以前にも似たような質問をしたのですが、もうちょっとに詰めたいのでお付き合いしていただけたらです。
「音楽好き」と言ってもいろいろあって、例えばクラシックの中でも古典派、ロマン派、近現代といろいろ趣味趣向があります。古典派好きというのは、やはり、単純さあるいは簡潔さに美しさを感じる要因が多いように思う。単純の美に感受性があるのでしょう。近現代志向になると、必然的に凝った和声というものに嗜好性がでてくると思われます。
ポピュラーの世界にしても、演歌、フォーク、あるいはロックなどのような、曲の凝り方よりも、明快性とか単純性のなかの歌詞を重視するという嗜好性と、フュージョンミュージックのような、完全に音の構成のアーティスティックな領域に嗜好性を求める向きがある。
この、「音として凝ったものを求めたい」という嗜好性は、まず、凝った和声を美しいと思う、惹かれるということがないと起こらないと思うのです。コードネームでいえば、例えばC G7 Cなんていうのは、あまりに単純すぎて美がないが、Am7 Dm7 D♭7 CM7なんていうのが、非常にそれだけで美しいと感じたりする。でも、おそらくフォーク好きの人演歌好きの人とかは、そうでないと思うんですね。こういう音が密に微妙にブレンドされた世界と言うものに、「美」を感じないと思う。
この「感じるか感じなか」の差っていうのは、どういうところから出てくるんでしょうか?
そんなことは個人の資質の問題と言ってしまえばそれまでなんですが、ある刺激を受けたときに、それが無条件で美しいと感じるか感じないかは、非常に不思議なことであると思うのです。同じ人間として。
その点、考えようがないかもしれないのですが、なにか理解する手がかりのようなものはないでしょうか?
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
個人的には「複雑で巧みなものを美しいと感じる」のは単純な感受性の他に、ある程度の知識と経験(聴くということのみであっても)が必要なのではと思います。
特に歴史の長い芸術ジャンルにおいては、受け手側が高い知識と経験を積んでいるからこそ、それがどんなに高度で巧みに形作られているかが理解されるという側面はあると思います。
ですから、「高度な技術が駆使されていることを楽しむ」人というのはある程度その道での素地がある人という場合が多いのではと思います。
ただ、そういった高度な技巧の果てに、人間が感じるために必要なエッセンスだけを「高度な技術を駆使して」取り出した上に単純化された作品というものが数多く存在します。
そういった作品はもう既に感じるためのお膳立てが巧みに敷かれている為に、特に素地が無い人でも感じることが出来ますし、シンプルさを好む人にも訴えかけることができます。
こうした「技巧の果ての単純化」の他に、技巧を有していないのに、全くもって天才的なカンでエッセンスだけを選び抜いてしまう天才という人が時折登場します。例えばビートルズなんかがわかりやすい例でしょうか。
実際にはこれらの作品が混在しているために、単純とか複雑とか一概に言ってしまうことができません。
できませんが、あえて、
>この「感じるか感じないか」の差っていうのは、どういうところから出てくるんでしょうか?
というご質問に無理に答えるとすれば、
「自然なものを好むか好まないかによる」
のではないかと思います。そもそも音楽というものは、拍子にせよスケールにせよ、無数にあるビートや音階から人間が自然だと感じるものを集めることから始まっています。そうした「自然なもの」に対するアンチ的な面白さとして変拍子や不協和音が出てきます。
ですから、本道を好む人はアンチ的なものを快く感じませんし、反骨というか天邪鬼というか、そういう道を外れる面白さを好む、もしくは理解する人はそういう複雑さも楽しめるのではないでしょうか。
ちょっととりとめないですが、ご参考までに。
ご回答ありがとうございます。
この質問は、教養とか素養とか言うことを抜きにして、純粋にある和音とか(あるいは音形リズムだなど)音楽の構成要素を聴いて、「あ、美しい!」「お、これは惹かれる」というような感覚についてなのです。それさえも教養素養の問題だと言われればそれまでなのですが、例えば幼児がある音形とか和声に対して「惹かれる!」という感覚を催した場合(そういうことはその感覚が鋭い子なら起こり得る筈)、それは一体どこから来るのだろうか。
お答えの「自然を好むか」は面白いですね。凝った音形は人工性を想起させますからね。都会を好む。ただ、私は自然の造形もすごく好きですけど。
ただ、自然を好むと言うよりも、ひねらないものを好む感性という幹事かもしれません。
No.2
- 回答日時:
>この「感じるか感じなか」の差っていうのは、どういうところから出てく
>るんでしょうか?
