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生命は単純な偶然の積み重ねで誕生したんですか?

私は科学知識が乏しいので稚拙な表現でしか質問出来なくて申し訳ないんですけど、生命は色んな元素が混ざったり分解したりの繰り返しが何十億年も続いた結果、偶然生まれたんでしょうか?

それとも何か目的があって必然的に生命は生まれたんですか?(科学の立場からはこちらの答えは有り得ないとは思いますが…)

もし前者が答えだとしても、人間の様な超複雑な生命体が、元素のランダムな離合集散の繰り返しで偶然生まれるとは信じ難いものがあります。

それとも、何十億年という時間をかければ、どんな奇跡的な偶然も起こり得ると考えるのがやはり正しいのですか?

A 回答 (9件)

>生命は単純な偶然の積み重ねで誕生したんですか?



この偶然の役割に付いて、1970年代以降とそれ以前の人々の認識とでは、決定的に違った事が明らかになっています。それ以前は、単純にコインを投げ上げて表かるか裏の出るかの確率をそのまま巨大分子に適用して考えていたので、RNAやDNAなどの複雑な分子列が偶然から出来上がる確率は桁違いに小さしと考えられていました。その結果、それは奇跡や、あるいは人事を超えた特別な意思を持った存在がないと理解できないくらい稀な事象だと信じられていました。

ところが、1970代に非平衡熱力学に於ける「散逸構造の理論」が出て、それまでの考え方を完全に覆してしまったのです。そして、それが正しいことが数限りない事例で確認され、1977年にその理論を提唱したイリヤ・プリゴジンはノーベル賞を受賞しております。

実は、熱平衡状態から十分い離れた非平衡状態では、数学で言う非線形効果が働いて、全く新しい構造が物理学の法則に矛盾する事なく、単なるコイン投げの確率とは桁違いに高い確率で出現できる事が明らかになったのです。

大抵の場合、そのような事象が現れる場合には、右か左の二つの可能性があり、そのどちらを選ぶかは、コイン投げと同じ確率に成るのですが、孰れにしても、左右そのどちらかに移行した場合には、前と違って高度な構造を持つようになります。その右か左に行くと言う過程を分岐と言い、その確率的な遷移を論じる学問を「分岐の理論」と言います。そして、その分岐を繰り返しながら、自然界は1970年以前単純な確率過程として予測されていたよりも、桁違いに早い速度で進化している事も解って来ました。

しかし、その分岐のどちらが選ばれるかは本質的に確率的なのです。従って、どんな精密な物理学でも、各分岐点で今後右に進化するか左に進化するかの予測は出来ません。その結果、この世には、同じ出発点か始まってもチョウチョウが出て来たり、あるいはトンボが出て来たりして、多様な世界が出来上がって来ているのだと言うことが、現代物理学で明らかになったのです。

ですから、生物の世界は偶然を契機として出現して来たことは正しいのですが、それが非平衡非線形効果によって奇跡とは言えないほど高い確率に増幅されて、右左何が起こるかは前もって予測が出来ないが、しかし起こり得べくして起こって来たと言うのが、現在の物理学の認識です。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。とても参考になりました。

私は科学知識がゼロに等しいので、恥ずかしながらイリア・プリゴジンという偉大な科学者とその業績を知りませんでした。

散逸構造の理論は大雑把に言うと、秩序から無秩序に向かっていく過程、要するにバラバラになっていく過程の中で局所、局所にまた新たな秩序が生まれていくことなんですか?(素人な者で的外れな解釈だったらすいません)

すると生命は進化の方向性は予測不可能だけど、その秩序は生成されるべくして生成されていく、と考えていいんですか?

お礼日時:2010/12/09 07:55

>散逸構造の理論は大雑把に言うと、秩序から無秩序に向かっていく過程、要するにバラバラになっていく過程の中で局所、局所にまた新たな秩序が生まれていくことなんですか?



