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はじめまして、私は障がい者の方の施設に勤務してます。よく障害年金のことをきかれますが、わからないことが多くいつも苦労してます。社会保険事務所に行っても、障害年金はわかる方が少ないようです。
今回は40代の会社員男性方(初診は厚生年金で納付要件問題なし)が、脳梗塞後、肘関節以下の機能を全廃していると診断書に書かれてたそうです。この方は障害年金の何級が受給できるのでしょうか?全廃の意味もよくわかりません。リハビリをやっても、回復しないような暗く重いイメージですが?よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

補足質問を拝見いたしました。


回答#2への補足質問に対して、回答させていただきます。

障害年金でいう「全く用を廃したもの(全廃)」とは、
必ずしも、医学的な「不随」などのイメージとは一致しません。

障害年金は、原則として「有期認定」であり、
3~5年毎に診断書(障害状況確認届)の提出を義務づけられます。
そして、その提出毎の障害状態により、その後の支給が決められます。
また、毎年毎年、現況届(一種の生計継続確認です)によって、
障害年金の支給の継続の妥当性がチェックされます。
(住民基本台帳コードで確認できるときは、現況届は省略されます。)

注)
 その後の診断書の提出が不要となる認定例も、もちろんあり、
 これを「永久固定」と言います。
 そのときは、年金証書(裁定決定通知書を兼ねています)に
 その旨が記されます。
 こちらも、医学的なイメージとは必ずしも一致しません。
 四肢の切断(関節以外で切り離されたとき)や
 四肢の離断(関節部分で切り離されたとき)のほか、
 先天性疾患(知的障害、脳性麻痺等)等、ごく少数に限られます。
 また、全障害について言えることですが、
 数回の診断書の提出を繰り返した結果、
 経過的に見て回復不能だとされたときも「永久固定」になり、
 その旨が通知されてきます。

以上のことから言えるのは、
障害年金でいう「全廃」(というより、障害年金でいう全「障害」)は
あくまでも裁定当時の一時的な状態を指す、ということであり、
必ずしも医学的な再起不能等を指しているわけではない、となります。
見方を変えれば、障害年金でいう「障害」とは、
必ずしも永続的に続くことを想定してはおらず、
社会復帰の可能性を常に想定している、とも言えるでしょう。

このため、再び診断書を提出すべき時期(年金証書に記載)が来た際、
診断書を提出した結果で障害等級が下がることも当然あり得ますし、
もちろん、逆に障害等級が上がることもあり得ます。
そして、それに連動して、受給額も変わります。

医学的なイメージと連動させてしまうと、
障害年金のしくみを誤認してしまうこともあろうかと思います。
障害年金で用いられている用語には、
法令や障害認定基準で厳格な定義がなされていますから、
医学的なイメージとはいったん切り離して、
障害年金のしくみの中だけで考えていったほうが良いと思われます。
 
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この回答へのお礼

極めてわかりやすいご説明で、私の頭の中もスッキリしました。明日に早速このことを、さきの利用者さまにお伝えしたいと思います。かなり希望をなくしておられました。たとえ結果として、ほとんど回復することはないかもしれませんが、少しでも良くなる望みがあるのと、ないのでは、その後の生き方もかわってきてしまいますよね。夜分遅くにまでご回答いただきまして、本当にありがとうございました。どうぞご自愛ください。

お礼日時:2009/10/21 23:46

回答を続けます。


回答#1と併せてお読みになって下さい(印刷をおすすめします)。

質問例の場合、上肢に障害があると思われますが、
上肢に障害がある場合の障害年金の障害等級区分(但し、一部です)は
以下のとおりです。

1級
 両上肢の機能に著しい障害を有するもの。
 すなわち「両上肢の用を全く廃したもの」。
 回答#1の2にあてはまるとき(両上肢の機能全廃)。

2級
 一上肢の機能に著しい障害を有するもの。
 すなわち「一上肢の用を全く廃したもの」。
 回答#1の1にあてはまるとき(一上肢の機能全廃)で、
 一上肢の3大関節(肩・肘・手)のうち、
 いずれか2以上の関節が、以下の状態であるときです。
 2つの関節がどちらとも以下の状態でなければなりません。
 質問例の場合には、この「2級」に相当すると考えられます。

 ア)
  不良肢位で強直している(脳梗塞後や脳性麻痺後の状態です)
 イ)
  関節の最大他動可動域(人から動かされて動く最大範囲)が、
  健側(障害がない側、あるいは障害が軽い側)の他動可動域の
  2分の1以下に制限され、
  かつ、筋力が半減以下である
 ウ)
  筋力が著減または消失している

3級
 一上肢の3大関節(肩・肘・手)のうち、
 いずれか2以上の関節が以下の状態であるときです。
 2つの関節がどちらとも以下の状態でなければなりませんが、
 かつ、2関節とも上述の2級の要件を満たしていない、
 というときをいいます。

