No.5ベストアンサー
- 回答日時:
NO.4です。
本題の時効の起算点について説明します。
損害賠償請求権の時効の起算点は、n_kamyi さんの回答のとおり、怪我をしただけの場合で、後遺障害が発生していない場合は、基本的に事故日が損害賠償請求権の時効の起算点になります。
ただし、民法上の時効中断事由には「承認」も含まれており、仮に加害者側から何らかの金銭の支払いを受けていた場合は、加害者が自分の債務の一部を支払うことで「承認」したと評価されることがあります。
また、後遺障害が残らなくても、形成治療や事故に起因する精神疾患の治療、感染症が発生した事例、頭部外傷の治療、子供の成長線障害や歯科矯正が必要な場合等は、事故発生から2~3年程度で終了しないケースもあり、画一的に2~3年で時効が成立するとは言えない場合もあるのです。
ただし、法的に相当因果関係が認められる治療の範囲は「症状固定」といって、治療効果が認められないと医学的に判断された時点になりますから、むやみに治療を継続していた場合には、症状固定日がさかのぼって認定されることもあります。
つまり、損害賠償上の時効の起算点は、その事例の特質によって、最終的には裁判所が判断することになります。
後遺障害が認定されたとしても、その症状固定の時期は別に判断されることもあり、医師が症状固定日を「◯年◯月◯日」と後遺障害診断書に記載しても、医師は症状固定という法律的概念を知りません。
従って長期治療の場合は、医学的な観点から症状固定日が個別に判断されることになり、事例しだいで時効の起算点が変わるということは、まま見受けられることなのです。
ただし一般論としては、あまりにも長期にわたった治療が行われた場合で、打撲・捻挫等の一般傷病の場合は、n_kamyi さんの説明どおりの評価がなされることになるでしょう。
自賠責保険の請求形態は、被害者請求と加害者請求という個別の請求権であり、その形態によって時効の起算点の考え方が違います。
保険請求権の時効の起算点は、一般的には事故発生の翌日からであって、被害者請求権に関しては、治療・交渉の途中で加害者が賠償金の一部の支払いを行った日が、自賠責保険の時効中断と評価されることはありません。
民法上では、時効中断事由に「承認」がありますが、自賠法上の時効中断事由に「承認」はありません。
また、法的に訴訟提起したとしても、訴訟提起(民法上の「請求」にあたり、損害賠償請求権の時効は中断される。)は、自賠法上の時効中断事由には含まれません。
高次脳機能障害と言われる怪我の場合は、ある程度の経過期間を見てくれますが、それ以外は被害者請求権の場合は、事故発生の翌日が時効の起算点となります。
つまり、自賠責保険の傷害部分の保険金請求は「症状固定日」からではありません。
これが困るというのであれば、各保険会社の自賠責保険窓口に「時効中断申請書」が準備されていますから、その手続きを行うことで、時効の危険を回避できるのです。
また、訴訟提起がなされた場合に、自賠責保険の被害者請求権等の時効を中断する方法としては、民事訴訟法上の訴訟告知という方法もあります。
後遺障害が認定された場合、自賠責保険の後遺障害保険金の請求は症状固定日の翌日が起算点となります。
結論として、自賠責保険の時効の起算点は、自賠責保険の担当窓口に確認することをお勧めします。
損害賠償請求権の時効の起算点は、具体的な事例を法律の専門家たる弁護士に相談する必要があります。
実際に訴訟等の実務を行っていない人の意見を、そのまま信用することは極めて危険ですので、ご注意下さい。
No.6
- 回答日時:
他の回答者の方が十分に補足をしていただけましたので、不要かと思いますが、弁護士の見解が書かれたURLを記載しておきます。
http://www.asahi-net.or.jp/~zi3h-kwrz/law2koujji …
あくまでご質問者の質問である、保険請求に関する時効起算日は前述の回答通りです。
補足としては上記URLを参照して下さい。
私の回答を誤りと指摘している方は、「保険請求にかかる時効」と「損害賠償における時効」を混同されていると思われます。
両者は似て非なるもので、考え方がまるで違うので注意が必要です。
