No.7ベストアンサー
- 回答日時:
No.6ですけど。
「もともと才能のある人がなる」というのではなくて「その道しかない」人がなる(べきだ)という風に読めます。
そこで必死になるから才能とか技能が生じるという考え方でしょう。
だから推論後者の表現主義の方に近い考えと思います。
ですが必ずしもそれが酬われるとは限らない(優れた芸術に結実するとは限らない)というような諦観・客観があるから自嘲とも取れるような表現をしているのだと思います。
事実村上龍さんの作品にも苦闘のみが伝わってくるような失敗作らしき物はあります。
No.9
- 回答日時:
ご質問文にある、後者だと思います。
小説家に限らず、芸術家とよばれる人々は皆そうだと思います。
ゴッホやピカソが画家になろうと、頭で考えてなったとは思えません。
一般の人が、職業を選ぶときに考慮するような、収入、安定性、将来性などを考えれば、まず選ばない仕事でしょう。
よし、小説家になろう、と決めて小説の書き方を勉強し、賞を狙って世に出る、というのは現実的ではありません。
それでも、書かずにはいられはい人たちがいるのです。
長年世の中に出られなくても、そうしなければ生きていけないのです。
No.8
- 回答日時:
お礼をいただきました。
まだすっきりしないご気分のようです。
>小説家になりたい」という思いの方が強くて小説家になった人も、「小説家と言うのは小説家になるしかないんです」と言うような気がしたので。
確かにあいまいな言葉です。それで、氏としてはどちらかというと不用意に、アドリブ的にくちばしった言葉なのではないかと思ったのですが、少なくともこれは既に小説家になったヒトのことを言っているので、小説家になりたいと思ったという意味は中には含まれては居ませんよね。それで私は”ふつうのひとが小説家になる、それが必然性を持つのは、もともとそのひとに小説家の素質があったのだ”という意味ではないかと思ったのです。
ご参考になれば。
No.6
- 回答日時:
考えましたけど、何か自分に染みついた宿命・性分のようなものだという意味でしょう。
役者という物が無かったら竹中直人がただの変人でしかないというようなのと似ているのでは。
これだけを読むかぎりは、その人の「さが」であるというふうに読めます。
体質とかどうにもならないものを言っているから「なるしかない」という表現を使っているのでしょう。
推論の中では「自分の中で表現したい事」というほうに近いと思いますが、もっとやむにやまれぬ「小説の中でしかできない」という色が濃いのでは。
村上龍は美大を中退して小説家になっているというのをふまえるなら、美術やデザインの中では「表現したいこと」が表現し切れなかったという事だと思います。
いろいろあり得る中から「小説という形」を取ったのではなくて、小説しかないという切羽詰まったものと捉えているように聞こえます。
「小説家というのは優秀な人が就ける高い地位・職能ではなくて、小説家になるしかないような人がなる職業なんですよ」
という意味ではないかと。
これは自嘲とばかりは読めないと思います。
No.5
- 回答日時:
私は氏の作品は芥川賞を貰った何とかのブルーしか読んでいませんので、回答者の資格はないのかもしれません。
「小説家と言うのは小説家になるしかないんです」とかいう言葉は、あちこちで同一人が仰っておられるのなら、あるいは良く考え抜かれた言葉なのかもしれません。そう考えれば、質問者さまの疑問はおのづと解けるのではないでしょうか。例えば政治家志望が政治家になることを志してそのための努力を積み重ねていくのは、政治家にならなければ出来ないことをしようとしているからでしょう。これは常識的です。小説にせよ、絵画にせよ、本物の芸術はやはりそれを表現したいというやむない気持ちがあって始まるものであり、小説家になりたいと思って作品を書き始める人はどちらかといえば名誉欲か金銭欲に駆られた偽者臭いタイプではないかとも思えます。
村上氏のその言葉は、ですから私には至極当然のことを語っているように思えます。
ご質問の主旨にあっているでしょうか?
