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高濃度ビタミンC点滴療法をどう思いますか?

高濃度ビタミンC点滴療法はプラセボ効果以上のものがあるのでしょうか?
多くのサイトで高濃度ビタミンC点滴療法のすばらしさが語られています。
しかし、話がうますぎて、どうも私には信じられません。
理由を上げますと…

日本の企業や大学では研究されているという話を聞かない。
日本では開業医の方ばかりが率先してこれを取り入れようとしている。
さらにその治療費が私には高すぎると思う価格である。
「体に害のない「第三の抗癌剤」としてアメリカでは認められている」というのが本当なら世紀の大発見のはずなのに、今現在得に注目されている様子はなく、日本で大ニュースになったことも聞かない。
日本の国立がんセンターが取り入れていない。
根拠になっているとされる「分子整合栄養医学」という分野が謎。
ガン以外に線維筋痛症・脊椎管狭窄症・肩関節周囲炎・関節リウマチ、C型慢性肝炎, 慢性気管支炎, 慢性肝炎, その他慢性感染症、うつ病・統合失調症・ADHD・その他神経疾患、慢性疲労症候群、血液中のフリーラジカルが消去されていない・CRPが高い、お肌のはり、つやの改善、美白、風邪をひきやすい・歯肉出血・喘息発作・アレルギー・不安な気持ちになることが多いなどなんでもかんでも効果があるようにも謳われていること(ガンだけならまだわかりますが)。

などです。
ガンで他に打つ手がない場合に漢方やこうした代替医療や宗教の力がときにすごい効果を発揮することは私も知っていますので、その重要性はわかります。効果があったという症例があるのも、それはそうだろうと頷けます。

しかし、100歩譲ってガンに効果があるとしても、それ以外の効果や価格についてはどうでしょう?
医師の方はこれをどのように考えていらっしゃるか聞かせていただきたいです。

また、値段について補足しておくと、あるサイトによると
自由心療で 50gのビタミンC点滴療法の平均料金20,000円だそうです。

通常の点滴用ビタミンC製剤(1筒2g)が薬価82なので、50gなら単純に82の25倍で2050円。
薬価差だけで18000円ぐらい違います。

値段が高い理由としては、
通常の点滴用ビタミンC製剤は、防腐剤が添加されているため、されてないビタミンC製剤を海外より輸入しているということで高くなる様です。
さらに、「ビタミンC製剤は冷蔵で厳重に管理しなければならないので、アイルランドの工場から保冷コンテナで日本の医療機関に空輸しています。」という説明があります。

ここで思うことは、まず「ビタミンC製剤は冷蔵で厳重に管理しなければならない」というものではないはずだということです。もしそうなら、常温に置いたビタミンCが含まれている缶ジュースや瓶のビタミンドリンクは、ビタミンCが分解されてしまってることになってしまいます。

それから、多くの医療機関でやられているのなら、なぜ日本のメーカーに安く作ってもらわないのしょう?
私はこの辺は詳しくないのでわからないのですが、メーカーにとってもかなり利益があるように思うのです。単純に1筒2gに保存剤等の添加剤をいれて82円のものを作るより、保存剤なしで50gの瓶を作る方が利益が出るはずです。
日本のメーカーも医療機関もそしてなにより患者さんも、みんなが安くて助かるようになると思います。
そうならないのは、やっぱりなんだかんだ理由をつけて高く売りたいのかな~という気がします。

これらの意見の正しいところや間違っているところ、また補足など、解かる方詳しい方がいらっしゃいましたら教えていただきたいです。
どうぞ宜しくお願いします。

A 回答 (1件)

悪性疾患に対するビタミンC大量療法を最初に提唱したのは、ノーベル化学賞・平和賞を計2回受賞した、ライナス・ポーリングでした。

予防医療におけるメガビタミン理論(B1 B2 C を同量ずつ摂取)でも有名です。そういうわけでビタミン療法は数ある代替療法のなかでもインテリ信者が多いのが特徴です。
昔 わたくしが和訳した文献の一部をご参照下さい↓