>ある刺激を受けたときに、それが無条件で美しいと感じるか感じないか
>は、非常に不思議なことであると思うのです。同じ人間として。
ドビュッシー辺りまでの近代和声に関しては本能的に誰でも備わっているものと思います。誰が聴いても美しいと先天的に感じるはず。
ただし音楽の形態として拒否反応または無関心となる場合があります。
そもそも和声とは倍音列と密接に関連して発展してきたものですから誰でも先天的に美しい響きと感じるはずなのです。
シェーンベルクやグレツキの和声を美しいと思うかどうかは慣れ、いわゆる経験、つまり訓練が必要だと思います。
「珍味」の様な感じでしょうか。
なぜなら「先天的に美しいと感じる和声」を否定したような所から始まっていますから。
>C G7 Cなんていうのは、あまりに単純すぎて美がないが
ただのC G7 Cとハイドンの計算されたC G7 Cでは全然違います。
近代の和声を使っても程度の低い和声はあるし、シンプルな構成でも高度な和声があるのです。
また複雑な和声を使っていても、それを使う事自体が目的のような程度の低いクズフュージョンは腐るほどあります。
和声=音楽ではないのです。
貴方はそこを勘違いしています。
音楽を聴いているとき和声の美しさに心惹かれている部分は確かにありますが、あくまでも音楽を構成する一部として和声があるというだけの話です。
音楽の一部としての和声です。それが上手く音楽に取り入れられているかどうかだけの差です。
凝ったもの=美しい=高度である
と考えている時点でとても未熟な考えだと思います。
美しいと感じたって好きじゃないものは世の中に沢山あります。
>この、「音として凝ったものを求めたい」という嗜好性は、まず、凝った
>和声を美しいと思う、惹かれるということがないと起こらないと思うのです。
全然違いますね。貴方はちょっとコード偏執狂ですよ。
和声の魅力に取り付かれているのは分かりますが、今の貴方は中二病です。
世の中の音楽を聴く大半の人にとって和声など大きな問題ではないのです。
リズムやフィーリングや音色(声質)がそれ以上に大きな問題なのです。
レッチリもビートルズもボブディランもドビュッシーもシェーンベルクもベートーベンも音楽としてみな高度です。
和声がシンプルか複雑かというのは関係ありません。
ご回答ありがとうございます。
私は、あえて音楽の構成要素「和声」のみを取り出して(もちろんそれ自体音楽ではない)それを美と感じるか、ということを実験台として行おうと思いました。私自身の経験ですが、子供のころ(特に音楽の素養はないのに)複雑な和音(例えばDm7♭5+テンションとか)が、非常に神秘的で洗練された美しさを「それ自体」が持つと感じました。単純な3和音に比べてです。もちろん、音楽の構成要素としては不十分で、その配合が音楽なわけですが、ここで問題なのは、音楽になる前の単なる「響き」が美しかったことです。
回答者さんにはない感覚なんでしょうかね?
