No.10ベストアンサー
- 回答日時:
>患者側は常に自分のケースしか 見えないため、1例でも他の悪い結果を見せられると「やはり大丈夫ではない」と考えてしまうからなのでしょうか。
その気持ちはよくわかります。一人一人の患者さんにとっては0%か100%しかなく、私も術前の説明の時には「合併症の危険性は○%位ですが、あなた(又は家族の方)にとっては何か起こってしまえばそれが100%ですからね。そのことをご理解・納得されてなおかつ手術を選ばれるならお引き受けします。」とお話しして承諾を得ています。その説明に感激される方もいらっしゃれば、逆に他の医療機関に行って手術をお受けになる方もいらっしゃいます。それはそれで仕方のないことと考えています。合併症が不幸にして起こってしまった場合には、原因や経過について誠心誠意説明し、治療にも当たらせていただく覚悟ではおりますが、どんなに誠心誠意になってもその方の身代わりになったり一生面倒を見させていただくことは不可能ですし、患者さんや家族の方も心の底から完全に納得することは出来ないでしょう。手術の説明(危険性も含めて)を受け、医師に手術を依頼すると言うことは、患者さん側にもそれだけのリスクを負う責任が発生することであると私は思います。従って、あくまでも、強制や誘導ではなく、患者さんの自由意志にゆだねるしかありません。
脳外科におけるホリスティック医療や代替医療に関しては、残念ながらよくわかりません。脳外科の知り合いの中には、「生体エネルギー」の様なことを真剣に研究している人もいましたが、私は門外漢ですのでコメントは出来ません。積極的に研究している機関についても寡聞にして存じ上げておりません。
いろいろとアドバイスありがとうございました。
疑問点に対しひとつひとつ懇切丁寧にお答え頂き
とても参考になりました。難しいのは治療を受けるのが
私自身ではないことです。私自身は手術を受けることが
現時点における治療としては最善ではないかと思っておりますが
もしも自分が癌宣告された場合、手術という選択肢を選ぶか
どうか自信がありません。もしその治療法が100%でないなら
ば治療法の選択肢が多ければ多いほど個人の思想にあった方法が
選択できます。そんなことを考えつつ本人と今後の治療に関して
話をしてみます。また本人と話した結果、先生のご意見を伺いたく
なることもあるかと思いますがその節はよろしくお願い致します。
ありがとうございました。
No.8
- 回答日時:
(1)開頭手術による感染
2-3%位でしょうか。うちではここ5年くらいは1%以下だったと思いますが、一般的には2-3%だと思います。
(2)手術によりガン細胞が活性化し、転移し易くなる
髄膜腫は一般的に良性腫瘍で(稀には悪性もありますが。悪性でも転移するのはごく稀で、症例報告ものですが)、転移はありません。
(3)大出血等を起こし植物状態になってしまう恐怖 及び
(4)どんなに注意深く手術を行っても必ず脳に傷をつけてしまう。
3cm位の大きさで大出血はないと思います。静脈洞に浸潤している場合には可能性としてはあるかも知れませんが、先ず大丈夫でしょう。
ちなみに、当院では、ここ数ヶ月の間に、左前頭部の6cmの例、右前頭部の7cmの例、左運動感覚野の4.5cmの例等かなり大きな、あるいは、術後麻痺等が予測されるような髄膜腫の手術を行いましたが、腫瘍の摘出に伴う出血は問題になりませんでしたし、術後も何事もなく経過し退院されました。脳を傷つけると言っても、腫瘍が大きい場合には被膜の内部から腫瘍を摘出し、量を減らしながら被膜と脳の間を丁寧に剥がしていけば、機能を損なうほどの傷は付けずにすむことが多いと思われます。厳密には、脳を全くさわらずに手術すると言うことは不可能なので、(4)の様な説明になったのだと思われます。・・・私だってきっとそう言いますよ。
(5)硬膜移植時のヤコブ病感染
