最近、世界的に流行している新型インフルエンザなんですが、
基本的に「細菌」では無く、単なる「物質」とネット検索で知りました。
物質なら、その辺に落ちてる石ころや砂粒と同じなんだと素人の私は思うのですが、RNAなる遺伝子構造を持った「物質」と言われても??
です。

そこで・・・

(1) 彼ら(ウイルス)は何故遺伝子を持って人や他の動物に宿生する必要があるのか?
(2) 宿主の細胞内で何故遺伝子変異を起こしてまで彼らは現存するのか?
(3) ウイルス程度? の遺伝子であれば、ウイルスをターゲットにした
特効薬が何故できないのか?
(人間のDNA程には複雑では無いと思うのですが・・・)
(4) 他のウイルス(例えばHIV)も体内に入れば変異するんでしょうか?

以上の質問ですが、どなたかご教授頂けますでしょうか。

宜しくお願いします。

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A 回答 (4件)

 獣医師でウイルスに専門知識を有しています。



 ま、確かに環境中のウイルスは"単なる物質"としてのふるまいしかしませんね。"遺伝子を持ったモノ"と表現して良いかもしれません。

 まず(1)ですが、普通の細胞は遺伝子とそれを読んで遺伝子の指示通りに物質を製造する装置一式を持っています。それを使って自分と同じ細胞を作ることもできます。
 しかし、ウイルスは本質的に「遺伝子が入ったタンパク質の殻」に過ぎません。遺伝子は持っていても、モノを造る装置は一切持っていないわけです。
 ですから、ウイルスが「自分を増やす」ためには、生きた細胞の中に侵入し、その細胞に自分の遺伝子を読ませ、その遺伝子の指示通りのモノを造らせるしかありません。
 つまりウイルスは、「生きた細胞の中でしか増殖せず、また増殖以外の生命活動を一切しない微生物」ということになります。

 まあそもそも、「遺伝子」であるDNAまたはRNAといった化学物質は、本質的に「自己増殖する物質」です。なぜかと聞かれてもそういう物質だからとしか言えないのですが。
 私達の身体も、DNAが「自己増殖する」ために作り上げたモノです。ドーキンスは私達を含んだ生物を「遺伝子の乗り物」と表現しました。
 その「確実に自己増殖していく」ための担保のかけ方は一通りではなく無限にあるわけです。地球上の全ての生物は、その「自己増殖するためのシステム」の、それぞれ"正解"であるわけです。
 ウイルスもその「自己増殖の方法」のひとつなのでしょう。自分ではほとんどコストをかけず、他の生物がかけたコストを横取りして自分は徹底的に身軽になる、という選択肢も"正解"だったわけです。

 (2)は、宿主もせっかく自分がかけたコストをウイルスに乗っ取られるのは丸損ですから、"排除"する方法を編み出してきたわけです。それが「免疫系」と呼ばれるとてつもなく複雑怪奇なシステムです。
 そのままだとウイルスは全て免疫系に排除されて絶滅してしまいます。でも、変異を繰り返すことによって免疫系の攻撃をくぐり抜け、免疫系を出し抜いて生き残ることができたわけです。

 ちなみに人間の遺伝子はDNAであり、RNAは一時的な翻訳などにしか使われません。それに5万年もあればDNAもずいぶん変異しますよ?
 ウイルスの遺伝子は1本鎖DNA、1本鎖RNAや2本鎖RNAなど非常に多様です。またRNAにしても+鎖と-鎖で複製の基本システムが異なります。
 一般的にDNAウイルスは変異が少なく、RNAウイルスは変異が早いですが、DNAウイルスの中にも比較的変異が早いウイルスがあったり、RNAウイルスにもあまり変異しないウイルスもあります。また1つのウイルス遺伝子の中にも、「変異しやすい領域」と「変異しにくい領域」があるのが普通です。

 (3)ですが、「ウイルス程度」だからこそ、特効薬を作るのが難しいのです。
 インフルエンザに対するタミフルやリレンザなど、少数のウイルスにしか「抗ウイルス薬」は開発されていません。インフルエンザ以外だと、HIVの特効薬も開発が盛んですね。
 なお、ワクチンは「特効薬」とは違います。原理も作用もまったく別物です。