No.3
- 回答日時:
和声を通じて美を与えるという行為は、作曲者の技量によるところが大きい(というかすべて)だと思います。
聴く人の経験や趣味の領域にもよりますが、同じようなコードを演奏しても
それが計算し尽くされたものなのか、ただ何となく出しているかというところが違ってくるのだと思います。
今オレは、ベートーベンの第九を練習しておりますが、
立て続けにCの和音が2小節続くところがあります。
単純に、Cの和音を2小節続けると「進んでいない」「展開がない」という
単調さだけが目立ってしまいますが、
この曲においては、一つ目のCを「激しく問い詰め、それを知らしめる」ようなイメージを与え、
その次のCは、「心の内面を静かにし、確信を持って信じ合おう」というようなイメージを与えます。
そのしばらくあとには、A7(♭9)が登場します。
通常、♭9の和音は濁った感じというか、化粧臭いというか、時にはふわふわしてつかみ所ないような感じとか、あまり素直なイメージは与えないものです。
しかしベートーベンはこの和音を以て限りない透明さをはじき出しています。そしてここではものすごい集中力が生まれます。
おおよそ世間で知られる♭9の和音の効果と正反対の効果ばかりが出てくるのです。
それが作曲者の技量というものです。
ご回答ありがとうございます。
回答者さんはあくまで「音楽」を聴いていらっしゃるたとえですね。私は「音波」を聴いている問題を定義しています。その「音波」「音列」そのものの響きが「美しい」かどうか。私は美しいと思います。だからこそ、いわゆる「凝った」響きを求める曲に感受性があるのだと思われます。もしそうでないとしたら、演歌が美しいと感じるはずなのに層はならない。
No.4
- 回答日時:
具体的で、退屈な質問が繰り返されるばかりでなく、こういった、抽象的な質問もあるのかと、驚きました。
とはいえ、残念ながら、回答にはまったく興味を持てない質問です。
しかし、このような質問を作成するに至った、あなたの音楽教養に興味を持ちました。
教養はその取り入れ方や蓄積の仕方を誤ると、偏見になるからです。
☆ ☆ ☆
例えば あなたの質問には こんな短い文章の中に
複雑 対 単純
古典派好き 対 近現代志向
クラシック 対 ポピュラー
曲の凝り方 対 歌詞を重視
感じる 対 感じない
など 多くの 対立軸を持っています。
政治の世界では、二者択一が 流行(はやり)かもしれませんが、実際の世界の 二者択一は 重要なほとんどのものを 削除してしまうことが多く、 現実を見失うことになる可能性が高くなります。
あなたの質問を生む思考の中に そのようなものを感じました。
あなたが 音楽を聴いて浮かんだ疑問と ここでしている質問の 間には どうしようもなく 深い溝があるように思いました。
☆ ☆ ☆
あなたの質問は 今 あなたが質問をしている様な 単純なレベルで なされる性質のものでは無く 「世界中の音楽が ヨーロッパ音楽の規範に過ぎない ト音記号で表されるようになって 失った音楽性。」とか、「大脳聴覚の生理的現象。」など の様な問題であるように思われます。
ご回答ありがとうございます。
わたしは、音楽哲学のようなものに昔から興味がありまして、音楽の根源を常に問いたいと思っております。
ご指摘にある、二者択一思考はたしかにそのとおりだと思います。が一方、最も素直な私の感覚でもあり、これを幻想だとか言うことで片付けるわけに行かないと思っています。演歌が嫌いなのは何かわけがある→それは単純さを嫌悪する感覚がある→複雑な音形自体を美しいと感じる感覚がある
というような思考の流れは真っ当なもんです。もっとも、ご指摘のようにもっと広大で深遠な問題性から来ているのかもしれませんが、私には掴みかねます。
No.5
- 回答日時:
こんにちは、クラシック大好きです。
特にバッハのものです。なぜなら、バッハの音楽には和音も豊富で、旋律の絡み合いも美しいです。音楽が好きな人には、旋律が好きという人が多いと思われます。彼らにクラシックを利かせても表に出ている旋律だけに集中し、バックに響いているほかの楽器の音なんて全部ノイズとして彼らの脳に排除されたのです。私の場合は美しい、歌うような旋律はもちろん好きだけど、バックに響いているチェロ、フルートなどなどの音にも注意を向け、そこから美を感じるのです。ほかの楽器は何をしているのかっていう風に、聞いています。
あなたの質問についてですが、和音の美しさはおそらく倍音の重なりからなるものなんだろうかと思います。
まったく同じ音を演奏させてもフルートとバイオリンとではすぐに区別がつくだろう。それは音色が違うからです。同じ高さの音である以上、もっとも強いのはもちろん周波数がぴったりその高さに該当する振動であるが、同時にほかの高さの倍音も入っています。つまり楽器の音はいくつかの高さの音の重なりである。和音のルールに従って作られた和音なら、この音とほかの音との倍音が一部重なり、音に厚みを与えたと思います。
わたしの見解にすぎないから、正しいかどうかは知らないけど。
ご回答ありがとうございます。
表面的なクラシック好きには、やたら旋律重視の聴き方が中心のようですね。それはほんのうわのりに過ぎないものを課題に聞いているのでしょう。裏や低音との絡み合いこそがクラシックの(音楽の)醍醐味ですからね。和声の美しさは倍音の響きの美しさであることはいえるでしょうね。
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