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はじめまして。
どなたか古文力のある方に是非解読の手ほどきを
お願いしたく質問します。

藤原公任の『和歌九品』の中の下下に
次のような歌が載せられています。

あづさ弓 ひきみひかずみ こずはこず
 こはこそはなぞ こずはそをいかに

三句目までは分かるのですが、
四句、五句がどうなっているのか分からず
訳せません。

「こはこそはなぞ こずはそをいかに」は
〈来はこそはなぞ 来ずはそを如何に〉として
来るならどうして来るのか、来ないのならそれはどうしてか、
という訳でいいのでしょうか。

どなたかお知恵をお貸しください。
よろしくお願いいたします。

A 回答 (3件)

気になって調べてみました。


公任がどこからこの歌を引いてきたのか、もとの歌の出典は不明ですが、

▼『万葉集』巻11(2640)
 梓弓 引きみ緩へみ こずはこず こばこそをなぞ 来ずは来ばそを
▼『拾遺集』巻18(1196)
 梓弓 引きみ引かずみ こずはこず こばこそをなぞ よそにこそ見め

などと関連があるのは確かなようです。
そこで、これらの歌の注釈などを参考にして考えてみました。

▼原歌
あづさ弓 ひきみひかずみ こずはこず こはこそはなぞ こずはそをいかに

○こずはこず こはこ=来ないなら来るな、来るなら来い。
 漢字混じりで書くと「来ずは来ず 来は来」で一つのまとまりになっていると考えるとわかりやすいと思います。二つめの「来ず」は命令のニュアンスを最後の「来」でまとめて受けるための連用中止法。ここで言い切るのであれば、本来は「来な」となるべきところです。なお、「来は来」は、『万葉集』や『拾遺集』の歌のように「来ば来」となっているほうが規範的な文法に沿った形です(未然形に付いて順接の仮定条件を表す「ば」)。
○そはなぞ=それなのにどうして(来たり来なかったり、ハッキリしないのか)
 これも他の歌のように「そをなぞ」と逆接の「を」にしたほうが意味が通りやすくなります。「なぞ」の後には、自分の思いとは裏腹な、思うようにならない現実が省略されています。
○こずはそをいかに
 これが悩むところですが、とりあえず二つの解釈が考えられると思います。
a) 来ないなら(来なければいいのに)……。それなのにどうして(来てしまうのか)…‥。
 「来ずは」「そをいかに(=そはなぞ)」がそれぞれ第三・第四句の心内語の反芻と考え、ハッキリしない相手の態度に翻弄され悩む『万葉集』の歌のような解釈です。いっそのこと来ないなら来ないで、こちらもきっぱりあきらめもつくというものなのに、なまじっか来たり、かと思うと来なかったりするので、あきらめることもできず、満たされることもない、というどうしようもない懊悩が感じられます。
b) 来ないなら(私は)どうしたらいいだろうか(あきらめるしかないだろうか)
 こちらは素直に一句を一つのまとまりとして考えたもので、『拾遺集』の歌のように、相手のことをあきらめようとしている意味にとれます。

個人的にはaの解釈のほうがドラマチックな気がしますが、文法面でも表現面でも、確たる判断材料がありません。
以上、解釈に間違いもあるかもしれませんので、詳しい方のご批正をいただければ幸いです。
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この回答へのお礼

akinokusaさん、ysk26さん

なかなか難題であることをお二人のご返答で
一層感じております。


この歌の出所はおそらく『拾遺集』だろうと思われます。
『和歌九品』が収められている岩波の古典文学大系には
そのように頭注がありましたし、『拾遺集』を見ても
おそらく公任はそれを見て四句、五句だけ変えたような感じです。

やはり問題は五句目ですね。
二通りの解釈を提示していただいたように、
どちらも可能な気がします。
そこは読み手によるのかもしれませんね。

もう少し考えてみます。

お礼日時:2009/04/28 16:23

http://etext.virginia.edu/japanese/imperial_anth …
の中の
新勅撰和歌集卷第十四
戀歌四
の中に(呆れるほどスクロールが必要です。^^;)
「あづさ弓引きみひかずみ昔より心は君によりにしものを」  よみびと知らず
という歌があり、こちらは何となく解ります。初句「あずさ弓」は枕詞で、引くに掛けてあるのでしよう。
「あずさ弓引きみひかずみ」までが、定番フレーズなのでしょうね。って、こんなことは承知ですよね。^^;
って、もしかしたら、本歌と本歌取りの関係か?と、思いきや関係はなかったですね。
ネット検索でも、確信の所は解らず。なんかニンテンドーのDSのソフトの中で出てくるのかしら?

手持ちの枕詞便覧の「あずさ弓」の中に
「あずさゆみ引津の辺なる莫告藻(なのりそ)の花採(つ)むまでにあはざらめやも莫告藻の花」(万葉・巻二・一二七九・旋頭歌)というのがありました。
 て、よく調べたら「莫告藻(なのりそ)」も枕詞ですね。

「あづさ弓 ひきみひかずみ こずはこず
 こはこそはなぞ こずはそをいかに」

の四句目が、「こはこそ花ぞ」ですと、もしかして、花は「莫告藻の花」の事かも。でも「桜」や「梅」かも。謎が深まるばかりです。
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あづさ弓 ひきみひかずみ こずはこず


こはこそはなぞ こずはそをいかに

こんにちは。確かに難解な歌ですね。
結句だけで申し訳ありませんが、私も「来ずは其を如何に」・・・だと思います。

 そ【其】〔代〕
(1)それ。そこ。その人。古事記(中)「臭韮(かみら)一もと―根がもと―根芽つなぎてうちてしやまむ」
(2)なにがし。某。伊勢物語「京に、―の人の御もとにとて、文書きてつく」
      広辞苑第六版より引用。
(例)
ふるさとの訛(なまり)なつかし
停車場の人ごみの中に
そを聴きにゆく
            石川啄木 一握の砂・煙より 歌番号199

とても、気になります。どうか詳しい方の協力を得て、解明されますように。
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