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電気自動車でクルマが簡単に作れる(スモールハンドレッド)という話題について


昨今、電気自動車の普及が話題となることが多くなってきています。
よく経済番組とかで、「電気自動車は部品が少ないから、クルマが簡単に作れるんだ」という
発言が増えてきたと感じます。

実は私自身、自動車部品のメーカーにて設計業務を行っておりますが、
コトはそう簡単ではないように思うのです。

クルマ、またはその構成部品と言うのは、人の命を預かる商品です。設計のコンセプトとしては
「たとえ設計が悪くなくとも」「ユーザがどんな操作をしようとも」
絶対に暴走や誤動作があってはならない、と言う観点を考慮してで設計します。
(もちろん、他にも考えることはあります。)

その一例として、電子部品の素子一つ一つにいたるまで、故障時の挙動を考慮し、
故障時は安全側に動作するよう、設計します。
#トヨタの急加速問題が、電気回路のショートにより発生した、との説がありますが、設計観点からこれはないなと思います。

一つ一つの構成部品からして、そのように考慮されており、ましてや車両全体となると、どれほどのノウハウが組み合わさっているか、想像できません。



さて、本題ですが、クルマをつくる、と言うことに関して、
「電気自動車の登場により、いとも簡単にクルマが作れるようになるだろう」
というのは、机上の空論に過ぎないように思うのですが、私の認識不足でしょうか。

たしかに、「クルマのカタチをした移動に使用する道具」はいくらでも作れると思うのですが、
『クルマ』としてどうか、という問題です。

クルマの設計は、そんなに甘くないと思うのです。

それとも、私の頭が固いだけなのでしょうか。

皆様のご意見を伺えれが幸いです。

A 回答 (9件)

 クルマの研究者です。

御質問者様とは、同業者ですね。

>「電気自動車の登場により、いとも簡単にクルマが作れるようになるだろう」
というのは、机上の空論に過ぎないように思うのですが、私の認識不足でしょうか。

 御指摘通り、『まず不可能です。』

※クルマという商品の開発に於いて、ナニがスゴいかというと、実は部品点数とか新機構の研究・開発費とか製造技術とか、そんなモノではなく、強度・耐久・安全性ですよ。

※恐らく部品メーカ様でも同様だと思いますが、クルマは『市場で想定される、あらゆる使用条件を考慮した実験を繰り返し、要求性能を満たしている』と判断出来るモノしか販売しません。この点にこそ、自動車メーカや自動車関連部品メーカのノウハウと存在価値があります。
 これほど厳しい試験を実施している『機械』は、他には航空宇宙分野だけでしょう。(船舶でさえ、クルマと比べたら『甘い』です。)

※電動車両が普及すると、『家電メーカが参入』などと勝手なことをぬかすジャーナリストがいますが、家電メーカは『冷蔵庫同士が衝突した時に中身を守る実験』などやっていませんし、激しい振動の中30万km耐える設計など出来るはずもありません。
 勿論、モータなどは電機メーカの方が強いでしょうが、しかしそれはモータを自動車メーカに供給するだけであって、クルマの生産に乗り出すノウハウは皆無だと言えるでしょう。

※『パソコンの様に量産出来たらクルマの価格も下がる』とも言われますが、それは15年ぐらい前にビル・ゲイツが言ってフクロ叩きにあった迷言ですね。
 使用者がナニも悪い事をしていないのに勝手に落ちたりフリーズしたりするなど、クルマでは到底許されません。

※ミツオカさんの規模でも自動車メーカは成立する・・・かというと、ミツオカさんは重要保安部品を他メーカの量産車から流用しています。ゼロから自社で設計・製造するチカラは、残念ながらありません。
 勿論、ミツオカさんの様に自社開発が出来ない部品は他社から買ってくるという手段もアリではありますが、量産効果による利益を考えると、自社開発比率を上げないと薄利となってしまいます。
 同様に、大規模な強度・耐久実験が出来ない弱小の自動車メーカ(欧州のスーパーカー/スポーツカー・メーカなど)では、耐久性もそれなりでしかありません(高価なスーパーカーやスポーツカーが壊れ易い、というのはウワサやイメージではありません。やはり故障率は高いですし、10万kmどころか5万kmも性能を維持出来ません)。

