A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
・水素原子に限らず、系の取り得るエネルギーが離散的になる場合がある
・そのような離散的なエネルギーを、エネルギー準位とよぶ
・光や電磁波は、光子の集団である
・光子は波長に反比例し、周波数に比例するエネルギーをもつ
・エネルギーが離散的になっている場合は、光子のエネルギーがそのエネルギー差に一致する場合のみ、その系は光子を吸収することができる
・光子を吸収した系は、低いエネルギー状態から、高いエネルギー状態に遷移する
・このように、実際のエネルギー準位間の遷移を実遷移と呼ぶ
ここまでは、わかっていますか?
赤外領域に現れる分子振動の特徴的な吸収、ESRの共鳴吸収は上記の例です。従って、赤外領域の吸収ピーク、ESRの共鳴周波数は、エネルギー準位の間隔に相当する部分に現れます。
もし、ここの段階でわかっていないなら、調和振動子やフェルミの黄金律といったことを取り上げている量子力学や光物性の教科書を読んで下さい。(ここで説明するには分量が多すぎます)
もし、手短かに説明しろというなら、エネルギー保存則のせいで、エネルギー差と一致しない光子は吸収されないということです。
ラマンは他の2つと根本的に異なります。ラマンは実際のエネギー準位から、系が光子を一個吸収し、実際には存在しないエネルギー準位(仮想準位)に遷移した後、光子一個とフォノン一個を放出する過程です。(光子とフォノンが吸収されて、光子が放出される過程もある)
ここで、実際には存在しないエネルギー準位を経由していると言う点で、他の2つとは全く異なります。このような遷移を、仮想遷移と呼びます。この仮想遷移の生じる原因は、エネルギーと時間の不確定性関係です。(仮想遷移の話はhttp://oshiete1.goo.ne.jp/qa5385313.htmlで詳しく書いたので、そちらを見て下さい)
仮想準位には無数のものが許されるので、ラマン散乱は共鳴吸収とは異なり、基本的に色々な周波数の光で同じ現象を起こす事が出来ます。ただ、仮想遷移は誘電分極と関連しており、誘電分極の起こりやすい波長を選択した方が観測がしやすくなります。これは、古典論でのラマンのイメージが、電磁波による外部からの強制振動と、物質固有の振動の連結したものということに対応しており、強制振動させやすい波長が適していると言うことに対応しています。
また、実際のエネルギー準位を中間状態とするラマン過程を共鳴ラマンと呼び、通常のラマン過程よりも強度が著しく増強されます。このような場合では、共鳴吸収同様、特定の波長で生じます。
前半は大丈夫・・・だとは思います。
ただ、
>>もし、手短かに説明しろというなら、エネルギー保存則のせいで、エネルギー差と一致しない光子は吸収されないということです
というところの、エネルギー差、とは基底状態と励起状態(あるエネルギー準位)の差、と考えていいのでしょうか?
IRとESRは遷移した分のエネルギーを測るのに対し、ラマンは不安定な状態になった分子から放出されるものを調べるのですね。
ラマンは誘電分極を引き起こしやすい波長の方がいいのですか・・・。
なるほど。ありがとうございます。
No.1
- 回答日時:
ラマン分光分析は入射波長によるのではなく、散乱光のシフト量に関係するものだと思いますが・・。
この回答への補足
あ、それはわかってるんですが・・・
ラマンはラマンシフトを横軸、縦軸は一般的に反ストークス線より強くでてくるストークス線の強度をとるものだと理解しています。
自分が言いたいのは、入射する光は、単色光であれば光の周波数はなんでもいいのか?
もしある範囲でなければいけないのであれば、その理由はなんなんだろうか?(もしそうなのであれば、ラマンは原子同士の結合に影響を受けますので、その結合から影響を受けなければいけない範囲なんだと思いますが、なぜその範囲だけが結合の影響を受けるのか?)
ということです。
よろしくお願いします。
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