
DNA電気泳動で困ったことが起こっています。
環状プラスミドの状態では目的バンドよりも2000bpくらい低い位置にバンドが現れるので、
おかしいおかしいと騒いでいたのですが、制限酵素処理をすると、正しい位置にバンドが現れ
ます。
これってどういう現象なのでしょうか。
経験のある方いらっしゃいますか。
ちなみに、制限酵素処理の何が影響しているのがわからなかったので、
(1)ただ単にサンプルを37℃でインキュベートしたもの、
(2)サンプルにH-buffer(Bam/Eco用)を加え、37℃インキュベートしたもの
(3)サンプルにH-buffer,BamHI,EcoRIを加え、37℃でインキュベートしたもの
(4)TEに溶解しているDNAをインキュベート無しのもの
と、並べて泳動した結果、(3)のみバンドの位置が正しく、他は2000bp程度低かったです。
環状と鎖状の違いでしょうか。
まったく分からなくて困っています。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
非常に初歩的、常識的な現象です。
無傷のプラスミドは、スーパーコイル(supercoil)あるいはccc (covalently closed circular)と呼ばれる状態を取ります。これはプラスミド全体がぞうきんを絞り上げるようにねじれ上がって、コンパクトになっているので、同じ分子量の線形のDNAよりゲル電気泳動での移動度が大きくなります。泳動条件(バッファー組成、EtBrの有無など)やプラスミドの種類やサイズにもよりますが、移動度はおおよそ線形の倍くらいです。
cccにニック(二重鎖のある位置で、片側鎖のみ切れる)が生じると、OC (open circular)という状態になります。これは環状構造は保たれているけれど、スーパーコイルにはならず広がっています。分子の嵩が大きくなるので移動度は小さくなり、通常、同じ分子量の線形DNAよりやや遅くなります。
ウェブ検索すれば、このような解説や、泳動像の例は無数に見つかると思います。
formの異なるDNA同士では、移動度に基づいて分子量の比較はできません。
通常、分子量マーカーは線形なので線形DNAの分子量推定しかできません。
特殊な製品として、ccc プラスミドのサイズラダーなんかもあります。
丁寧な指導ありがとうございます。
もっとしっかり勉強しようと思います。
やっと次の実験に進めます。
ほんとうにありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
No1の方の答えの通りです。
また、環状プラスミドが直鎖状プラスミドよりどれだけ速く流れるかは電気泳動の条件によって変わってきます。通常のDNAマーカーは直鎖状DNA用です。環状プラスミドを制限酵素で切断することなくサイズを推測したかったら、サイズのわかっている環状プラスミドを並べて泳動して比較することは出来ます。
ところで、こういう電気泳動の基本的なことを指導してくれる人がすぐ近くにいないのは困ったことですね。
ありがとうございます。
自分の研究室は細胞を主に扱っていて、遺伝子工学に精通した人がいません。
電気泳動の結果も、自分のやり方が疑われていましたが、やっと理解できました。
サイズが不確かなまま次に進めないので、実験がストップしてしまっていたので
ようやく前に進めそうです。
No.1
- 回答日時:
環状だとDNA分子が小さくまとまっているので、直鎖状の時よりもゲルを早くすり抜けます。
マーカーは直鎖状DNAなので、マーカーと比べると低い位置にバンドが見えることになると思います。
この回答への補足
ありがとうございます。
自分もその可能性は考えてはみたのですが、500~1,500くらい大きさにずれが出るのですが、
そのくらいの差はあるものなのでしょうか。
個人的には、そんなに差があると、マーカーとしての役割を果たすのだろうか・・・
と、疑問に思ってしまいました。
overthisgrayskyさんのご経験としてはどのくらいでしたでしょうか。
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