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フィラメントからの放出電子の数を求めたい

フィラメントにある決まった電流を流したとき、そこからどれだけの電子が放出されるかを計算によって求めたいと考えています。
既知の条件は、フィラメントの材質・形状、そこに流す電流だけです。
ここから放出電子数を求めることは出来るでしょうか。

この分野については全くの素人なので、とりあえずインターネットでいろいろと検索しました。
それで今のところ分かったことといえば、「Richardson-Dushmanの式」と呼ばれる温度と放出電子密度の関係式があることです。
これを基準にして考えると、

[電流]
 ↓ ・・・(1)
[温度]
 ↓ ・・・(2) Richardson-Dushmanの式
[電子密度]
 ↓ ・・・(3)
[電子数]

と、段階を踏んでいけば求められそうな気がします。

(1)については、電流と抵抗が分かれば電力が得られ、比熱と質量が分かれば熱容量が得られるのでここから温度変化率が得られそうな気がするのですが、自信がもてません。
(3)については、電子の速度分布が分かれば数に直せそうな気がします。

この一連の考え方は正しいでしょうか。
正しいのであれば、(1)(2)(3)について助言をいただけないでしょうか。
あるいは、他の考え方がありましたらお教えください。

直接の答えでなくとも、参考になりそうな文献を紹介していただけるだけでも助かります。
よろしくお願い致します。

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A 回答 (3件)

電離真空計や二極管の動作をお調べになっているのでしょうか。


「電流→温度→電子密度→電子数」という流れは間違ってません。
ただし、温度→電子密度 の計算では、ANo.1 さんがご指摘のように、電子を引き出すための電界を考慮する必要がありますが、電界が充分大きいとしたときの熱電子密度は求められます。順番に説明していきます。

(1) 電流→温度
熱容量が関係するのは過渡応答を考える場合で、定常状態では熱容量は関係ありません。
フィラメントに加えた電気的なエネルギーが全て電磁波(光や熱)として放射されると仮定すれば、投入電力と輻射のパワーが等しいとして
    S*ε*σ*T^4 = R*I^2 --- (1)
という式が成り立ちます。S はフィラメントの表面積 (m^2)、ε は放射率(無次元)、σ はステファン・ボルツマン定数(=5.6704×10^-8 W/m^2/K^4)、T は温度 (K)、R は電気抵抗(Ω)、I は電流(A)です。フィラメントの抵抗率 ρ (Ω・m) が温度に依らず一定であれば、式(1) からフィラメント温度 T とフィラメント電流 I の関係は簡単に計算できます(実際には温度依存があるので、I から T を計算するには数値計算が必要) 。

(2) 温度→電子密度
英語ですが、真空管の動作原理を詳しく解説した書籍(http://www.pmillett.com/tubebooks/Books/chaffee. …)が参考になります。そののPDFファイルの85ページの式(23)
   Is = A*T^2*exp( -b0/T ) --- (2)
が飽和エミッション電流密度(A/cm^2)の式です(Richardson-Dushmanの式)。定数 A 、b0 はフィラメント材料によって異なり、その値は、PDFファイルの91ページの表II にあるように、タングステンでは
   A = 60.2×10^5 A/cm^2/K^2、b0 = 52400 K
となります(書籍で使用されている長さの単位が m でなく、cm となっていることに注意)。

ただし、フィラメントが発熱しているだけでは電子は放出されません。ANo.1 さんがおっしゃるように、電界をかけないと熱電子を外部に取り出すことはできません。式(2)は電界をかけたときの最大電流(理論的に取り出せる電流の最大値)です。電界強度を Ep (V/cm) としたときに、フィラメントから放出される電流密度(空間電荷制限電流密度)は、PDFファイルの96ページの式(40)
   I (A/cm^2) = 2.336×10^(-6)*Ep^(3/2)/d^2 --- (3)
で表されます(この I は式(1)の I とは違います)。d はフィラメント(カソード)からプレート(アノード)までの距離(cm)です。したがって、式(2)の Is>式(3)の I となるような電界強度 Ep と電極間距離 d を満足させないと式(2)の電流密度を引き出すことはできません。