http://www.gankeijiban.com/bbs/read/kenkoushoku/ …
「ビタミンC大量療法

ビタミンC大量療法はライナス・ポーリングによって癌治療として提唱された。
ポーリングは、ビタミンCで治療した患者は近隣病院のビタミンC治療を
供与されていない患者よりも長期生存したとする非無作為化治験報告を発表した。(文献9)
彼は「ビタミンCが癌に対する「宿主抵抗力」を改善する」と推測した。(文献10)
がん治療としてのビタミンCに圧倒的注目が集まったため。150人の進行がん患者に
ビタミンCか偽薬のどちらかを受ける無作為化治験が行われた。生存期間は両群とも短かった。
80%以上の患者は12週以内に死亡し、両群に有意差はみられなかった。(文献11
「以前に化学療法を受けて免疫能が低下しているかもしれない患者が含まれている、
そのため免疫メカニズムの改善によって作用する治療の評価が無効になった」
とポーリングは治験を批判した。そのため、前に化学療法を全く受けていない100人の
進行結腸直腸癌患者でさらなる治験が行われた。 結果はビタミンC群のすべての患者が2年以内に死亡し、
またもや両群に差が見られなかった。95%の信頼区間でビタミンCが生存期間を2
5%以上改善する可能性が除外された。(文献12)
近年、ある研究者らはビタミンCの静脈注射よりも経口の方が悪い結果をきたすかもしれないと論じている。(文献13)
しかしながら、一般にビタミンCは経口剤の形で代替がん治療として宣伝・販売されており、
科学文献の現在の状況では有益であるとするのは著しく不適当なようだ。」


文献11と12は最も権威有る医学雑誌 NEJMに掲載され、それぞれ150人・100人の大腸がん患者に対する前向き無作為二重盲検試験です。これ以上科学的統計学的に正確な方法は無い、そういう方法で否定されています。

ビタミンC信者はこの結果を受けて じゃあ経口摂取じゃだめだ 大量静脈注射だというわけです。
そうなるともう、文献9で教祖ポーリングが提唱した、そもそもの根拠である経口摂取と無関係になります。

実はいまだに癌研究者の中にも信者が居て、超大量静脈内投与で3人に効果があった、なんて論文もみたことありますが、文献11・12の信頼性には遠く及びませんし、そういう歴史的経緯があるからほとんどのがん研究者からは相手にされてません。

仮説としてがんの治療法を考案・提唱することは容易です。しかし、その効果を検証するには数十人から数百人のがん患者の命をもってしか検証する方法はありません。(もちろん 予備実験もしますが)
幸いにしてビタミンC療法は明確な根拠を持って否定されていますが、未だに検証されていない代替医療は多数あります。検証することなくして否定することは科学的ではありませんが、人の命を賭けて臨床試験で検証するからにはある程度の科学的根拠を固めておくべきであり、多くの代替療法提唱者はそういう手順を軽視していると思います。「圧倒的注目が集まった」から治験せざるを得ないとは尋常なはなしはありません。

参考URL:http://www.gankeijiban.com/bbs/read/kenkoushoku/ …
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この回答へのお礼

大変大変参考になりました。こんなにくわしく、本当にありがとうございます。

ライナス・ポーリングさんの発表は、やはり非無作為化の試験なのですね。
そして無作為化試験では、やはり結果がでなかったのですね。
そして条件を変えてやり直してもやはりダメだったと…。
しかし、それでまた
「じゃあ経口摂取じゃだめだ 大量静脈注射だ」
なんて…いったい何回やったら気が済むんだって思ってしまいますね。

>そうなるともう、文献9で教祖ポーリングが提唱した、そもそもの根拠である経口摂取と無関係になります

まさに、その通りですよね。それをいうなら権威づけの為に「ボーリング」の名前を出さないでほしいものです。

でも実際支持されてる方々も、結果はやらなくてもわかっているのでしょうね(やらないですし)。
最近の研究でも、
「高濃度ビタミンC点滴療法のがん患者QOL(生活の質)に関する前向き調査研究」
という、非無作為化の、しかもQOLを調査するなんていう、ある意味で「後ろ向き」な試験をやるみたいなんです。内容に自信のなさが出ている様な気がします。そんなものやらなくたってQOLが上がるにきまってますよね。
きっと「最新の研究でもQOLが上がったという報告がある」なんていう宣伝したいが為の試験なんでしょう。きっと数年後には「やっぱり驚くべき効果が!」などとネットにまた出るのでしょうね…。

>仮説としてがんの治療法を考案・提唱することは容易です。
>幸いにしてビタミンC療法は明確な根拠を持って否定されていますが、未だに検証されていない代替医療は多数あります。
>多くの代替療法提唱者はそういう手順を軽視していると思います

たしかにそうですよね。ビタミンC療法だけではないですものね。
ガンの方やその家族がもう打つ手がないと知らされると藁にもすがりたい気持ちになるのはとてもよくわかります。
しかし、そういう人の気持ちを利用して金もうけするのは許せないと思います。
そういう代替医療は、今現在保険のきく漢方薬だけで十分だな、と思いました。

なお、今すぐにでもベストアンサーに選ばせていただきたいところですが、もう少し色々な意見(特に出ないとは思いますが反対意見)が聞きたいのでしばらくは質問を受けつけたいと思います。
大変ありがとうございました!

お礼日時:2010/08/16 00:58

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