No.5ベストアンサー
- 回答日時:
>アメリカの下院は野党共和党が多数を占めました。
日本なら、衆議院の多数党から総理大臣が選ばれます。アメリカも下院で共和党が多数なら、大統領の出す法案は一本も通りません。日本なら内閣は総辞職します。
まずは、米国の大統領制と日本の議院内閣制の違いを理解しましょう。
米国の大統領制と日本の議院内閣制は、同じ民主制システムであっても、対極にあるシステムです。
議院内閣制は、議会(立法府)の中から指名された議員が首相(内閣総理大臣)に指名され、その首相が各省庁(行政府)のトップを指名し内閣を構成します。
議会(国会)は、国民の選挙によって選ばれた人々で構成されます。
現代民主主義では、自分たちと主義思想・利害などで結びついた人々が政党を構成し、そうした背景も含め国民が各議員を選ぶことになります。
そのため、「数の論理」から当然最大勢力になった政党(与党)から内閣が組織されることとなります。
ただ、日本は二院制をとっており、衆議院と参議院は別々に選ばれます。
そのため、衆議院と参議院で「与党」が入れ替わるという「ねじれ」が起こる事があります。
法案政策について触れると、衆議院で与党が3分の2以上の議席を占めていれば、「衆議院の優越」が行使できますが、それ以下であった場合、与党と野党はそれぞれ歩み寄らなければ政治空白が生まれることとなります。(今、まさに起こりつつあることです)
一方米国の大統領制は、大統領を国民が直接決めることになります。
当然、その大統領が国会議員である必要はありません。
ただ、現実問題として政党の組織力が得票に直結するので、事実上は民主党か共和党の党首が大統領に選出されることになります。
また、大統領は「行政権」のトップであり、「立法権」のトップではありません。
そのため、大統領には「法案」を提出・決定する権限はありません。
つまり、「行政権」は「大統領」に、「立法権」は「連邦議会」にというように厳然とした区別が存在します。
大統領には「法案」提出の権限が無いと書きましたが、「~~の法案作ってね」と「議会」にお願いすることはできます。
それが、1月に行われる「一般教書演説」というヤツです。
出身政党が議会を握っていれば、この路線にそって「議会」は法律を作っていき大統領のやりたい政策が実現することとなります。
しかし、議会が出身政党とは逆の政党であった場合に「ねじれ現象」が起こることとなります。
ちなみに、「立法府」である議会が決定した「法律」は、大統領の承認が必要となります。
言い換えれば、大統領には法案を拒否する権限(拒否権)があります。
こうなると、大統領(行政府)と議会(立法府)が激しく対立しあい、政治空白が生まれることとなります。
とはいえ、米国は長い民主制の歴史の中で何度か同じような状態を経験しています。
確かに、大統領の指導力も落ち極端な政策はやりにくくなりますが、互いに妥協点を見つけながら次の大統領選挙までの2年間を切り抜けることになります。
その結果、見事に逆転し2期目の政権を勝ち取った人もいます。(ビル・クリントンとか)
また、米国の政党は日本みたいに「党議拘束」などは緩く、議員一人一人が是々非々で判断する場面の方が多いです。
そうした点もあり、政治空白は起こらない(起こることはきわめて少ない)ようです。
ではでは、参考になれば幸いです。
アメリカの政治について丁寧な説明をいただきました。大きな国なので国家の意思決定も大変です。日本の政治とはずいぶんと変わっています。考えると難しいと思います。
丁寧な回答に感謝申しあげます。
No.2
- 回答日時:
はっ、はっ、はぁ。
日本の与えられた民主主義と、米国の勝ち取った民主主義を同列で見てますね。クスッ。これは米国に失礼ですよ。日本はまだ幼稚な民主主義です。
自主的な民主主義を創ることを拒否してきた国と同列で見てはいけない。
新聞をよく読めば、オバマさんも議会も政治が機能するよう、すでに動いているではないですか。
だいたい任期途中で政権のトップが投げ出して辞めちゃうなんてありえないんですよ。
それと指導力は議員の数で決まるものではありませんよ。日本の森さんと小泉さんの例でも
解るでしょ。森さんは多数の議員が押していましたが小泉さんは少数で頼りは国民でした。
森さん何かやりましたっけ。
大変だからって投げ出す指導者は米国にはいませんから心配要りません。
日本は明治の議会体制に米国や英国の民主主義を着せただけで、中身がない。だから
今は衰退している。米国の心配より、日本です。早いこと先進国としての民主主義を
確立して復活を考えましょうよ。
アメリカの政治について丁寧な説明をいただきました。大きな国なので国家の意思決定も大変です。日本の政治とはずいぶんと変わっています。考えると難しいと思います。
丁寧な回答に感謝申しあげます。
No.1
- 回答日時:
アメリカではこのようなことが初めてではありません。
最近ではクリントン政権のときに中間選挙で大負けして
議会が逆転しましたが、その2年後の大統領選挙では再選されました。
レーガンも負けたのに2年後再選されています。
アメリカではたとえ議会で政権党が多数でなくても
みんなで国の政治を案じ妥協点を探しながら
ちゃんと機能していくのです。そこがアメリカ。
日本のように権力争いのために国会は止める、
政治は動かない、国益がどんどん損なわれていく
などと言うことはありません。
今後オバマさんも共和党と妥協点を見出しうまくやっていくでしょう。
共和党にしても無理難題は吹っかけず、大統領と言う国民に選ばれた人ですから
そうそうないがしろにしません。
権力闘争より前に進むことを大事にするのがアメリカなのです。
このたびの敗因はなんと言っても雇用回復できなかったこと、
社会福祉(医療保険など)を推進しようとしたことの二つです。
大統領は前者については共和党の意見も聞き入れ、つまり方法論ですから
この方法については共和党の意見を参考にして雇用の回復を
図っていくでしょうし
医療保険はあきらめるとおもいます。
なぜかって、このたびの選挙で国民はこれが必要ないと判断したからです。
当然国民の意見が優先されるアメリカですから医療保険
はこの政権では行わないのが普通です。
今後アメリカ国民が受け入れ、賛成する政策を次から次へと
打って出れば、大統領の再選もありえます。
国民が賛成する政策に共和党も表立って反対はしません。
日本の社民党や共産党とはだいぶ違います。
「なんでも反対」はしません。
それがアメリカ人の基準に合っている政策なら共和党であれ
民主党であれ賛成します。
そういうところはいい国ですね。
日本なら野党は屁理屈こいてどんな政策でも与党の政策に反対しますが、
いいものはいい!と言える国なのです。
党議拘束など一切ありませんから反対票を与党でも入れることができるし
逆に賛成票を野党の一員が入れることもできます。
ですので、一時的に速度は鈍りますが(方向返還時の混乱で)
アメリカの政治が止まったり政権を運営できないなんていうことは
ありえないのです。
それだけ愛国心が強烈であり、そのアメリカのために働くのが好きな人種なのです。
(日本人はお金のためだけに働き、国のためなどと言う概念は
政治家にも役人にも、一般庶民にさえありません。
愛国心などとういう言葉を言うとすぐに右翼だ、戦争やる気か、
などとワケのわからんことを言い出すバカがたっくさんいます)
というわけで安心して見ていてください。政策の変更はあるにせよ
今の日本のようにめちゃくちゃにはなりません。
アメリカの政治について丁寧な説明をいただきました。大きな国なので国家の意思決定も大変です。日本の政治とはずいぶんと変わっています。考えると難しいと思います。
丁寧な回答に感謝申しあげます。
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