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道路設計において側溝の断面を決めるために流量計算しているのですが、「常流」とか「射流」というのがいまいち分からないんですが、この常流・射流というのが流量計算に何か影響してくるのでしょうか。
普通は「Q=V×A」の式で、Vはマニングの式により流量計算できると思うんですけど、それ以外に、常流(フルード数Fr<1)の時と射流(フルード数Fr>1)の時では流量計算の仕方が変わってくるのでしょうか。
すいませんがどうかよろしくお願いします。

A 回答 (2件)

エネルギー保存則はベルヌーイの式に他なりません。

すなわち、断面1と断面2(断面2が下流)の間で次式が成り立ちます。
V1^2/2g+h1+z1=V2^2/2g+h2+z2+hf
両辺を断面間の距離Δxで除して整理すると
(V1^2-V2^2)/2gΔx+(h1-h2)/Δx+(z1-z2)/Δx=hf/Δx=ie
ieはエネルギー勾配で、マニング式から
ie=n^2・V^2/R^(4/3)であり、断面1と断面2の平均とします。すなわち、
ie=(n1^2・V1^2/R1^(4/3)+n2^2・V2^2/R2^(4/3))/2
また、連続式から
V1=Q/A1,V2=Q/A2
以上の式からh1もしくはh2がわかれば、h2もしくはh1を求めることができます。
常流の場合はh2(下流側)を既知としてh1(上流側)を求めます。射流の場合はh1(上流側)を既知としてh2(下流側)を求めます。このようにして順次上流方向へまたは下流方向へ各断面のhを求めていくのが不等流計算です。
射流の場合なぜ上流から下流へ計算するかというと、先に述べたとおり、上流の影響は下流へだけ伝わるからです。実際に計算してみればわかりますが、常流の場合は下流から、射流の場合は上流からで、その逆をやっても解は得られません。

もっとも、道路の側溝であれば、断面が一定でしょうから等流計算で十分な場合が普通と思われます。
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この回答へのお礼

mayutaro様、詳しく教えていただきましてありがとうございました!!

お礼日時:2003/05/02 22:14

流量計算で常流と射流の区別が必要になるのは、不等流計算を行う場合です。

等流計算を行う場合は、計算自体で常流・射流を意識する必要は全くなく、連続式(Q=VA)と平均流速公式(マニング式など)だけで計算できます。不等流計算は連続式と平均流速公式のほかにエネルギー保存則を用います。具体的には計算する区間にいくつかの断面を設けて、断面ごとに水深を逐次的に計算していきます。このとき、流れが常流の場合は下流から上流に向けて順次計算するのに対し、射流の場合は逆に上流から下流に向けて順次計算します。そのため、不等流計算では常流と射流の判定が必要になるわけです。世の中に完全な等流は存在しませんが、断面が一定で勾配も一定であれば、流れを等流とみなして、等流計算で十分な答えが得られると思います。

参考までに、等流と不等流の違い、常流と射流の違いをお示しします。

○等流と不等流
・等流
 流速や水深が場所的にも変化しない流れをいいます。一定断面、一定勾配で摩擦抵抗も一定の水路で生じる流れです。
・不等流
 流速や水深が場所的に変化する流れをいいます。場所によって断面が変化したり、勾配が変化したりすると生じる流れで、ごく一般的に見られる流れです。

○常流と射流
 例えば、水面に真上から小石を落とした場合を考えましょう。小石を投げ込んだ点には小さな乱れが発生するでしょう。この小さな乱れのことを擾乱といいます。擾乱によって水面に波が発生します。水が静止している状態では、その波は同心円上に広がると想像できますね。それでは、流れがある状態ではどうなるでしょうか。波は上流側よりも流れとともに下流側に広がることが理解できるでしょう。流れの流速がどんどん速くなるにつれて、上流への波の広がりは小さくなり、ついには、上流へは全く広がらなくなります。
 擾乱による波が上下流に広がるような流れを常流、下流だけに広がるような流れを射流といいます。一般に、常流は、水深が深く流速が遅い流れで、緩勾配の水路で見られます。逆に、射流は、水深が浅く流速が速い流れで、急勾配の水路で見られます。
 常流か射流かはフルード数(Fr)で判定できます。擾乱による波は、孤立波とか小重力波とよばれますが、この波の波速(c)は、次式で表されます。
    c=√(gD)
 ここに、
    g:重力加速度
    D:水理学的水深
 水理学的水深(D)は、開水路の場合、流水断面積(A)を水面幅(T)で除した値、すなわち、D=A/T です。
 流速(V)と波速(c)の比をフルード数(Fr)といいます。すなわち、
    Fr=V/√(gD)
 ここで、常流では擾乱による波が上下流に広がるので、V<c、すなわち、Fr<1になり、射流では擾乱による波が下流だけに広がるので、V>c、すなわち、Fr>1になります。また、Fr=1の流れを限界流といい、限界流の水深を限界水深、限界流が生じる水路勾配を限界勾配といいます。

この回答への補足

mayutaro様、長文大量の回答どうもありがとうございます!!
ところで、不等流計算を行う場合、流れが常流の場合は下流から上流に向けて、射流の場合は逆に上流から下流に向けて順次計算する、という部分がちょっと分からなかったのですが・・・。計算には連続式と平均流速公式のほかにエネルギー保存則を用いる、という事ですが、計算式みたいなもので教えていただけると幸いです。
大変申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

補足日時:2003/05/01 21:11
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