n次の正方行列Aの固有値をλ1,…,λnとし,任意の多項式をf(x)=a0+a1x+…+amx^mとするとき,
行列f(A)=a0E+a1A+…+amA^mの固有値は,f(λ1),…,f(λn)となることを証明するときに
Ax=λix(x≠0)とすると,A^kx=λi^kx(k:自然数)なので,
f(A)x=(a0E+a1A+…+amA^m)x
=(a0+a1λi+…+amλi^m)x=f(λi)x
ゆえに,λiがAの固有値のとき,f(λi)がf(A)の固有値となる.
ここから,証明がさらに続くわけですが,ここで証明終了としてはいけないのでしょうか??
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
質問に書かれている、証明の前半部分の論法は、抽象化すると、
「Ax=λx(x≠0)が成り立っていて、
別の行列Bに対してもある値μが存在して、Bx=μxが
成り立つならば、μはBの固有値である。」
ということです。(本当は単に「Bx=μx(x≠0)が
成り立つならば、μはBの固有値である。」ということだけなのですが。)
そして、λ1、…、λnがAの固有値で、それぞれに対して、固有ベクトルxiを考えたとき、
Bxi=μixi をみたすμiが存在すれば、μ1、…、μnはBの固有値であると言っているだけです。
これは決してBの固有値はμ1、…、μnであるとは言っていないことに注意。
その理由を示す反例は、nubouさんも指摘していますが、
すぐに作ることができます。例えば、
A=(110:011:001) (:で区切ったところで改行して下さい)
B=(200:010:003)
という二つの3×3行列について、
Aの固有値は、1のみで、たとえば固有ベクトルは、x=(100)がとれます。
これは、上の書き方だと、λ1=λ2=λ3=1で、対応する固有ベクトルとしてすべて
x=(100)がとれるということになります。
そして、このXについて、
Bx=2x
が成り立つので、2は行列Bの固有値ということができます。
ですが、すぐにわかるようにBの固有値は、ほかに1、3があります。
このようにRossanaさんが質問に書かれている証明の前半部分で
使われている論法だけでは不十分なのです。
ちょっと時間がないので、補足等要求がある場合はまた機会をみつけて
投稿したいと思います。
>A=(110:011:001) (:で区切ったところで改行して下さい
このアイデア素晴らしいですね(^^)書き難い行列をこのようにすれば一行で表現する事ができるのですね!!
具体例を出して説明して頂き,ありがとうございます.
だんだん分かってきました.
つまり,こういう事ですね!
例えば,この例で行くと,Aの固有値は1で
Ax=x ⇒ Bx=2x
よりBは固有値に2を持つ事は確実だけれども,Bの固有値の2の重複度は1か2か3か不明であると(この場合重複度は1となっている).
って感じでいいでしょうか?
No.7
- 回答日時:
> 具体例を出して説明して頂き,ありがとうございます.
> だんだん分かってきました.
> つまり,こういう事ですね!
> 例えば,この例で行くと,Aの固有値は1で
> Ax=x ⇒ Bx=2x
> よりBは固有値に2を持つ事は確実だけれども,Bの固有値の2の重複度は1か2か3か不明であると(この場合重複度は1となっ
> ている).
> って感じでいいでしょうか?
いままでの投稿とそれに対するRossanaさんの発言内容から、
もう十分に理解されていると思います。
フロベニウスの定理は、行列AからBの対応が多項式関数で
与えられているというのがポイントですね。No.4に書いた論法は
その対応が多項式関数で与えられるということは何も使って
いないので固有値の重複度についての情報が何も得られなかったのです。
それにしてもnubouさんって、わざと漢字変換まちがえてるとしか
思えないのですが^^。漢字変換ソフトに恨みであるのかなw。
No.6
- 回答日時:
#2の補足に書いた結論でよいでしょうか?:
fが1:1であっても
λ1が|A-λ・E|=0のn重婚ならば
f(λ1)が|f(A)-λ・E|=0のn重婚である
ことを示せないといけないのです
fが1:1でないときには
f(λ1)がnより大きい重婚度になる場合も有るというだけです
1のお礼では
λ1の|A-λ・E|=0の重婚度と
f(λ1)の|f(A)-λ・E|=0の重婚度とが
等しいと見なして結論を出していたのでそれを示さないといけないということなのです
補足回答ありがとうございます.
