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経済の歴史に関する記述で、

「アメリカがドルを基軸通貨として保ちたいのであれば、ある程度外国から大量に輸入し、ドルを外国にばらまく必要があった・・・」

というような内容のことが書かれていたのですが、なぜアメリカは必ずしも輸入を増やす必要があったのでしょうか?

ドルが世界中に出回らないといけない、というのもなんとなくイメージ的には分かる気もするのですが、ことさらアメリカが輸入を増やさなくても、ドルが基軸通貨というルールさえ作っておけば、普通に貿易をしていれば後は勝手に各国の銀行が調整してくれるものではないんですか?

A 回答 (1件)

歴史的にいうと、世界で最初の基軸通貨はポンドでした


これはかつての大英帝国の領土の大きさをみれば一目瞭然だと思います
この時代、貿易は手形で決済されるようになりはじめたころで
それまでの貿易決済は金だの銀だのを実際に船に積んで運ぶ必要があったが
これはとてもリスクがありまた非効率でした
(船が沈む可能性は今よりずっと高かったし、金銀自体の重さが運搬コストとなった)
では、どうしたかというと、まず輸入業者は商品を手に入れたと同時に
英国の銀行に払い込みをし、証明書を発行してもらう
その証明書を輸出業者が受け取り、現地の英国銀行に持っていくと代金を受け取れる
これは英国と相手国の貿易だけでなく、第3国同士の決済にも使われたシステムでした。
このシステムを利用しない場合は、金銀を船で運搬するしかなくなる
世界中に銀行があったのは英国だけだったので
他の国も英国が作ったシステムを利用していたということ

ここで重要なのが世界の貿易決済には常にポンドが介在するということです
ポンドがなければ貿易できないというのが、当時の世界の常識でした

しかし、大英帝国の落日とともにポンドの力が落ちていき
それに代わり台頭してきたのがドルです

二つの世界大戦は英国経済に大きなダメージを与え
逆に英国(及び連合国の国々)に多額の資金を貸し付けていた米国が次第に
世界の基軸通貨としての地位を獲得していきます
さらに英国の植民地が次々と独立していく頃になると、世界で唯一の金本位制通貨
(金と通貨を無条件で交換する制度)であるドルが名実ともに世界の基軸通貨になりました

ドル基軸通貨というのはルールで決まっているものでも
そういう枠が人為的に作られた訳でもなく
米国が時間をかけて徐々に作り上げたものであり(およそ100年掛けて)
米国が世界中にドルを供給し続けた結果として作られたものです

貿易する国がドルを支払いドルを受け取る
この為には貿易国同士もしくは企業業者どうしがドルを持ってないといけません
米国に関係ない貿易でも同じことです
実際に日本でも近所の銀行に行けば個人でも簡単にドルが手に入ります
そうしたことが世界中で当たり前でなければ基軸通貨の資格たりえませんね

あと、割と勘違いしてる人が多いのですが
基軸通貨とはその国(現在は米国)にとって負担以外の何者でもありません
ドルとはアメリカ人の富であり、基軸通貨とは米国の富の流出であるからです
では、何故米国は強いドル(富の流出)を標榜してきたのでしょうか?
それは、世界を負担するということは世界を支配するということだからですね

それはこういう図式になると思います
強いドル=世界に対する発言力
弱いドル=国内景気上昇
オバマ政権が内向きと一部に非難されている理由も
強いドルを放棄(弱いドルを容認)したかのような政策を続けているからです

あと最後に世界支配には強い通貨(基軸通貨)以外にもう一つ重要なようそがあります
それは「軍事力」です。「強い通貨」と「軍事力」はまさに車の両輪です
「強い通貨」が国際的発言力を作り出し「軍事力」がその発言を裏付ける
この条件を理解すれば、日本円が世界の基軸通貨になる資格が無いことが理解できると思います
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この回答へのお礼

大変詳しく解説してくださってありがとうございます!勉強になりました!

お礼日時:2010/01/23 12:36

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