No.4
- 回答日時:
色々な回答が出ていて、質問者さんもどれを信じて良いのかとまどうと思いますが、大切なことは「損害賠償請求権の時効」と、「一般債権の時効」、「保険金請求権の時効」とを混同しないように注意しなければなりません。
質問は「時効の起算点」ということですが、これらを区別して考えるようにしないと、誤った理解をしてしまうことになります。
損害賠償請求権の時効は、「被害者またはその法定代理人(親や後見人)が、損害の発生したこと及び誰が加害者かを知ったときから3年、損害及び加害者を知らない場合は事故発生後20年」が正しい規定です。
損害賠償上、判決や示談(民事上の和解契約)等で、損害賠償の価格が決定されると、損害賠償請求権は消滅して、一般債権に変化します。
一般債権の請求時効は10年であり、示談が終了してから3年で請求権が時効で消失するという考え方は間違いです。
これに対して保険請求権の時効とは、請求する保険の種別や設けられている規定に拘束されます(商法等の規定に拘束されています)。
最近の保険法の改定や自賠法の改定も行われており、保険金請求権の時効は事故発生日によって2年であったり、3年であったりします。
自賠法上の自賠責保険金の請求形態は、主に加害者請求と被害者請求に区別されます。
一般的に今年の4月以前の事故に関しては、任意保険も保険金請求権の時効は2年となっています。
間違わないようにして欲しいのは、今年の4月以前の事故に関しては、2年経過すると自賠責保険等の保険金請求権は消滅しますが、損害賠償請求権の時効は保険金請求権の時効に影響されません。
時効の起算点から2年以上経過すると相手方に請求ができないかというと、そうではないのです。
つまり、保険が請求できないとしても損害賠償を請求する権利まで消失するのではなく、加害者本人に請求することは、損害賠償上の時効が成立していない限り法律的に見ても可能なのです。
事故日から2年以上経過し、自賠責保険等の被害者請求権が消失している事案であっても、公訴時効確定前に訴訟提起がなされている事例は多数存在します。
保険金請求権の時効は、時効の起算点から2年以内に保険金の請求をしてくださいという意味だと考えてください。
また、自賠責保険の加害者請求権の時効が「賠償金の支払いを行ってから」とされるのは、民法上の時効の援用を考慮した規定です。
時効とは、債務者が時効を主張して初めてその効力が生じます。
時効が成立した事例でも、加害者が時効を主張しない限り、時効の効果は生じません。
時効を主張するか否かは、加害者(債務者)の自由な判断にゆだねられます。
これを「時効の援用」と言います。
こうした性質を考慮して、債務者側が被害者請求権の時効成立の如何に関わらず損害賠償金を支払った場合は、自賠責保険の加害者請求権は消失せず「加害者が賠償金を支払ってから、2年や3年が経過すると自賠責保険金の請求権が無くなりますよ」と、規定しているだけなのです。
ちなみに自賠責保険や任意保険の保険金請求権の時効は、今年の4月1日以降に発生した事故の場合は3年で、それ以前の事故の場合は2年です。
こうした時効の問題が質問に上ると、自賠責保険や任意保険の請求時効を損害賠償の請求時効を混同している回答に出会います。
加害者との訴訟・示談が成立した後の請求権は、2年または3年だと勘違いしいている回答がありますが、その2年または3年という規定は、確定した保険金を支払った加害者が自賠責保険に請求する場合の時効を意味しています。
質問者さんが被害者の立場で加害者と示談を取り交わしたり、裁判所から判決をもらった後の決定額を加害者に対して請求する場合の時効は、あくまでも10年になります。
そして、確定額の支払いがなされない場合は、交通事故等の損害賠償請求ではなく、債務不履行として再度請求を10年以内に起こせばよいと言うことになるのです。
損害賠償上の時効の起算点については様々な学説があり、訴訟等に発展した場合は、それぞれの事例の特殊性を検討されて裁判官が決定するため、絶対にこの日が起算点になると言うようなものではありません。
保険金請求権の時効と損害賠償請求権の時効は、全く同一ではないと言うことに注意してください。
