No.6ベストアンサー
- 回答日時:
柿渋に関しては、ポリフェノールの勉強をしながら副次的に目にした程度です。
ほんとうに一般の方向けにならお話は出来ますが、これから研究を始めようとされる方(学生さんというよりメーカーのかたなんでしょうか。そんな気がしてきたのですが)に対しては、そんなに期待していただけるほどの知識は残念ながらまったく持ち合わせていません。■■
柿渋ポリフェノールに関してですが,本当に,体内に入るのか否かという点について。また,実は,柿渋は重合しているのではなく,単に会合しているかすら本当は分かってない。■■
<多分,私が分けた物質のどれがどのくらい吸収されるかを知る程度だと思います。それでも,医薬部外のサプリメント程度なら十分?らしいです。
重合か会合なのかについては申し訳ありませんが存じておりません。
実際に目にしたことはないのですが、検索すると柿渋を使用した健康食品が市販されているようですね。ですが殆どの健康食品は、バイオアベイラビリティはおろか有効性すら確認されないまま、ただ製造して売る、という垂れ流しの状態です。そこまできちんと評価しているのは特定保健用食品だけですね。
質問者さんが分離した物質の吸収について、どんな評価方法で研究されるのかわかりませんが、健康食品や漢方の柿渋のバイオアベイラビリティを確認するという観点であれば、吸収される・されないのどちらの結果が出てもそれは重要なデータでしょうね。私自身も本当に吸収されて本当に効くのか?と疑問視しながらもあんまり興味がないのでそのままにしていますので。
ただ、柿渋の吸収に関して本当に報告されていないかどうかは全く調べたことがなく、「おそらく無いだろう」という推測でしかありません。これ以上はご自分でお願いします。
たまたま参考URLを見つけました。柿渋の研究をされている方がいらっしゃるようですから、お聞きになってみてはいかがでしょうか。ただ、高血圧・血管透過性ということですので、高分子である柿渋よりも遊離のルチン(ケルセチン)の効果なんじゃないかと思いますが。ケルセチンのバイオアベイラビリティなら#5のPubMedでヒットしますよ。
参考URL:http://www.persimondo.com/column/03.php
長々と,お付き合いいただき本当にありがとうございました。
めちゃくちゃ,とても助かりました!!
一応,はじめの質問で,健康食品好きみたいに書いたのは,私が全く持って知識を持ち合わせておらず,まずいと思ったからです。私自身は,研究者はおろか,単位がちょっとやばめな大学生ですよ。
では,本当にありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
捕捉拝見しました。
学生さんだったんですか。てっきり健康食品に興味のある一般の方だと思ってました。すみません。本はご紹介できるようなものを存じておりません。
<個人的な感覚なのですが,分子量が大きくても,未研究?であるらしい柿渋であれば,意外と生体に取り込まれる可能性もあるのでは?と思っています。
私は専門が栄養系なので、いくらvitroで機能性がある物質と騒がれてもある程度吸収されて体内に入るものでなけれは、抗酸化ビタミン・抗酸化酵素以上の価値を感じないのです。抗酸化活性を計るだけなら簡単ですから、研究としての新規性はあんまり感じられないです。
もし吸収に関する研究を始められるのであれば、そんなデータはどこにもないでしょう。おそらく高分子の柿渋ポリフェノールであっても加水分解されて多少は吸収されるとは思います。問題はどの程度の重合数に分解されて吸収されるかでしょう。私が今興味を持っているプロアントシアニジンはカテキンの重合数が7-8ですが吸収はされているようです。ただ、柿渋でそれを確認するには血漿のHPLC-MS分析とかのテクニックが必要になるでしょうから、柿渋にそこまで研究費を掛けるだけの潜在的な魅力があるかどうかは研究者のセンス次第でしょうね。私には何とも申し上げられません。
ちなみに食品添加物としての柿渋の有効性を検討していた人を知っています。趣味的に実験していて大した成果も出なかったので結果は公表してないらしいですが、味の面で非常に評判が悪かったのが中断した原因のようです。試薬の蓋を開けただけで微粉が舞って目や鼻や口の中が渋いと嘆いてました(笑)。
ところで柿は学名のDiospyros kakiよりもJapanese persimmonの方が通ると思います。一応PubMedでは「Japanese persimmon」でも「kaki」でもヒットしました。必ずしも柿渋でなくて、柿のカロテノイド系色素であるクリプトキサンチンの効果を見ているものもあると思うんですけど、詳しくは読んでいないのでこれ以上はご自分でお願いしますね。あと、国内の論文であれば有料ですがJOISの方がヒットすると思います。
参考URL:http://www4.ncbi.nlm.nih.gov/PubMed/, http://pr.jst.go.jp/db/info/index.html
この回答への補足
>学生さんだったんですね
ハハハ,あまり気にしないで下さい。一般の,健康大好き人間レベルと考えていただいたほうが適切ですので(苦笑)
>私は専門が栄養系なので、いくらvitroで機能性がある物質と騒がれてもある程度吸収されて体内に入るものでなけれは、抗酸化ビタミン・抗酸化酵素以上の価値を感じないのです。抗酸化活性を計るだけなら簡単ですから、研究としての新規性はあんまり感じられないです。
■■
ただ,柿渋ポリフェノールに関してですが,本当に,体内に入るのか否かという点について。研究データの無さから,実は分かっていない(未研究or代謝されると思い込んでいる)だから,盲点なのではないかと思っています。いかがでしょうか?特にこの点についてのしっかりとしたデータが見つからずに悩んでいます。
また,実は,柿渋は重合しているのではなく,単に会合しているかすら本当は分かってない。と誰か言っていました。ちょっと,新鮮に写りましたが,どうなんでしょうね?
