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今、熱電材料のラマンスペクトルを測定したのですが、横軸(Raman shift)は0からの測定はできないといわれました。
というか、してはいけないと。
その理由は、ラマン分光法の勉強をしていれば、わかると先生には言われたのですが、読んでもよくわかりません。
装置の問題なのでしょうか?
ヒント、あるいは参考になるような本とかないでしょうか?

A 回答 (2件)

”してはいけない”のは実験装置を壊さないため。


”できない”のはラマン散乱の原理のため。

 ラマン散乱の観測にはサンプルに励起光をあて、サンプルから出て
くる光を集めて分光します。この時、ラマン散乱からの光は、原理的に
必ず励起光と波数がずれています。ずれる原因は、ラマン散乱を観測する
理由と直結していますので、これは教科書を読むなりして勉強してみて
ください。和書であれば、浜口先生の教科書

 ラマン分光法 (日本分光学会 測定法シリーズ)

が入手しやすいでしょう。また、基礎的な部分は先生のサイトにも
掲載されています。
http://www.chem.s.u-tokyo.ac.jp/users/struct/bas …


 ラマン分光では、その原理から励起光の波数を基準とし、そこから
のずれを問題にしますので、通常横軸にこの励起光からのずれを取り
ます。つまり、原点0は励起光と同じ波数の光です。ここには
ラマン散乱の成分は原理的に含まれていません。

 これが観測にかかるように分光器を配置してはいけないのは、励起光
と同じ波数の光の強度が、ラマン散乱の光強度にくらべ桁違いに大きい
からです。そのためラマン散乱が観測できるぐらいに光強度、スリット幅
積分時間やゲイン等を調整していると、励起光と同じ波数の光強度が
強くなり過ぎ、最悪装置を破壊してしまいます。したがって、”しては
いけない”のです。
 なぜ、励起光とおなじ波数の光がラマン散乱に比べ桁違いに強いかと
いうと、ラマン散乱がきわめて生じにくい現象だからです。これは、
ラマン散乱が仮想準位を経由し、光子とフォノンの同時放出(吸収)
を必要とするためです。このあたりも光物性の教科書を勉強し、
フォトルミネッセンスとの違いを理解すれば納得できるでしょう。
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この回答へのお礼

懇切丁寧な回答ありがとうございました。
なぜ、だめなのかということはわかりました。
ラマン分光法の本を購入したので、勉強します。

お礼日時:2009/08/05 14:41

ラマンシフトの原点てどこだかわかっていないでしょう。


ラマンスペクトルの原理、↓
http://atago-giken.co.jp/raman/raman/index.html
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
原点がレイリー線だということはわかりました。
ラマン分光装置では、レイリー散乱を測定できないということですか?
CCDとかが関係あるのでしょうか?

お礼日時:2009/07/31 17:42

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