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私の知人で「吉野さん」と言う方がいらしゃるのですが、よしの漢字が「吉」ではなく、「土」(つち)の下に「口」なのです。しかしパソコンでは、出て来ません。
 牛丼で有名な「吉野家」のよしも、「吉」ではなく、「土」の下に「口」です。確か学校で習った時も、「吉」(きち)と「土」の下に「口」(よし)は、両方習ったと思います。
 辞書で調べたら、「土」の下に「口」は、「吉」の俗字になっていました。たまに使う漢字なので、ちょっと不便に感じます。
 「土」の下に「口」は、何故無くなってしまったのでしょうか?

A 回答 (2件)

1.“「吉」(きち)と「土」の下に「口」(よし)”という使い分けはありません。


2.もともとの成り立ちを言えば、[口]の上は「武士」の「士」でもなく、「土地」の「土」でもありません。
http://www.chineseetymology.org/CharacterASP/Cha …
3.『説文解字』小篆の字体は下記で御覧下さい。
http://www.zdic.net/zd/zi/ZdicE5Zdic90Zdic89.htm
4.爾来、字書では「士」のほうを正字、「土」のほうを俗字としてきました。(最近のことではありません。)
5.手書きでは「士」と書くこともあり、「土」と書くこともあり、一定ではありません。
http://163.20.160.14/~word/modules/myalbum_searc …
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手書きでも両方が入り混じっていますね。
6.印刷用の字体としては4で触れた正字で一貫していました。
したがって
“「土」の下に「口」は、…無くなってしまった”
ということではありません。
明治時代の活字はもちろん、それ以前の木版から「士」だったのですから、“無くなった”のではなく、初めから無いまま変化していないのです。
漢和辞典にその字が載っているのは、手書きでそう書く人がいるから、それは俗字であるという説明をするためです。
上に書いたように、もともとは「士」でも「土」でもないのですが、伝統的に字書で「士」のほうを正字としてきたということは動かしがたい事実です。

どうしても「土」のほうを使いたい場合は、外字を使うことになります。
『筆王』というソフトにはMS明朝用、MSゴシック用、HG正楷書体用の外字が附いています。
一般のフォント(外字なし)も勘亭流や隷書などたくさんありますので、高い買い物ではないと思います。
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この回答へのお礼

とても良分かりました。回答ありがとうございます。

お礼日時:2010/01/10 07:49

簡単にいうと、


 肉筆では「土」に「口」と書き、
 印刷などの活字では「士」に「口」の形 (吉) を使います。

隷書や楷書、行書は肉筆・手書きの字なので 土 + 口
明朝体・ゴシック体などは印刷用ですから 士 + 口 です。

漢字全体にわたって手書きの字と印刷の字の二つの系統があります。
(印刷の活字は一度つくれば何度も使えますが、手書きするときは複雑な字は簡略化されていきます。金属や石に彫るときと筆で書くのとでは同じようには書けません。そのため二系統の形がそれぞれ使われてきました。)
明治時代以前は字を習うときは 土 + 口 と書くように習ったはずですが、明治以降、活字の印刷物が利用されるようになって、土口と士口の区別ははっきりとは教えられなかったようです。活字の形を統一するのも非常に大変ですから、政府も基準を示しては来ましたが、ゴシック体の字のように「楷書」を書いたり、手書きの字のような「教科書体」「楷書体」のフォントなどがあらわれたりしています。字体に対する感覚が混乱してしまっているようです。

ということで、土と士はどちらも同じだと納得して使いわけていかれればよいのですが、戸籍に登録した字体がどうしても電子的に必要となると、労力が必要という状態です。

参考 大熊肇著『文字の骨組み―字体/甲骨文から常用漢字まで』
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この回答へのお礼

とても良くわかりました。回答ありがとうございます。

お礼日時:2010/01/10 07:43

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