エントロピー増大の法則とも呼ばれる熱力学第二法則を、

「孤立系では秩序から無秩序に向かっていく」

とも表現されるので、貴方のように言うことも間違いではないですが、そういう言い方をすると、この宇宙の中で構造が自発的に出来上がって行く生命現象の本質が見え難くなってしまいます。それよりも、この第二法則は、

「一旦局所的に出来上がった部分系が、外部からいつも偶然にやって来る破壊の要因を蹴散らして、その局所的な構造を安定化する役割をしている」

と考えた方が、この法則の本質を突いています。

実際、例えば貴方自身は高度な構造を持っていますが、外界からいつも何かの力が働いて、その構造を壊そうとされています。例えば、私は貴方の肩に打つかっとしましょう。そのとき、貴方の肩を構成している分子はその衝撃でデタラメな方向に動き出します。その衝撃による運動が、いつまでも続いていたとして、そこにまた他の物が打つかって来たとします。そしてその新たな衝撃をまた分子が運動の増加と言う形で記憶していたとします。このことを、何回か繰り返して行くうちに、もし分子の運動が摩擦や拡散過程等を通して衝突の記憶が失わないでいるとすると、遂には、貴方の肩の分子は貴方から飛び出して行って、貴方はバラバラになってしまいますね。ところがそうならないのは、分子の運動が、その内部の分子の衝突等を通して摩擦が働き、最終的には熱に代わってそのエネルギーが貴方の体から外に出て行ってくれる。だから、分子は外からの衝撃の記憶を忘れることができる。それが、エントロピー増大の法則の役割なのです。

そう捉え直すと、熱力学第二法則は秩序から無秩序へ向かうことを表していると強調するよりも、分子同士の衝突を通した記憶の喪失によって、貴方の秩序を安定に保ってくれるためのメカニズムであると言った方が、この法則を理解する上で本質的になります。

散逸構造の理論は、このようにエントロピー増大の法則、すなわち熱力学第二法則に、全く新しい役割を見付け出した理論なのです。すなわち、この理論が発見される以前では、熱力学第二法則は秩序から無秩序への「破壊の法則」であると考えられていたのですが、この散逸構造の理論の出現によって、今までの認識とは正反対に、熱力学第二法則はこの宇宙に構造が自発的に出来上がって来るために本質的な役割を演じる「創造の法則」であることが解ったのです。

しかし、古い熱力学を勉強した方は、次のように言うかも知れません、

「孰れにしても宇宙全体ではエントロピーが増大しなくてはいけないので、結局はその局所的な構造はいつかは壊れてしまい、宇宙全体が熱死の状態に近づいて行くことを熱力学第二法則は主張しているではないか。だから、この法則は宇宙全体のスケールから考えると、やはり破壊の法則ではないか」

しかし、話しはそんなに簡単ではありません。宇宙全体のスケールで考え始めると、宇宙と比べてずっと小さいスケールでは無視できていた筈の重力が決定的に重要になります。ところが、重力は物理学の中でも大変例外的で特殊な「長距離力」と呼ばれる力なのです。それに対して分子間に働く力は「短距離力」です。ところが長距離力が働くと熱力学の基本的な温度や熱等の量が定義できなくなってしまいます。従って、重力には熱力学が適用できません。

その結果、分子や原子は短距離力による衝突によって、熱死の方向に行こうとするのですが、それを重力が妨げてしまいます。その結果、宇宙全体はいつまでたっても熱死の状態に近づけない熱力学の非平衡状態にいることになります。ですから、重力まで考慮に入れると、宇宙全体は熱力学的には「開放系」であり、閉じた孤立系ではありません。従って、孤立系での熱力学第二法則の役割という言い方は宇宙全体では意味が無くなってしまいます。

そう言う意味でも、近代の非平衡熱力学である散逸構造の理論による、上で紹介した「局所系における創造の法則」としての熱力学第二法則の新しい意味付けは、大変重要な意味付けになっているのです。
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この回答へのお礼

詳しい解説ありがとうございました。とても参考になりました。
エントロピー増大の法則に関する認識を完全に改めさせられました。
今まで破壊の法則としか認識していなかったものが、実は宇宙に自発的な構造をもたらす「創造の法則」としとの側面があったことに感嘆しました。
つまり、生命現象は非平衡開放系のなかで生成されるという事でしょうか…。
今回は勉強になりました。

お礼日時:2010/12/09 23:51

現在生きている全ての生物が、ほぼ同じ遺伝暗号を持つ=


1つのルーツから多様化したと考えられる点で、そうそう生命が
発生する確率が大きいとも言えないように思えます。
とはいえ、化石などから40億年近く前に生物が発生した、即ち
地球が形成された46億年前から、(その後、生命の生存可能な
環境になってから)わずかの時間で生命が発生したと考えられる
ことから、そんなに低い確率の「偶然」でもないように思えます。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。そうですね。ある意味二通りの解釈ができそうです。
もう生命の誕生は「必然的な奇跡」とでも言ったらいいんでしょうか…難しいです。