現在、ヒト死体乾燥硬膜は使用されていないはずで、ゴアテックスなどの人工硬膜を用いていますので、全く心配ありません。
(6)信頼のおける先生を知らない
nobu1先生もおっしゃっていますが、その通りです。なお、大学病院や研修病院では、専門医前の先生が術者となることも多いですが、普通は専門医が必ず一緒に入りますし、名医(?)といわれる先生が手術しなくても全く心配ないと思います。(極々一般的な手術です)
(7)後遺症に対する恐怖
こればかりはどうしようもありませんね。人間のやることであり、人間の体ですから、低いけれども合併症、後遺症の可能性がゼロだと言うことは絶対に出来ませんので。低いけれども起こりうる可能性を恐怖して治療を受けず、今後腫瘍が徐々に大きくなっていき脳の圧迫が強くなっていくであろう高い可能性を自然のこととして受け入れるのも人生観だとは思います。(逆に、人間の体ですから、絶対に今後徐々に大きくなるとも言えません。大きくならない可能性は、手術で後遺症を残す可能性よりもはるかに低いとは思いますが)
よろしくお伝え下さい。治療を受けるのも受けないのもご本人が決定されることです。悔いの残らないように十分担当医の先生に説明を受け、十分に理解した上で今後の方針を自ら決められることをお勧めします。
ご丁寧なご回答ありがとうございます。
naokun先生の病院でのご実績を伺い少し安堵いたしました。
ただいろいろと情報を調べるうちに髄膜腫と言えども
完全にとりきれない場合も少なくなく(担当の先生も
おっしゃていた)その場合転移することも多いと聞いています。
確かにnaokun先生のおっしゃるように低い可能性に恐怖ばかり
していてもしかたないとは思いますが、調べれば調べるほど
悪い事例が目についてしまいます。このような言い方は
失礼かもしれませんが、脳外科の先生の大丈夫という言葉と
患者側の大丈夫の言葉との間に差があるような印象を受けて
しまいます。多分脳外科の先生は多くの手術をご経験になり
(または統計結果から)、全体の何%が助かったから大丈夫
という確立的な見方をされ、患者側は常に自分のケースしか
見えないため、1例でも他の悪い結果を見せられると「やは
り大丈夫ではない」と考えてしまうからなのでしょうか。
せっかく親身なご回答を頂いたにも関わらず愚痴のような
ことを書いて申し分けありませんでした。naokun先生のような
方が近くにいらしたらガンガン愚痴を聞いて頂けるのにと
残念です。先生のご回答には本当に感謝しております。
最後に一つだけお伺いしたいのですが、アメリカ等におきま
しては、ホリスティック医療や代替医療の分野が非常に進んでいる
とよく聞きますが、日本の医療現場において、これらの分野は
どのように扱われているのでしょうか(特に脳外科分野における
研究はどこかの大学、研究所等で積極的に行われているのでしょうか)
長くなって申し訳ありませんでした。
No.7
- 回答日時:
右側頭葉後ろとのことですので手術中気をつけるのはむしろ静脈で動脈損傷による大出血は起こりにくい場所だと思います。
基本的には脳神経外科学会に認定された専門医でしたら特殊な手術ではありません。
具体的にどこのどの病院というわけにはいきませんがよく時間をかけて話しをすることです。
説明をめんどくさがる医師はだめだと思ってください。あわてて手術を受ける必要はありませんから納得がいくまでねばってください。
ご回答ありがとうございます。
担当のお医者さまとも時間をかけて相談していくつもりです。
nobu1先生の「納得がいくまでねばってください」との
お言葉に大変力づけられました。
お礼と言いつつ、つい質問をしてしまいますが
一般的に手術をするような病気の場合、複数病院
で検査したほうがいいとのことをよく聞きますが、
今回のように髄膜腫という診断が確定している場合
でも複数病院の検査を受けるべきでしょうか?
No.6
- 回答日時:
追加情報です。
以下の参考URLサイトは参考になりますでしょうか?