・・・っというワケで。

>たしかに、「クルマのカタチをした移動に使用する道具」はいくらでも作れると思うのですが、『クルマ』としてどうか、という問題です。

 御意。レーシングカーに毛が生えた(毛が抜けた?)程度のクルマしか作るつもりが無いなら誰でも作れますが、日本車の基準に照らし合わせると、それは市販車と呼べるシロモノではありません。
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この回答へのお礼

ご意見ありがとうございます。

同業の方ですね。(もしかしてお客様w)

ほとんど同意見です。
(私が気づかなかったことまで発言していただいて恐縮です。)


>これほど厳しい試験を実施している『機械』は、他には航空宇宙分野だけでしょう。(船舶でさえ、クルマと比べたら『甘い』です。)
なるほど、船舶でさえあれよりユルイと・・・
船舶(もしかしたら鉄道も?)などは、定期的なメンテナンスもあるでしょうし、使用方法や環境もある程度制限されますね。(運用する側がちゃんと運用手順を守る。)
そうすると、自動車ほど厳しくはならないと言うことでしょうか。


クルマの設計は奥が深いです。

お礼日時:2010/03/12 00:50

電気自動車はそのものは簡単に作れるでしょうが、”製品”としてそれをを作れるのは、自動車メーカーだけだろうと私も思います。

(昨今のメディアの報道は馬鹿馬鹿しくて聞いてられません)

例えば、設計にしても製品として単体で完成している家電製品に対して、自動車は運転者が組み込まれなければ製品として完成しません。運転者が部品の一部ということは、不確定要素が大きく設計の難しさに直結します。また、安全基準など年々設計に盛り込む要素が複雑に、そして相反する状況になっていることからも設計に求められる要求は、民生品としては段違いに高いハズです。

仮に、設計をクリアーしたとしても、何故今自動車産業に参入するのか?その意義がわかりません。既に斜陽産業になりつつある自動車業界に参入するなんて言えば株主が黙っていませんよ。製品への投資も桁違いに大きいですし、そのリスクを負う理由がない。

特に国内の家電メーカーは国際的なブランド力も低く、既に飽和している国内市場でしか勝負できないことは明白であり、少ないパイを取るために何兆円規模の投資行うことなどすれば正気の沙汰とは思われないでしょうね。
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この回答へのお礼

ご意見ありがとうございます。

前半部のご意見は、私が考えていたことと方向的には一緒です。
(うまく言葉に出来ないのですが・・・)

そして、なるほど、事業性の問題ですね。
そういえば、ベンチャー企業や大学の研究室が電気自動車をつくった、と言う話は
よく聞きますが、大手家電メーカーがそういうことをしている、と言うのはあまり
聞きませんね。

お礼日時:2010/03/09 20:32

たしかに、現代の「クルマ」としては、簡単になんかなっていませんね。


モーターで走れる車のようなものは、素人でも環境と部品がそろえられれば作成できるでしょうけど…たとえば、あるテレビ局では数年前からソーラーカーで日本を一周ってやっていますものね。

ただ、クルマとなると…高速道路を一定のスピードで安定して走行できなければならないとか、ブレーキにしてもサーボの問題だってあるし、パワステだって必要でしょうし…。

ただ、現在の自作パソコンのようにさまざまにユニット化が進み、その集合させる規格化がすすめば…数十年後には現在と比べて簡単に作ることが出来るようになるかもしれないです。
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この回答へのお礼

ご意見ありがとうございます。

質問の観点として「新規参入のメーカーが、電気自動車を作る・・・云々」というのが
抜けていたので、大変恐縮です。

ソーラーカー日本一周については、私もよく観ています。
最近、大島か伊豆諸島のあたりにいるんでしたっけ?