ありがとうございます。
私も基本的には、表現したいという衝動が先ではないかと思っているのですが、「小説家になりたい」という思いの方が強くて小説家になった人も、「小説家と言うのは小説家になるしかないんです」と言うような気がしたので。
No.4
- 回答日時:
せっかちに連投を失礼致します。
龍さんとヒデ(中田英寿さん)の共著に「パスと文体の精度」と言う物が在ります。
(あれーー「文体とパスの精度」だっけ。。。申し訳ございません!)
その中で、お二人がともに
*何故サッカー選手と言う職業を選んだのか?
*何故物書きと言う職業を選んだのか?
を考察しています。
どちらも「道楽」とも言える職業です。
そして、その「道楽」で生きて行くには、生半可な能力/努力/マーケティングではなれない、と言う点も共通しています。
ヒデも龍さんも、「それしかなれなかったから」「この仕事が一番効率的だったから」と言うような事をおっしゃっています。
これは、私の夫が話していた事ですが、何となく「そーなんだーー?」と聞き流していましたが、その後色々考え思ううちに夫の言う事が判って来たように思います。
「村上龍は小説家じゃない。彼の感覚とか今の社会に必要と事と思う事を、効率よく表現する手段として、たまたま目の前に文章と言う物が転がっていただけだ」だそうです。
私は龍さんの作品が読めません。苦笑
以前、こちらのカテゴリかな、その理由を質問としてお世話になった事があります。
その質疑の結果、
おそらく龍さんの「叙事性の追究」が私を阻むのだと感じています。
いや、叙情的な村上春樹は読めますので、要は、私がファンタジー感覚を好むってことだと思うのですが。
龍さんは厳しいです。
甘えや遊びの入り込む隙など一寸も無い。
きっと、この厳しさで己と社会と未来を見据えている人なのだと思います。
(ちなみにJMMや先述のエッセイ等は読めるのです。)
その点もヒデと共通しているなあ、と思います。
見つめて自分に出来る事を探し、行動する点も同じ、ですね。
龍さんは物書きと言うよりも「活動家」と私には思えます。
その「活動報告(書)」に当たる物が小説やエッセイ、JMM等の作品かと。
小説は小説でしかないのですけれど、龍さんの小説は小説らしいとは言い難いです。^^
村上龍さんの小説は、「愛と幻想のファシズム」までは読んだんですが、それ以後の作品は、小説全般に対する興味が減少したこともあって、ちらっと立ち読みする位ですので、よくわからないのですが、エッセイ等は今でも時々読みます。確かに、活動家という表現は合っているかもしれませんね。とすると、小説家というものを考えるには適切な例ではない可能性が高いですね。
また、道楽を仕事にするという観点は、私も考えたことがあります。大部分の人が趣味でやるスポーツというものを職業にし、試合で勝ったとか、点を取ったとか、その大部分の人にとっては日常生活のアクセントにしかすぎないことが、サッカー選手としての自分の人生を左右する。なんとも不思議です。
No.3
- 回答日時:
>小説家と言うのは小説家になるしかないんです
同じ意味と思いますが、
「物書きと言う職業は最後の職業だ」ともおっしゃっていますね。
確か「69」のあとがきかなあ。作品中かなあ。
以前、小池栄子さんと組んでのインタビュー番組でも同じ言葉をおっしゃられたように記憶しております。
ご質問自体、とても興味深く参加させて頂きたく思うのですが、上手く纏まりませんので出典についてのうろ覚えな回答で失礼致します。
No.1
- 回答日時:
小説家は論文屋ではないしインタビューは必ずしも
深く考えてしゃべらないので、
その発言が正しいという前提はありません。
が、たとえばボクサーなら対労力効果が極端に低くても
ボクシングをやるっきゃない男たちがやるのであって
小説家について同様と述べたと考えることはできます。
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