 まず、病原体に対する薬剤は、遺伝子を標的に造るモノではありません。
 例えば抗生物質(抗細菌薬)は、何らかの細菌特有の代謝を阻害することで「細菌だけを殺し、宿主は殺さない」作用を実現します。例えばペニシリンは、細菌が細胞壁を作る過程を阻害します。動物の細胞には細胞壁が元々ありませんから(中学で習いましたね)、「細胞壁を作る代謝過程」を叩いても、宿主の細胞には何ら影響がないわけです。

 ここまで書けばピンと来るかもしれませんね。
 ウイルスは、「代謝」をしません。増殖することのみがウイルスが行う生命活動ですが、その増殖も実際に"仕事をしている"のは宿主細胞です。
 これでは、細胞ごと殺さなければウイルスを殺せない、ということになってしまいます。
 これが「ウイルスに対する特効薬」を作りにくい理由です。

 タミフルは、細胞の中で増えたインフルエンザウイルスが細胞外に脱出する際に重要な働きを持つノイラミニダーゼというウイルス由来の酵素の働きを阻害することによって、インフルエンザウイルスの増殖を抑える薬剤です。ウイルスは細胞から出て行けなくなるので隣の細胞に感染できない→これ以上増殖できない、というわけです。
 ですから、タミフルは「インフルエンザウイルスにしか効かない」薬剤になります。

 同様に、抗HIV薬のいくつかは、逆転写酵素というHIVしか持たない酵素を阻害することによってHIVの増殖を抑えます。
 HIVは細胞に感染すると、自分の遺伝子(RNA)をDNAに"逆転写"し、宿主細胞のDNAに組み込んでしまいます。こんなことをするのはHIVなどのレトロウイルスだけなので、逆転写酵素もレトロウイルスしか持っていません。

 ですから、抗ウイルス薬は「そのウイルスにしか効かない」薬剤になってしまいます。抗生物質なら、ある程度広範囲に効くのですが、抗ウイルス薬は適用範囲が極端に狭くなるのも、開発しにくい理由です。

 また、インフルエンザやHIVはまだ「このウイルス固有の酵素」を持っているので叩く目標があるのですが、もっとシンプルに自前の酵素類を持ち込まずに全て細胞機能を使うようなウイルスだと、「叩くポイント」がなくて抗ウイルス薬の開発が困難だったりします。

 というわけで、「単純だからこそ特効薬が作りにくい」のです。

 (4)については、ウイルスによって違います。
 天然痘ウイルスは、極めて変異しにくいウイルスだったため、撲滅することができました。

 そもそも「変異のしやすさ」を考える時は、「世代」を計算に入れなければなりません。なぜならDNAだろうがRNAだろうが、変異するのは「複写する時」だからです。
 ヒトなどの動物の場合、変異が起きるのは「子供を作る時」です。というか、それ以外の変異はその個体だけで終わるので「変異した」とは言いません。
 とすると、ヒト遺伝子の変異のチャンスは20-30年に一度、ということになります。
 ところがウイルスは、1日あれば既に数え切れないくらい「複製」しているわけです。
 この「変異のチャンスの多さ」に加えて、例えばあるRNAウイルスはヒトより1万倍変異しやすい、といった「1コピー当たりの変異率」の高さがあるので、結果としての「進化の速度」はヒトとウイルスでは比べものにならないほどウイルスが速い、というわけです。

 なので「免疫系とウイルスの闘い」で、免疫系に勝ち目があるわけがないのです。
 なので生物は妥協策として、「一度侵入した異物を記憶して、再侵入の際の攻撃準備を整える」という獲得免疫のシステムを発達させたわけです。
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 追加です。