この番組で使われている車両は、たしか市販の軽ワゴン車を
改造したものだと記憶しています。

既存の自動車メーカーが電気自動車を作る、と言うことに関しては、
そんなにハードルが高いとは思いません。



ユニット化については、数十年後には、可能かもしれませんね。
規格化できたとして、パソコンのパーツですら、相性問題等ありますので、その辺をクリアできれば!!ですね。

お礼日時:2010/03/09 20:41

エンジンとモーターという違いに着目すれば


極めて簡単に作れますよね。

事実、タカラと言うオモチャメーカーが
実際に公道を走れる車を作って販売しましたね。

そういう意味では
本当に簡単に作れます。

しかし、現在、
タカラトミーは自動車メーカとしては活動していません。

そういう意味では
自動車メーカーとなるには
あらゆるハードルが存在しているという事だと思っています。

販売網、部品の供給ネットワーク、保証制度
等々
アフターサービスは大変です。

しかし、
光岡やトミタの例を見れば判るように
小さな個人経営の会社でも
自動車メーカーとなる事は可能です。

となれば
もしも
パナソニックやサムソンなどが
内部留保をはき出すつもりで投資すれば
簡単に大手自動車メーカーを凌駕出来るようになるという事でもあります。

シャープペンシルを作っていた早川電機工業は
シャープと名を変え液晶テレビを作っていますし
仕立屋さんの石橋さんが仕立屋に見切りを付けて
足袋を作り、アサヒ足袋(現:アサヒコーポレーション)
となり
事業多角化によりタイヤを作り
そのタイヤ事業部が
今は世界のブリジストンになっているわけですから
パナソニクと言えば
自動車という時代がくるかもしれませんし
もしかすると
「ホンダが自動車作ってたの??
ロボットメーカーが昔、車を作っていたなんて!!!」
って時代もくるかもしれませんね。
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この回答へのお礼

ご意見ありがとうございます。
ご回答が遅くなり申し訳ありません。


>事実、タカラと言うオモチャメーカーが、実際に公道を走れる車を作って販売しましたね。
タカラがそういうものを作ってたんですね!
知りませんでした。


たしかに、販売網や整備と言う観点はありますね。
販売に関しては、以前テレビで観たのですが、スーパーやヤマダ電機がクルマを売ってたのを見たことがあります。
しかし、アフターサービスについては、設計に結びついた整備手順などがありますから、簡単には行かないのでしょうね。


ミツオカに関しては、↑でLB05さんが言及されているとおりだと考えます。
オロチでは、シャーシを自作しているものの、エンジンなどの駆動系はレクサスのものだそうです。
ほかの車種は既存の市販車をベースにしているそうです。


たとえば、重電メーカーや重機メーカーは、鉄道の車両を作ってたりしますね。
それに、日立などは、自動車部品も作っています。
その技術をコラボレーションすれば、ともすれば車両の量産にこぎつけることもあるいは可能かもしれません。
しかし、なんか引っかかります。




>「ホンダが自動車作ってたの??ロボットメーカーが昔、車を作っていたなんて!!!」
蛇足ですが、「機動警察パトレイバー」と言うマンガがありまして、ガンダムのちっちゃいのの様なものですが、あれはクルマの延長線上だったと思います。(マンガの設定では、重機の延長線上ですね。)
もしかすると、将来アシモに人が乗れるようになるかもしれません。
すいません、脱線しましたorz。

お礼日時:2010/03/10 23:16

No.3ですが、度々失礼致します。


電気自動車は簡単に作れるでしょう、とは書きましたが、家電メーカーみたいなのが自動車メーカーに取って代わるものか?と言われれば、
『そんなに甘くない』
とは私も思います。
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こんにちは。

元車ディーラーのサービスマンです。
質問者さんのおっしゃるように、「自動車」レベルにするのは簡単ではないと思いますよ。
簡単に考えても道路運送者両法の保安基準や衝突安全基準(クラッシュテストやエアバッグの作動も含めて)を満足させなければならないでしょうからね。そう考えただけでも大変なことだと思いますよ。
昔ですが、メーカーの技術担当者が言っていましたが、「衝突安全基準を満たす為には数億掛けて作った試作車2~3台が一瞬でパーになる」なんていうことは当たり前だそうです。現行車で当たり前な5年間10万キロ保証を付けられるような状態にするには膨大な耐久テストも必要でしょう。
ま、一時あった使い捨てに近い「屋根付きの原付き相当の一人乗り電動車」でいいのならある程度は可能かもしれませんが、とても「自動車」とはいえる代物にはならないでしょうね。
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この回答へのお礼