「髄膜腫で開頭手術を受けたが病理検査で一部が悪性で再発した、治療法や病院は?」
ご参考まで。
参考URL:http://www.mars.dti.ne.jp/~kyr00055/ca-upper-hal …
ご回答ありがとうございます。
早速参考URLサイトを拝見してみました。
内容的にはかなりショッキングなものですが、
髄膜腫治療の実態として参考になりました。
またアガリクス等の情報に関してもありがとう
ございました。MiJun様は一般の人とのことですが
広範な知識と情報を持っていらっしゃるようで
びっくりいたしました。今後とも代替医療に関する
最新情報がありましたらよろしくお願い致します。
No.5
- 回答日時:
以下の参考URLサイトには関連質問の回答がありますが、参考になりますでしょうか?
さらに、
◎http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=40610
この回答では他の民間療法に関しての回答があります。
ご家族の心中はお察しいたしますが、個人的な見解(?)では、一部の免疫療法(臨床評価が確立している薬剤)を除いて未だ(臨床)評価が確立していないものはお勧めできません。良く主治医とご相談して下さい。
それから、naokun先生がお答えになるでしょうが、
(5)髄膜移植時のヤコブ病感染
に関しては、最近問題になってからはニュース情報では問題無くなったようですが・・・?
ご参考まで。
参考URL:http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=39519, http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=24982
No.4
- 回答日時:
専門家の回答がありますが、以下の参考URLサイトは参考になりますでしょうか?
「原発性脳腫瘍」
このページの特に「治療」の項と関連リンク先も参考にして下さい。
更に、国立がんセンターのHPから、
◎http://wwwinfo.ncc.go.jp/NCC-CIS/pub/0sj/010233. …
(脳腫瘍(成人))
このページで、
●http://wwwinfo.ncc.go.jp/NCC-CIS/pub/0sj/010233. …
(その他の療法)
●http://wwwinfo.ncc.go.jp/NCC-CIS/pub/0sj/010707. …
(免疫療法)
これらのページは専門的すぎるかもしれませんが、ある程度の知識をもとに主治医と良く相談される事をお勧めします。
ご参考まで。
参考URL:http://leo.city.naze.kagoshima.jp/housecall/cgi- …
ご回答ありがとうございます。
教えて頂いた情報、大変参考になりました。
もし抗癌作用のある食べ物(アガリスク、キトサン等)
の情報をご存知でしたらお教え願います。
No.3
- 回答日時:
AKasama58先生、nobu1先生同様脳神経外科専門医です。
髄膜腫の治療に関しては、お二方のおっしゃるようにやはり手術による摘出が最良の治療手段であると認識しております。術中の多量の出血が予想される場合には、術前に血管内手術により髄膜腫の主な栄養動脈を塞栓しておき、リスクを低減させておくなどの工夫もなされています。また免疫療法あるいはホルモン療法に関してですが、以前(10年以上前でしょうか)髄膜腫と女性ホルモンとの関係が研究されていたように思いますが(確か自分の所でやっていたような・・・)、ホルモンの感受性などを調べるためには結局摘出して組織を調べなければなりませんので、手術なしにというわけには行きません(この辺うろ覚えで専門家と名乗るのはお恥ずかしいですが、つまり、現在ホルモン療法などは行われていないと言うこととご理解下さい)。
問題は、何故、知り合いの女性の方が、開頭手術、放射線、抗癌剤による治療を拒否しているかということだと思います。ただ単に髪の毛を切られるのがいやだとか(切らなくてもできなくはありませんが)、頭の骨を開けると術後骨に段差が出来て醜くなってしまうのではないかとか(最近はチタンプレートなどで骨を固定することが多いためほとんど問題になりません)、治療により後遺症が出たりする事が怖いとか、ただ漠然と怖いと思っているからとか、何か宗教的な考え方があるからとか色々考えられますが、通常は病気の知識が乏しく、また、十分な医師からの説明を受けていないためにいろいろな誤解があったりして治療をためらっている場合が多いのではないかと思います。手術を中心とした治療の目的と利益、治療によって起こるかもしれない不利益(合併症など)を十分に説明を受けた上でご自身で比較検討し、その上での治療拒否ならかまわないのですが、そうでない場合にはやはりきちんと説明を求めるところから始めた方がよろしいのではと考えます。
宜しくお伝え下さい。
ご回答ありがとうございます。
ご丁寧な内容に感謝申上げます。
開頭手術、放射線、抗癌剤による治療を拒否している理由は
いろいろあるようです。
(1)開頭手術による感染
(2)手術によりガン細胞が活性化し、転移し易くなる
(本当かどうかはわかりませんが....)
