No.5
- 回答日時:
朝鮮~日本間の船旅について、気象条件からの遭難・進路を見失う事を除いて、回答いたします。
海上が穏やかであれば、九州と朝鮮半島の間には、福岡県の海岸から65kmの所に福岡県宗像市に属する沖ノ島があります。 沖ノ島から対馬まで約70km 対馬から朝鮮半島までも約70kmと、航海の指針となる島がありました。 最近の船舶の速度と異なり昭和初期の船でも1時間に10km以下の速度でした、人力が頼りの古代の航海ではもっと時間が掛りました、全行程の所要時間を理解下さい。晴天であれば順に目標が目視できていました。
最近出版された[宗像大社 古代祭祀の原風景」には、「朝鮮半島から輸入されてくる先進文明の数々は、大和王権にとっては文字どおり垂涎の的だった。その大和王権が、北九州における、みずからの戦略的パートナーとして、白羽の矢を立てたのがほかならぬ宗像氏だった。この海上の道は、百済や伽耶との関係強化を図りたい大和王権にとっては、まさに生命線といってよかった。この海上を自在に使えれば、メリットははかりしれない。そのためには、どうしても宗像氏と強い絆をむすぶ必然性が、大和王権にはあった」と記されています。 3世紀頃は航海できていたと理解しています。 ただし気象条件は別です。
No.4
- 回答日時:
1)邪馬台国時代の朝鮮~日本間の航行に関して
朝鮮半島南部から対馬への航行に関して、目標物がありました。
対馬にある高い山(名前は忘れました)です。
ところが対馬から壱岐への航行に関しては、(壱岐には、高い山が
ないので)目標物としては、太陽しかありません。そこで当時は
早朝、しばらくの間、太陽を左にて見て進み(ほぼ南進)、
壱岐の島が見えたら島に向かってこぐという航法を取っていたよう
です。風や海流の条件次第では、自己の位置を消失のリスクはあった
と思います。
2)大陸間の船舶が安全になった時代
私が考えるに、
エンジンによる航行(人力に頼らない)
自己の位置の検出精度向上(レーダーや、#2 の方のおっしゃる
クロノメーターの装備)
障害物の検出制度向上
の3条件がそろったときだと思います。
タイタニック号の沈没以降でしょう。レーダーが標準装備された
時期がわかりません。この点に関しては、わかる方、フォローを
お願いします。
あと、今回の質問に関しては、「海難の世界史」という本が
参考になると思います。
No.3
- 回答日時:
リスクというのは程度論ですから回答は簡単ではありません。
まず朝鮮・日本間の交易ルートで一番多く使われる
倭館(プサン)→対馬→博多のルートならば、13世紀には安定的な運航が可能だったようです。
ただし、太平洋の台風銀座の日本列島の環境を考えれば、夏場の危険性は高い状況が続いていますし、冬場は大陸性の季節風で海が荒れるようです。
大航海時代を経て、倭寇の争乱期には、高い造船技術が確立していたようですから、14世紀前半にはかなりの安全性が確保できたと考えられます。
日本史に出てくる留学生は命がけかと思ってましたが天候の問題さえなければ基本安全だったのですね。ずっと勘違いしてました。
丁寧な回答有難うございました。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
タイトルと質問文が違うようですが、まずタイトルの方に回答します。
(A)
「朝鮮~日本間の船旅がリスキーだったのは何時代あたりまで」
北九州から、壱岐・対馬を経由して朝鮮半島南端に渡るのであれば、歴史が始まって以来、
1) よほど粗雑または小型のフネを使う
2) よほど無能な船頭が操船する
3) 悪天候なのに無理に出航する
のでない限り「ノーリスク」であったと思われます。これが答となります。
九州と朝鮮半島の往来の場合、概ね中間に「対馬」という、かなりの高さと大きさがあり、しかも進路に対して長く(垂直方向に)横たわっている島が存在します。特に人工を加えずに停泊できる港もあります。
対馬海峡(広義の、朝鮮半島南端と九州の間の海峡という定義)には、太平洋を流れる黒潮のような強い海流もありません。海が穏やかで、見通しが利く日に出航すれば、どちらから出航するにしても、前記の(1)~(3)の悪条件がない限り、途中の対馬にたどり着けないことは考えられません。