ご意見ありがとうございます。

サービスの方のご意見、とても参考になります。

>5年間10万キロ保証を付けられるような状態にするには
はい。自動車部品単体に関してですが、
テストもさることながら、設計段階の素子選定においても、これを考慮しています。
「そんな環境条件、あるわけねえだろ!!」と言う条件下での耐久条件を設計段階で考慮します。


>「屋根付きの原付き相当の一人乗り電動車」でいいのならある程度は
ユーザが「いや、これで十分なんだ」といってしまえば、
あるいは受け入れられるかもしれませんが・・・・

昨今のトヨタショックのやりとりを見ていると、そうも行かない気がしますね。

#タタナノを日本で発売したら、どうなるんだろう・・・

お礼日時:2010/03/10 23:44

『クルマ』をつくると言うだけなら、今の技術で本気で作ろうと思えば、電気自動車を作るのは簡単なことだと思います。


No.1さんの仰るとおり、電気自動車って最近になってから作り始めたわけでも無いですし・・・。
もちろん、今の車とは、パーツや製造工程も違って来ますから、製造設備が整っている事が前提ですが・・・。

自動車メーカーがなかなか作らないのは、今のガソリン車を越える性能のものを同じコストで作れるのか?、普及させるためのインフラ整備が出来るのか?と言う点に難があるからだと思います。
世界中に発電所をいっぱい造って、電気ステーションがガソリンスタンド並みに出来れば、世の中あっと言う間に電気自動車だらけになるんでしょうけど・・・。

質問の趣旨と違ってましたらすみません。
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この回答へのお礼

ご意見ありがとうございます。

充電のためのインフラも重要ですね。
それにより普及に拍車がかかり、相互作用で整備と普及が進む。

そうすれば、たしかに今のガソリン車と変わらない値段で、
電気自動車が作れるようになるかもしれませんね!

お礼日時:2010/03/09 20:13

自作パソコンの用に、フレームやモーター、保安部品など、各モジュールが販売されて、好みの部品を組み合わせて車が作れるようになるかもしれません。

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ハイブリッドや最近の高性能な電気自動車に関しては少し事情が違うと思いますが



戦後、日本の自動車産業が壊滅的だった当時、電気自動車のブームが起きました。これは、朝鮮戦争までガソリン統制が厳しかったこと、エンジンより電動機の方が補機なども少なく、技術的ハードルが低かったことがあります。プリンス自動車も当初は電気自動車製造を目的とする東京電気自動車として設立され、後にエンジン供給の富士精密機械工業(中島飛行機東京製作所)と合併してプリンス自動車になっています。そういう意味では、エンジンの開発、製作は今でも高いハードルです。
また、鉄道が電化するのも、車両の製造・運行コストとしては電車の方が気動車より廉価であることがあります。ただ、鉄道の場合、線路の設備投資が大きいため、ローカル線はディーゼルにより無煙化されました。

「いとも簡単」とは思いませんが、ガソリンエンジンより電動機の方が同じ数を作るなら廉価だし、製造工程も容易です。とはいえ、ブレーキ、サスペンションなどそれほど部品点数を減らせるとは思えませんから、原動機部分と動力伝達機構(理屈としては、静止状態からトルクが出るのでミッション不要、ハブモーターならデフも不要)部分の簡略化がどれくらい部品点数の低減に貢献するかですね。
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この回答へのお礼

ご意見ありがとうございます。

すいません。。。
質問文に「自動車に新規参入のメーカー(家電、重電、ベンチャー等)がクルマをつくる・・・云々」の観点が抜けておりました。


鉄道の場合は、詳しいことはわかりかねるのですが、
既存の鉄道車両メーカーが、気動車を電気車にしたところ、コストダウン等に寄与した、
ということではないでしょうか。(まちがっていたらすみません)

これを既存の自動車メーカーに置き換えると、たしかに自動車の車両開発・製造のハードルは
下がっていくと思います。

ところで、エンジンの開発というのは、そんなにまでも高いハードルなのですね。

お礼日時:2010/03/09 20:23

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