詳細は、別に欄に補足します。
No.3
- 回答日時:
No.2さんの回答はおおむね的を得ていますが、正確には次のようになります。
【任意保険】
自動車保険など【損害保険】の保険金請求権の「時効」は、一般的には2年。その拠りどころとなるのは、商法上の規定(第663条)です。
保険契約の際に交付される「約款」には、商法と異なる部分について明記されますから、生命保険のように「時効」を3年に延ばす場合には、約款内に時効の年限を記載しなければなりません。記載がない場合には、商法の規定が適用されます。
時効の起算日は、
・賠償責任保険金…判決・和解・調停・示談が成立した日の翌日
・死亡保険金…被保険者の死亡日の翌日
・後遺障害保険金…被保険者の症状固定日の翌日
・傷害保険金…被保険者が医師等の治療を必要としない程度に治った日(または症状固定日)の翌日
・車両保険金…事故日の翌日
しかしながら、原則として事故発生後ただちに保険金の請求を行わなければならない旨が約款には日数入りで明記されている点にあります。たとえば、自動車保険では60日以内(原則)に、保険事故の発生を保険会社に通知しなければならない旨が、契約者の義務として一般に記載されています。
その理由は、損害保険では生命保険とは異なり、実損害をてん補するしくみのため、損害の査定が必要だからです。保険事故が発生してから相当の期間が経過した後では損害調査等が難しくなり、適正な保険金支払いに支障が出ます。従って、たとえ時効内の期間であったとしても、ケースによっては支払いを拒否される可能性も無いとは言えないことに注意が必要です。
【自賠責保険】
自賠責保険に関する「時効」は、2010年4月1日以降に発生した事故は3年、それ以前の事故は2年です。ただし、保険金を請求するのが「加害者」なのか、「被害者」かによって、時効の起算日が異なります。
・加害者請求…被害者に賠償金を支払った日の翌日。(示談日ではありません。示談前に、被害者の治療費を病院に支払ったら、その治療費分は支払い日の翌日からカウントが始まります)
・被害者請求…事故の翌日。ただし、死亡事故の場合は死亡日の翌日、後遺障害が生じた場合は症状固定日の翌日(自賠法第19条)。
つまり、被害者請求においては、傷害部分は事故日の翌日から起算して3年(または2年)で時効となりますが、後遺障害部分は症状固定日の翌日から起算して3年(または2年)で時効となります。
支払い限度枠も傷害部分は120万円ですが、後遺障害部分は等級により傷害部分とは別枠で75万円から4000万円となっています。
ひき逃げや無保険車の事故の際には政府保障事業へ請求できますが、この場合は事故日の翌日です。
なお、自賠責保険への保険金請求権と、交通事故による損害賠償そのものを請求する権利(損害賠償請求権)の時効は異なっています。民法724条の規定によれば「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。」となっていますので、通常は事故のときから3年です。ひき逃げに遭って犯人が捕まったのは5年後だったというようなケースでは、20年までの規定が適用されて犯人逮捕時に損害賠償請求権を使うことができます。
交渉が長引いた場合などでは「時効中断申請書(用紙は保険会社にあります)」という書類を加害者側の保険会社に提出し、承認をもらうことによって時効を中断することができます。
No.2
- 回答日時:
他の回答は誤りで、事故日とは限りません。
時効の起算日は損害の発生を知った日ですので、
保険金の請求形態により時効の起算日は異なります。
任意保険で相手と示談した後に保険請求するなら示談日が
損害の発生を知った日(時効の起算日)となります。
でないと、事故日を起算日にすると、事故日から5年後に
示談解決したら3年の時効で保険請求できなくなるといった
矛盾が生じます。
自賠責では被害者請求ですと、例えば治療費の請求なら
治療費を実際に支払った日が起算日となります。
示談後の加害者請求なら上記任意保険のとおりです。
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