(B)
「大陸間の船旅=安全となったのは何時代ごろのどういうきっかけによるものですか」
これの答は
「極東を航海する西洋帆船に高精度のクロノメーターが装備された19世紀初頭以降」
でしょう。
大航海時代以降、西洋の航海者が東洋に進出してきました。彼らは、従来のアジアに存在していたものとはケタ違いに強靭なフネと、高度な航海技術を持っていました。
すなわち
* 強靭な構造と高い乾舷により、外洋航行に耐える
* 羅針盤と六分儀による天測航法を知悉した士官
* そうした士官の指揮する熟練した水夫
です。
しかし、それらを備えている、ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリスなどの帆船が日本近海の太平洋側で難破した例は少なくありません。
要するに「大陸から日本に渡る過程で難破するリスクは少なくなかった」のです。
また、太平洋には「黒潮」が存在し、これに乗ってしまい、嵐が重なったりしますと、思わぬ外洋に流されてしまうことがあります。
精密な航海用の時計である「クロノメーター」が18世紀後半に実用化されるまで、「羅針盤と六分儀による天測航法」では、自分がいる「緯度」が分かっても、「経度」を知ることが困難でした。
大航海時代以降、特に世界全域の海図が整備された18世紀以降の外洋帆船の遭難には、大なり小なり「経度が良く分からなかった」ことが影響しているものです。これが、イギリス政府やフランス政府が国家を挙げて「高精度の航海時計」を作ろうとする強力な動機となりました。
クロノメーターの開発については、下記のウィキペディアの情報が概ね正確です。
ジョン・ハリソン (時計職人)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7% …
より詳しくは、航海術に関する本を読んでください。
やや古い本ですが
航海術―海に挑む人間の歴史 (中公新書 135)
茂在 寅男 (著)
http://www.amazon.co.jp/dp/4121001354/
を推薦します。
少々話がずれましたが、大陸から日本へ向かおうとする西洋帆船が日本より東に押し流された場合、日本から東には、いくつかの島を除けば、世界一広い太平洋が広がっているだけですので大変なことになります。クロノメーター開発以前(16世紀、17世紀)であれば、自分が現在いる「経度」を知ることが困難ですので、どの方向に航海すれば陸地にたどり着けるのかも分からず、点在する島で運良く水や食料を補給し、自分の位置を知ることが出来ない限り
「広大な太平洋上で、壊血病、飢餓、渇きで難破」
することになったでしょう。
※ 航海術をマスターした士官が死に絶えてしまえば、水夫が残っていてもフネをまともに動かすことは出来ません。
逆に士官が生き残っていても水夫のほとんどが死に絶えてしまえば、巨大な帆船の多数の帆を操作することは出来ません。
息も絶え絶えの生存者を乗せた状態で行動不能に陥り、漂流するだけとなります。
そうなった場合、電信も電話もない当時では、視界外に連絡する術がありませんので、
「**号は日本を目指してマカオを出港した後、消息不明」
などと記録されるのみです。
こうした事態は、前述したようにクロノメーターが普及した19世紀以降は
「羅針盤、六分儀、クロノメーターを使う航海術をマスターした士官がいれば、天体を観測できる限り、自分が地球上のどこにいるのかを高い精度で確定できるようになった」
ため、ほとんどなくなったと思われます。
西洋帆船は逆風であっても風上に向けて航海することが可能ですので、仮に嵐と黒潮によって日本の東方に流されても、晴れた後の天測で自分の位置を把握すれば、最寄の陸地にたどり着いて水と食料を補給し、フネを修理することが可能になったからです。
わかりやすい解説ありがとうございます。
朝鮮~日本間は高度な技術やいい船もなかった時代でも天気がよければ安定、大陸間は強靭な船と自分の位置を得る高精度の機械と技術が発明されてようやく安全なものになったのですね。
関連する本の紹介も感謝です。図書館で探してみることにします。
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