■■
>問題はどの程度の重合数に分解されて吸収されるかでしょう。
>血漿のHPLC-MS分析とか
残念ながら,さすがにそこまではできそうにありません。多分,私が分けた物質のどれがどのくらい吸収されるかを知る程度だと思います。それでも,医薬部外のサプリメント程度なら十分?らしいです。
>味の面で非常に評判が悪かったのが中断した原因のようです。試薬の蓋を開けただけで微粉が舞って目や鼻や口の中が渋いと嘆いてました(笑)。
なるほど。確かに,渋ですからね。なんか,容易に想像できます・・・(笑)
>柿の学名
なるほど,まだまだ,勉強不足です。詳しくは,学校のPCからログインしてみようと思います。(出来るのかすら不明ですが・・・)
最後に,もしよろしければ,度々,申し訳ないのですが,■■
~
■■の部分についてだけでも,ご意見を聞かせていただけれたら幸いに存じます。
またまた,貴重な意見・情報頂きありがとうございます。
No.4
- 回答日時:
回答は出ているようですが、以下の参考URLは参考になりますでしょうか?
「柿渋のタンニン」
蛇足ですが、「抗酸化物質」に関しては、以下のサイトは参考になりますでしょうか?
◎http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=28610
この中で#2で紹介した成書も参考にしてください。
ご参考まで。
参考URL:http://www.kiriya-chem.co.jp/q&a/q34.html
No.3
- 回答日時:
#1さんが書かれているように、ポリフェノールとはフェノール性水酸基(ベンゼン環にOH基)を多数有する物質の総称です。
タンニンとは、昔皮革をなめすときに用いられたタンパク質収斂性のある植物成分を化学的性質からひっくるめた漠然とした用語です。構造から見た分類ではありません。柿渋のポリフェノールも、単一の化合物ではなくいろいろなポリフェノールが集まって出来ていますが、主にカテキンの重合体がメインらしいです。簡単に言うとお茶に含まれているのは主に遊離のカテキン類ですが、柿渋のカテキンはカテキン同士が沢山結合して非常に大きな集合体を形成しています。赤ワインのポリフェノールも構造は似ていますが、分子種と重合度(くっついている数)が違います。おそらく柿渋の方が高分子だと思います。参考URLの下の方に柿タンニンの構造の一部へのリンクがありました。
<実際には,どの構造のものが本当に抗酸化作用のある物質なのでしょうか?
