A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
委託関係がなくても報酬請求できる典型例は、不動産仲介業者が一方、例えば、売主から不動産売却の依頼を受けて、買主を探し、間に入って売買契約を成立させたような場合です。
この時、委託関係はあくまでも売主との間にありますが、売買契約を取り纏める行為自体が、売主・買主双方の利益のためといえる場合にはで、委託関係のない買主に対しても本条文による報酬請求を認める裁判例があります。
「512条の適用には委託が必要」といった場合、このような裁判例で認められているケースについてどう説明するのかという問題点をクリアする必要があります。
買主も仲介業者が間に入ることを理解して契約に望むわけですから、法的な委託関係がないとしても、事実上、一定の信頼関係はあるといえ、そういったところをメルクマールにするという手もあるかもしれません。
この回答への補足
ご回答ありがとうございました。
私は判例の結論を知りたいのではありません。委託を必要と解すべきかどうか自体を、探究・思索しているのです。
ご提示の裁判例では、個人的には報酬請求権を認める必要はないように思います。売主から依頼を受けたのですから、売主から報酬を得ればよい話でしょう。また、本当に買主から委託を受けなかったのかも疑問です。
私が買主だったとして、自分が物件探しを業者に依頼していたのであれば業者に報酬を支払うのは予め予期していると思います、というか売買契約時に業者に支払う報酬を確認しますよ。しかし業者の側から営業をかけられて勧められた物件を買い、売買契約締結に至るまで全く報酬の話が出なかったのに、後で突然仲介料をよこせと言われても困るような気がします。
商人に何かを頼んだ人は、その商人に報酬を払うことを予期していたはずだから、商人は報酬(金額)の合意をしていなくてもなお報酬をできる、これが512条の趣旨である、という解釈はダメですかね?この解釈なら委託の必要性がきれいに説明されます。
No.2
- 回答日時:
>金融業者なら該当するのではないでしょうか。
]貸金業者ということであれば、消費貸借契約に基づいてお金を貸すのが仕事です。
お金を振り込むという事実行為は勝手にできますが、お金を振り込まれた側が「借りる」という意思表示をしない限り、契約関係は成立しません。契約もないのにお金を振り込むと言う行為が、営業の内容と評価できるのでしょうか。
>普通に考えれば「他人のために」というのは、「当該他人の利益になる」ということでしょう。
利益になるかどうかで判断するのはいいでしょう。
でも、押し貸しされたお金を保管してそのまま返却するような場合もあり、そのような場合貸された方に利益はないので、お金を押し付ける行為が直ちに他人の利益になる行為とは評価できません。
この回答への補足
>>契約もないのにお金を振り込むと言う行為が、営業の内容と評価できるのでしょうか。
おっしゃりたい趣旨は分かります。しかしそういうことであれば「512条の適用には、委託が必要」という風に言えばよいのではないでしょうか?
No.1
- 回答日時:
必ずしも委託は必要ないでしょう。
判例も、最高裁判決昭和50年12月26日などからすれば、委託がなくても報酬請求権が発生しうる場合があることを認めているように思えます。
押し貸しというのは、具体的にどういう行為を想定されているのでしょう。例えば、無関係の第三者の銀行口座に、いくらかの金額を勝手に振り込んでしまうというような行為でしょうか?
しかし、それが、当該商人の営業の範囲内になるというのが想定できませんし、お金を借りる意思がない人の口座に勝手に振り込む行為が「他人のために行為」をしたと評価するのも無理でしょう。
ご回答、ありがとうございます。
この条文、従来あまり重要視されてこなかったようですが、実は適用を主張しうる範囲がかなり広いような気がします。
>>それが、当該商人の営業の範囲内になるというのが想定できませんし
そんなことはないと思います。「営業の範囲内」というのは、要するに業種のことですよね?金融業者なら該当するのではないでしょうか。あるいは、出前をしているすし屋が、注文されていないのにすしを配達してしまうとかでも該当するのではないでしょうか。
>>お金を借りる意思がない人の口座に勝手に振り込む行為が「他人のために行為」をしたと評価するのも無理でしょう
そうであれば「他人のために」という要件を満たすには、当該他人の委託に基づくことが必要だと解するのがよいと思います。普通に考えれば「他人のために」というのは、「当該他人の利益になる」ということでしょう。
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