 学者とて人間。「ウイルスは自分で代謝などの生命維持活動をしないので生物ではない」という考え方にしっくりこない人も多いです。なぜかというに、質問者さんのおしゃるように「彼らは宿生する」「遺伝子変異を起こす」と、ウイルス側に立って表現してしまうからです。先ほども述べたように、大昔、原生動物が他の原生動物やその死体を取り込んで(食べて)いたころ、「消化」などという高等なことをしなかったので、自分の遺伝子も取り込んだ遺伝子もごっちゃになった、と考えられています。取り込まれたほうがウイルスです。つまり、ウイルスと名付けられた「殻つきのRNA」という物体がたまたま人ののど粘膜についたとき、人のほうがウイルスからRNAを「吸出し」、人のほうが増殖させるのです。ウイルスは自らは寄生も何もしません。でも、ウイルスは人にとっては異物で、人が自分の細胞の複製を作ることをやめてしまうと代謝できなくなるので、高熱を出して殻を壊そうとしたり、くしゃみや咳で体から出そうとします。自分で取り込んでおきながら。なぜこんな矛盾したことを生物はするのか。
 RNAやDNAという遺伝形式だけでも地球上に残しておいたら、全生物が死滅した後でも、いつの日か地球上の有機物の中にそれらが混じり、再び生物が発生するかもしれません。確立の問題になってきますが、そもそも野生の生命維持活動なんて、偶然宿主に出会えるか、というバクチです。地球生物としては残しておくべき「RNAやDNA」。でも一個体としては異物として排除。
 たとえば出版社があります。たまたま窓から舞い込んできた「超うんこしたいぜ、プースケくん愛してる。」という価値のない原稿でも、人間が作った「文字」という記録伝達形式を何とか残すため、社長(あるいは出版省という役所)は何万部も出版するのです。でも社員たちはクズ原稿だから廃棄しようとする。自分の給料にかかわるし。そこで社屋ごと放火します。あるいは扇風機で社外に飛ばします。クズ原稿だけを燃やすこと(特効薬)はできませんから。出荷用のトラックを止めることもします(タミフル)。でも、ちゃんとした原稿に生乾きのインクの文字がべったりと転写されたものは厄介です。インクが逆転写酵素、生乾き原稿がHIVなどのレトロウイルスです。
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(1)DNAやその半分のRNAがいつ、どのように作られたのか、にかかわる問題で、まだわかっていません。

「必要があるのか」に答えるならば、DNAやRNAという形での遺伝方法が実によくできた方法だったので、RNAだけをバトンタッチさせていく「物」ができてしまった、でしょうか。「なんとかこの方法を伝えていこう、ある生物のある個体が死んでもいいから。」という意志が働いた、と考えると宗教じみてきます。ですから極論を言えば、自分のRNAでなくてもよいわけです。単細胞生物の核から独立したのだと考えられていますが。
(2)自分で細胞分裂して増えれないからです。細胞ですらありませんから。生物なのか物なのか、いまだに決着はついていません。解釈の違いということで落ち着いています。「突然変異を起こしてまで」ではなく、RNA注入の際のトラブルや宿主のミスコピーによる大量の分化が起こり、複製が放出されたとき、そのときの環境に弱いものは壊れ(死というのかは疑問)、強いものが生き残り、「耐性を持った新種ができた」ように見えるのです。
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多分、ウィルスに聞かないと分かりませんが、一応分子生物学的に回答しておきます。



(1)元々、動物や人の遺伝子の中にも、ウィルス性由来と思われる遺伝子が潜んでいます。特に、悪さをするわけではないのですが、特定の酵素を作り出す遺伝子だったりします。例えば、都会では烏は害鳥ですが、田舎では益鳥だったりします。まったく同じことだと思います。

(2)ウィルスの遺伝子はRNA由来のものと、DNA由来のものがあります。DNA由来の場合には、突然変異の速度は遅めです。その証拠に、人間とチンパンジーの間でさえ、違いは僅か0.5%程度です。それに対して、RNA由来の場合には、人間でさえ約5万年程度で突然変異を繰り返すとされています。
一本鎖のRNAは、途中で転写ミスを起こしやすく、二本鎖のDNAは途中で転写ミスを起こしづらいためであると考えられています。

(3)特効薬については、一応「ある物」とと「無い物」が存在します。「ある物」は、遺伝子の突然変異が少ないもの、「無い物」は遺伝子の突然変異が多いものです。そのため、突然変異の多すぎる風邪などのウィルスの場合には、「発明」したら「ノーベル賞」ものと言われているほどです。
他の場合には、ウィルスの種類を特定してから開発が始まります。例えば今回の場合には、「ワクチン」のようなものです。薬だけに頼ると、ウィルス全体でさえ、死滅せず、薬品耐性を持つ種が出現します。まあ、自然から人間の知恵が試されているのかも知れません。

(4)他のウィルスでもあります。HIVのみならず、エボラ出血熱、黄熱病、マーブルグなどの極めて危険なウィルスでもありますし、ほとんど毎年流行する、風邪などもそうです。

但し、突然変異の場合には、人の体内で変異する場合もあれば、別の宿主の媒介中に変異する場合もあります。よって、そのプロセスについては、まだまだ分からない所だらけだったりします。
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