 ある関節の自動可動域(自分の力で動かせる範囲)が
 健側の自動可動域の2分の1以下に制限された状態であるか、
 または、それと同程度の障害を残しているもの。
 同程度の障害、とは、
 常時固定装具を必要とするような動揺関節(グラグラの関節)。

質問例の場合には、上述のとおり「2級」に相当すると考えられ、
初診時に厚生年金保険の被保険者であって、
保険料納付要件が満たされていることから、
障害認定日(初診日から1年6か月経過後)において
上記の「2級」に相当することが認定されれば、
障害厚生年金2級 + 障害基礎年金2級 を受給できます。

ということで、たいへん長くなりましたが、以上のとおりです。

より詳しいことについては、
厚生労働省法令等データベースシステムを閲覧すると良いでしょう。
どなたでも見ることができ、
根拠である「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」を
知ることができます。
通知検索 ⇒ 本文検索へ ⇒ 検索語設定 と進み、
「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」を検索語にして
検索を実行して下さい。
「国民年金・厚生年金保険障害認定基準について」という通知が
目的のものです。

厚生労働省法令等データベースシステム
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/index.html
 

この回答への補足

障害認定日に「2級」に相当れば、障害厚生年金2級 + 障害基礎年金2級 を受給できるのですね。ご本人は今後の収入が得られないのではと、不安な毎日を送られています。すぐ伝えさせていただきます。
ところで「全廃」という用語の意味は、障害年金では「全く用を廃したもの」という機能レベル基準の最下位というイメージですが、医学的な「不随」や「切断」と同じで、リハビりをやっても、もうこれ以上機能的に良くなることはあり得ないということと同じでしょうか?ご多忙の中、申し訳ありません。よろしくお願いします。

補足日時:2009/10/21 17:54
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ご質問の件についてですが、


段階を追って、以下、お答えしたいと思います。
(国民年金・厚生年金保険障害認定基準で決められている内容です。)

● 「全廃」とは?
 障害年金では「全く用を廃したもの」と表現します。
 2つのパターンがあります。

1)一上肢の用を全く廃したもの

 一上肢とは、右上肢で1つ、左上肢で1つ‥‥と左右別々に見ます。
 左右ともに全く用を廃している場合は「両上肢‥‥」と表現します。
 右・左のどちらか上半身が不随ならば、
 以下の要件にあてはまれば、該当し得ます。

 一上肢の3大関節(肩・肘・手)のうち、
 いずれか2以上の関節が全く用を廃しているときを
 「一上肢の機能全廃」と表現します。
 一上肢の肘関節以下の全廃、ということであれば、
 肘関節と手関節が全く用を廃していることになり、該当します。

 医師診断書においては、具体的に以下のいずれかに相当する、
 ということが必要です。
 
 ア)
  不良肢位で強直している(脳梗塞後や脳性麻痺後の状態です)
 イ)
  関節の最大他動可動域(人から動かされて動く最大範囲)が、
  健側(障害がない側、あるいは障害が軽い側)の他動可動域の
  2分の1以下に制限され、
  かつ、筋力が半減以下である
 ウ)
  筋力が著減または消失している

 関節可動域は、他動・自動を問わず、ROMという検査で測定、
 筋力は、徒手筋力テスト(MMT)という検査で測定し、
 それぞれ、所定の方法で医師診断書上に示されます(以下同じ)。

2)両上肢の用を全く廃したもの

 「一上肢の機能全廃」(前述)がもう片方の半身にもあるときで、
 「両上肢の機能全廃」と表現し、
 上肢装具等の補助具を使用しない状態において、
 日常生活において、以下のような動作を全く行なえない、
 という状態のことを言います。

 ア)
  さじで食事をする
 イ)
  顔を洗う(顔に手のひらをつける)
 ウ)
  用便の処置をする(ズボンの前の所に手をやる)
 エ)
  用便の処置をする(尻の所に手をやる)
 オ)
  上衣の着脱
  (かぶりシャツ<Tシャツ・トレーナー等>を着て脱ぐ)
 カ)
  上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

● 「全く用を廃したもの」ではなく、単に「用を廃したもの」とは?

 上記の1や2にあてはまらない場合、
 すなわち、一上肢の3大関節のうち、
 どこか1つの関節だけの用を廃している状態のときは、
 ただ単に「用を廃している」と表現し、「全く」を頭に付けません。
 また、「関節の機能廃用」と表現します。
 (「全廃」とは表現しません。)

 ある関節の自動可動域(自分の力で動かせる範囲)が
 健側の自動可動域の2分の1以下に制限された状態であるか、
 または、それと同程度の障害を残しているものをいいます。
 同程度の障害、とは、
 常時固定装具を必要とするような動揺関節(グラグラの関節)を
 いいます。

以上のことをまず、踏まえていただきたいと思います。
障害年金における障害等級区分の定義は、別コメントで書きますね。
 
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