試験管の中の抗酸化実験では、評価方法によっても違うんですが、ざっくり言うとOH基がたくさんあるものが抗酸化力が強いという結果が多いです。ですが実際に動物や人にポリフェノールを摂取させた実験では、そんなに単純には結論づけられないのです。
まず、摂取した成分がどれだけ体内に吸収されるかが問題です。柿渋のような巨大分子よりも、緑茶カテキン類のような比較的小さな分子の方が吸収されやすいのは感覚的におわかりいただけると思います。
でも、小さい分子であればあるほど吸収されやすいかというとそう簡単なものではありません。多くの植物成分は生体にとっては異物ですので、吸収されにくいものもあるし、吸収されてもすぐに生体が無毒化(代謝・抱合化)して構造を変化させたり活性を失わせたりするのです。
お茶のカテキンの中で最も含有量が多くまたOH基が多いため抗酸化活性の主体であるとされているのが(-)エピガロカテキン-3-o-ガレート(EGCG)ですが、このEGCGでも5割、他のカテキンでは9割も体内で抱合化されてしまいます。お茶のカテキン類のように、比較的構造がシンプルで、生体利用率など明らかにされつつある物質でもいろいろな要因によりEGCG以下の順列ははっきり決められていません。柿渋のポリフェノールのように複雑な物質では、さらに難しいと思います。
ですから現時点では、他のポリフェノールに比べて柿渋が効果があるとか無いとか比較は出来ないと思います。もしそのような話があればおそらく試験管内実験の結果だけを誇張していると思われます。
光学異性体と活性との関連ですが、カテキンに限って言うと天然型は(+)catechinを除いては(-)型しか存在しません。また、同じ構造でもエピ型と非エピ型の2種類があり、加熱によりエピ型から非エピ型へ異性化する事が知られていますが、ラジカル捕捉活性の低下が見られる以外に特に報告はないと記憶しています。つまり光学異性化によって毒性を有したりすることは無いようです。
URLはgoogleで「柿渋 タンニン 縮合型 カテキン ポリフェノール」の中から適当に選んで検索し、ヒットしたものを載せました。多分同じように検索していただければ詳しい話をご覧になれるはずです。それ以外の部分は自分の知っていることを書いただけですが、一般の本にも沢山書いてある内容です。
横レスになってしまいますが、#1さんへ。ドコサヘキサエン酸・エイコサペンタエン酸の変換違いのようです。お気を悪くされたら申し訳ありません。
柿渋には詳しくないのですが、ポリフェノールの研究に関わっているので一応経験者です。長文失礼いたしました。
参考URL:http://www3.ocn.ne.jp/~biotop/kaki/kakitoha.htm
この回答への補足
>柿渋のポリフェノールのように複雑な物質では、さらに難しいと思います。
スイマセンが,ちょっと,読み直して思ったのですが,この文章は,あくまで推測ということで,柿渋(実・葉・樹皮)を考える場合,実際に実験してみると,意外に面白い結果が得られる可能性は少ないということでしょうか?個人的な感覚なのですが,分子量が大きくても,未研究?であるらしい柿渋であれば,意外と生体に取り込まれる可能性もあるのでは?と思っています。
柿渋のコストは安く,実験してみると案外,面白い結果が望める可能性がある気もするのですが,いかが思われますか?
先生が言うには,多分,柿渋の抗酸化作用に関する論文は無いといっていました。理由は,英語でkakiでも通じるくららしです。本当なのやら・・・だから,研究してもおしろいといってました。
長文で,柿渋には詳しくない中,わざわざ回答頂き感謝していますが,もし,柿渋について何かご存知でしたら,どの本・論文が元になっているのかも加えて教えていただけると,こちらで調べることもできると思いますので,本当にお手数ですが,教えていただければ幸いに存じます。
なるほど。私のように,化学に疎いものにも,分かる,素晴らしい説明ありがとうございます。
つまり,含有量が多かったり,実験室の中で抗酸化力が高いということが分かっても,実際に,ヒトの中に取り込まれた場合には,単純に比較できないということですね。
本当に,分かりやすい説明ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
#1 訂正です。
タンニンとカテキンは別物だそうです。でも両方ともポリフェノールだということです。
早速回答頂きありがとういただきます。
柿の場合,どんな化学構造をもっていて,どれがどの程度,抗酸化作用をもっているのかなあって思いまして・・・
経緯としましては,光学異性体の場合,一方は,毒で,一方は,なんかの薬になるなんて記憶しています。(どこかの医学?薬学系大学紹介パンフに書いてありました。)
ですので,多々ある,ポリフェノールでも,具体的に,どの構造のものがどの程度,抗酸化作用をもっているのかなあって思いまして・・・また,光学異性体よりも構造が違うポリフェノールですので,もっと差異があら割れるような気がして,健康にどうなの?って感じなのです。
どの構造が,どの程度体にいい,悪いってことを,
ご存知ではないでしょうか?
No.1
- 回答日時:
ポリフェノールというのは多価フェノールのことだそうです。
ですから、高度不飽和脂肪酸にもドコサヘキサ塩酸やエイコサペンタ塩酸などの複数の脂肪酸が含まれるように、ポリフェノールにも複数のフェノールが含まれるようです。柿に含まれるポリフェノール成分はタンニンと呼ばれる渋み成分です。このタンニンはカテキンと同一のものです。つまり緑茶ポリフェノールと同じものですよね。
ということは、柿とお茶の渋みを比べてみれば、如何に柿のポリフェノール含有量が多かが素人的にも解ります。でもたくさん食べると便秘しそうです。
参考URL:http://www2.odn.ne.jp/~had26900/constituents/wha …
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