お礼日時:2010/12/06 15:16

目的を持って・・・・、以外を偶然と定義すれば、偶然でしょう。


話はそれますが、オスとメスの染色体の掛け合わせは、まったく無作為と聞いています。
つまり、その掛け合わせが有利か不利かは全く考慮されないということです。
そして、それは予想できない事態に対処できる可能性を残すためらしいです。
無作為ですから、結果は偶然といえるが、あらゆる可能性を残しているから必然とも・・・・。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。自然界の英智は本当に奥が深いですね。未来の予想出来ない事態に対処するには、無作為がベストだからそういうやり方になっている、とも考えられますよね…。

お礼日時:2010/12/06 08:57

> 生命は色んな元素が混ざったり分解したりの繰り返しが何十億年も続いた結果、偶然生まれたんでしょうか?


私もその通りだと思います。

原始地球の大気や海洋の中で、簡単な分子から生命の元になるアミノ酸などの高分子が合成されることまでは50年以上前から実験で確かめられています。
原始海洋の有機物スープの中で高分子が波にもまれ光をあび海底火山の熱水噴出孔付近で化学反応をしたりと、集合したり離れたりを繰り返している間に、ある日どこかで、自己複製をする分子の複合体が組み合わさり、原始生物へと進化していったのでしょう。

ただ、原始生物が具体的にどんなプロセスで発生したのかについては現在も諸説あるそうです。
それを人間が実験で確かめる(再現する)のは非常に難しいことです。
例えば1本の試験管に1ccの生命の材料の高分子スープを入れて諸条件下で1年間毎日振って混ぜ合わせたとしても、自己複製分子は組み合わさらないでしょう。
1万本の試験管を10年間揺する実験くらいまでは、人間の力でも何とか出来るかも知れませんが、それでも目的の分子が出来上がるかどうか判りません。

しかし、100万本の試験管を100万年間混ぜていたら、そのうちに1個の分子が1回くらいは組み合わさっても不思議ではないように思います。
ましてや実際には、10^24本の試験管(1億本の1億倍の1億倍=10億立方km:地球上の海水総量)分の溶液が数億年間揺すられてきたわけです。
これだけ途方もない量が永年月の間混ざり合っていたら、むしろ1回も組み合わさらない方があり得ないと言う気がしてきます。

肝心なのは「自己複製化」の機能です。
長い年月の間に、地球上のどこか一角でただの1回でも自己複製分子ができ上がれば良いわけです。
それが一旦出来てしまえばあとは勝手にどんどん複製が増えていくからです。

> 人間の様な超複雑な生命体が、元素のランダムな離合集散の繰り返しで偶然生まれるとは信じ難いものがあります。

ANo.1のご回答で紹介されている話は、生命は神が作ったという聖書の記述を盲目的に信ずる人たち(創造説信者)が好んで例に出す、誤った考えですね。
間違えないで頂きたいのは、人間も含む複雑な生命体は1度切りの偶然で生まれたのではないと言うことです。
さまざまな生物は、一番単純な原始生物から30億年程かけて少しづつ進化してきたのです。
人間を含む脊椎動物の直接の先祖から数えても、数億年かけて進化し、少しづつ複雑になっていったのです。

進化についてのこの考え方を理解して頂くために、一つのたとえをしてみます。
カードゲームのポーカーの役をご存じのことと思いますが、例えばストレート・フラッシュ(同じマークのカード5枚で、数が5・6・7・8・9・10のように連続した役)を「偶然」で作ることを考えて見ましょう。
52枚のカードからランダムに5枚を引いて1度でこの役を作れる確率は、言うまでもなく非常に低いです(これはANo.1のご回答の紹介例の考え方です)。

しかしここで次のようなルールを考えて見たらどうでしょう。
最初に引いた5枚の中から、ストレート・フラッシュを作るのには要らない札を1度に1枚づつ、ランダムに引いた場札と交換するのです。実際のポーカーゲームと違い、交換出来る回数に制限は無いものとします。
これを繰り返していれば、ほしい札はやがて手元に揃うことになり、「偶然」の積み重ねで複雑な役がいずれ完成することになります。

もちろんこれではゲームにならないし、進化のメカニズムの説明としても不十分ですが、「偶然」の要素が進化に及ぼす考え方のイメージをつかんでもらえればありがたいです。

詳しくは
 リチャード・ドーキンズ「盲目の時計職人」早川書房、2004
などが参考になるでしょう。
また、下記サイトも参考になると思います。
「われわれは何者か-宇宙・地球・人類-第3部 生命/生命の誕生(1)/1.生命の誕生」
 http://www.s-yamaga.jp/nanimono/seimei/seimeinot …
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。詳しい解説でとても参考になりました。進化論に関する「偶然」の意味の捉え方をもう一度調べ直して吟味してみたいと思います。ご意見ありがとうございました。

