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ERPパラドックスについて興味を持ち調べてみました。
ここでのERPパラドックスとは、原点からスピン状態が真逆の粒子が生成され、片方(仮に粒子Aとする)が+X方向に、もう片方(仮に粒子Bとする)が-X方向に飛んでいき、光速度での瞬時の情報伝達が不可能なほど(たとえば100万光年)距離が離れた後に、片方(粒子A)のスピンの上下状態を観測すると、距離に関係なく、もう片方(粒子B)のスピン状態が決まるというものです。

調べてみると、
・そのようなことは、二つの粒子間があまりに離れすぎているので、対になる粒子同士を同定して観測することは、検証不可能であり、気にすることはない。
・二つの粒子間は、量子チャネル?でつながっており、距離に関係なく、片方の状態が決まれば、もう片方の状態も決まるように振舞う。
・けっきょくのところ、まだよくわかっていない。

というようなスタイルがありました。
数式の出ない物理本も購入したのですが、上記のように本によって説明が異なっていました。

実際のところ、現在の物理学ではこのパラドックスに対してどのようなスタンスを取っているのでしょうか?

お詳しい方、宜しくお願いいたします。

A 回答 (4件)

 お礼、ありがとうございます。


 そうです、EPRパラドクスはもはやパラドクスではありません。アインシュタインらが不服を申し立てたのは「量子力学は正しいと確認されてる相対論に反するじゃないか」ということでした。しかし、EPRパラドクスを実験で覆したアスペ自身が言っています。「私の実験は相対論を否定するものではない」と。
 相対論が言っているのは「因果関係(情報でもよい)は光速を超えて伝わることはない」ということです。相対論に基づけば、少しでも光速より速いものがあれば、過去に戻れるタイムマシンができてしまうのです。すると因果律はくずれます。原因より結果が先にあり得てしまいます。しかし量子力学での超光速は因果関係あるいは情報を伝えることはないのです。だから問題なしとされています。
 もし問題があるのなら、ディラックは量子力学を相対論的に書き換えることはできなかったでしょう。しかし現実にはうまく書き換えることができて、有名な成果が反物質の発見だったりします。
 アインシュタインらの考えた「隠れた変数」は否定されましたが、別の形で検討はされているようです。ただし、誰も相対論に反するとは考えていないようですね(疑似科学者を除いては)。
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この回答へのお礼

なるほど。
詳しいご回答ありがとうございます。
啓蒙書にも載っていなかった裏の?ストーリーがわかって興味深いご回答でした(相対論やタイムマシンやディラックなどのくだり)。
量子力学での超高速はやはり不思議な感じはします。
距離に関係なく、片方を観測すれば、もう片方のスピンの状態が決まるのなら、やはり粒子間で情報をやりとりしているのではないかと思ってしまいますね。
まだまだ物理は不思議なことばかりですね。
詳しいご回答ありがとうございました。とても勉強になりました。
本日24:00に締め切りたいと思います。ありがとうございました。

お礼日時:2010/01/03 20:48

パラドクスではないが、人間には理解しがたいものの1つ、というところでしょうか。

「一方ともう片方」というように分けて考えることは意味がないことであって、両方で1つの状態(その間の距離がどんなに離れていようとも)、と考えるべきものです。
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この回答へのお礼

距離がどんなに離れていようとも、一つの状態として捕らえる、というのは不思議ですがスッキリしました。
ありがとうございました。

お礼日時:2010/01/04 08:05

>・そのようなことは、二つの粒子間があまりに離れすぎているので、対になる粒子同士を同定して観測することは、検証不可能であり、気にすることはない。


>・二つの粒子間は、量子チャネル?でつながっており、距離に関係なく、片方の状態が決まれば、もう片方の状態も決まるように振舞う。
基本的には同じことを言っているんだと思います。

粒子A、粒子B間の距離が100万光年離れていようとも
距離に関係なく、片方の状態が決まれば、もう片方の状態も
瞬間的に確定されます。(保存則に基づいて。)

ただし、粒子Bの状態は決まっていても、Bのそばにいる
観察者は粒子の状態を計測しない限り知り得ません。
このとき、Bが粒子を観測したとしますと、
その計測結果が既に粒子A側で観測によって決まっていた
ものなのか、そうでないのか?区別が付かないわけです。
B側の観測者が、そのどちらかを知るのは、結局A側から
別途情報を飛ばしてもらうしか方法はありません。

情報はがんばっても光速でしか伝えられないので、
因果律を破ることはなく、現在はパラドックスという認識
はありません。
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この回答へのお礼

>粒子A、粒子B間の距離が100万光年離れていようとも
>距離に関係なく、片方の状態が決まれば、もう片方の状態も
>瞬間的に確定されます。(保存則に基づいて。)
というのは、確実な事実として受け入れてよいのですね。

ただ、粒子Bの観測者側からしてみると、観測したのが他の対生成で生まれた粒子なのか、粒子Bなのか区別がつかないので、わからない、と。

これは、粒子Aと粒子Bを同定することができたとしたら、後にA側から情報を光速度で送ってもらって、後に照合することは理論的には可能なのでしょうか?
観測者A「粒子Aはスピン↑だったけど、そっちで観測した粒子Bはスピン↓だった?」みたいな感じで。

一般的に、情報は光速度でしか伝えられませんが、結局、二つの粒子間は、隠れた変数のようなもの?(≒量子チャネル?)で、光速度以上で情報をやり取りしているはずだ、ただし確認(実験による検証)はできない、ということでよいのでしょうか?

お礼日時:2010/01/03 17:20

 啓蒙書で読んだのですね。

啓蒙書は数式を使わずイメージで説明するので、本によって記述が違うことはありえるでしょう。それで満足するしかありません。
 おおまかな経緯と結果だけ言うならば、アインシュタインをはじめとする3人の物理学者は「こう考えれば量子力学が不完全なことが分かるはずだ」と提唱したのがEPRパラドクスであり、それに基づきベルの不等式が定式化され、それをアスペが実験して「いやいや結局量子力学で完全に正しいんだよ」ということになったのです。
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この回答へのお礼

ということは、結局のところ、パラドックスは存在しない、ということでよいのでしょうか?

お礼日時:2010/01/03 17:04

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