改札口に近い運転台)に車掌も乗ります。そして特急列車でも無人駅で車掌がホームに降り切符を集めたりしますが、その場合高運転台では不便です。
さらに、普通列車にいたっては1両運転のワンマンカーが多く、運転台に運賃箱を備え運転を受け取るため、特にワンマンカーは高運転台では非常に不便です。

参考URL:http://www.jr-shikoku.co.jp
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高運転台の車両は現在でも新たに導入されています。



たとえば、JR東日本が成田エクスプレス(N'EX)で使用している253系の代替として新造するE259系は高運転台を採用しています。

http://www.jreast.co.jp/press/2007_2/20080202.pdf

また、このたびJR西日本がサンダーバード増発用として投入した683系4000番台も、高運転台を採用したクロ(グリーン制御車)が初登場しました。

http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/200 …

これらの車両が(他の方が書かれたようなデメリットのある)高運転台を採用するのは衝突事故対策がその一つですが、JR北海道の特急車両と一番異なるのは、想定する衝突の相手が動物ではなく主に自動車であることですね。

なお、JR九州やJR四国でJR北海道と同タイプの特急列車が採用されないのは、動物との衝突をあまり考慮しなくてもよいからでしょう。
北海道では自動車事故でも鹿などの大型動物との衝突が良く起こりますが、本州以南では動物との衝突は狐や狸等の小動物が主で大型動物との衝突は殆ど起きないこと、動物との衝突自体が北海道に比べて起こりにくいことがあるのだと思われます。

ちなみに、衝突事故対策に一番力を入れているのはJR東日本です。
JR東日本では、1992年12月に起こった成田線大菅踏切事故(過積載のダンプが踏切に進入し列車が衝突。潰れた運転台に挟まれた運転士が死亡)等の踏切衝突事故の教訓から、新造車両の運転台を耐衝突構造にすると共に、運転室の大型化によるクラッシャブルゾーンと衝突時の安全空間の確保、運転室壁面への運転士の脱出口の設置などを行い、既存車両についても車両前面への鋼板巻きによる耐衝突性強化を行うなど、JR他社よりもかなり前面を強化した車両が多いのが特徴です(衝突事故を考慮しているという点ではJR北海道とかなり近い)。
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運転台が高いということは、遠くまで見渡せるというメリットがありますが、反面、近くの下が見えないということです。

名鉄7000系などはフロントアイと呼ばれる潜望鏡をつけることで解決しましたが、夜や雨の日やはり視界はよくなかったそうです。車にたとえると、大型トラックの前にしゃがんでいると運転台から見えないのと同じです。
直近の視界が悪く、ホームの停止位置が見にくかったりすることもありますので、コストもかかることですし、特急型ならまだ余地はありますが、通勤型では広がらないと思われます。
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