(3) 電子密度→電子数
式(2)の電流密度 Is にフィラメントの表面積 S (cm^2) をかければ電流になります。1A(アンペア)の電流というのは、1秒間に 1C の電荷が移動しているということなので、電子の電荷を q (C) 、1秒間に移動する電子の数を N (個/s)とすれば
   Is*S = q*N
   → N = Is*S/q
となります。q = 1.602176487×10^(-19) C です。

この回答への補足

ありがとうございます!
計算式まで書いていただいて、とても助かります。
参考文献のpdfもすごいですね、これ。
とりあえずは教えていただいた情報をもとに改めて考えてみます。
追加質問をすることがあるかもしれませんが、よろしければそのときはまたお付き合いください。

> 電離真空計や二極管の動作をお調べになっているのでしょうか。
原理的には同じ話ですが、どちらかというと電子衝突による原子構造の調査に使うような電子銃の類を調べています。

補足日時:2010/10/04 13:08
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ANo.2 に間違いがありました。


× A = 60.2×10^5 A/cm^2/K^2、b0 = 52400 K
○ A = 60.2 A/cm^2/K^2、b0 = 52400 K
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>既知の条件は、フィラメントの材質・形状、そこに流す電流だけです。


>ここから放出電子数を求めることは出来るでしょうか。

無理です。熱電子放射のことをおっしゃっていると思うのですが、電界(バイアス電圧)がないと電子の放出はありません。

>直接の答えでなくとも、参考になりそうな文献を紹介していただけるだけでも助かります。

真空管の動作原理について書かれた本やサイトを探されると良いかと思います。

この回答への補足

回答ありがとうございます。
うっかりしていました。ご指摘の通り、バイアス電圧も印加しますので、既知の条件として加えさせてください。

日本語の本やサイトは結構な数を当たったと思っているのですが、定性的な説明が多く、定量的なものを見つけられません。
思い当るところがあるようでしたら、具体的に教えてください。お願いします。

補足日時:2010/10/02 14:40
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Aベストアンサー

二極管は、熱電子放出によりカソード(陰極)からプレート(陽極)に到達します。このとき、放出される熱電子の密度が小さい場合(プレート電圧Vpに比べてカソードの温度が低い場合)、陰極から陽極の電界分布は直線的となり、途中の空間に熱電子が溜まることなく全て陽極に達します。このときの電流密度は、カソードの温度で定まるため、温度制限電流と呼ばれます。
J=AT^2e^(-eφ/kT)

J:電流密度
A:定数 4πmek^2/h^3
T:絶対温度
φ:仕事関数

次に、放出される電子の密度が大きい場合(プレート電圧Vpに比べて、カソードの温度が高い場合)、電子は全部、陽極に到達できずに空間に溜まってしまう(空間電荷)。(詳しくは、参考URL)このときの電流は、温度によらず空間電荷の電界(プレート電圧Vp)によって定まるので空間電荷制限電流と呼ばれています。
Ip=GVp^(3/2)

G:パービアンス(電極によって定まる定数)

尚、似たようなもので、半導体ではPN接合付近に出来る空乏層(空間電荷領域)があります。

参考URL:http://www.k3.dion.ne.jp/~tapooh/kyoto-u/papers/phys-exp/phys-exp10-thermoelectron.pdf

二極管は、熱電子放出によりカソード(陰極)からプレート(陽極)に到達します。このとき、放出される熱電子の密度が小さい場合(プレート電圧Vpに比べてカソードの温度が低い場合)、陰極から陽極の電界分布は直線的となり、途中の空間に熱電子が溜まることなく全て陽極に達します。このときの電流密度は、カソードの温度で定まるため、温度制限電流と呼ばれます。
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