お礼日時:2010/12/04 15:03

生命に関係する科学者が求めている事は、「最初の偶然がどのような条件下で起こったか?」という事です。



たんぱく質の自発的な合成や、たんぱく質を次々に作っていく生命の一歩手前の現象は既に確認されています。

遺伝情報が作られてから後の事は次第に明らかになりつつあります。ここでは突然変異(偶然分子が変わる事です)が重要な意味を持っています。突然変異が多く生じても、めったに生じなくても生命の発展はありませんでした。このための環境条件が「偶然」・・例えば恐竜絶滅の隕石とか、大陸の移動とか・・に左右されている部分があるのも当然です。

遺伝子的なものが出来た時が生物の発生だとすれば、まだどういう状況だったかはわかっていませんが、「偶然」(ジェット機の部品と竜巻程の物ではなく)ちょっと違った分子が出来た事で生命が誕生したのだと思います。

6億年前でなければ5億年前には地球上であれば生命が誕生する偶然は起こったと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。ご指摘は参考になりました。私は生命誕生に関わる「偶然」の意味を少し取り違えて考えていたようです。ご意見ありがとうございました。

お礼日時:2010/12/04 14:52

>、何十億年という時間をかければ、どんな奇跡的な偶然も起こり得ると考えるのがやはり正しいのですか?



多分、その通りだと思います。”何十億年”とひとことで仰いますが、私には想像の付かない長い時間です。
それに一年に一回その偶然のチャンスがあるどころか、その時点に存在する個体と連続する時間のべき乗がチャンスになるわけですから、何兆回、いや何億兆回でしょうね(よく分かりませんが)。あらゆる可能性がありうると思います。

>何か目的があって必然的に生命は生まれたんですか?(科学の立場からはこちらの答えは有り得ないとは思いますが…)


それは単に最初のRNAの偶然性が重要なのであって、その後の生物の進化は、かなり論理的(ダーウィニズム)に、必然的に進んできたといえるでしょう。つまり、ある意味擬似的な目的性はあったとも考えられます。でも↓のように分子の海から突然アダムが立ち上がったわけではないのです。段階を踏んで進化は進んできたのです。

>人間の様な超複雑な生命体が、元素のランダムな離合集散の繰り返しで偶然生まれるとは信じ難いものがあります。

つまり

>生命は色んな元素が混ざったり分解したりの繰り返しが何十億年も続いた結果、偶然生まれたんでしょうか?

そういうことだと私は思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。おっしゃる通りだと思います。確かに私は「分子の海からアダムが立ち上がったわけではない」という点に気付いていませんでした。ご意見ありがとうございました。

お礼日時:2010/12/04 14:48

宝くじがあたることってまずないですよね、1等は。


でも、日本国内であれば誰かは当たるわけです。

同じく宇宙でも、何年も何ヶ所で生物合成を試していればそのうち生まれてくるぐらいの確率に宇宙がなっていたと言うことです。
生物は目的があって生まれたとは思えません。

しかし、自分に似たものを複製する物質が出来た時点で進化と言うものが起こります。
性質を変え、より壊れにくいものが残るようになります。

生物自らが地球環境を変えて行くようになれば、進化はもはや必然だったと言えるでしょう。
人間が生まれるのと、生物誕生のメカニズムが違いますので、いっしょにしない方がいいと思います。

真面目に確率計算をしたことはありませんが、事実起こったものはどうしようも無いです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。そうですね。確かに生命が誕生するまでのメカニズムと、進化して人間になるまでのプロセスを私は混同していました。ご意見ありがとうございました。

お礼日時:2010/12/04 14:43

何かの本で読んだのですが、生命の誕生は、あり得ないほどの偶然だったそうです。



どのくらいあり得ないかと言うと・・・・

ジャンボジェットの部品倉庫があったとします。
これが竜巻で巻き上げられ、竜巻が収まったら偶然にもジャンボジェット機が組みあがっていた・・・

というほどの偶然だそうです。
(これも一つの説だろうけど)
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。なるほど、これは一度聞いたら二度と忘れないような分かりやすい例えだと思いました。ご意見ありがとうございました。

お礼日時:2010/12/04 14:39

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