fが1:1であっても
λ1が|A-λ・E|=0のn重婚ならば
f(λ1)が|f(A)-λ・E|=0のn重婚である
ことを示せないといけないのです.
なるほど!その通りですね.
例えば,例としては1:1対応の時
4次の正方行列Aの固有値をλ1=λ2=λ3≠λ4とすると,
1:1対応より
a≡f(λ1)=f(λ2)=f(λ3)≠f(λ4)≡b
となり,
f(A)の固有値はa,bですが,aの重複度は不明ですもんね!!ここで,例えばaの重複度が2とすると,
f(A)はa,a,b,c(≠a)となりますね!
No.5
- 回答日時:
この定理は
(1)任意の製法行列は(上)三角行列に掃除である
を使えばほとんど自明ですね
(1)は
(2)任意の製法行列はジョルダンの標準系行列に掃除である
(証明は難しいけど有名)
あるいは
(3)任意の製法行列はユニタリ行列によって(上)三角行列化される
(数学的帰納法で簡単に証明できる)
で明白
フロベニウスの定理の別の解法ですね.有難うございます.いちお,この解き方とnubouさんのおっしゃられる2通りの方法で証明してたんですけど,ふとした疑問が発生したのでここで質問しました.
この問題は#2の補足に書いた結論でよいでしょうか??
No.2
- 回答日時:
λ1が|A-λ・E|=0のλに関する2重婚だとして
f(λ1)が|f(A)-λ・E|=0のλに関する2重婚だとどうしていえるのでしょうか?
この回答への補足
ex.f(x)=x^2の時,Aの固有値がλ1=2とλ2=-2でそれぞれに対応する固有ベクトルをv,w(≠0)とする.
すると,Av=2v,Aw=-2w,f(A)=A^2で
f(A)v=A・(Av)=2^2v=f(λ1)v
f(A)w=A・(Aw)=(-2)^2w=f(λ2)w
したがって,f(A)が固有値としてf(λ1)及びf(λ2)を持つことは確実である!!
しかーし!!!!!
f(λ1)=f(λ2)=4
である事に注意すべきである.
f(A)の固有値の重複度が2であればf(A)の固有値は4のみであると言えるが,
f(A)の固有値の重複度が1ならばf(A)は4と異なる固有値を持たなければならない!!
したがって,この問題の大きなポイントは
xとf(x)が一対一対応ではない.
つまり,x1≠x2 ならば f(x1)≠f(x2)
とは限らない所にある!!!これが僕の最終結論です.
こういう事でいいでしょうか??
ありがとうございます.なんか分かった気がします.この落とし穴がなんであったか発見しました.補足に書きますので回答よろしくお願いします.
No.1
- 回答日時:
それだけでは、証明終了としてはいけません。
f(A)の固有値がf(λ1),…,f(λn)ですべてだ
ということを証明できていないからです。
さっそくの回答ありがとうございます.
では何故f(A)の固有値がf(λ1),…,f(λn)ですべてだ
ということを証明できていないということになるのでしょうか??その詳説をお願いします.
僕の考えでは
f(A)x=f(λi)x
をそれぞれλ1,…,λnのそれぞれについて適用するとf(A)の固有値がf(λ1),…,f(λn)であることが言え,
f(A)はn次正方行列なので,固有値は全部で重複するものも含めてn個であるから,f(λ1),…,f(λn)以外に考えられないと思うのですがよろしくお願いします!!
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