(3)大出血等を起こし植物状態になってしまう恐怖
(4)担当の先生のお話によると、どんなに注意深く手術
を行っても必ず脳に傷をつけてしまう。
(5)髄膜移植時のヤコブ病感染(新聞紙上でずさんな管理が
指摘されている)
(6)信頼のおける先生を知らない
(7)後遺症に対する恐怖
私個人の考えは、やはり手術が有効ではないかと思いますが、
本人から聞いた理由を並べてみると、確かに上記のような危険
はあることを納得させられてしまいました。
もし、信頼のおける病院、先生等の情報がありましたら
ご教示お願い致します。
No.2
- 回答日時:
現役脳神経外科医です。
髄膜腫は一般に良性で、免疫療法はありえません。抗癌剤も使いません。
痙攣があったとのことですので多分脳表にあるもののようですので手術は容易と思われます。
最近定位的放射線療法も行われますが効果がでるのに時間がかかります。
確実に治る病気ですので信頼のおける脳神経外科医に相談すべきです。
ご回答ありがとうございます。
先生のおっしゃるように腫瘍ができている場所は右側頭
の後ろ側の脳表とのことです。
担当の先生からのご説明によりますと、手術そのものが
困難とは言われておりませんが、手術中の出血のこと、
術後の後遺症のこと等手術に対する危険性も伺いました。
私はまったくの素人ですので、手術の危険度がどの程度
のものなのか実感はできません。(他の悪性腫瘍に比べて
危険度が低いこと位は理解できますが...)
一番気になるのは「信頼のおける脳神経外科医」ということです。
どなたが信頼がおけるのかどうかまったくわかりません。
(素人的な言い方で申し訳ありませんが腕のいい外科医を知りません)
もしよろしければその辺の情報をご教示願えませんでしょうか。
お礼のメールのつもりが長くなってすみません。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
脳神経外科医の仕事から離れて10年近くなりますので、最近の事情には疎い部分もあるかもしれませんが、髄膜腫は開頭手術が基本となる治療で、一番根治性が高い治療手段です。
開頭手術を拒む場合、あるいは再発時の残存腫瘍に対して、代替的に、γナイフという放射線療法が行われることがあります。
一般論として、免疫療法というのは悪性の腫瘍の治療方法です。髄膜腫は良性腫瘍で、手術により根治可能な病気なのです。稀に悪性の髄膜腫というのもありますが、その場合は通常進行が早いので、やはり早く手術したほうが望ましいと思います。すなわち、あまり放置して大きくなってしまうと、手術の際の合併症発生率が高くなるからです(大きくなる分だけ手術がしにくくなるため)。
術前にも「痙攣」があるため、術後の痙攣発生率は、高そうな印象を受けます。その辺りの手術合併症に関して、担当医の先生に良く相談し、納得した上で手術を受けるのが望ましいと私は思います。
下記URLも参考になると思います。
参考URL:http://www.med.kindai.ac.jp/nouge/inf-tumor/meni …
早速のご回答ありがとうございます。
大変参考になりました。
私としては手術が一番有効であるとは思っていますが、
なかなか本人の説得が難しいのです。
気長に説得を続けるつもりです。
ありがとうございました。
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