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OPアンプを使った絶対値回路について

「定本 OPアンプ回路の設計」を読んでいます。

入力の絶対値を出力する回路として、
下図のような回路が載っていました。
しかし、回路動作が全く書かれていませんでした。

どのように動作することによって、
絶対値回路として機能するのでしょうか?

よろしくお願いします。

「OPアンプを使った絶対値回路について」の質問画像

A 回答 (4件)

この回路は巧妙ですね。

「定本 OPアンプ回路の設計」には見つからないのですが何ページでしょうか?
添付すのように、入力電圧(Vin)が正と負の場合に分けて考えるといいです。図の赤字は電圧、青線は電流の向きです。

【 Vin > 0 の場合 】
上側のオペアンプ(U1)の非反転入力(+)は 0V に固定されていて、Vin > 0 のときは反転入力(-)が正になるので、U1 の出力には負の電圧が発生します。すると、D1 だけが導通し、D2に は逆バイアスがかかって電流が流れないので、D2 は存在しないものとみなせます(そのため添付図ではD1のみ描いてあります)。D2 が導通していなくても、反転入力と出力間は D1 で負帰還がかかっているので、「バーチャルショート」が成り立ち、反転入力と非反転入力の電圧は同じ 0V になります。このときこの回路は、0V に保持されている反転入力から R2 を経由して出力(C点)につながっているだけです。つまり、U1 の回路は反転増幅器ではなく、反転入力(-)の電圧をいつも 0V に固定しているだけの働きをしています。 したがって U1 の回路だけでは出力電圧は決まりません。出力電圧を決めているのは下側の U2 の回路です。

U2 では、非反転入力(+)に Vin が入力されているので、出力電圧は Vin と同じ符号になります。Vin > 0 のとき U2 の出力も正の電圧になるので、導通するのは D4 だけになります(D3 は逆バイアスになる)。U2 の出力が D4 につながり、D4 が R3 がつながっていて、R3 が U2 の反転入力につながっているので、この回路は電圧利得 1 のバッファになります。分かりにくいかもしれませんが、オペアンプの入力端子にはほとんど電流が流れないことを考えると、R3 による電圧降下はほとんどない、つまり R3 の部分が短絡しているのと同じだと考えると理解できると思います(R3 に精度が要らないというのは、R3 の値が変わってもバッファとしての働きに影響が少ないということ)。この回路が普通のバッファと違うのは、オペアンプの出力に D4 がついているところです。このため、オペアンプの出力電圧は、 Vin に D4 の電圧降下 Vf を加えたものになります(図の 0.6V というのが Vf になります)。このように、 U2 の働きによって、C点の電圧は常に Vin と同じに保持されているので、Vin > 0 のときの出力は Vin になります。添付図の下の波形は回路シミュレーションの結果(R1 = R2 = R3 = 1kΩ)ですが、A、B、C点の電圧の大小関係が分かると思います。

【 Vin < 0 の場合 】
このとき、U1 の出力電圧は正になるので D2 だけが導通します。その状態では U1 の出力は D2 と R2 を通って反転入力端子に帰還されているので「バーチャルショート」が成り立ち、反転入力と非反転入力の電圧はやはり同じ 0V になっています。したがって、出力電圧は -(R2/R1)*Vin になります。つまり、Vin < 0 のときの U1 部分の回路は反転増幅回路として働いているので、出力電圧はそのまま -(R2/R1)*Vin です。

このとき U2 は何をしているのかというと、Vin < 0 のときと同じバッファになっています。ただし、Vin > 0 で U1 の出力電圧 < 0 なので、D3 だけが導通した状態です。この状態でも、反転入端子と出力端子間には帰還経路が形成されているのでバッファになります。しかし、出力(C点)とU2 の間には R3 があるので、U1 と U2 は切り離された状態になっています。R3 があろうがなかろうが、U1 の働きによって、出力(C点)の電圧は常に -(R2/R1)*Vin に維持されているからです。R3 の値が変わっても出力電圧に変化が少ないので R3 の精度は要りません。しかし、R2/R1 で出力電圧のレベルが決まるので、理想的な全波整流とするには、R2/R1 = 1 とする必要があります(R2/R1 の精度は必要)。
「OPアンプを使った絶対値回路について」の回答画像4
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この回答へのお礼

回答いつもありがとうございます!
お返事遅れて大変申し訳ありません。
いつも丁寧な回答、解説本当にありがとうございます。

なるほど、D2が貫通していなかったら、U1は反転増幅回路として
機能しないのですね!
そこが理解できていませんでした。
大変参考になりました
ありがとうございました!

お礼日時:2010/11/09 22:28

上半分と下半分を別々に考えれば、絶対値回路としての理解できると思います。


此処で細部を説明するよりも下記のサイトを参照ください。

オペアンプの質問が多いようですが、下記のサイト全体は参考になりませんか?
基本的な部分から応用範囲まで解説が充実しており、一読する価値のあるサイトと思います。
絶対値回路
http://wave.iobb.net/doc/opamp/3.html#_Toc398540 …
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この回答へのお礼

お返事おくれました。
回答ありがとうございます。
そのサイト非常に役に立ちそうですね。
参考にさせていただきます。

お礼日時:2010/11/09 22:23

上の回路は増幅度-1(R1=R2)の反転アンプ ⇒Vout=|-Vin|


下の回路は単なるバッファーで、増幅度1の非反転アンプ ⇒Vout=+Vin
±Vinの基準は上のアンプの+端子(接地)で、Voutの基準も同じ。
ダイオードは二つのアンプの出力間での電流を阻止している。

上と下のアンプを切り離して単体で考えればよい。
その出力を結合した時の出力電流回り込みをダイオードが防いでいる。
ダイオードは帰還回路内にあるのでダイオード電圧の誤差は表(出力点)には出ない。
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この回答へのお礼

なんだか回答が難しくてよくわかりません(汗)
勉強がまだまだ足りないのですね…
回答ありがとうございました

お礼日時:2010/11/09 22:26

実際に適当な値を入れて、正電圧、負電圧を入れて計算してみればいいと思います。



いずれも負帰還が掛かってますので仮想ショートの考え方を使えば問題無いはずです。


まあ、ざっくり説明すると、ダイオードの効果で、出力側では正の電圧が支配的で、負の電圧はそこの手前の小さいループで状態が決まる感じですね。
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この回答へのお礼

計算してみたのですが、
計算の仕方が途中でわからなくなったので質問させていただきました。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2010/11/09 22:24

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